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「ウルティマIV Quest of the Avatar」
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ウルティマIV Quest of the Avatar
【うるてぃまふぉー くえすと おぶ ざ あばたーる】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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原語版:AppleII、Commodore64、Amiga、Atari 8-bit、 Atari ST、IBM PC 日本語版:PC-8801MkIISR、FM-7、X1、PC-9801UV、 MSX2、X68000、FM TOWNS
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発売・開発元
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原語版:Origin Systems 日本語版:ポニーキャニオン
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発売日
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【AppleII】1985年9月16日~
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判定
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賛否両論
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Ultimaシリーズ
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概要
RPGの元祖の一つ、ウルティマシリーズの四作目。
自由度の高さと独創的なストーリーが話題を呼び、RPGの在り方に一石を投じた作品となった。
ストーリー
魔道士モンデイン、その弟子の魔女ミナクス、大災厄エクソダス…ソーサリアを立て続けに襲った三度の災厄は、異世界から召喚された勇者によってその都度退けられていた。
しかし、エクソダスの放った最後の一撃によりソーサリア大陸は大幅に変貌。世界の在りようが大きく変化し、新たに「ブリタニア大陸」と名付けられた。
ソーサリア時代から引き続きブリタニアを統治しているロード・ブリティッシュは、これまでに襲った災厄の原因が人々の心の中にある徳の欠如にあると考え、徳の実践者として人々を導く存在「アバタール」の降臨を願った。
そして異世界から1人の若者がアバタールになることを期待されて召喚された。それがあなたである。
特徴とシステム
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ゲームの目的
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本作の目標は、人々をよき方へ導く聖者「アバタール」になること。そのためには究極の知恵の写本「コデックス」が必要となるのだが、コデックスを手にする資格があるのは後述する8つの徳を全て究めた者のみ。本作は自由度が高めに作られているのだが、その中でプレイヤーは自分の行動を正しく律することを求められる。
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8つの徳
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プレイヤーは町の人々と会話したり、好ましいと思われる行為を行うことで「徳」が上がっていく。
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徳は「誠実」「慈悲」「武勇」「正義」「献身」「名誉」「霊性」「謙譲」の8つで、目に見えないマスクデータとして管理されている。
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例えば秘薬を購入する時に、店員から「私は目が見えないので、代金をカウンターに置いて行ってください」と言われ、任意の金額を支払う場面になる。代金をごまかすことも出来るが、そうすると「誠実」の徳が下がり、アバタールからは一歩遠のいてしまう。逆に代金をきっちり支払うと「誠実」の徳が上がる。
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キャラクターメイクに関しても8つの徳が絡んでいる。
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冒頭で行われる占い師との一問一答で決まるのだが、8つの質問全てが徳に絡んだものとなっており、8つの職業それぞれに司る徳が設定されている。そのことを理解していれば自分のやりたい職を選ぶことも可能。
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職業が決まったと同時にスタート地点も決まる。たとえば職業が吟遊詩人であれば、慈悲の町ブリティンから始まることとなる。
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また、8つの職業それぞれに仲間に加えられるNPC(アバタール・コンパニオン)が存在する。マイキャラと同じ職業のNPCは入れ替わる形で消滅するが、残りの7つの職業のキャラは対応する町を訪れて会話すると仲間に加えることができる。
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冒険の舞台はフィールドとダンジョンの2つ。
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フィールドでもターン制で、プレイヤーキャラクターが一歩動くごとに1ターンが進む。
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本作でも食料の概念はあり、数ターンごとに食料がわずかずつ減っていく。仲間を加えると食料の減りも早くなる。
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エンカウントはランダムではなくアイコンとの接触方式で、フィールド移動しているとモンスターがどこからともなく現れてプレイヤーめがけてターンごとに移動してくる。
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ダンジョンはこれまで同様3Dタイプで、ダンジョン内のエンカウントもフィールド同様モンスターアイコンと接触することで行われる。
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また、ダンジョン内には「玄室」があり、そこに入ると自動的に戦闘画面へと移行する。「スイッチを踏むと壁が開く」といった仕掛けがされていることもあって、パズル的な謎解き要素もある。
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戦闘方法は『III』と同様のシステムで、トップビューからのターン制戦略バトル。
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バトルフィールドから外に出ることで逃げることができるようになった。ただし、HPが多い状態で逃げると臆病者とのそしりを受け、「武勇」の徳が下がってしまう。
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これには例外があり、属性が「悪」以外のモンスターからは逃げても徳は下がらない。また、迷宮内の玄室ではたとえ相手が悪のモンスターでも逃げ出しても徳は下がらない。
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逆に、自分からA(Attack)キーで戦闘を仕掛けた場合は「悪」以外のモンスターを殺してしまうと「慈悲」「名誉」「正義」といった徳が下がってしまう。Aキーを使わず、モンスターから戦闘を仕掛けられた場合(いわば専守防衛)ならば、悪でないモンスターを殺してしまっても徳は下がらない。
