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STAR TRADER

【すたー とれーだー】

ジャンル STG+ADV
対応機種 PC-8801mkIISR以降、PC-9801VM/UV以降
発売・開発元 日本ファルコム
発売日 1989年3月
定価 8,700円
判定 なし

概要

  • シューティング革命を起こす、との意気込みでファルコムが投入した横STG。
  • STGとADVを併せ持ったゲーム。ただゲームとしてはSTG寄り。
  • PC88のSTGとしては出来はいい方。

ストーリー

かつて軍において「エースストライカー」の異名を持ったカイン。現在はトレーダーと呼ばれる非合法の運び屋を、愛機フェンリルとAIアダリーと共に、営んでいた。そんなある日、レフィと名乗る少女が彼の元を訪れる。出会いがしらに言い出した依頼とは、彼女の祖父を探し出す事だった。彼女の祖父は、惑星オグマで発見された超古代文明の当時の調査責任者だった。その彼が突然行方不明になった。この依頼をきっかけに、ただのトレーダーだったカインは、銀河に関わる謎に巻き込まれていく。

特徴

  • 横STGパートとADVパートを組み合わせたゲーム。ただしSTG部分が主でADV部分は従のポジション。全宇宙マップがあり、STGパートは惑星やステーションからの移動中の部分にあたる。ADVパートは惑星やステーションでの行動の部分となっている。また資金の概念があり、仕事をこなす事で収入を得る。資金は武装強化に必要。
  • 典型的な横STG
    • 自機はショットとミサイルの二種類の武装を持っている。移動は画面中自在に動ける。スピードも3段階に調整が可能。またダメージ制で、POWERゲージが0になるとゲームオーバー。
      • 終盤からは、シールド装置が搭載される。POWERゲージを3メモリ程度消費することで、全方向タイプのシールドを張る。発動中は、SHIELDゲージが0になるまで小型の敵や敵弾と接触してもダメージを受けなくなる。但し、ゲージがいくらか消耗してしまい、0になると消える。さらに、シールドは時間制で、何もしなくてもゲージが自動で減っていく。
    • 武装は惑星やステーションで購入する事で強化される。販売品は惑星やステーションで違うため、資金がどれほどあっても最強装備をいきなり揃える事はできない。
    • 難易度は武装によって極端に変わる。収入は限られ全ては買えず、ハズレ武装もあるので、選択を間違えると最初からやり直すハメに。ただしクリアするのに1時間半程度もあれば出来るゲームなので、最初からのやりなおしも大して苦でもない。
      • むしろ何度もやりなおすように仕組まれている面がある。実はADV部分で、善良に振舞えば振舞うほど収入が少なく、クリアが難しくなっている。
      • 自機の判定も大きめなため、障害物のある航路では敵や弾をかわすのが少々やっかい。ある程度、敵配置を覚えておく必要がある。
    • 中盤当たりから、一般のSTGのように大型のボスキャラが現れるようになる。各種砲台を持った戦艦タイプが多い。
  • ADVはコマンド選択式。
    • ADV部分も当時、一般的だったコマンド選択式。選択肢は少なく、総当りも簡単。ただし、選択によってストーリー展開が大きく変わる。これは収入にも影響する。その最大と最小はかなりの差。
    • 惑星やステーションからの移動は、物語の展開による。このため、自由に好きな惑星やステーションに行ける訳ではない。むしろほとんど移動先が決まってしまっている場合が多い。行った場所は自由行き来できるようになる。
    • ストーリー自体はそれほど深い出来ではない。ADVとしてのボリュームも少ない。もっともボリュームがありすぎてはSTGとしてのテンポが悪くなるため、本作のコンセプトからすると適度なサイズ。

評価点

  • PC88シリーズとしてはかなりいい出来の横STG。
    • パワーアップや様々なザコ敵機、そしてボス。STGとしてはしっかり作られている。バランスも悪くない。
      • ボスは大型戦闘艦や艦載機を搭載した空母など、大型キャラを動かしにくい機種にしては多彩。
    • 各航路はそれぞれ特徴があり、アステロイドベルト、惑星周辺、恒星近傍、要塞内など単調にならないようになっている。
    • もっともPC88で、STGは数えるほどしか出ていないので、比較できるゲーム自体が少ないのだが。
  • マニュアルにある自機、フェンリルの分解図やスペック解説は中々手が込んでいる。

