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ギャラクシーフォースII

【ぎゃらくしーふぉーす つー】

ジャンル 擬似3Dシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼働開始日 1988年
判定 良作
ポイント 驚異の350度回転ゲーム


概要

  • AM1研制作のYボード作品。自機後方視点の擬似3Dシューティングである。宇宙を舞台に様々な惑星を転戦していく。
    • 本作はアップライト筐体と、乗り込んで左右に回転する大型筐体。そして前後15度、左右335度回転する大型専用筐体の三種類があった。
    • 350度回転の大型筐体はプレイ前にオペレーター(ゲーセン店員)に手荷物を預ける必要があった。
    • Yボードは『アフターバーナー』などで使われたXボードのグレードアップ版で、非常に多く・また大きなスプライトを表示できる代わりにスプライト以外のグラフィックを表示できないという性能。
      • そんな基板で作られた本作はスプライトを重ねて表示させることによる擬似3D表現の最高峰と言えるグラフィックを作り出しており、「スプライトのお化け」などと言われることも。
    • 前作『ギャラクシーフォース』(以下『I』と仮称)からROM交換によってコンバートされた新バージョンである。
      『I』は事実上の未完成版と見なされており、その稼働期間は二か月程度だったと言われる(同社の『アフターバーナーII』の時とほぼ同じ事情である)。

ストーリー

無限に広がる大宇宙。絶え間なく緑が広がり、満々たる水をたたえ、多くの生命が満ち溢れていた。ジュノスと呼ばれる恒星系にも、生命の喜びに湧く美しい星々が多く存在していた。その美しい恒星系に魔の手が伸びた。宇宙の悪魔と畏れられている「第四帝国」が侵略を開始してきたのである。殺戮と破壊を繰り返す「第四帝国」の勢力は、今や銀河全体にまで拡大し、強大なものとなりつつあった。「第四帝国」の狙いは、ジュノス恒星系の全惑星に要塞を設置し、ジュノス全体を巨大な魔窟と化すことだった。宇宙の平和を願い、各恒星系が連合して結成された銀河連邦は、いち早く「第四帝国」の真の目的を察知し、ジュノス恒星系の人々の救出と「第四帝国」の殲滅のため最強の戦闘集団「GALAXY FORCE」を組織させた。そして今、「第四帝国」の野望を阻止すべく、ジュノス恒星系に向け「GALAXY FORCE」の最新鋭戦闘機「TRY-Z」が発進するのだった…。


システム

  • 典型的な擬似3Dシューティング。完全な背後視点。画面中央に自機があり、ジョイスティックを操作して上下左右縦横無尽に移動する。基本的には自動で前進しているが、スロットルレバーで速度を調節できる。
    • ジョイスティックには攻撃ボタンがあり、自機前方に発射する機銃と敵を追尾するミサイルの二種類がある。ミサイルの弾数は無限で、同時ロックオンは4発まで。またステージ中に支援機と接触すると、同時発射数が一時的に増える。
  • いわば時間制とも言える作り。エネルギーがあり、ゼロになるとゲームオーバー。このエネルギー、時間経過で減少して行く。被弾や地形の激突で大幅に減少する。
    • ステージ終了時に、倒した敵の数に応じてエネルギーが回復、プレイ時間を延長できる。洞窟が二か所あるステージでは一つ目の洞窟を抜けた直後にも回復が行われる。
    • 自機にはシールドが張られており、ダメージを減少させる効果があるが、何発か攻撃を受けるとシールドが壊れてしまい、そのクレジットでプレイしている間は復活しない。
  • 全6ステージ*1
    • 1~5ステージのいずれからも開始が可能。クリア後は自動的に次の面へ回る。全5ステージクリアの後に最終ステージへ進行する。
    • ボスのようなものは存在しないが、ステージ最後に敵基地中枢があるためそこでも攻撃推奨。エネルギー回復量に大差が生じる。