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また、エンカウントした地形によってバトルフィールドも変わる。例えば丘陵地帯で戦うと障害物が多いといった変化がある。
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魔法を使うには八つの触媒を調合した「秘薬」をあらかじめ作成しておく必要がある。
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触媒は全部で8つあるが、ショップにはそのうち6つまでしか売っていない。残りの2つ(ナイトシェードとマンドレイク)は会話をヒントに自分で採集する必要がある。
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秘薬のレシピも最初は基本的なものしかわからないので、人々から教わる必要がある。
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この秘薬システムは洗練された上で『ウルティマオンライン』にまで引き継がれている。
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町中のすべてのキャラクターは、プレイヤーが打ち込んだキーワードに反応して様々な返事をするという斬新な会話システムを採用している。どちらかというとアドベンチャーゲームのようなシステムであり、当時としては非常に珍しかった。
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会話中「どこそこの町の誰々に○○を聞け」などといったヒントが得られることがあり、○○を押さえていないと事態が展開しない。会話を進めることが(今でいう)イベントを進めることと同義で、一本道なストーリーイベントのようなものはほとんど存在しない。
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会話の返答によっては、プレイヤーの徳が下がることもある。
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もっともよくあるケースとしてNPCからの「はい/いいえ」で答える質問に対して両方の答えを返してしまうというもの。ドラクエなど普通のRPGでは「はい/いいえ」両方の反応を見るのはごく普通の行動だが、本作でそれをやると「誠実」の徳が激減してしまう。
評価点
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ストーリー面
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まず当時話題となったのがそのストーリー。本作にはいわゆる「倒すべきラスボス」が存在しない。それまでのRPGがほぼ全て「人々を苦しめている魔王を倒せ」という風なストーリーであったのに対し、本作はそこから一歩先の「魔王は倒れたがそれだけでは問題は解決しない。ではどうするか?」という「その後」を見据えていたのだ。
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自由度の高さ
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本作の魅力は自由度の高さにつきる。そもそもスタート地点からして職業によってばらばらであり、かつ必要なアイテムが見つかる順番も人によって違う。秘薬などのゲーム内の重要アイテムから、なくてもクリアできるアイテムまで、様々な町で様々なNPCが語る情報を整理して推測する必要があるため、情報を得るタイミングでその順番が前後することなど当たり前のようにある。
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ゲームクリアは不可能になるが、好ましくない行動を選んで取ることも可能であり、そういう意味での懐の深さをもっている。後年この思想はウルティマオンラインにも引き継がれ、(今では不可能だが)当初設定されていた死体の解体を行ったりすることができる仕様につながっている。
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ボリュームの大きさ
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作者であるリチャード・ギャリオットは当時「答えを知っている人間がプレイしたとしてもクリアには一か月はかかる」とコメントしており、実際まともにプレイするとそのボリュームの大きさに圧倒される。
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町のキャラクターたちの多様さ
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町に存在するモブたちはほぼすべてのキャラクターに名前があり、多くの会話データを持っている。そこから窺うことのできる、彼らのもつ実に様々な背景がゲームに深い奥行きを与えている。
問題点
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自由度の高さの裏返しともいえるが、ハードルは極端に高い。
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キャラクターメイク直後にフィールドに放り出され、何をすればいいのか町の住人たちと会話を試みても全くわからない。当面の目標もわからずに途方に暮れるプレイヤーが多かった。
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アイテムの効能やそれを探す目的が明確に語られないことも多い。例えば「マントラ」や「ルーン」はゲームクリアの上で非常に重要な要素だが、どちらも何に使うのかが明確ではない。「神殿というところで使うのだ」としか語られず、神殿にいったところで自分の何が変化したのか全く見えない。
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会話で得られる情報に関しても具体的なヒントに乏しく、会話データも膨大な上に様々なイベントが並列で進むため、メモをとらずにゲームを進めると訳がわからなくなる。これにより途中脱落するプレイヤーが続出したと思われる。
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操作性の悪さ
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本作では文字入力で会話を進めるため、その際にキーボードを使うのは致し方ないが、それ以外の場面でもキーボードのA~Sまでにコマンドが割り振られており、ある程度これを暗記しないとゲームにならない。
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レベルアップの不便さ
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レベルアップは前作同様、ブリタニアの城にいるロード・ブリティッシュに謁見することで行われる。
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だが、職業によってはマップの広さが災いしてロード・ブリティッシュに会うまでに非常に時間がかかる。その場合、レベル1のまま長くゲームを続けることになり、そこで折れてしまう人も多い。
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処理速度の遅さ
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ポニーキャニオンの移植レベルは決して低くはなかったが、8Bit機では移動に多大な時間がかかったり、町に入るたびにディスクの入れ替えが必要だったりと言った面倒さがあった。
