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XEVIOUS

【ぜびうす】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
販売・開発元 ナムコ
稼働開始日 1983年2月
プレイ人数 1~2人(交互プレイ)
配信 アーケード アーカイブス
【Switch】2021年9月24日/838円
【PS4】2021年10月7日/837円
判定 良作
備考 プロジェクトEGG
2020年10月9日/800円(税抜)
2021年9月30日をもって販売終了
ポイント 革新的なSTG
隠しキャラのはしり
自然豊かな背景
緻密に設定された世界観
ゼビウスシリーズ


概要

言わずと知れた縦スクロールSTGの金字塔。
数々の斬新な試みが行われ、アーケードゲーム業界だけではなく他業界をも巻き込んだムーブメントを起こした。

メイン開発者は当時ナムコに入社したばかりだった遠藤雅伸氏。

ストーリー

+ 少々長いので畳み

古代地球人が作り上げた生体コンピューター「ガンプ」。
ガンプは「人類の恒久的な繁栄のために力を尽くす」という目的で作られたのだが、いつの頃からかガンプには自我が芽生え、「自らが人類を管理下に置くことによってのみ、人類の恒久的な繁栄はもたらされる」と考えるようになり、そのための計画を実行に移した。

ガンプは観測された気象データから地球に氷河期が到来することを知り、それを利用して地球から離れた6つの惑星へ人類とガンプのレプリカを移住させる計画を立てた。
これには「構造的に成長できなくなったガンプが、後にESP(作中では「ドークト」と呼ばれる)を利用して再統合および能力の拡大をはかること」と、「人類を自らに従う者とそうでない者とでふるいにかけ、地球に残った「不適合者」は氷河期を利用して排除する」という2つの目的があった。
不適合者は愚かにも地球のガンプを破壊したものの、レプリカ達のESP攻撃により氷河期を迎えることなく全滅した(と思われていた)。

ガンプ誕生から約1万6千年後。
計画は最終段階に達し、あとは地球上で再び再生を果たすことのみ、と思われていたのだが…ここに大きな誤算が生じた。
地球に不適合者が生き残っていたのである。
ガンプはレプリカの一体が移住を果たした「惑星ゼビウス」から軍隊を差し向けるが、抵抗は激しかった。
しかも彼らはガンプに対する知識やゼビウス軍の技術をどこからか入手しており、それを利用して作られたと思われる最新鋭戦闘機「ソルバルウ」はもっとも手を焼く難敵であった。

2012年、南米ペルー。
かつてガンプが生まれた都市「ビューアム」が存在したこの地域にて、地球軍とゼビウス軍は一進一退の激戦を繰り広げていた…。

+ 攻略本(ケイブンシャ))より。少々長いので畳み

地球歴2XXX年。
ある日突然、平和な地球に無数の黒い集団を見た。それはゼビウス星から地球を破壊するためにやってきた侵略軍であった。
ゼビウス軍の激しい攻撃に最新兵器で対抗した地球軍だったが、強力なゼビウス軍には歯が立たなかった。

このままでは地球の破滅は近いと考えた地球の科学者たちは、ゼビウス軍と同質の金属が必要だと軍に要請した。
地球軍は、ゼビウス軍に対抗できる兵器を作るため、ゼビウス星にスパイを送り込んだ。
ゼビウス星に乗り込んだスパイは敵中深く潜入し、中央コントローラーのメモリータワー、ガル・ソルのメモリーバンクから武器技術のデータを入手した。

ゼビウス星の反乱分子たちの協力を得て、データを直ちに持ち帰るためシオナイトに乗って地球へと向かったのである。
地球の科学者たちは彼らが入手したデータをもとに新型兵器の研究に日々を費やし、ついに設計図を作り上げた。
さっそく作業を開始した軍は異常なスピードで最新鋭爆撃機を3機完成させた。彼らはこれをソルバルウと名付けた。

