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このページでは、アーケードゲーム『ブラックドラゴン』と、その家庭用アレンジ移植である『ソンソンII』の二つを紹介しています。



ブラックドラゴン

【ぶらっくどらごん】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1987年
プレイ人数 1~2人(交代)
配信 バーチャルコンソールアーケード
2010年9月7日/800Wiiポイント
判定 なし
ポイント 魔界村の血筋を持つ硬派ファンタジーアクション
難易度の高さも魔界村級

概要

  • 1987年にカプコンからリリースされた横スクロールアクションゲーム。当時としては珍しいRPG要素を導入した作品である。
  • 主人公である戦士「ブラックタイガー」を操り、王国を闇に閉ざした黒幕「ブラックドラゴン」を倒すために戦場に赴くというストーリー設定。
  • なお、海外版ゲームタイトルは『BLACK TIGER』(主人公の名前)となっている。これは日本版のタイトルがラスボスを指しているのはネタバレではないのか? という配慮でそうなったらしい。
  • 一人~二人交互プレイ可能、全8ステージ構成。

システム

  • 使用するコントローラーはレバー+2ボタン。ボタンは各、攻撃とジャンプに使用する。
    • 攻撃は近距離用のフレイルと、飛び道具であるダガーを同時に使用する。フレイルは射程制限があるものの攻撃力とリーチが高い。ダガーは攻撃力は低めだが、前方斜めに三方向に投げ、射程が画面端まで届く位に広い。
    • ジャンプ力はボタンの押す長さに関係なく常に同じで、ジャンプ中は一切の方向制御ができない、いわば魔界村、旧悪魔城ドラキュラ形式となっている。但し、向きの変更(攻撃の左右制御)は可能。
      • 垂直ジャンプ中すぐにレバーを左右に入れるとハイジャンプが可能。中盤ステージ以降はこれを操作できないとまともなクリアは不可能である。
    • いたるところに設置されている柱に触れると、それにしがみつく事ができる。しがみつき中の移動は上下移動とジャンプしかできず、通常よりも行動が制限される危険を伴う(しがみつき中の攻撃は可能)。
    • 特定敵の攻撃をもらうと「毒」状態となり、ダガーが投げられなくなってしまう。これを回復するにはSHOP(下記)の解毒剤を購入するか、ミス、もしくはそのステージをクリアする以外に方法はない。
      • また、特定ボスにはこちらの行動を制限してしまう「混乱」攻撃をしてくるやつもいる。これも回復方法は上記と同じである。
  • 道中の所々に壷が置かれており、これを破壊すると何かしらのアイテムが出現する。但し、ときおり罠として敵が紛れ込んでいる場合もある。
    • 同じく道中には宝箱が置かれている。これは所持アイテムの「鍵」を一つ消費して開ける事が可能だが、これまた罠として火柱が周囲に発生する場合もあるので、開ける時には注意が必要である。
    • さらには道中にて石化している老人が放置されており、それに触れる(救出する)と様々な恩恵を受ける事ができる。主な恩恵としては、アイテムがもらえる、SHOP(店)を開いてくれる、攻略のヒントをくれる、といったところ。ちなみに、老人救出では罠にかかるようなマイナス効果は一切ないが、何もくれない老人も存在する。
    • 道中にて、そのまま普通にアイテムが放置されている場合もある。また、雑魚敵を倒すとSHOPの購入に必要な通貨「ゼニー」を落とす。
  • 一見何の変哲もない壁を攻撃すると破壊でき、そこから隠しアイテムが出現する場合がある。また、アイテムが多めに置かれている隠し部屋もあり、そこを経過すれば戦況を有利にしやすくなる。
  • このゲームにはスコアエクステンドといったものは存在しない。その代わりに特定スコアを稼ぐと主人公の最大バイタリティ(ライフ)数が増す。いわば、RPGで例えるならばスコアは経験値を兼ねた存在といったところか。
  • 出現アイテムは以下の通り。
    • 「ゼニー」…SHOPでアイテムを購入するのに必要な通貨。入手手段、通貨種類は複数存在する。
    • 「鍵」…宝箱を開けるのに必要なアイテムで複数ストックが可能。道中とSHOP購入の両方にて入手可能。
    • 「砂時計」…制限時間を30秒伸ばす。道中で入手可能。
    • 「命の水」…主人公のバイタリティが全快する。道中で入手可能。
    • 「フレイル強化」…SHOPでのみ入手可能で4種類存在する。フレイルの基本攻撃力を強化する効果があり、売価が高い程攻撃力も高くなる。
      • 強いフレイルを購入すると、それよりも弱いフレイルは自動的に購入できなくなり、前持っていたフレイルは消滅してしまう(このゲームはアイテムの売却はできない)。また、購入したフレイルの効果はミスやコンティニューをしても効果が続く。なお、もう一つの武器であるダガーは一切パワーアップできない。
    • 「アーマー強化」…SHOPでのみ入手可能で4種類存在する。主人公のダメージを防いでくれるアーマーの耐久力を増やすことができ、売価が高い程耐久力も高くなる。
      • フレイル同様、強いアーマーを購入するとそれよりも弱いアーマーは購入できなくなり、前に持っていたアーマーは消滅してしまう。現在の耐久力に応じて購入できるアーマーが変化する。
    • 「解毒薬」…SHOPのみで入手可能。上記の毒攻撃、混乱攻撃を回復する効果がある。複数ストックが可能で、攻撃をもらうと、自動的に効力を発揮する。
    • その他にも特殊な効果を持つ隠しアイテムが存在する。
  • 残機+ライフ制の戻り復活。ミス条件は主人公のバイタリティが0になる、穴に落ちたり即死トラップにかかる、指定された制限時間が0になる、のいずれか。
    • このゲームでは主人公がアーマーを装備した状態でスタートする。一定のダメージを受けるとアーマーが剥がれて裸になり(アーマー装備中はバイタリティは減らない)、裸状態でダメージを受けるとバイタリティが減少してしまう。アーマーは上記で示したアーマー強化などで耐久度を上げる事が可能である。
    • また、ミスしたり、アーマーが剥がれた状態でステージクリアした場合は、次のスタート時に初期のアーマー装備に戻る。これもまた魔界村形式である。

