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この記事では、PS用ゲーム『チョコボコレクション』に収録されている作品『ダイスDEチョコボ』と、そのGBA移植版『チョコボランド A Game Of Dice』を扱っています。



チョコボコレクション / ダイスDEチョコボ

【ちょこぼこれくしょん / だいすでちょこぼ】

ジャンル ボードゲーム
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対応機種 プレイステーション
販売元 スクウェア
開発元 ミッシングリンク(現・電遊社)
発売日 1999年12月22日
定価 7,800円(『チョコボコレクション』の価格)
配信 ゲームアーカイブス(単品):2008年7月23日/600円
判定 なし
ポイント コレクション3本のうちの1本
チョコボのモノポリー型ボードゲーム
模倣も多いがオリジナル要素もしっかりある
堅実な作り、一方で派手さには欠ける
ファイナルファンタジーシリーズ

概要

チョコボ10周年記念作品『チョコボコレクション』に『チョコボレーシング』及び『チョコボスタリオン』とセットで収録された作品。
チョコボシリーズのキャラクターを使った、『いただきストリート』(いたスト)などと同様のモノポリー型ボードゲーム。
ダイスDEチョコボ』というタイトルは、FFシリーズ各作品におけるチョコボのテーマが、当時慣例的に「○○DEチョコボ」となっていたことから付けられた名称である。

当時、『レーシング』と『スタリオン(本作と同時発売)』は単体でも発売されたが、この『ダイス』だけは『チョコボコレクション』限定のオリジナル作品だった。
同時収録された『レーシング』と『スタリオン』については単品版の内容と全く同じで、説明書やCD盤面のイラストが異なるのみである。
結局、『ダイス』単品でのディスク販売はされなかったが、現在はゲームアーカイブスで『ダイス』単体での販売が行われている。

なお、「電遊社」の公式サイトにて本作が開発ゲームのひとつとして紹介されているが、これはミッシングリンクのゲーム開発部門が2002年に分社した電遊社へと移管されたため。


ルール

●基本ルール

  • お金にあたるクリスタルポイント(CP)を一定以上貯め、スタート地点に戻って来たプレイヤーが勝利となる。
    • CPはスタート地点への帰還報酬で貰えるほか、自分の土地へ止まった他のプレイヤーから奪うことでも入手できる。
  • マップには「土地」が多数置かれており、空いた土地に止まってCPを払うことで買うことができる。
    • 自分の土地に他のプレイヤーが止まった場合は、そのプレイヤーからCPを徴収できる。
    • 自分の土地に止まった際は、任意の自分のマスをCPを消費して「増資」することができる。増資すると、CPの徴収額が投入量に応じて増える。
    • 土地はいくつかの土地を1単位とする「エリア」に分かれており、エリア全ての土地を全て自分のものにすると、「独占」となる。
      • 独占すると、そのエリアの徴収額が増えるほか、増資限度額も大幅に増える。
    • 他のプレイヤーの土地に止まった際は、CPを取られた後にCPを払ってそのマスを「乗っ取る」こともできる。
  • CPがマイナスになった場合、自分の土地を選択して売っていき、プラスに戻さなければならない。
    • 全ての土地を売ってなおマイナスだった場合でも、そのままマイナスになった状態でゲームは続行される(破産による勝負の決着はない)。
      • 決着は ゴール条件を満たしたプレイヤーがチェックポイントを通過してゴールを通過または停止 したら。
  • マップには4色の「チェッククリスタル」マスがあり、これらを通過してスタート地点に戻ってくることで、土地の所持状況に応じたCPが貰える。
    • 『いたスト』などとは違い、全てのチェッククリスタルを通る必要はなく、1つでも通っていればCPは貰える。
      • ただし、通過していないクリスタルがある場合、貰えるCPは未通過1つにつき全体の1/4ずつ減額されてしまう。
    • スタート地点を通過した場合、またはチェッククリスタルマスにピッタリ止まった場合は、任意の土地の増資や後述の友達魔石の召喚(購入)ができる。
    • 著しく負けている状況では、スタートに戻った際や魔石屋に止まった際にCPやチェッククリスタルなどが救済措置として貰える。

