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スーパーピットフォール

【すーぱーぴっとふぉーる】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ポニーキャニオン
開発元 マイクロニクス
発売日 1986年9月5日
定価 5,500円
判定 ゲームバランスが不安定
シリーズファンから不評
ポイント 理不尽難易度
あらゆるものが隠し要素
処理落ち頻発
マシンガン土下座


概要

Atari2600(海外版Atari2800・国内未発売)で出た洞窟探索アクションゲーム『Pitfall II Lost Caverns』のファミコン向けアレンジ移植作。

『Pitfall II Lost Caverns』は、Atari2600/2800で大ヒットしたサイドビューのACT『Pitfall』*1の続編。
各種障害を避け、用意されたギミックを利用しながら洞窟を探索していくというゲーム。 ファミコン移植に当たって大幅にリメイクを施された結果、大きく異なるゲーム性となった。

システム

  • スペランカー』のように洞窟を探検する、サイドビューのアクションゲーム。
    • 操作は当時のACTでよく見られた方式で、十字キーで移動、Bで発砲、Aでジャンプ。
  • 探検家「ハリー」を操作して洞窟を探索する。
    • 目的は宝物「ラージダイヤ」を見つけだし、地底人にさらわれた姪の「ロンダ」と猫の「クイッククロー」を救出することである。
      • 必要アイテムや姪達を救出後にスタート地点まで戻る事でゲームクリアとなる。
    • ステージ構成ではなく、広いダンジョン内を探索しながらゲームを進める。ワープしないと行けないエリアもある。
    • クリアすると2周目となる。マップは同じだが、アイテムの位置が変わっている。
  • アイテムは金塊以外は隠されている。
    • 特定のポイントでジャンプすることで出現する。これは説明書にも記載されている。
      • トランプのカードと同じ4種のマーク:同じマークの壁を開く事が出来る。同じマークの壁が複数存在するが、持っておけるのは各1つで、開けると消費。
      • ☆マーク:一定時間無敵になる。
      • 銃:武器の残弾を20増やす。
      • 各種キーアイテム:クリアに必要なアイテムとそれを入手する為のアイテム
      • 目玉マーク(フジサンケイグループのロゴ)*2:残機の1UP
      • その他:スコアアイテム
    • 金塊は全て集めてクリアすることでクリアメッセージが変化するボーナスアイテム。
  • ワープポイントも隠しアイテム同様隠されている。
    • 説明書ではボカされており、隠しアイテム同様ジャンプすると見つかる。というか、正確には見えないワープポイントが空中に存在する。
    • 最後の姪救出後のワープ地点も隠されているが、こちらは場所が説明書に記載されている。
  • 攻撃手段は銃のみ。
    • 初期の弾数は20発
  • 梯子を降りる際はたまに足を踏み外す。
    • この場合、地面に着くまで制御は効かない。
  • スーパーマリオブラザーズ』に寄せた要素
    • 主人公のグラフィックは髭が目立つ男で、ジャンプ、しゃがみポーズなどもマリオに似ている。
    • 上記の通り、一定時間BGMが変わり無敵になる星型のアイテムの存在。

