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デゼニランド

【でぜにらんど】

ジャンル ADV
対応機種 MZ-1500、X1、PC-6001mkII、PC-8801
PC-9801、FM-7、MSX、MB-S1
発売・開発元 ハドソン
発売日 1983年9月
定価 カセットテープ:4,800円
FD:6,800円
判定 バカゲー
ポイント 名前からしてマズい
今なら発売不可のなんか違う夢の国
十字架と柱に泣かされたプレイヤーは数知れず


概要

千葉県にある某夢と魔法の王国をモチーフにしたコマンド入力型ADV。
タイトルの通り、パロディ溢れるギャグタッチのシナリオなのだが、ストーリー設定周りからしていろいろと危険であり、今となっては世に名前を出すことさえはばかられるであろう代物に仕上がっている。
当時としては描画速度がなかなか速く、ボリュームもかなりのものであり、「オールマシン語による高速画面表示」「総画面数100画面以上」が宣伝文句だった。


ストーリー

埼玉県の宿敵、千葉県に対抗するため*1、埼玉県知事の岡田ダメ男は巨大遊園地「デゼニランド」の建設を計画する。
そのために大地主であった三月氏を暗殺し、土地を強奪した。
しばらくしてデゼニランドは完成する。次にその関連施設を建設するが、その最中三月家の宝、純金の臼「三月磨臼(みつきまうす*2)」を発見した。そして知事岡田はそれをデゼニランドに隠してしまう。
しかしその後、岡田もまた、皮肉にも自ら雇った暗殺者の手にかかり死んでしまう(実は今際の際の三月氏から宝を狙う者を始末して欲しいとの遺言を託されていたのである)
やがて三月磨臼は、その存在だけ匂わせて噂となる。その噂を聞きつけた連中が、デゼニランドの宝を探すが、岡田の罠にかかり生きて帰るものはいなかった。
そしてまた新たに一人。その噂を聞きつけ、デゼニランドへ足を進める者がいた。


システム

  • システムは当時一般的だった、コマンド入力式。ゲーム内容も当時よくあった宝探しもの。
    • ただし入力は日本語ではなく英語。移動など一部のコマンドはキーに割り当てられている。
      • 当時、日本語入力は確立しておらず、日本語を入れるのは少々やっかいだった。そのため英語入力としたという。だがそのため国産ゲームであるにもかかわらず、和英辞典を片手にプレイしなければ小中学生程度の英語力では厳しいものがあった*3

評価点とバカ要素

  • ボリュームはかなり多く、それをアピールポイントにしていた。
  • 「コレジャナイ」に溢れているアトラクションの数々。
    • 瀬戸内海の海賊、ジャングルクローズ、ホラマンション、スペースリバー…。何をモチーフにしているかはだいたい想像がつくと思われる。しかし中身は当然、違う。
      • 瀬戸内海の海賊は、瀬戸内海なのに西洋風。ジャングルクローズは生き物がいっぱいで、人食いライオンや毒蛇すらいる。ホラマンションでは本当に血を見るハメに。スペースリバーには何故か桃太郎が。
    • アトラクションの特徴はよく出ており、遊園地気分を味わえる。また当時としてはボリュームが多い点も、アトラクションの印象を強くしていた。
    • 一方、キャラクターのパロディは、三月磨臼くらいだったりする。
  • 何か変な展開の話。
  • 描画速度が当時としては速かった。
    • 当時絵を表示するのに、枠線を一本ずつ描いて、その後色をつけるという描写方が多かった。この線を描くのが非常に速かった。
  • 絵を非表示にでき、それまで入力した言葉が分かる。
    • 絵を非表示にする事で、1画面分の過去の入力が表示され、確認できる。コマンド入力式は何度も試行錯誤するため、前入力した言葉や、表示された情報が分かるのはありがたい。

問題点

  • コマンド入力式にありがちな文字探しがやっかい。
    • 登録されている文字数が少なく、特定の単語しか対応しない場合も多い。
    • 同じ意味でも、単語が違えば当然受け付けない。おかげで頭をひねる必要がある。なぞなぞでも解いているかのようなひらめきが必要。むしろそれをワザと仕組んでいるような謎解きもある。
      • 特に十字架を棺桶に「はめる」シーンや、柱の中に隠された三月磨臼を取り出すシーンは、当時のパソコン雑誌に「答え(単語)を教えてくれ」という内容の投稿が大量にあったほど。 ちなみに柱のシーンは宝の名前がヒントだったりする。
      • 描画はマシン語だが、メインプログラムはBASICなので、プログラムを覗いて答えを探したと言う人も。
    • 一部の謎解きは、失敗すると回答をもらえるものもある。もちろんそういった謎解きは少ない。
  • 前半の店での買物次第で後半でクリア不可能に陥る。何を買っておけば良いかのヒントはほぼ無い。
    • もっとも、初見クリアが不可能なだけでフラグが見える分だけマシなのかもしれない。セーブデータが役立たずになり最初からやり直しになるのは変わらないが。

総評

当時の典型的な宝探しタイプのADV。ただし、そのコンセプトは開園したばかりの夢の国のパロディという、ある意味勇者の送り出したゲーム。
こんなスタンスのゲームだが、描画速度を上げたり大ボリュームにするなど、なかなかの力の入れよう。各アトラクションの特徴もよく出ており、変なものばかりだが遊園地を巡っている気分は味わえた。
一方でADVの主たる謎解きは厳しいものがいくつかあり、独力で解くのは頭の柔らかさが相当必要。もっともこの程度の理不尽さは当時のADVでは一般的であった。おバカな空気のあるADVだが、パロディでは収まらない力作。



余談

  • 宣伝文句の総画面数は今で言う差分を含んだもの*5であり、実質的な画面数はその半分程度である。翌年にはエニックスの『暗黒城』が同様の計算で「総画面数460」(実際は9割方差分)と宣伝しており、(現代ではともかく)当時としては一般的な表記ではあった。
    • 容量の関係かMSX特有の色滲み*6を嫌ってか単純に移植費削減か、他の機種はカラーなのに対し、MSX版のみは線画で色が付いていない。更に解像度の関係*7からか、ダフ屋の所の謎解きが他機種と違う(ただし他機種の解答も使えるので答が二つに増えている事に)。なお後述の『デゼニワールド』のMSX版は無い。
  • パッケージはサスペンス系のゲーム(まるで「デゼニランド殺人事件」みたいな)を思わせるようなデザインで、実際のゲーム内容と噛み合っていない。
    • なお岡田ダメ男の死因は一切明かされない。と言うか本編では一切無視。
  • 続編として『デゼニワールド』(1986年発売)が存在する。
    • 前作で 三月磨臼 の獲得に成功したデゼニマン*8となり、デゼニランドを超える遊園地として名古屋に建設されたデゼニワールド*9を支配するコンピューター「HAL3」*10の暴走を食い止めるというストーリー。
    • パロディ具合は相変わらずだが、ゲーム内での演出やストーリー性は前作よりも高められており、グラフィックも向上している。
  • 家庭用には移植されていない。もっともファミコン初のアドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』が1985年なので*11
    • サラダの国のトマト姫』は移植されているのにサラトマより新しい『デゼニワールド』が移植されていない事を考えると、国民機であるFCで出すにはやはり危険すぎたのだろうか?
    • 同社の『桃太郎電鉄』に物件として名前だけ登場している。FCでの出番はせいぜいこのくらい。
    • デゼニマンはFC版『ボンバーマン』に隠しアイテムの役で出ている。最高得点+最高難度。

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最終更新:1970年01月01日 09:00