難点

  • 対象マシンのスペック不足。
    • PC88としては出来がいいが、そもそもPC88自体がアクションゲームを作るにはスペック不足。特にスプライト機能がないのが痛い。このグラフィック部分の貧弱さのため、ややカクカクした印象を受ける。また速い弾は、飛び石状に向かってくるように見えてしまう。
    • この影響で、自機や敵機の動きの単位が大きく、さらに当たり判定もゲーム性からすると大きい。微調整ができず、障害物が多い航路ではミスの元に。
    • この点はPC98版でも大して変わらない。
  • STGとしては配慮の足らない面がある。
    • アステロイドベルトの航路は、岩石がオレンジ色で、敵の弾もオレンジ系のため見分けが付かない…というような気の回らない部分がある。
  • ボスキャラのいる航路が多いが、ADVとして考えた場合、一部の航路での大型艦が何故トレーダー風情に襲い掛かってくるのか不明。もちろん説明のあるものもあるが。

総評

さすがにPCゲームの大御所ファルコムが作っただけの事はあり、PC88のゲームとしては出来は平均以上。ただし、あくまでPC88での話。アーケードではSTG全盛であり、コンシューマーではPCエンジンが発売されて1年以上経っている。そんな中での低スペックマシンの真っ当な横STGでは、やはり見劣りしてしまう。それらにはないADVという要素があるが、あくまでSTG部分を前面に出した構成となっている。それでいて本道のSTG部分が見劣りしては、面白みに限度があるのは仕方ないところ。
対象機種のスペックの低さから、中途半端な出来となってしまったゲームであり、革命には遠く及ばなかった。

余談

  • アニメ『みんな集まれ!ファルコム学園』の主題歌(?)「Go Fight」は、本作のオープニングテーマのアレンジバージョンである。
    ファルコムファンの間では「ゴーファイ!」がある種の合言葉になり、2期『~ファルコム学園SC』では「アダリー」名義で本作の自機が登場した事も相まってか、本作にもコアなファンの注目が集まった。
  • 現在はプロジェクトEGGにてPC88版・PC98版・後述のX68000版が配信されている。

STAR TRADER(X68)

【すたー とれーだー】

ジャンル シューティング
対応機種 X68000(ソフトベンダーTAKERU専売)
発売元 ブラザー工業
開発元 MNMソフトウェア
発売日 1992年2月20日
定価 4,800円
判定 なし

原作との違いとシステム(X68)

  • X68000版は原作と違い、全く別ものに変化した。
    • ADV部分はオミットされ一般的なSTGとなった。もっともストーリーそのものは挿入デモとして残されている。デモシーン自体は描き直し。ステージ構成も原作のイメージこそ受け継いでるが、作りはまるで違う。
    • システムは残機制の横STG。武装はショットとサブウェポンの二種類。このサブウェポンはパワーアップアイテムを取得する事で変化する。ただし時間制限があり、新たにパワーアップアイテムを取らないと装備が解除され元に戻る。また次のステージに持ち越せず、ステージ開始時は初期状態の装備となる。
    • サブウェポンは6種類。パワーアップアイテムを撃つと、6種類の武装へ順番に変わっていく。
      • D:爆風を起こすミサイル。
      • H:ホーミングミサイル。
      • L:防御効果のあるオプションが付き、レーザーを撃つ。
      • P:防御効果のあるオプションが付き、前方にショットを撃つ。
      • T:高速ミサイル。
      • W:防御効果のあるオプションが付き、放射状にショットを撃つ。

評価点(X68)

  • 滑らかに動くようになった。
    • X68000はスプライト機能があるため原作のようなチラツキは全くなく、動きとしてはコンシュマー等と遜色ないものとなった。
    • 判定も原作の大きすぎた点は解消され、一般のSTGレベルとなった。
  • コンティニューは無限。
    • 難易度高めなため、これはありがたい。

問題点(X68)

  • 作りが雑。
    • ストーリーデモはステージ1前とラストステージ直前、ED前のみに挿入されている。だが原作のADVのストーリーをそのまま踏襲しようとしたため、デモが非常に長い。
      • 一応、原作で一番短い展開をまとめたものではある。それでも、それぞれが5分前後もありSTGとしては異常な長さ。
    • せっかくパワーアップシステムがあるのに、後半何故かパワーアップアイテムが出てこない。
    • 背景と敵の弾が区別しづらいという、困ったステージもある。
  • 難易度はやや高め。
    • 敵の動きが速めな上、自機の動きがやや重い。またパワーアップしていない状態だと地面や天井の敵を撃破しづらく、敵弾が多くなりがち。後半はパワーアップしないので、これが顕著になる。

総評(X68)

原作でのADV要素はゲームとしては効果的と言い難かったため、その部分をオミットし一般の横STGとしたのは分からなくもない。それでしっかりと作るならば問題ないのだが、本作はSTGとして杜撰な点が目に付く。
原作はマシン性能限界のためSTGとしては今一つな所があったが、本作は作りが雑なため同じく今一つなSTGとなってしまった。

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最終更新:1970年01月01日 09:00