問題点

難易度の問題点

  • 即死ゲー
    • 登場する敵は全て触ると即死。数も多く、画面を切り替えれば無限に沸いてくる。
      • 銃は弾数が有限なので、基本的に無駄撃ちはせず要所要所で倒しながら可能であれば避けて進むことになる。銃弾の補充も隠しアイテムでの補充なので、しっかりと探索する必要がある。しっかり探索すれば結構弾数には余裕はあるのだが。
      • 銃はしゃがみ撃ちが出来ないので、弾道より低い地面を這う敵は基本的に倒せない。探索や通り抜けるのに邪魔だと思っても倒せず避けるしかない。
      • ジャンプしながら迫ってくるカエル、空中を蛇行する敵、速度の速い敵、こちらを見つけると急加速するサソリ、等、面倒な動きをする敵が多い。
    • 初見殺し要素も多い。
      • スタート地点のすぐ先にある梯子を降りると、鳥に当たるか地面のトゲに刺さって即1ミス。
      • 天井までを覆い尽くすモアイ像が突っ込んでくる。銃を当てても死なない。(上下に梯子があり逃げ道は用意されている。)
      • 近寄ると天井が崩れて落ちてくる場所がある。
    • 梯子の踏み外しや滝の水による急落下で身動きが取れないまま死ぬことも多い。
      • 特に水に流された際は途中の足の踏み場もすり抜けて落されるため、下にある水場まで長い間動けない。落ちる途中に敵がいたら避けられないまま死亡。
    • マップが非常に広い上に標準の中断機能はない(裏技でのみコンティニュー可能)。
      • スタート地点からすでに分かれ道だらけで迷子になること必至。構造も不親切で最下層近くまで落ちてしまう穴も多く、それにより位置感覚が簡単に失われ、一度落ちると簡単には戻れず、さらにミス後の再スタートもその近辺となってしまうので、プレイを繰り返して自力でマップを開拓することは非常に困難。
      • ある程度探索が進んでも初見殺しで残機がなくなり、結局最初からやり直しというのは日常茶飯事。
      • コンティニューは「スタート画面でAかBを3連打したのち、セレクトを2連打してからスタートボタンを押す」という知らなければ発見できないコマンドであり、説明書にも載っていない。
  • 探索要素に一部理不尽な点が存在する。
    • 本来敵であり当たると死亡する鳥(コンドル)だが、数か所だけぶつかるとワープできる鳥(ワープコンドル)が存在する。
      • 敵である鳥とは飛び方が違う(左右に動くのみで下降上昇をしない)、銃で撃っても倒せないというヒントはあるが、色の違いなどはないので、気づけという方が無理がある。
      • 各ワープは1ゲーム中各1回しか利用できないため、クリアに必須のアイテムをワープ先で取得せずに戻ってきた場合はクリア不可能となってしまう。
      • 残機アップのスコア稼ぎで倒そうとして倒せずに気づくか、避けにくい場所での事故当たりで気づくのが定番だが、前者は銃の残弾を気にして放置すると気づけず、後者も上手く避けられれば気づけない。一応、狭い場所に他の敵と一緒にいるワープ鳥の存在等、ワープに気づかせようという配慮自体はされている。
    • ジャンプでのアイテム探索だが、少しでもジャンプ位置がずれると出現しないのも辛い。
  • アクション操作の面でもきつい物がある。
    • 左右に揺れるロープをジャンプで掴んで捕まり、反対側へと飛んでいく必要があるのだが、ロープがやたら長い割にはロープの先っぽ付近にしか捕まり判定がない。その為、先にしか捕まれない事に気づかないと、思いっきりロープに飛び込んでも捕まれずに落ちてしまう事が多々ある。
      • 後半にはロープからロープへと飛び移る必要がある場面もあり、難所としても有名。
    • 自身の当たり判定は下半身にあるようで、案外上からの攻撃は避けられる利点はあるものの、それ以上にアイテムが取りにくい。どう見ても出現したアイテムに重なっているのに取れないという事が多い。
      • 敵がいない広い場所ならまだいいのだが、敵を避けながらアイテムを取ろうとして手こずってぶつかって死んだり、間違って今いる場所から落ちてしまったりすると目も当てられない。
    • ときどき主人公が梯子を踏み外して落下する。説明書にも記載されている仕様である。

その他の問題点

  • 即死ゲーにしてしまった事
    • 元はスコアアタックがメインのゲームであり、一部の即死ポイントを除けば、ダメージを受けてもスコアや時間が減るだけでそのまま継続してプレイする事が出来た。
  • 壁にめり込みやすい
    • 上の段へはジャンプで足場を抜けて上がっていくシステムになっているが、狭い上にずれた段差になっている場所が多い事もあり、変な形に壁にめり込んでしまう事が多い。
      • 基本的にもう一度ジャンプするなりすれば正常な状態に戻せるのであまり問題はないが、強引に使うと壁を抜けて無理なルートでのクリアも可能。
  • 一部のロード待ち時間
    • マイクロニクス製の他のファミコンソフトでもよく見られる現象だが、ROMにもかかわらずゲームスタート時とミス後の再スタートのたびにロード時間(2〜3秒程度の黒画面)が発生する。
  • バグ
    • 主人公の色違いのキャラクターが出現するバグあり。

賛否両論点

  • 手探りの広範囲探索ゲーである事
    • 本作は古い時代のPCゲームによくあったろくなヒントのない手探り探索ゲームである。
      • 2000画面分の広大なマップをひたすらジャンプでアイテムやワープを探し、探索を続ける必要がある。マッピングをしない人では攻略本なしではまず無理な難しさ。
    • 地道な探索が好きな人は楽しめるゲームだが、FCのメイン層である子供にはやはり厳しかったと言わざるを得ない。