やがて3機のソルバルウが地球の運命をかけて出撃していったのである。

特徴

  • 全16エリアの縦スクロールシューティング。エンディングはなく、16エリアクリア後は以後7~16エリアを延々と繰り返すループゲー。
  • 自機「ソルバルウ」は2つの武装を有しており、対空ショット「ザッパー」と対地ショット「ブラスター」を使い分けて敵を狙い撃つ。
    • ザッパーは自機前方に真っ直ぐ発射される。本作に耐久のある敵は存在せず、全種一撃で倒せる。
    • ブラスターは自機前方に表示されるロックオンサイトに向けて射出されるが、着弾までに若干のタイムラグがあるため、移動する地上砲台などは先読みして投下する必要がある。また、グロブターのようにブラスターに狙われたことを察知して回避を試みる敵も存在する。
    • 地上物にロックオンサイトを合わせると赤く光る。一見何もなさそうに見える場所でも、というのがポイント。詳しくは後述。

評価点

当時としては抜きんでた革新性
本作はSTGのみならず、ゲーム全体に様々な革新的技術を導入した一作である。以下にその革新的な部分をまとめる。

  • ストーリー性をSTGに持ち込んだ。
    • 当時のシューティングゲームはストーリーなどほぼあって無きが如しであった。しかし遠藤氏は「敵はどんな奴で、何の目的があって戦うのか。この2つを含めて、あらゆるゲーム設定に何らかの説明ができるよう根拠を作っておく必要がある」と考え、「ファードラウト・サーガ」と呼ばれる世界観を用意した。
      • ファードラウト・サーガは後に遠藤氏によって小説化され、一般書籍としても販売された。「ゼビ語」と呼ばれる特殊言語*1や自機ショット名に至るまで綿密に用意された設定、それに伴う複雑怪奇なまでの裏設定が満載となっている。
    • 継承例:多数
  • 難易度調整を搭載。いわゆるランクゲー。
    • 代わりに、難易度設定機能が付いていない。
    • 一部場面を除いて空中物の出現テーブルがあり、索敵レーダーとされている地上物を破壊することで撒き戻せる。
      • ただしテーブルは単純に「弱い敵→強い敵」とはなっていないので、テーブルが「最強敵→最弱敵」の時にレーダーを破壊すると逆に難易度が上がる。
    • 理不尽なミスを減らすため、「自機の正面(X軸)からは空中敵は出現しない」「こちらから当たりにいかない限りは、ゲーム開始直後から数十秒はミスにならない様にしつつ、最初の十秒ほどはこちらから当たりに行っても逃げてしまう」「基本的に自機の直下及び背後からは撃たれない」などの配慮もある。
    • 継承例:スターフォースバトルガレッガ
      • なお、現在遠藤氏はランクシステムに否定的で、「自分が強くなったなら相応に無双できるべきである」と発言している。ちなみにゼビウスに自機パワーアップは搭載されていないので矛盾はしていない。
  • 自機の動きに応じて軌道を変える敵
    • ちなみに、タルケンやカピなど軌道を変える敵は「有人」、ザカートやトーロイドなど変えない敵には「無人」という設定が用意されており、有人機は体当たり攻撃をしない。
      • 遠藤氏は雑誌マイコンBASICマガジンでのインタビューで「パイロットの立場であれば、体当たり攻撃を命じられるのは誰もが嫌」と答えている。
    • 継承例:スターフォース忍者くん 魔城の冒険
  • ショットの明確な撃ち分け。
    • 敵を地上物、空中物とで明確に分け『全く違う次元にいる敵と同時に戦闘を繰り広げる』作品といえる。地上にいる敵にザッパーは当たらず、逆に空中の敵をブラスターで落とすことは出来ない。
      • 『対地・対空二種類の射撃を使い分ける』の初出は横STG「スクランブル」(1981年)。ただし「グラディウス」方式の横スクロールなので、対空攻撃で地上物を破壊(あるいはその逆)できる。