評価点

  • 大型筐体の体感性を十分生かす構成。
    • ほぼ全てのステージで、自由に動ける空や宇宙と、要塞(惑星によっては洞窟を利用したものもある)などの隘路が、交互に組み込まれた構成になっている。大きく曲がりくねった隘路も多く、機体の旋回を堪能できる。
      • 洞窟では、左右に旋回する必要が出ると警告アナウンスが入る。
    • 各ステージはコンセプトがよく出ており、単調感はない。
      • LEVEL1:宇宙ステージ。最初のステージらしく、プレイしやすい。洞窟は1つでそう曲がりくねっていない。
      • LEVEL2:火山惑星。プロミネンスのように吹き出る溶岩が印象的。回避もしくはミサイルで吹き飛ばしながら進む。洞窟が二か所ある。
      • LEVEL3:森林惑星。立ち並ぶ木々が飛行を妨げる。敵も原生生物が多く、それまでの敵とは違う動きをする。洞窟には大きく旋回する場所がいくつもある。洞窟が二か所ある。
      • LEVEL4:岩石惑星。敵基地があり立ち並ぶ岩や構造物が多い。洞窟は1か所だが狭くなり難易度が上がっている。
      • LEVEL5:雲海惑星。次々と迫る雲が視界を妨げる。大型の敵も現れる。洞窟は狭く微妙に上下しているので厄介。洞窟が二か所ある。
      • LEVEL6:亜空間。最初から隘路。しかも左右だけでなく上下にも曲がりくねっている上、狭い。最初の隘路から出た中盤も、動きを制限する障害多数。後半の要塞内も狭い。
    • 速度に緩急をつけるのもなかなか臨場感がある。常にエネルギーが減り続けるこのゲームは速く進まなければエネルギーが尽きてしまうのだが、遅い方が敵を撃破しやすい。この速度の緩急がクリアのコツである。
  • 操作性はかなりいい。『アフターバーナー』などの従来のものよりも滑らかで、滑るように機体を動かせる。
  • 弾数無制限のミサイルは、なかなかの爽快感。
    • これまた弾数制限があった『アフターバーナー』とは違い、残弾に気を遣う必要がなくなった。
  • 派手な演出。
    • 蛇状の敵や、分裂編隊を組む敵、ミサイルなど、それまでのセガの疑似3DSTGにあったものが総出演。
    • 爆発、ミサイルの噴射煙なども見栄えがいい。
    • もちろん各ステージ演出も派手。
  • さすがのBGM。
    • ファンキーK.Hこと林克洋、PRITTY.K.Nこと並木晃一の手がける、スラップベース(チョッパー)をふんだんに使ったしっとりとしたフュージョン系のBGMも素晴らしい。

問題点

  • びっくりのプレイ価格。
    • 中型1クレ200円、大型300円の負担。まさにバブルの時代に沿った値段設定である。
      • 大型機は500円側のコインスロットに500円玉を入れると2クレジットというディスカウントがあった。
  • 疑似3Dなため、慣れない内は壁との距離感がつかみにくい。
    • 特にLEVEL5の洞窟は、床と天井が凸凹した岩で描写されているため、上りと下りが分かりにくい。
  • 派手な演出が逆に邪魔な時も。
    • ミサイルの噴射煙や、敵の爆炎などで前方が見えなくなる場合がある。特にミサイルは自機周辺から発射されるので、四発以上同時発射すると一瞬画面中央は煙だらけとなる。動きが制限される洞窟などでは、少々邪魔。近距離で敵を多数撃破しても、似たような状態になる。

総評

ビックリドッキリの超駆動大型筐体ゲーム。ある意味大変セガらしい。
大型筐体を長らく出してきたセガの集大成ともいえるゲーム。体感性をぞんぶんに味わえるステージ構成や、操作感のよさ、ステージによくあったBGMなど、疑似3Dシューティングとして十分満足できる出来。ただ一点、プレイ価格が高すぎるのが玉に瑕。

PL法の制約が厳しいことや、セガ(当時)自身ジョイポリスで死亡事故を起こしたり*2した影響もあり、体感「ゲーム」から有人運営でゲーム性のない体感「マシン」へと移り、最終的に体感筐体はほぼ作られなくなった。おそらく今後超えられることがないであろう「最高峰」と言える。