評価点

  • この時代のFCゲーとしてはレアな探索アクションゲーである事
    • 広大なマップを目的のアイテムを探し周り、色々なアイテムを見つけ、道を開いていく面白さはきちんとある。
      • いわゆる「レベルデザイン」としての出来は拙いものの、ただ安直にマップを広大にしただけでなく、ステージのギミックや敵の種類は工夫が感じられるものが多数用意されており、正規ルートで攻略すれば変化を楽しんでいける構成にはなっている。手探りながらも、作り手の意欲は伝わってくる。
      • 即死要素の数々も初見殺し要素の方が強く、慣れれば問題なく回避して進めれる。そこら辺もやりこみを感じられる要素。
      • きちんと探索していけば銃もしっかり補充出来るし、スコアも稼げるので残機もそれなりに増える。新しい所で色々試す内に残機が尽きてしまう事も多いが、最終的にやる事が分かってしまえばクリアには通して1時間もかからない。ふいの事故に備えてスコアを稼いで残機を増やしておけば安定してクリアする事も出来るくらいにはまとまったゲームである。
  • BGMはそこそこ
    • 全体的に曲のループが短く飽き易いという欠点はあるが、通常時の陽気な音楽もアクションゲームには合っているし、風船を掴んだ時のメルヘンなBGMや、禍々しいステージの雰囲気に合ったBGM等、アクションゲームのBGMとしては及第点。
  • グラフィックは元からはかなり向上している
    • 元の『ピットフォールII』はAtariソフトという事もあり、主人公が棒人間だったり、背景も非常に貧相だったりするのだが、FCソフトらしく背景がそれなりに描きこまれている。
      • しかし、それでも同時代のFCゲームと比べると、片足を引きずっているようにしか見えない歩き方やミス時の体全体を激しく上下させるような謎の挙動(通称「マシンガン土下座」または「ジャンピング土下座」。)等、残念な出来ではある。
      • ミス時は、スーパーマリオのやられ時のようなポーズから 高速に上下反転を繰り返す という謎の挙動である。元々はマリオのように落下する想定だったのが、何かの都合で変更されたことで「マシンガン土下座」になったと思われる。

総評

原作である『Pitfall II Lost Caverns』の発売は84年、しかもファミコンよりはるかに性能が劣るハード*3のゲームなので、そのまま移植してもFC環境ではつまらないゲームになってしまっただろう。
その為、アレンジを効かせた移植自体は正解とも言えるが、アレンジを効かせ過ぎて別物になってしまった。

探索アクションゲームとして見ると、探索要素自体は楽しめる部分もあるが、一発で死ぬ割には初見殺しの要素が多く、一部には理不尽な謎解き要素も存在する高難易度ゲーム。
マップの広さもあり、考えなしでのクリアはかなり困難である。
しかししっかりと探索を進めて行けば最終的にはそれなりに余裕をもってクリアはできる。
体力制にしたり、コンティニューを標準で付けたりといった考慮がされていれば、もう少し遊びやすく、面白さも伝わりやすいゲームになっていただろう。


余談

  • 本作発売の前年にセガがアーケードで『ピットフォールII』を稼働させている。こちらはピットフォールの要素をきっちり受け継いだ上でゲームとして更に完成度を増した、間違いない良作である。又、同じ年にアーケード版をベースしたにセガの家庭用ゲーム機であるSG-1000/SC-3000版用の移植版も発売している。*4
    • アメリカでは根強い人気を誇り、続編がGB、SFC、GBA、PS、PS2、GC、XBOX、PC、果てはスマホに至るまで発売されている息の長いシリーズである。
  • ポニーキャニオンの「スーパーピットフォール」というタイトルのゲームは、NECのパソコンPC-8801でも発売されている。
    • こちらは劣化スーパーマリオ的な要素はなくなり、ライフ制でマップも全く異なる別ゲームとなっている。攻略難易度は高いが、初見殺し要素やマップの複雑怪奇さは影を潜め、色々取っ散らかっているファミコン版よりも、きちんと要素がまとまったゲームになっている。
    • 主人公もハリーという名前は同じだが、マリオ感が全くない探検家っぽい容姿となっている。*5
  • 海外ではあのアトランチスの謎を続編として発売する予定だったがお蔵入りになってしまったようだ。*6

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最終更新:1970年01月01日 09:00