評価点

  • 魔界村のような歯ごたえのある難易度
    • あちらと同じく、ひたすらやり込んで上達していくという調整が本作にも見られる。
    • カプコンのアーケードゲームの中では割とマイナーな存在であると思われるが、「洋風ファンタジーな世界が舞台」「任意型横スクロールアクション」「ジャンプ中の制御ができない」「アーマー状態でダメージを受けると裸になってしまう」といった要素からして、『魔界村』の血筋を継いだ存在と解釈する傾向が強い。
      • 敵の中にはレッドアリーマーに類似したものも登場する。トリッキーな動きや、攻撃の仕方もあれにそっくりである。
      • もちろん、あくまでシステムなどに共通点があるだけで、特に公式での魔界村シリーズとの接点は存在しない。また、魔界村よりはコミカルさの少ない硬派でかっこいい画調で描かれているので、雰囲気的にはさほど似ている訳ではない模様。
  • カプコンのアーケード作で初めて「買い物」の概念を導入したゲームでもある。
    • 本作自体の買い物は終始アイテム固定で自由度が高いとはいえないが、『ロストワールド』などの後のカプコン製のショップ方式のゲームでは、買い物の種類が増え、買う楽しみが強化される事となる。
    • カプコンのゲームで多く使われている「ゼニー」という通貨が登場したのもこの作品。

問題点

  • 主人公の操作がやや小回りが利きにくい上に、序盤ステージから初見殺しが多く、ステージを進むといやらしい敵の猛攻が待ち構えている。こういう作風であるが故に、馴染めない人にはとことん相性が合わない恐れもある作品であった。
    • "急いでいたら突然人食い花みたいな敵が噛みついてきた"”思い切って穴を飛び越えた予備知識のないプレイヤーの頭上に、ドリフのコントの如く石が落ちてきてダメージ”は最早お約束である。そしてこのお約束みたいな場面が非常に多い。罠や敵の出現ポイントを頭に叩き込み、不意打ちに備えることが重要である。
    • 各ステージはやや迷路気味な構造になっており、適当に進もうものなら迷い果てた挙句制限時間オーバーなんて状況が普通にあり得る。但し、道中には進むべき矢印がある程度表示され、どこに進めばいいのかという目安はなされている。
  • 敵や罠の種類が非常に少なく、先に進んでも外観の変化に乏しい。
    • ステージ2ボスはステージ1ボスを二倍増しにしただけ。しかも前ステージのボスだった敵が、後の雑魚として普通に登場するなど、相当なる使い回しが目立つ内容となっている。
      • グラフィックの書き込みは繊細ではあるが、当時の基準で見るとちょっと地味で目立たない節はある。
    • 一応は、マンネリ化を感じさせないように、各ステージの構造に変化をつけた練り込みが窺える部分もある。
    • また各ステージの道中BGMも、一つの曲を各ステージ毎にアレンジしたものとなっている。
  • 出現するアイテムにゆらぎが大きく、砂時計が中々出ずにタイムアップになる事が多い。
  • 敵やボスの防御力は高く、後半のステージになるほど稼ぎ前提のバランスとなる為、テンポが削がれる。
  • 岩石を食らうと最高位のアーマーだろうが一撃ではがされる(裸の場合は即死)という凶悪さであり、高い鎧を買った直後に岩の直撃を受けると非常に萎える。

総評

魔界村同様死んで覚えろを地でいくゲームだが、そちらと比較するとパワーアップや鎧の耐久力があるため、やりこめばクリアできる良心的な難易度。憶えゲーの要素が強くパターン化しやすい為やりこめばワンコインクリアはそう難しくない。
ややマイナーであることは否定できないが、魔界村を筆頭とした「カプコンならではの」挑戦的でやりがいのある存在といえるだろう。