      • 『全く違う次元にいる敵との戦闘』も「ミッションX」(データイースト・1982年)が初。ただし対地対空の撃ち分けが自動であり、両方向への同時攻撃は出来ない。
    • 継承例:ドラゴンスピリットレイフォース
      • もっとも、現代では爽快感重視で空中物も地上物も同時に薙ぎ倒せるスターフォース*2の方が一般的だが。
  • 「隠しキャラクター」のハシリ。
    • 「ソル」「スペシャルフラッグ」がそれ。通常見えないが、ソルはロックオンサイトを合わせると赤く光るため索敵が可能。
      • 遠藤氏は「シューティングゲームで見えないターゲットを出すのはどうなのか?」と先輩たちに詰め寄られ、一旦は「わかりました、じゃあ見えないターゲットはやめます」と答えたのだが、そのまま入れてしまった。スペシャルフラッグがデバッグ時に「バグ」として報告されてしまったためバレてしまったが、製品版でもそのまま登場し、プレイヤー達にも好評であった。
      • またキャラクターデータのみ収納されていた「ファントム(実在のF-4戦闘機)」「ギャラクシアン」が存在し、こちらは基本的に出現しないのだが各地で目撃情報が寄せられ様々な出し方の噂が流れた。後に「ファントム」は『ガンプの謎』のアイテムキャリアとして、「ギャラクシアン」は『アレンジメント』の敵キャラとして登場した。
    • 継承例:スーパーマリオブラザーズほか多数
  • 膨大な種類のフィーチャー。及び「カンスト」の意義。
    • 999万9990点貯まるとスコアが打ち止めとなるカウンターストップ(カンスト)が発生する。ループゲームだったが、カンストが一つの終着点となり、これを達成することが当時のゲーマーのひとつの指標となった。
      • 正攻法で行った場合約8時間ほどかかる。当時のゲームセンターは風営法による規制がかけられてなかったため24時間営業も可能だった。しかし昼から始めても夜になってしまうため、必然的に早い時間からのプレイ開始を求められた。これは特定の面でループを使って稼ぐことにより短縮可能で、PS版『ナムコミュージアムVOL.2』では最短到達時間を記録できるようになった。
      • ただし、プログラムミスのせいで、996万点(標準設定)以降は得点が入るだけでそのたびに残機が1機増えて(エクステンド)してしまう。残機は255機までストックされ、これを超えると0に戻りまた増え続ける*3。この症状は筺体側があらかじめノーエブリ設定に変更することで回避可能。
    • 継承例:ライデンファイターズバトルガレッガBLAZINGSTAR
  • 上記に挙げたほかにも、
    • 隠し操作をすると「NAMCO ORIGINAL program by EVEZOO」と言う遠藤氏のあだ名付き署名が表示される。更にはデッドコピーをするとその部分が「DEAD COPY MAKING copy under NAMCO program」に変わる海賊版対策。
      これはタイトル画面と、この箇所を攻撃した時に本来出るはずの画像を比較して、違った場合に警告メッセージを出すという仕掛け。
      • この表示は「ゼビオス(XEVIOS)裁判」において『ゼビオス』がナムコ(NAMCO)製品のデッドコピーである事を示す決定的な証拠となった。
      • 一方、『バトルス』の方は「Prease enjoy this GAME(原文ママ)」に書き換えられている。
        しかし森の中にあるnamcoロゴ(こちらはゼビオスの方は気づいた)に気づかなかったため、やはりデッドコピーであったことの証拠となった。
        他にもエクステンドの時に特定条件が重なるとリセットがかかる。これも敵テーブルや得点を書き換えるなどしないと起こらないように仕組まれている。
    • 色相を犠牲とする代わりに立体感を表現することに成功したグラフィック
    • グラデーションや自然色を多用した単色ではない背景
    • など、様々な影響を各分野に与えた。