移植

  • MD版、セガマスターシステム版、FM-TOWNS版、SS版、PS2版(セガエイジス)、3DS版(セガ3D復刻プロジェクト)がある。マスターシステム版を除き、全てバージョンアップ版である本作がベース。
    • MD版は本体の性能差はあれ、できる限りなされたという忠実な移植。マップが狭くなっているなどの問題はある。ちなみにBGMのコンバートとプログラミングは元・電気グルーヴの砂原良徳が手掛けている*3
  • FM-TOWNS版は音楽は専門家によって独特のアレンジされた曲。難易度選択が可能である。最低難易度はかなり易しい。また難易度に関わらずオリジナルと異なり全く攻撃してこなくなった敵が多い。マップはMD版と同じようにオリジナルより簡略化されている。
  • マスターシステム版はエネルギー数値がなくシールドゲージによる完全ダメージ制で、雲海惑星がカットされていたりなどシステムはほぼ無印の内容になっている*4。日本では未発売だがMD発売前は発売予定ソフトだったため、変換アダプタを使って、日本のマスターシステムやFM音源パックを搭載したセガマークIIIでこのソフトを起動するとFM音源仕様のBGMになるという隠し仕様がある。
    • 『アウアーアーアー』と比喩された『アフターバーナー』と比較すると、ミサイルに白煙が付き軌道が追いやすくなったため、だいぶ遊びやすくなっている。
    • 2023年11月に発売された『龍が如く7外伝 名を消した男』にMS版『ギャラクシーフォース』がプレイスポットとして収録されている。
  • SS版は画面効果を含めかなりAC版に忠実な移植ではあるが、フレームレートがAC版より低く、一部のキャラが省略されてたりと細かい部分での差異がある。
  • PS2版はアーケード版の再現(画面効果もアーケード忠実再現か、PS2での演出の「ネオクラシック」のいずれか選択可能)に加えてMD版&セガマスターシステム版を収録、TOWNS版のBGMも収録。更にAC版には無かったエンディング曲が完全新曲として追加されている。
  • 3DS版はPS2版をベースにした移植。追加要素は少なめだが、他の復刻作品同様に筐体を見る視界を再現したモードも用意されている。
    • 流石に要求スペックが高かったようで、普通出来ない物を実現してしまう 変態 技術者集団M2をもってしても処理速度が足りず、他の復刻作品とは異なりBGMはストリーム再生で妥協している*5。また、筐体再現モードの駆動音はSDX、DXどちらをセレクトしてもDXの音しか鳴らない。理由は後にも書いてあるが、SDXの稼働筐体が存在しなかったため。
    • なおそのBGMだが、筐体版から2箇所手直しがされている。そのうち片方は今まで発見されていなかったプログラムミスであり、今回の録音時にそのミスを修正したEP-ROMを焼いて筐体で鳴らした物を録音しなおしたというこだわりの修正を行っている。

余談

  • PCエンジン版がNECアベニューから発売予定だったが、さすがに移植不可能だったためか、中止となった。
  • メガドライブ「スーパー大戦略」の隠しユニットとしてTRY-Zが登場する。名称は「ギャラクシーF」。
    • 後付けの設定かも知れないが、搭載武器に「フォトントーピード(光子魚雷)」「パワートーピード」「46mmキャノン」と、本作にはない具体的な名称で登録されている。
  • ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』のDLC機体として、TRY-Zがゲスト参戦を果たした。
    • 3Dシューティングとは全くゲーム性の異なる横スクロールシューティングへの参戦にあたって、性能面で大胆なアレンジが施されている。
      例を挙げると、連射が効き直進するメインショットと弱い追尾性能を持ったサブショット(ボム)に加え、バーストゲージを消費することで「無敵状態になりつつ縦方向に高速移動+敵を追尾するミサイルを発射」という特殊装備を使用することができる。
    • なお機体選択画面では各機体のイメージイラストが表示されるのだが、本作のものはと言えば 元のイラストに描かれていた女性キャラ*6が描かれている部分が見切れてしまっている
      • CERO審査に影響するための措置だと思われるが、後に発売された『ダライアスバーストCSコア』*7では上半身が入る形でトリミングし直され、無事(?)出演と相成った。
  • 他に類を見ないギミックかつ大型の筐体であったため、それにまつわる逸話も多い。
    • まず筐体そのものが非常に高価。アップライト筐体は約100万円(当時相場)、中型(DX)が330万円。大型の350度回転筐体(SDX)に至っては 500万円 と言う驚きの価格。
      • 加えて、店舗側は安全の為に荷物を預かる人員を用意しなければならなかったわけで、人件費も馬鹿にならない。
    • 現存している筐体数も非常に少なく、把握されている物としてはSDXの稼働筐体は国内に0機、故障中の静態保存機すら1機しか無い。海外では、カナダにて2018年にSDXの稼働筐体が存在したという報告が上がっている。
      DX筐体については、セガ社内に動態保存機が1機存在する。
      • また、基板についてもコンバージョン前の『I』のROMが載ったものは現存していないのではないかとの話もある。
      • 仮に、筐体が健在であったとしても安全性に問題があると考えられ、PL法の存在もあり現代のゲームセンターなどで合法的にプレイすることは絶望的だろう。
    • 世界的に有名なキングオブポップスこと「マイケル・ジャクソン」が本作のSDX筐体を所持していたのは有名。
      • 私財を全てオークションに出す際に出展されたが、オークション自体がその後無かった事にされてしまう。加えて間も無く氏も亡くなられた為、氏が所持していた筐体の行方は明らかになっていない。
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最終更新:1970年01月01日 09:00