●「魔石」関係のルール

  • 土地はCPを持っているだけでは買えず、「友達魔石」が必要になる。
    • 友達魔石とはモンスターなどの宿った魔石であり、土地を買うには友達魔石を消費してモンスターにそのマスを守備させなければならない。
      • カルドセプト』に似ているが、あちらのような戦闘要素はない。
    • 友達魔石を配置した際は、そのマスの徴収額に友達魔石に設定されたアップ率分の補正がかかる。
    • 友達魔石はそれぞれ特殊効果を持っており、「自分(相手)が止まる」「自分が増資される」など特定のタイミングで発動する。
    • 自分のマスに止まった際は、増資のほかそのマスに友達魔石を追加することも可能。徴収額のアップ率はその分上乗せされる。
    • 乗っ取りの際も友達魔石が必要。現在の徴収額アップ率を越えるように、友達魔石を消費しないと乗っ取れない。
      • 例えばカーバンクル(18%)1個のマスをヘッジホッグ(12%)で乗っ取ろうと思ったら、2個消費(12×2=24%)して18%を越える必要がある。
  • 攻撃手段として、「攻撃魔石」が存在する。
    • 攻撃魔石はマップにあるショップマスを通過した際、CPで購入可能。全部で7種類ある。
    • ダイスを振る前に特定のマスを指定して使うことができ、そのマスにいるプレイヤーに特定の状態異常を及ぼす。
      • キャラクターによっては、特定の状態異常に耐性を持っているものも存在する。
    • 「攻撃」魔石という名の通り基本的には相手を指定して妨害に使うが、「ワイルドラット」の「加速」*1は自分に使って支援するのがメインの使い方である。
    • 攻撃魔石で攻撃を受けた際は、攻撃される側のプレイヤーが同じ攻撃魔石を持っていれば、それを1個自動消費して相殺され効果が無効になる。
      • たとえばワームの魔石を持っているプレイヤーに同じワームで攻撃を仕掛けると、仕掛けられた側の持つワームが攻撃をブロックし消滅する。
      • ただし、これは自分に使った場合も同じ。ワイルドラットを2個持っているプレイヤーが自分に使った場合、もう1個の魔石を消費して無効にするため2個とも無駄になってしまう。
      • これを逆用し、厄介な攻撃魔石を持っているプレイヤーに同じ攻撃魔石で攻撃を先に仕掛けて手持ちから消し去らせてしまうことも可能。
    • 攻撃魔石はプレイヤーだけでなく、そのマスに置かれている友達魔石にも状態異常を与える。
      • 他のプレイヤーが持つ、止まると大量のCPを取られるマスに対して使い、自分が止まってもCPを奪われないようにすることもできる。
      • 変わったところでは、マスに「混乱」の状態異常を与えれば、持ち主からCPを徴収させることができる。

●ゲーム進行

  • ストーリーモードでは、順番にステージを回ってCPUとの対戦を行っていく。
    • 最初のプレイでは1対1で目標CPも少ないが、徐々にプレイヤー数が増えマップ規模や目標CPも大きくなる。
  • 一度クリアしたステージを再度プレイして大差で勝利すると、対戦キャラや攻撃魔石のモンスターが友達魔石として貰える。
    • 最大で同じステージで三勝する必要もあり、リプレイ性も。
  • 本編終了後の隠しステージもある。
    • ひとつは、『FF5』でおなじみの「神龍」「オメガ」と対戦できるステージ「いにしえの遺跡」。
    • もうひとつは、全100面ものオリジナルステージに挑戦できるステージ「隠された闘技場」。
      • ここでクリアしたステージは、対人用のフリープレイでのステージとして追加される。

