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テラクレスタ

【てらくれすた】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 日本物産
稼働開始日 1985年11月
判定 良作


概要

システム

  • 自機はショットボタンで3連射まで可能なショットを撃つ。対地対空の撃ち分けは必要ない(例外的にエプシロン号のバリアは地上物に対する攻撃力が無い)。
    • 基本的に自機と接触判定のある地形は無いが、地上物の中にはショットを通さない障害物がある。
  • 道中の決まった場所に格納庫が出現し、周りにある番号が書かれた施設((番号-1)個ある)を破壊するとパーツが出現。接触すると合体する。
    • パーツは全4種類。既に合体しているパーツの格納庫は登場しない。なおこれは違う番号の格納庫が出現するわけではなく、格納庫自体が出現しない。
      • 内訳は、自機のアルファ号、弾の判定が横に広がるベータ号*1、後方に射撃できるようになるガンマ号、攻撃力の高い貫通弾を放てるデルタ号*2、背後に攻撃力のあるバリアを張るエプシロン号。余談だが食玩ではδαβεと前後に合体したうえで下方にγ号が合体している(ゲームではγが下というのは判らない)。
      • 合体すると移動速度が減少、当たり判定も巨大化する。
      • 合体中に被弾すると5機合体時はデルタ号とエプシロン号、2~4機合体の場合は全てのパーツを失うが、自機は無事である。
      • 5機合体を達成すると一定時間、全身に攻撃判定を持つ無敵状態の「火の鳥」になる。ただしその間はベータ号のショットしか撃てない。
    • パーツと合体中にフォーメーションボタンを押すとパーツが分離し、一定時間攻撃力が高く広範囲攻撃が可能なフォーメーション攻撃を行う。なおフォーメーション攻撃以外では壊せないものもある*3。フォーメーション中のパーツは無敵だが、自機であるアルファ号が被弾するとパーツ数関係無しにミスとなる。
      • フォーメーション攻撃を使用すると画面下部にあるFマークが一つ減少する。Fマークはパーツと合体する度に3つに補充される*4。合体以外に補充方法が無いため、5機合体時に使い切った場合はわざとパーツを失なった上で再合体しない限り使用不可。
      • 合体数によってフォーメーションと攻撃方法が変わる。パーツの種類は問わないので全4種類である*5。フォーメーション中の自機は通常弾を発射する。
      • 5機フォーメーション終了後の再合体では火の鳥にはならない。4機フォーメーション中に5機目と合体した場合はフォーメーション終了と同時に火の鳥になる。
  • Wikipediaの情報によると全16ステージ構成らしいが、ステージクリアの表示がなく常時シームレスでゲームが進行するので、実質は1ステージ構成といえる。尤もそれを言ったら『ゼビウス』もそうだが(こちらも全16ステージとされている)。
    • ミスした場合の復帰地点は決まっているので、そこで区切ると16ステージと言う意味だろう。ゼビウスの復帰地点は森の上だったが本作では海上である。
      • ミスのタイミングによってはとんでもない位置の復帰地点へ飛ばされる。
    • 決まった位置まで進むとボスが出現する。ボスは一定時間内に倒せないと逃亡する。
  • 敵本体や敵弾に当たるとミスになり、上記の通りミス後は戻り復活。残機が無くなるとゲームオーバーで、コンティニューは無い。
  • 決まった位置で支援兵器(?)が降下して来る。これにショットを当てると画面内の敵を貫通する6方向分裂弾になる。自機で取るパワーアップアイテムではない。
  • 各空中物の出現エリアはマップ中で決まっているが、出現座標はランダム。地上物は定位置に出現する。

評価点

  • 当時の縦シューティングとしては突出したオリジナリティのあるシステムが話題を呼んだ。
  • さすがに『グラディウス』といった大作には見劣りするが、1985年当時としてはハイクオリティで完成度の高いグラフィックは注目を集めた。
    • 突如雄たけびを上げ炎を噴き出す恐竜等、演出面でもなかなかに凝った物がある。
    • 吉田健志氏の手がけた「テラクレスタのテーマ」はニチブツサウンドの代表格と言われるほど。ハイテンポで印象的。
      • 戻り復活時のBGMは残機ゼロ時に限りムーンクレスタのイントロのアレンジに変わる。この「最後の1機になると再スタート時のBGMが変わる」要素は『マグマックス』で初採用されたものだが、本作でも採用されたことから以後のニチブツ作品の定番要素となった。*6
    • フォーメーション攻撃の攻撃範囲は幅広く、フォーメーション展開中はかなりオフェンシブな攻略ができるが、通常時は敵の攻撃が変則的で陰湿。難易度はやや高いが、その弾の応酬はなかなかに心地よい。

