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オーダイン

【おーだいん】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード (SYSTEM II)
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 1988年9月
プレイ人数 1~2人(同時)
配信 バーチャルコンソールアーケード
【Wii】2009年12月1日/800Wiiポイント(税5%込)
アーケードアーカイブス
【Switch】2022年10月27日/838円(税10%込)
【PS4】2022年10月27日/837円(税10%込)
判定 なし
ポイント 回転拡大縮小による演出の数々
買い物次第で戦況有利に
最強武器ストックボンバー


概要

1988年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)がリリースした業務用横スクロールシューティング。
当時開発された新基板・システムIIの2作目のタイトルである。

システムII基板のセールスポイントは回転拡大縮小機能。2Dのドット絵をグルグルと回転させたり、拡大・縮小させることが、簡単に出来るようになっており、この機能をふんだんに活用した演出が本作の売りとなっている。また、買い物をして自機をパワーアップさせるシステムも本作の特徴である。

ナムコの横シューティングは数が少なく、本作の前後にリリースされたものでは『スカイキッド』(1985年)・『スカイキッドDX』(1986年)・『ピストル大名の冒険』(1990年)などがある程度で、非常に珍しいものとなっている。

ストーリー

天才科学者、泊裕一郎は、あらゆる物質を好きなものに作り変える事ができる夢の原子変換装置『オーダイン』を完成させ、
その起動装置を組み込んだペンダントを婚約者の相原香奈にプレゼントする。

ところが、結婚式の前日、オーダインに目をつけた悪人クボタがペンダントもろとも香奈をさらってしまう。
オーダインを取り戻し香奈を救い出すべく、泊博士は弟子のサンデー珍と共に戦闘機に乗り込み、クボタ率いる悪の軍勢に立ち向かっていくのであった。

システム

  • 1レバー2ボタン(前方ショット・落下型ボム)で自機を操作。
    • ショット・ボム共に、ノーマル状態であれば無制限に発射が可能。ボム1発でショット2発分の威力がある。
  • 全7ステージ1周エンド、各面の最後にいるボスを倒せば面クリア。
    • インターバルにクリアデモが挿入され、ボーナス得点ならびにボーナスクリスタルが得られる。
    • 最終面をクリアすると、残機とクリスタルがスコアに加算され、ネームクレジット後にゲーム終了となる。
  • 2人同時プレイ及び途中参加可能。1P側が泊博士、2P側が助手のサンデー珍を操作する。
    • 機体の外見や色以外の性能差は無いが、空中INで購入できるアイテムに違いがある。「サブロック」は2P側でしか購入できない。
  • 残機制で敵機・敵弾・地形に接触すると1ミスとなり、全機失うとゲームオーバー。残機数は工場出荷状態で3機*1
    • ミス後は自機が残っていればその場復活が可能、コンティニューした場合、5面までは復活ポイントからリスタートできるが、6面以降はどこでゲームオーバーになっても面の最初に戻されてしまう。
  • 特定の敵を倒すと風船の形をした「クリスタル」を落とし、それを拾い集めると「空中IN」や「DREAM CO.,Ltd」の買い物マネーとして使用できる。ただし拾い損ねると画面上部まで浮かんで飛んでいき、そのまま画面から消えてしまう。
    • また、ステージクリアやコンティニュー時でもボーナスとして一定のクリスタルが入る。
  • ときおり出現する「空中IN」「DREAM CO.,Ltd」に自機が触れる事により、ショップ画面へと移行する。
    • 2人同時プレイの場合、どちらかのプレイヤーがショップに入ると、もう一方のプレイヤーも自動的にショップに入り買い物が可能。
    • ショップには営業時間が設定されており、一定時間が経過すると自動的に退店させられる。
    • ショップから出た直後は数秒間無敵になるので、これを利用して敵を一掃することも可能である。
    • 「空中IN」ではクリスタルと引き換えに、3つの中から1つだけアイテムを購入できる。
      • ショップの出現場所により品揃えや売価が違い、先に進むにつれ高くなる。また同じ場所の店でも1Pと2Pで品揃えが異なる。
    • 「DREAM CO.,Ltd」はクリスタルと引き換えに、ルーレットに挑戦できる。
      • 当たった番号によりアイテムやクリスタルを得られる(ハズレもある)。
      • ちなみに「DREAM CO.,Ltd」は「ドリームコルテット」と読む(パンフレットにそう書いてある)。
  • 各種アイテムの詳細は以下の通り。
    • これらのうち武器アイテムについては、同系統武器を複数持てないため、現在装備中の武器と同じタイプの武器を購入すると以前使っていた武器は無くなってしまう(例えばストックボンバー装備時にバルカンを買うと、ストックボンバーは無くなる)。
      • 但し「DREAM CO.,Ltd」で武器アイテムが当たった場合に限り、すぐに装備するか否かを選択できる。すぐに装備しなかった場合は、ミス後の復活時にその武器を自動装備して復活する。
+ アイテム詳細
前方ショット時間系
30秒間、前方ショットを各強化版にて撃つ事ができる。時間内であれば無制限に使用できるが、その間にミスをすると効果が無くなる。
ワイド
上下に幅の広いショットを放つ。