評価点

  • モノポリー型ゲームを下敷きにしているため、基礎的な部分での楽しさを十分備えている。
    • 自分の土地を守りながら育て、高額になった後に相手が踏んでくれるという基本の流れだけでもそこそこ楽しい。
  • 友達魔石はうまく使うとコンボにできるものも多く、選択に工夫しがいがある。
    • 「強制的に次の出目を○にする」効果で徴収額の高いマスに止まらせる、「進行方向を変える」効果でチェッククリスタル収集を妨害するなど。
    • 数はたくさん揃っており、最終的には30種類以上が使えるようになる。ストーリー上で入手すれば対戦でも自由に使用可能。
  • 徴収額の高い恐いマスを攻撃魔石や一部の友達魔石で能動的に回避できるため、「結局はサイコロ勝負」とはある程度なりにくい。
    • 眠らせたりカエルにしたり…戦略性がある。当然、特定の魔石が効かないタイプの友達がいる他、魔石自体をある程度の確率で防ぐ、というものも(カーバンクル)。
  • 敵CPUはそれぞれで使う友達魔石が違うほか、AIにもある程度の個性があり、乗っ取りの積極性など色々と異なる。
    • 何をするかわからない支離滅裂な行動を取る「サボテンダー」などの例もある。
  • 音楽は、『チョコボの不思議なダンジョン2』の一部曲も手掛けた谷岡久美が担当。
    • 緊迫感のあるものではないが、チョコボらしい可愛らしさのある仕上がりとなっており地味ながら出来は良い。
  • 大抵のモーションを×ボタンで高速化・スキップできるため、ゲームテンポは良好である。
    • この手のジャンルのゲームは細かいモーションが長いと繰り返しで一気にテンポが損なわれるため、そこへの配慮ができているのは優秀だろう。
      • AIも賢く、素早く行動してくれるため(しかもやや早送り)、大抵はAIのターンより自分のターンが長くなるだろう。
  • 対戦モードでハンデをつけたり、相手の使う魔石を選ぶことができる。
    • これによってさまざまな環境で対戦ができる(キャラと同じ魔石しか使わないとか、攻撃魔石は一切使わないプレイヤーを誕生させたり等)。
      • 対戦ゲームにおいて相手のデッキ(キャラクター、衣装、選手、使用車種etc)をユーザーが選択・カスタムできるというのは(特に作品が気に入った時には)遊びのパターンを増やせる非常に大きな長所となる。
  • 隠された闘技場は、あるステージをクリアした場合、既にクリアしたステージは出ない仕様(全クリすると選択式になる)。やりこみがやりやすい。全クリ前に同じステージをやりたい場合は対戦モードで。

賛否両論点

  • ストーリー要素はかなり薄め。
    • 各ステージ前後にちょっとした会話が発生するだけで、あまり意味のあるものではない。
    • ストーリーを期待するゲームでもないのでそれは気になることもないだろうが、対戦中の会話などもほとんどないのはちょっと寂しい。
  • 人気キャラ、白魔道士の女の子「シロマ」が登場しない。
    • 正確には「白魔道士」の女の子自体は登場するのだが、本作では金髪でデザインも性格も違うまったくの別キャラであり*2、正直なところ単体のキャラとしてもあまり意味のあるキャラではない。
    • 理由としては、モンスターを主体とした世界観の結果というのが大きいのだろう。コレクションの他2本には登場するオッサンキャラのシドも出てこない。
  • 友達魔石の使い勝手にやや差があり、数が多い割に実際に使うものは限られてくる。
    • もっとも、半数ぐらいの友達魔石は一応の実用レベルには達している。不満は残るが及第点レベルのバランス調整ではある。
    • 取得条件の厳しい、攻撃魔石を元とした友達魔石が弱くて実用に堪えないものばかりなのは残念。
  • コマとして選ぶキャラクターの一部に状態異常耐性が元から付いているため、どのキャラを操作するかで優劣ができてしまう。
    • ハンディキャップとしての活用もできるが、好きなキャラで遊ぼうとすると問題となる点でもある。
    • 2面からの難易度が急上昇する理由でもある*3
  • システム的にも演出的にもやや派手さに欠ける部分があり、地味なせめぎ合いが主体になりがちである。
    • もちろんうまく徴収額の高いマスに止まらせればゲームとしては盛り上がるだろうが、それは他の同型ゲームにも言えることである。
    • 本作の独自システムも完成度は低くないものの、いわゆる派手な大逆転を演出できることは少ない。
    • 友達魔石にその役割を持たせたというのもあるのだろうが、マップギミックも一方通行のマスがあるぐらいで数は非常に少ない。
  • 隠しステージの「隠された闘技場」は、クリアしても見返りが少なすぎる。
    • 100ステージもクリアする(100~200時間はかかるだろう)のは流石に趣味の領域なので、あまり豪華な報酬を用意されても困るところではあるが。