その後の展開

  • バーチャルコンソールが配信されるまでは、国内ソフトとしては「ブラックドラゴン」名義での一切の家庭用移植はされていなかった。下記の『ソンソンII』も移植というよりはほとんど新規アレンジの粋であり、完全移植には恵まれないタイトルであった。
    • 国外ソフトとしては、プレイステーション・ポータブルの『CAPCON CLASSICS COLLECTION Remixed』の一つとして収録されている(すべて国外版収録なのでゲームタイトルは「BLACK TIGER」であるが)。リージョンコードが設定されていない関係上、国産のPSP本体でもプレイ可能である。
    • 2013年2月、PS3/Xbox360にてカプコンアーケード作品を多数収録したソフト『カプコンアーケードキャビネット』の1タイトルとして移植された。ソフト自体が無料な上、PS3版はなんと本作に限り完全無料でプレイ可能。従来のアーケード筐体を再現できるような細かな画面設定、難易度を落としプレイヤーも強い状態で始められる「カジュアルモード」も搭載されており、非常に充実した内容になっている。
      • Xbox360版に関しては体験版という位置づけの為、コンティニューのみが不可能となっている。本作を含めた追加タイトルのパックを購入することで完全版となる。

余談

  • 本作に登場する敵の「ドラゴンナイト」は同社の「ザ・キングオブドラゴンズ」で「グレートドラゴニアン」という名前でボスとして登場している。

ソンソンII

【そんそんつー】

ジャンル アクション

対応機種 PCエンジン
メディア 3MbitHuカード
発売元 NECアベニュー
開発元 カプコン
発売日 1989年1月27日
定価 5,400円
判定 なし
ポイント ソンソンの続編にして、ブラックドラゴンのアレンジ移植
ゲーム自体はなかなかの出来

概要(ソンソンII)

  • カプコン初期のアーケード作『ソンソン』の続編であり、アーケードや他ハードでは一切存在しないPCエンジンオリジナル続編、そして、ブラックドラゴン(以下原作)のアレンジ移植でもあるという複雑な位置付けのソフトにあたる。
  • NECアベニューがPCエンジンにてリリースしたソフト第3弾(第1・2弾は『ファンタジーゾーン』『スペースハリアー』)。また、初のオリジナルタイトルとされるが、厳密にいえば完全なるオリジナルではない(本当の意味でのオリジナルソフトは本作の翌年にリリースされた『ダウンロード』)。

ブラックドラゴンとの相違点

  • 一人プレイ専用。主人公はソンソンであり、牛魔王にさらわれたファミリーを助ける為に冒険に出るというストーリー設定。なお、前作の2P側だったトントン(猪八戒)はさらわれる側になっており、プレイヤーとしての操作はできない。
    • ゲーム説明書では主人公の名が「ソンソン」となっているが、ゲーム中では何故か「孫悟空」と呼ばれるという矛盾がある。
  • 基本システムは原作同様だが、敵やステージの構造などが一新されており、移植の面でみればほぼ別ゲーと化している。また、ステージ数は全7ステージとなっている。
  • ソンソンのメイン攻撃は如意棒(原作でいうところのフレイル)のみで、ダガーに該当する攻撃は消滅した。その代わりに専用ゲージを消費して強力な技が出せる魔法攻撃が追加された。魔法攻撃はSHOPにていくつかの種類が購入でき、ゲーム中にポーズをかけて持っている魔法攻撃の選択が可能となっている。
  • 原作でいうところの老人は、お姉さん(主にSHOPとステージの情報担当)、トントンと沙悟浄(主にアイテム渡し&プレイの助言担当、SHOPもあり)に差し替えられた。また、原作の老人よりもこれらの配置数が減っている。
  • 原作の宝箱はなくなり、代わりに鍵のかかった扉が追加された。アイテムが入っているだけの宝箱とは違い、扉はクリアする上で避けられない通過点であり、鍵共々に配置数が激減している。
  • 壁を破壊するには「怪力手袋」というアイテムが必要になった。SHOPで購入するほか、道中で拾得することも可能。手袋は複数回壁を壊すと消滅する消耗品であり、ゲーム中には何度も入手しないといけない場面がある。
  • コンティニューするには、ゲームオーバー前にSHOPにて「ランプ」を購入、ストックする必要がある。これがないとコンティニューは一切できない。
  • その他にも、かなりの相違点があるが、ここでは割愛させて頂く。

総評(ソンソンII)

アレンジされたとはいえ、原作の面白さは損なわれておらず、移植にこだわらなければ普通に楽しめる佳作としての評価を得ている。
但し、迷いやすいステージの迷路構造や、パターンを覚えないとクリアが困難なところまで原作に忠実であり、短時間でプレイするにはあまり向いていない。当時のPCEソフトの中でも難易度が厳しい部類のソフトとして知られており、そんな面まで原作を尊重している。
当然ながら、『ソンソン』とは完全に違うゲームなので、『ソンソン』の正当なる続編としては期待してはいけない。

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最終更新:1970年01月01日 09:00