バルカン
連射ショット。プログラムによるシンクロ連射のため、アナログ連射よりも性能に優れる。

アフターファイヤー
前後に放たれる貫通弾。弾の切れ目が殆ど無く、自機の前後をほぼカバーできる。

3WAYバルカン
通常弾を3方向に放つ。広範囲に散らばった雑魚敵を一掃するのに便利。
落下型ボム回数系
いずれも5発使用可能。また、通常の落下型ボムと使用ボタンを兼ねているので、これらを所持している間は通常ボムは放てない。
ホーミング
8発の誘導ミサイルを発射。

ファイヤーボンブ
自機斜め下に爆弾を投下。着弾後、巨大な爆炎が広がり広範囲にダメージを与える。3面ボスを瞬殺できるなど、主として対ボス戦に効果を発揮する。

サブロック
サンデー珍専用の武器。自機上方にファイアーボンブを打ち上げる。3面から登場するが、真上に飛ぶため、ボス戦の切り札にしようにも6面以外では効果を発揮しづらい。
その他
ストックボンバー
自機にバリアを張り、バブル型の前方ショットを放てる。敵弾を勝手に吸収する能力を持ち、吸収が最大限まで溜まった状態で攻撃すると、広範囲で攻撃力大なショットを放てる。時間制限はなく、自機がミスするか、ダメージによりバリアが消えるまでは使用可能。
スピードアップ
「スピードアップ」「水中モーター」の2種があり、前者は空中飛行、後者は水中飛行での自機のスピードアップを図る。購入すれば常に効果が発動し、ミスやコンティニューをしてもダウンする事はない。

マイシップ
自機ストックを一つ増やす。売価が非常に高く、最終的に99800まで高騰する。

品揃えの中には、二つのアイテムが入ったバリューパックというものもある(スピードアップ+バルカンなど)。いわば抱き合わせ販売。

評価点

  • 当時としては異色だった、回転拡大縮小機能を使った演出の数々。
    • ステージ1のボスを倒すと傾きながら沈没する様や、ステージ2の回転する背景の壁のシーンなど、オープニングデモからエンディングに至るまで、頻繁に背景や敵キャラがダイナミックな動きをするインパクトは相当のものだった。
  • 可愛らしいコミカルなステージ舞台や、色彩豊かで細かく描写されたグラフィック、細江慎治作曲のノリのいいBGM、など当時のアーケード作としては標準以上の内容を内包していた。
  • 基本システムが簡単でプレイヤーがとっつきやすい。難易度も業務用としては簡単な部類に入り、やり込めば1コインクリアも十分可能なゲームバランスに設定されている。
  • ルーレットは回転機能を使用している為、滑らかに回転し実用に近い。ある程度慣れれば目押しは可能で運任せではなくなる。

問題点

  • ミス後の復活が困難で、場所によってはまともに体制を整えるのも難しい事もある。
    • また、本作は原則として買い物にてパワーアップを行う方式なので、復活後、満足に稼げず常時すっぴん状態のままの戦いを余儀なくされる場合もあり得る。
  • 時間制限が無い上に敵の弾を無制限に防御できるストックボンバーがあまりにも強力かつ便利すぎて、他の前方ショット時間系の存在価値が無に等しくなってしまっている。うっかり前方ショット系の武器を買ってしまうとストックボンバーが消滅してしまう。ストックボンバーが有るのと無いのとでは雲泥の差。
  • 6面以降は面の最初からコンティニュー。
    • 6面はボスラッシュ、7面は障害物だらけで敵弾も多く、後半はパターンを覚えないと進めない。それなのにいちいち最初からやり直しではきつすぎる。

総評

回転拡縮による演出で、新しい基板の実力を見せつけた一作。
ゲームとしては特に大きな批判も聞かれない反面、「これは名作だ!」と絶賛される程の評価も聞かれない、いわばごく普通の佳作に位置するであろう作品である。
だが、本作の全体的に漂うB級臭さ(褒め言葉)や、愛くもちょっとシュールな世界観に惹かれるファンは決して少なくない。
キャラクター性とコミカルな世界観を内包した、ナムコらしい作風の作品だといえるだろう。