賛否両論点

  • BGMが地味
    • メロディらしいメロディが存在する曲はゲーム開始時とネームエントリー時のBGMのみで、メインBGMはミニマルミュージック的な短いフレーズの集合体で、特に調性のない無機的なもの。ストーリー要素をゲーム中でつまびらかにすることのない寡黙な雰囲気や黙々とショットを撃ち進めていくストイックさにマッチしており高い評価を得ているが、単調さは否めないところ。

問題点

  • 状況によっては弾が見づらくなる場合がある。
    • 特に水地形の上ではチラチラした感じになり、見づらくなる。
  • 難易度は総じて高くなく、スコアカンスト(8桁到達)達成するプレイヤーが続出した。
    • このためオペレーター側にとっても回転率があまり良くないゲームであった。

総評

極めて高い完成度を誇り、80年代STGファンなら知らない人はいないだろう傑作。
システム面の新要素もさることながら、ゲーム上では明示されることのない世界観とストーリーの奥深さを打ち出して下敷きとしたことで、ゲームそのものに奥行きと奥深さを持たせることに成功し、多くのゲームファンを魅了した。


その他

  • なお、本作を語る上で欠かすことのできないだろう「バキュラ*4に256発ザッパーを当てると倒せる」は不可能であることが判明している。
    • プログラムを解析すると、敵はソルバルウの弾が当たった瞬間に「Q:今ソルバルウの弾を喰らったのは破壊可能敵か? YES→破壊され、スコアが入る NO→効かない」という判断のみをしているというレポートがある。つまり、「耐久力」という概念は初めから入っていなかったことになる。
      • この「バキュラ256発耐久」が広まってしまったのはベーマガ付録『スーパーソフトマガジン』のゼビウスの回が原因か。また、後述の同人誌「ゼビウス1000万点への解法」にも書かれており、著者の大堀氏も後年このことを悔いている。
    • 後にバンダイナムコの運営する会員制サイト「バンダイナムコアスクユー」のミニゲームコーナーで、その逸話をネタにしたバキュラを破壊するミニゲームが登場した。
    • 極上パロディウス』(コナミ)では、バキュラそっくりの板「カラー板夫Jr.」が出現し、ご丁寧にも耐久力が256発分(一部は16発分)になっている。詳細は該当ページの余談にて。
  • 「ゲーム音楽のみを扱った音楽アルバム」が初めて発売された作品である。*5
    • 当時の人気テクノバンドYMOがこのゲームのBGMに強い感銘を受けた結果出したものであり、世界的にも初めてのものである。そのためゲームミュージックを語る上では外せない作品となっている。
      • この収録の為に使われた基板は実はゼビウスではなく「スーパーゼビウス」である。また、ゼビウスの曲が始まる前にゲームセンターの音が入っているが、そこに「ハイパーオリンピック」「マリオブラザーズ」を確認できる。
    • 本作のBGMは「4秒ほどのフレーズを延々ループする」といういわゆるミニマルミュージックだが、それに硬質感のある特徴的な効果音が重ねられることで心地よい音空間を創りだしていたと言える。
    • 担当の慶野由利子氏は日本で初めてサウンド専任スタッフとしてゲーム会社に就職した方である。(慶野氏の先輩で「ギャラガ」「マッピー」などのサウンドを担当した大野木宣幸氏は入社時はプログラマーだった)
  • ゼビウスの攻略を取り扱った同人誌「ゼビウス1000万点への解法(通称「ゼビ本」)」が有名となった。攻略本などほとんど存在していなかった時代にである。
    • ↑の執筆者の一人としてもっとも著名な人が、後に『ポケットモンスター』を生み出す田尻智である。田尻氏はゲームサークル『ゲームフリーク』の設立メンバーの一人で、機関紙「ゲームフリーク」でアーケードゲームを攻略していた。後に「ゲームセンターCX」のインタビューにおいて、この冊子を求め全国から現金書留の封筒が殺到したため、印刷や製本、発送を家族も手伝わせて行ったと語っていた。