問題点

  • ストーリーモードのステージ数が少ない。
    • 5ステージでエンディングである。1ステージに時間がかかるボードゲームとは言え、これは少ないと言っていいだろう。
    • 再度プレイした場合の特典もあるが、それならその分新しいステージをやりたいところである。
    • クリア後の「隠された闘技場」で100ステージもオリジナルステージを作ったのだから、それを少し本編に回していれば良かったのだが。
  • 敵AIがそれほど良くない。
    • 特に友達魔石はただ置いてレベルを上げるというだけで、工夫する様子が感じられない。
    • 攻撃魔石の使用タイミングなども微妙で、慣れたプレイヤーならフリー対戦で負ける可能性は低いだろう。
  • CPUが振るサイコロの出目にイカサマ疑惑がある。
    • 上記のAI問題を補うためか、ある程度相手の高額マスを踏みにくくなっていると言われることは多い。
    • 他のボードゲームソフトと同様、この辺りは内部解析でもしないと分からないことではあるが。
    • 前述のように出目を固定する効果を持つ友達魔石もあるので、その辺りで工夫する余地はある。
  • 全体的に逆転要素が少なく、一旦差を付けられると取り戻すのがかなり厳しくなる。
    • システム上何をするにも金が入り用になるため、金がない側が対策を練っても金の力で押しつぶされることがほとんどである。
    • 負けているプレイヤーに対する周回時の救済も一応はあるが、基本的に焼け石に水。あがくこともできるかどうかという程度の役にしか立たない。

総評

単なる焼き直しに留まらず、オリジナル要素のあるシステムも多く備えている点は評価できる。
バランス調整もさほど悪くはなく、気になる点もいくつか出ては来るがそこまで問題のない範囲である。
チョコボシリーズ独特の牧歌的な雰囲気もあって、ライトユーザーにも入り込みやすいのも長所。
『チョコボコレクション』の他作品に十分肩を並べられる良質なボードゲームと言える。
また、PS版『コレクション』では他2本もしっかりとしたゲームであるため、全くジャンルの違う3本の組み合わせとは言え良質なコレクションである。

ただし、このゲームにしかないインパクトとなるとやや乏しい部分があるのは否めない。
その辺りが類似のゲームに一歩劣ってしまう点だろうか。


チョコボランド A Game Of Dice

【ちょこぼらんど】

ジャンル ボード
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
販売・開発元 スクウェア
発売日 2002年12月13日
定価 4,800円(税別)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2016年2月10日/702円
判定 なし

概要(GBA)

  • ダイスDEチョコボ』をGBAに単品で移植したものである。
    • 元々はワンダースワンカラーへの移植の計画もあったが立ち消えになっており、本作はその代わりに製作されたものだろう。
      当時発表されていた開発中のWSC版の画面は、このGBA版とほぼ同じものである。
    • GBAではエンディングのムービーが入れられないため、ドット絵で新しく描き起こされている。
  • スクウェアのゲームボーイアドバンス参入第1弾。それまで任天堂とスクウェアの関係は悪化していたため、ようやく関係が緩和されたと言える。

その他の変更点

  • ストーリーモードのステージ数が大きく増えており、クリア後の隠しステージを除いて10ステージと倍増した。
  • 攻撃魔石「ベヒーモス」及び「キングベヒーモス」が追加。
    • 土地のレベルを下げる効果を持つ。キングベヒーモスは高額だが、効果が広範囲に及ぶ。
  • 隠し攻撃魔石「キングス」「ラミアクィーン」「モルボルグレート」が追加。
    • どれも既存の攻撃魔石のパワーアップ版であり、かなり高額だが範囲が広くなっている。
  • 様々なバランス調整も行われた。
    • 特に攻撃魔石の価格変動は大きく、使いやすいものは価格が上げられ、そうでないものは下げられている。
  • 対戦は、一台のGBAを回しての対戦と通信対戦の両方が可能。対戦専用のステージも追加されている。
  • 対戦時に自コマとして選択可能なキャラクターが増加している。
  • サウンドテストが追加されている。
    • 音楽はGBA用に調整されている。アレンジャーは、FFシリーズ移植作品のアレンジ担当の多さでも知られる関戸剛。

総評(GBA)

ハード面の問題で、ややビジュアルや音楽などの演出が弱くなっている以外は原作を上回っている。
ボードゲームと携帯機とは相性も良いので、おおむねお勧めできる作品である。

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最終更新:1970年01月01日 09:00