移植版

対応機種 PCエンジン
メディア 4MbitHuカード
発売日 1989年9月8日
価格 6,800円
プレイ人数 1~2人(同時)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年8月21日/600Wiiポイント(税5%込)
判定 なし
  • 1989年にナムコより発売、単体の移植としては唯一の存在。
    • 家庭用機ということから、業務用と比べ全体的に難度が低下。難所であった7面回転板も、大幅に緩和されている。
      • オプション設定(ただし隠しコマンドとなっている)により、難易度・残機設定が可能。コンティニューは5回までで、どの面でコンティニューしても面の最初からリスタートする。
    • ボイス・2重スクロールは全て割愛され、回転拡縮を利用した業務用の演出もほとんど差し替えられているが、回転するパーツを丸くすることでプログラミングによる擬似的な回転を再現するなど、ハードのスペックを考えれば頑張っている出来。
    • 二人同時プレイも再現されており、総合的にはアーケードに近い移植度になっている。
  • 当時のゲーム雑誌に於いても「回転拡縮が取れてしまって普通のシューティングになってしまった。それでもかなり頑張っている、オリジナルのことを考えなければ傑作だと思う」*2とメーカーの努力を評価するライターが多かった。
    • しかしその一方で業務用で最強を誇ったストックボンバーの大幅な弱体化を嘆く声もあった*3
  • プレイステーションソフト『ナムコミュージアム VOL.4』(1996年)
    • アーケード版がほぼ完全移植されて収録されている。当然ながらPCエンジン版よりも移植度は高く、拡大縮小回転もばっちり再現されている。
    • しかし、ディスクメディアであるが故に、ステージ前後にかなり長いロードが入ってしまう(ロード表示もされる)のが唯一の欠点。
  • バーチャルコンソールアーケード版(2009年12月1日 ※現在はサービス終了につきDL不可)
    • Wiiのバーチャルコンソールアーケードにて配信された。
  • アーケードアーカイブス版(2022年10月27日)
    • アーケードアーカイブスの1作品としてNintendo SwitchとPS4にて配信。国内版のほか、海外版も収録してある。
    • ハイスコアモードはスコアと最終的な所持クリスタル数の2部門が用意されている。

余談

  • 概要でも述べたように、本作は回転拡大縮小機能を搭載した新基板・システムIIの2作目のタイトルである。
    • この基板のゲーム第1弾である『アサルト』がその機能をゲームのメインコンセプトに用いたのに対し、本作は背景やボスの表現など演出効果を高める手法として用いている*4
    • 『アサルト』の操作方法が独特*5であったのに対し、本作はレバーとボタンによる一般的な操作方法であったため、多くのプレイヤーに受け入れられた。
  • そこそこ人気があったゲームな割には、家庭用移植にはあまり恵まれていない。やはり、拡大縮小回転機能を再現するには当時のハードスペックでは厳しいものがあったようだ。
    • 当時はPCエンジンでどうにか移植できた程度。完全な移植は数年後のPS版まで待つ必要があった
  • 空中INの店員の女の子の名前は「みゆきちゃん」。
    • 出番の多さゆえ、ヒロインである香奈ちゃんを差し置いて認知度と人気がかなり高かったりする。
    • そんな彼女だが、買い物をしないと「ありがとうございました」と言わず、無言でプレイヤーを見送る。これを「意外と守銭奴」「実は腹黒いのでは」とネタにする人も意外と多かった。
      • 後に彼女が『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』に参戦した際には、このネタを取り込んだせいか、本当に裏表のある腹黒キャラになってしまった。
  • 香奈ちゃんファンの声が届いたのか、PCエンジン版では香奈ちゃんをプレイヤーキャラとして操作できる「香奈ちゃんモード」が用意されている。
    • しかし、肝心の香奈ちゃんのキャラクターデザインがAC版と違い少々ケバくなっているため、香奈ちゃんファンには不評であった。
    • 同様に空中INのみゆきちゃんの顔グラフィックも微妙なデザインに変更されてしまっている。
  • ゲームシステムが本作の2年前にリリースしたセガ・エンタープライゼスの『ファンタジーゾーン』に類似した点が見られる。
    • 具体的には、ポップでコミカルなデザイン、前方ショットと落下型ボムの操作性、買い物の存在、一部ボスは特定の購入アイテムを使う事により瞬殺が可能な攻略法(ステージ3のボスにファイヤーボンブを当てると一撃で沈むなど)、などが挙げられる。
  • ナムコのBGMのボーカルアレンジを集めたベストアルバム「namcoベストヒットパレード」にて、本作の1面目のBGMが「素敵なオーダイン」のタイトルで書き下ろしアレンジされた。キュートなノリと弾けた歌詞のラブソングとなっている。
    • オーダインの曲は「タマリン細江」となっているが、めがてん細江(細江慎治)氏その人である。

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最終更新:1970年01月01日 09:00