      • そのゼビ本を桑田佳祐氏が持っていたのは有名。*6
      • それほどまでにやりこんでいた田尻氏だが、「実は真のエンディングがある」という偽情報を信じ込みそれを大真面目に広めてしまい、皆から非難轟々を喰らった時期もある。今からすれば笑い話なのだが、当時の「ゼビウス」がいかに人の心を掴んだか、真理に近づこうとあらゆることを試し思いを寄せていた人が多かったか、を物語る出来事と言えよう。
  • 確認されている日本初のカンストプレイヤーは後に『アランドラ』等を開発するマトリックスの取締役となる大堀康祐氏。*7当時は「うる星あんず」と名乗り、ゼビウスの発売1カ月で達成、「ゼビウス1000万点への解法」を執筆した。後にこれを委託されて再販したのが上記の田尻智氏。
    • 「うる星あんず」氏はマイコンベーシックマガジン1984年1月号付録「スーパーソフトマガジン」にゼビウス攻略記事を執筆、その流れで2月号に遠藤氏にインタビューを行っている。またその流れでアルバイトとしてナムコに入社、FC版ドルアーガの開発に関わっている。
      • 因みに、そのゼビウスを扱った回を含む初期のスーパーソフトマガジンはヤフオク等で余裕で万を超える事がザラ。ドット絵等貴重な資料としての魅力もあるので手頃な金額であれば手に入れる価値あり。
  • 創元推理文庫から本作のゲームブックが発売されている。遠藤氏含むゼビウスの開発スタッフが直々に関わっており、ソル・バルゥこそ登場しないが世界観は『ファードラウト・サーガ』に基づいて作られている。こちらは「超能力兵士がテレポートで単身ゼビウス星に乗り込み、ガンプのレプリカのひとつを倒しに行く」という内容。
  • 2013年に放映された実際にあるゲームを題材にしたドラマ「ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~」では、この作品が物語全体の中核を成すものとして登場している。余談としてだが、作中に登場しているゼビウスの純正基板は非常に貴重品であり、手に入れようとすると莫大な金額がかかる。
  • 数々の創作技で有名な漫画「ファミコンロッキー」に本作が取り上げられた際には「1000万点を超えると画面が強力な閃光を放ち、それが収まると二千機もの敵が総攻撃を仕掛けてくる」という「魔の二千機攻撃」が描かれた。
    • 当然、そんな攻撃を凌げる訳もなく通常ならそのままやられるだけだが、主人公は「ブラスターとザッパーを同時連続掃射することで機体周囲にバリアが張られ、無敵モードに突入する」という方法で突破した。無論、そんな裏技は実在しない。
    • しかし実はこの「魔の二千機攻撃」は特定の条件で発動することが2020年に明らかになった。もちろん漫画と発動時のシチュエーションは異なるが。
      ただし解析を進めた所、開幕の隠しメッセージのように仕込んでいた訳では無く、単なるバッファオーバーランで、本来敵テーブルではない領域を読みに行った結果発動するという可能性が非常に高いとの事。バキュラ属性の敵が登場する等あり得ない物が多いのもその一つ。
    • 2020年3月には海藻アカモクの販売促進キャラクターの「渚の妖精ぎばさちゃん」および「ファミコンロッキー」とのコラボ企画として、このネタを現実にしてしまった『ゼビウス魔の二千機攻撃』がスマホアプリとしてリリースされた。
      • しかし様々な事情により、リリースから僅か1週間程度で配信停止してしまった。
    • 余談だが、「ファミコンロッキー」内では上記のバキュラについてもヒロインが「256発あたらないとこわれないわ」と当然のように発言している。