問題点

  • 自弾の連射性が独特。
    • どれだけ頑張って連射しても1発目と2発目の間(あいだ)に妙な間(ま)が空くため、連なって出現する雑魚などに対処しにくい。
  • 2機合体時のパーツとのフォーメーションでは自機を見失い易い。
    • 自機が画面の左右どちらにいるかで分離方向が変わるため、慣れるしかない。また、自機はパーツのある方へ進めるがパーツは自機の方へ寄って来ないので、分離の仕方によっては左右の画面端近くに障害物がある場合に困る事がある。
  • 空中物の移動速度がやたら速い。
    • 更に動きが変則的な上に敵編隊が自機の位置によって出現位置が変わるという性質*7に加えて、しっかり弾も撃って来るのに対して自機の前後の移動速度が非常に遅いのもあってミス後の復活はなかなか辛い。

総評

 ニチブツの傑作STG。シンプルな縦STGに同社伝統の合体パワーアップ要素と、フォーメーションと言うアイデアを取り入れたことで、突出したゲーム性を生み出している。円運動を主軸とした敵の動きは陰湿で、不慣れなシューターには難しいものの、フォーメーションを駆使して力押しをすると言う根本的な攻略法にさえ気付いてしまえば、撃ちまくり壊しまくりで爽快感と攻略を両立したゲームバランスは、触るのも楽しい攻略するのも楽しいと言う代物になっている。
 一方で、本作のヒットを受けてニチブツは『UFOロボ ダンガー』『アームドF』のように「合体STG」「フォーメーションSTG」に異様なこだわりを見せるようになり、ニチブツSTGの多様性を奪っていったと見ることもできなくもない。*8


移植

  • ファミリーコンピュータ版(1986年9月27日発売、日本物産)
    • ハードの制約上ボス戦の背景が真っ黒になるなど変更点はあるが、5機揃った時のフォーメーション(各機の位置と弾の発射方向)を自由に編集出来る「DESIGN」モードが最大の特徴。
  • X68000版(1992年11月20日、電波新聞社)
    • 同社の「ビデオゲームアンソロジー」シリーズの第1弾。『ムーンクレスタ』とのカップリング移植。
    • ゲームの選択方法が一風変わっており、本体FDDのドライブ0から起動すれば本作が、ドライブ1から起動すれば『ムーンクレスタ』が立ち上がるという方式を取っている*9
    • 移植に関しては、後の「ゲームのるつぼ」の面々が担当しているだけあり、再現度に関してはほぼACに限りなく近い出来。HELPキーを押しながら起動することで縦画面のような縮尺にもすることができる。
    • BGMもYM2203版、YM3526版両方が収録されている。更に同シリーズで出た『クレイジークライマー1/2』と合わせて起動するとサントラにのみ収録された「USA CDバージョン」が追加される。
  • プレイステーション2版(2005年10月27日発売、ハムスター)
    • 「オレたちゲーセン族」シリーズ第2弾のうちの1作として発売。
    • 音源(余談参照)はYM2203版のみの収録。
  • プレイステーション4版(2014年11月20日発売)
  • Nintendo Switch版(2018年5月10日発売、どちらもハムスター、税込823円)
    • 「アーケードアーカイブス」シリーズの1作品として配信。
    • PS4版の音源は当初プレイステーション2版と同じくYM2203版のみだったが、後に行われたアップデートによりYM3526音源版も収録された。
      • Switch版には更にYM3526音源版のバージョン違いが追加されている。
      • 後述の『ソルクレスタ』の配信開始日である2022年2月22日にPS4版もSwitch版と同仕様にアップデートされた。

余談

  • 基板のバージョンによって、音源ICがYM2203のものとYM3526のものがある。
    • これは当時国内外でヒットしたため基板を増産したがYM3526が不足したことで、やむを得ず代替としてYM2203を使用したため。
    • YM2203バージョンでは、SSG音源がBGM、FM音源がSEで使用されている。そのためBGMがYM3526とYM2203でかなり異なっている。
  • 2020年4月1日、プラチナゲームズが本作に続く新作『ソルクレスタ』に関するエイプリルフールネタを公開した。(動画
    • 2021年4月1日に再び動画が公開され、今度は本当に開発していると発表された。
      • 対応機種はPS4、Switch、PC(steam)で、2022年2月22日配信が開始された。*10そして同作に合わせて、『ムーンクレスタ』~本作~『ソルクレスタ』の時系列順による同じ世界観の「クレスタサーガ」シリーズとして設定が再構築された。
  • MSX2版の発売が予定されていて、開発中画面がMSX専門誌や販促ビデオで紹介されたがお蔵入りになった。
  • カバヤ食品からプラモデルのおまけ付きピーナッツチョコが発売されていた。
    • おまけは自機5種類、ボス敵3種類の全8種類。自機はちゃんと合体可能。
    • FCに移植されているわけでもなく、版権物でもないゲームの食玩が発売されるのは異例とも言える。

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最終更新:1970年01月01日 09:00