移植

多岐にわたる機種に移植されており、80年代中期を代表するキラータイトルであった。

  • 『TINYゼビウス』(電波新聞社:1983年12月発売)
    • 最初に移植を果たしたのは、なんと低価格(低性能)パソコンとして知られたPC-6001版への移植。グラフィックの美しさも売りの一つだったゼビウスに対し、「PC-6001にのみ存在する低解像モードを使用することにより速度を保ち容量も確保」という逆転の発想*8で移植を可能とした。なお、タイトルに「TINY(小さい、劣化)」が付いているのは、その粗い画像からナムコがゼビウスの名前をそのまま使うことを許可しなかったため。
      • 実は、同年にアメリカでATARI2600版ゼビウスも作られていたのだが、なにせあの(悪い意味で)伝説の『パックマン』のATARI2600であり、当然のごとく超劣化移植どころか「ゼビウスを名乗る何か」状態である。こっちは幸いにもプロトタイプが作られただけで正式リリースはされなかったのが救いではあるが。
        そもそもパックマンさえまともに移植できないATARI2600にゼビウスなぞ無理難題もほどがある*9
    • なんと元々は「当時中学生だったプログラマーの卵*10が電波新聞社へ持込んだもの」だということも話題になった。なお、本人は実際にゼビウスをプレイしていないという噂もあり、そのせいかマップ構成がかなり違う。
    • 1年後には、PC-6001mkII専用となる代わりにマップがオリジナルに近づき画像も美しくなった『TINYゼビウスmkII』も発売される。ただし、美しくなったと言っても前作から比べてという意味であり、ナムコはTINYを外すことを許可しなかった。
    • そもそも、60fpsを確保できなければ『XEVIOUS』のタイトルは許可されなかったので、他機種版の中にはナムコのライセンスを受けながらもタイトルを変更された移植作もあったなかで曲がりなりにも『XEVIOUS』の名を冠することが出来ただけでも上出来と言える。
  • X1版(電波新聞社:1984年5月25日発売)
    • こちらは社内開発で、「キーボード操作ではゼビウスの面白さを体験できないし、当時市販のジョイスティックには2ボタンのものがなかった」という理由でオリジナルのジョイスティック「XE-1」同梱版も発売された。これは後に単独でも発売されるほどの人気となり、後に電波新聞社がFM-7やPC-8001mkIISRにもゼビウスを移植したこともあり、当時のパソコンゲーマー必携のアイテムとなっていた。
      • 余談だが、スティックが右側にある独特な仕様なので、慣れないと非常に操作しにくかった。*11もっとも上下を逆にして左側にスティックを持ってくることも出来た。またいわゆるATARI規格なのだが、FM-7等はATARI端子を持っていなかったため、変換ボードを使ってプリンター端子に繋いでいた。
      • SG-1000用としてセガからも同じ物が発売されている。なおSG-1000はピンアサインがATARI規格と一部異なるが、背面のスイッチでSG-1000規格とATARI規格を切り換えられるのでどちらでも使えるようになっている。
    • 見た目の再現度はかなり頑張っているが動作はかなりぎこちないため、ナムコからなかなかOKが出なかったという逸話が残っている。最初に見せたバージョンは遠藤氏に「はっきり言ってゴミですね」と言われてしまい、発売を1ヶ月延ばして調整を行い何とかナムコのOKを得た。
  • FC版(1984年11月8日発売)FCD版(1990年5月18日書換専用発売)
    • 移植の関係上、地上絵のカット、アンドアジェネシスが地上に張り付いているが、同時期のパソコン版と違いスクロールは滑らかで非常に遊びやすく、初めて隠しコマンドも実装した。FC初期を代表する大ヒット作となっている。
    • 2020年6月18日にNintendo Switchで配信されたオムニバスソフト『ナムコットコレクション』の第3弾DLCとして2020年8月20日に配信されたものは、このFC版の移植となっている。
    • 2023年3月16日より『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』収録ソフトの一つとして配信開始。
    • スコアは1億点までありAC版のように1000万点で1機破壊するごとに1UPすることはない。また2進数の仕様上*12、スーパーマリオブラザーズの無限増殖と同様128機以上で1ミスするとゲームオーバーとなってしまうため残機潰しなど調整が必要である。
    • FC版を制作したのは、当時ナムコ社内で「悪魔のテクニックの使い手」と言われていた黒須一雄氏。
      • 1990年5月には『パックマン』と同時にディスクシステム書換専用ソフトとして発売。ナムコのディスクタイトル第1号となった。
  • 『ナムコクラシックコレクションVOL.1』
    • リバイバル作品としてアーケードで稼働。AC版をほぼ完璧に移植しているほか、大幅アレンジを加えた「ゼビウスアレンジメント」が存在している。
    • 隠しコマンドにより原作にあった2P側のソル座標ズレバグやエリア6の幻のソル等のバグを修正したデバッグモードがプレイ可能となっている。また、長時間プレイ対策としてテストモードでの設定によっては規定周回数でエンディングとなるようになっている。*13
  • 『ナムコミュージアム』
    • ナムコのアーケードゲームを収録した家庭用ゲームソフトシリーズ。VOL.2(PS)、アーケードHITS!(PS2)、Vol.2(PSP)、DS(DS)、みんなで遊ぼう!ナムコカーニバル(Wii)、.comm(PS3)、バーチャルアーケード(Xbox360)と何度も収録されている。
    • PSの『ナムコミュージアム VOL.2』のゼビウスは、ソフトの互換性に問題があるためPS2では正常に動作しない。
  • ゼビウス3D/G+』
    • 1996年にアーケードにリリースされた「ゼビウス3D/G」のPS移植版。初代ゼビウス、スーパーゼビウス、ゼビウスアレンジメント、ゼビウス3D/Gのゼビウス4作を収録。これに収録されているゼビウスはPS2でも正常にプレイ可能。
    • オプションの設定内容やデバッグモード等、前述の『ナムコクラシックコレクションVOL.1』版がベースとなっている。
  • ニンテンドー3DS版
    • 『3Dクラシックス』シリーズ第1弾として発売。開発はPS2版『怒首領蜂大往生』などを手がけたアリカ。アーケード版をほぼ完全に移植(スタート直後の隠しメッセージのみ削除、スコアはちゃんと入る)。3DSの立体視との相性は相当なもの。また、9,999,990点到達のタイムを記録できるようになっているなどやり込みプレイヤーを狙った要素も含まれている。
  • Windows(プロジェクトEGG)版(2020年10月9日発売)
    • アーケード版の移植。バンダイナムコエンターテインメントは本作でプロジェクトEGG初参戦となった。
    • 2021年9月30日をもって販売終了。
  • アーケードアーカイブス版(2021年9月24日発売)
    • ナムコのアケアカ参入第一弾としてパックマンと同日発売。発売日はSwitch版のもので、PS4版は2週間遅れの10月7日に配信開始された。
    • グラディウスIIIから搭載されるようになった「こだわり設定」にて、前述のバグの再現の有無を個別に設定可能になっている。また画面の焼付き再現も4段階に設定可能になっていたり、ソルやスペシャルフラッグの場所を可視化出来るようになっている。
      同じくこだわり設定で現在の敵テーブル位置を表示出来るため、魔の2000機攻撃の調整が非常にやりやすくなった。
    • また、5分間でのスコアを競うキャラバンモードはエリア1スタートとエリア13スタートの2部門が用意されている。

続編

  • 『スーパーゼビウス』(1984年)
    • 後述のFC版とは別物。難易度を上げ、ソルやスペシャルフラッグの配置を一新したマイナーチェンジ版である。破壊するとスコアが0点になってしまう戦車、ファントムが登場した。
      • 当時マイコンBASICマガジンスーパーソフトコーナーにて、発売前のスーパーゼビウスについて前作のゼビウスでは考えられない2~3種の混合波状攻撃に対して、前述の「前作の1000万カンストプレイヤー」でもあったライターのうる星あんず氏*14による半ばキレ気味の「こんなんやってられっか!」的な紹介が掲載されてしまった。
  • 『スーパーゼビウス ガンプの謎』(1986年9月19日発売)
    • FCで発売された続編。敵弾を防ぐバリヤなどパワーアップの要素が取り入れられている。またザッパーもしくはブラスターの片方だけで戦うステージがあったり、ステージクリアに条件(ほぼノーヒント)があるなどの新要素が加えられている。十分遊べる出来ではあるのだが、あまり高い評価は受けていない。
    • 同年には任天堂のアーケードゲーム基板「任天堂VS.システム」にて『VS.スーパーゼビウス ガンプの謎』のタイトルで稼働。このバージョンは2024年4月11日にアーケードアーカイブスの1作品としてPS4とNintendo Switchで配信が開始された。
  • ゼビウス ファードラウト伝説』(1988年12月23日/1990年6月29日発売)
    • MSX2版及びPCE版が存在するがアレンジモードの内容は互いに異なる。両機種版共にオリジナルモードも同時収録している。
    • 開発はシューティング製作に定評のあったコンパイルが担当。マイナータイトルながら高い評価を得ている。
    • PCエンジン版のアレンジモードは、遠藤雅伸氏の小説『ファードラウト』に沿ってゲームが進行する。オリジナルを忠実に移植したアーケードモードのクオリティも高い。
    • MSX2版は、オリジナル準拠*15の「recon」、アレンジモードの「scramble」の2モードを搭載。アレンジモードでは自機を4種類から選べるほか、破壊した地上物からバリア等のアイテムが出現するなどパワーアップ型シューティング寄りのアレンジが為された。おおむね原作のイメージを壊さない良アレンジと評価されているものの、特攻を仕掛ける敵が登場する点には一部で批判も。
  • ソルバルウ
    • ポリゴン基板を利用した一人称視点の3Dシューティング。最終的に宇宙に飛んでいき、大気圏外で戦う展開となる。
  • ゼビウス3D/G
    • 上記ソルバルウと同様ポリゴンを使用した、縦スクロールシューティング。アイテムで武器選択とパワーアップが出来るようになっている。
  • また、スピンオフ作品として地上走行車で戦う『グロブダー』(1984年)なるシューティングも存在する。
    • しかし、非常にシビアなゲームバランスのため、「全世界の全てのアーケードゲームでもトップクラスに難しすぎるゲーム」という、ゼビウス関連作品としては不名誉な評価が一般的。
  • 他にTBS系のバラエティ特番『DOORS2009春』にて本作を移植したアトラクションが1回のみながら登場した.
    • ルールはラストに待ち受けるアンドア・ジェネシスを撃破すればクリアとなる。ただし、操作はチャレンジャーの足で自機を操作するシステムに変更され、そのためかオートショット方式が採用されている。ちなみに、このアトラクションをクリアしたチャレンジャーはお笑いコンビの「響」である。
  • スマホ版
    • ゼビウス ガンプの謎は全て解けた』というタイトルで無料公開。これはナムコのカタログIPオープン化プロジェクト*16を利用してスマホアプリとしてリリースされたもの。
    • 作ったのがまさかのあのドリームファクトリー。一時期に「ナイトメアファクトリー」と揶揄されていた時代からするとまあまあの出来。ちなみにファミ通.comのインタビューによると、サウンド以外、代表である石井精一氏が個人で開発したとのこと。因みに、ガンプの謎は全て解けてはいない。

余談

  • 2002年に映画化されている。全編CGアニメでの作品で、都市部のごく一部でしか上映されず、あまり評判は良くなかったようで、パンフレットにはビデオとDVDの発売予定告知はあったが発売される事は無かった。現在では視聴は大変困難であり、もはや不可能に近い。おそらく動画の流出すらも無いと思われる。
  • 2003年5月には同じくゼビウスを3Dアレンジしたような演出を用いたパチンコ機『CRゼビウス』が高尾から発売。
    • 基本3D化された表現が主体ながらオリジナル版のゲーム画面を使用したリーチアクションもリーチ演出として取り込まれている。
  • 2017年公開の『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』にギャラクシアンと共に世界を壊滅するファクターとして登場した。
  • 2017年1月21日、埼玉県川口市のゲームイベント『遊ぶ!ゲーム展-ステージ2』にて「ゼビウスチャンピオンシップ」という本作のスコアアタック大会が開催された。
    • リアルタイムで触れたであろう40後半~50代のプレイヤーが集まる中、なんと出場者最年少であった19歳のプレイヤー、よくでる氏が優勝を収めるという結果となった。この時遠藤雅伸氏は「若いプレイヤーが勝ってくれたのはすごく嬉しい」とコメントしている。
  • 『ルパン3世part3』の第43話「さらばシンデレラ」冒頭にてルパンが本作をプレイしているシーンがある。
  • ゲームセンターでは人気が上昇していたがまだ一般層にはそれ程でも無かった頃に、「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングにてYMOの細野晴臣氏がゼビウス愛を語り、筐体まで買ってしまったとエピソードを話した。このきっかけでファミコンNAMCOT参入でのCMに氏が起用されている。
  • バンナムが開発していたが、結局お蔵入りとなったRTS『NewSpaceOrder』ではソルバルウが何らかの形で出てくる設定があった模様。
  • ゼビウスを長期間稼動させていた筐体のブラウン管モニターにはタイトルロゴの焼き付きが発生しやすく「ゼビウス焼け」と言われた。
  • 麻雀ゲームで使われていた麻雀牌焼き付きモニターと同様にゼビウス焼けは中古筐体市場では嫌われる原因になっていた。しかし「他のゲームを入れてもゼビウスロゴがうっすら見えている事こそが当時のゲーセンの雰囲気で味わい深い」と、わざわざゼビウス焼けありの中古筐体を探すマニアがそこそこいた。
  • 2000年代中期にブラウン管モニターの生産終了予定が発表されると、新品に交換されて不要になったゼビウスロゴが焼き付いた実働中古モニターがたまにネットオークションにジャンクとして出品されていたが、焼き付き具合がきついほど競り合いになったりと、マニアの世界は深いものである。
  • 『ナムコミュージアム VOL.2』のゼビウスでは、設定でロゴ焼き付きを再現出来るネタにもなっている。
  • エースコンバット04 シャッタードスカイ』の3Dエンジンを流用した、フライトシューティング版ゼビウス…というか『ソルバルウ』の続編的な物が開発されていたが、企画段階でボツを喰らってしまいお蔵入りになっている。痕跡として社内デモ用と思われる1分ほどのトレーラームービーが各動画サイトに公開されている。
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最終更新:1970年01月01日 09:00