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ただし、後発の16Bit機やFC版などではそういった点は大幅に改善されている。
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8bit機のフロッピーディスクは16bit機のものより容量が低い傾向が有り、本ゲームに限らず大規模なゲームについてはやむを得ないもの。本作に限らず「ディスク5枚組」などは当たり前であり、各メーカーの国産PCが群雄割拠していた当時のプレイヤーにとってはむしろ、自分の所有する安価な8bit機に新作ゲームが移植されるだけで大歓迎であった。ちなみに8bit機ではHDDは全く一般的ではなかったため、HDDにインストールして速度向上、と言った事は基本的にできない。
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戦闘バランス
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本作は基本的に「飛び道具ゲー」。敵との遭遇時に数歩ほどの距離が空いているため、大抵は近づかれる前に飛び道具を撃ちまくればケリがついてしまう。一方、遠距離から魔法や飛び道具を撃ってくる敵もいるので、近距離にしか攻撃できない武器では全く太刀打ちできない。
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秘薬システムのせいで魔法を使いにくい。秘薬を消費するにもかかわらず攻撃魔法の威力が弱いこともあいまって、大半のプレイヤーはHP回復や解毒といった必要最低限の魔法しか使わなくなる。
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材料の触媒を集め、調合し…と、秘薬の補給にもそこそこ長い時間がかかる。
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地味で説教臭い内容
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本作が日本でウケなかった最大の理由のひとつ。ハード性能の問題もあり演出は地味、ストーリーを盛り上げてくれるようなイベントもなく、ハクスラやキャラ育成を楽しめるようなゲームシステムでもない。プレイ中は各地を巡って情報とクリアに必要なアイテムを集め、それと並行してレベル上げと装備新調、徳を上げる作業を淡々と行い続ける…要するに「地味で爽快感が皆無」なのである。
総評
開始直後のハードルこそ高いが、そこさえ乗り越えてしまえば非常に奥の深いゲームである。哲学的にさえ見える3つの原理と8つの徳の関係に隠されたパズル的要素や、ラスボスが存在せずに究極の知恵の写本を見つけて持ち帰ることがゲームの最終目的であることなど、RPGとして作られたゲームでは非常に珍しいフォーマットで作られたゲームであった。
日本においてはゲームスタート直後の不親切さが災いして評価はあまり高くないが、海外での評価は非常に高く、タイム誌が選ぶ「歴史に残るゲーム100選」の1つにも選ばれており、後年のゲームに与えた影響も大きい。
そして当のウルティマ自身も、これ以降は単純な勧善懲悪ではないストーリー展開を進めていくことになる。
移植
移植についてはポニーキャニオンが力を入れており、PC版やFC版などを担当している。
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ポニーキャニオンはフジサンケイグループの一つであり、日本語版発売と同時期に行っていた「コミュニケーションカーニバル 夢工場'87」というイベントにおいて、各機種での試遊台が設置されていた。
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X68000版では当時比較的強力だった内蔵音源を利用し、BGMに高度なアレンジがなされていた。
ウルティマ 聖者への道
【うるてぃま せいじゃへのみち】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2Mbit+64kRAMROMカートリッジ
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発売元
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ポニーキャニオン
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開発元
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インフィニティー
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発売日
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1989年9月20日
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定価
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5,900円(税別)
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判定
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なし
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概要
『ウルティマIV』のFC移植版。『聖者への道』というサブタイトルがつけられている。
システムの簡略化などアレンジが加わっているものの、前作『ウルティマ 恐怖のエクソダス』で不評だった独自のメタフィクション要素は一切なくなり、原作の雰囲気を尊重した丁寧な移植となっている。
変更点など
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PC版に存在した「食料」「馬」は削除。
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PC版ではフィールド探索時はシンボルエンカウント制だったが、FC版ではランダムエンカウント制になっている。しかし、この変更点がバランス悪化につながってしまっている(後述)。
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宝箱の罠の廃止。当然それに応じて罠を外す魔法も廃止されている。
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よって、宝箱を開ける際に開けるメンバーを選ぶのは全く無意味なのだが、何故かこれはそのままになっている。
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幼年層に配慮し、難しい言い回しが平易なものに改まっている(例…「慈悲」→「やさしさ」、「謙譲」→「けんきょさ」など)。
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アバタール・コンパニオンの一人、鍛冶屋のジュリアが男性に性別変更。名前も「ジュリアス」に変わっている。
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魔法使いも説明書内のイラストでは男性の老人に変わっているが、ゲーム内では女性のままである。
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秘薬調合の廃止。魔法は触媒(とMP)を直接消費するようになった。
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PC版では8人パーティーを組めたのだが、FC版では4人まで。あぶれたキャラはロード・ブリティッシュ城に滞在しており、そこでメンバーを入れ替えられるようになっている。
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PC版では質問の答えさえ知ってしまえば徳を上げる作業が必要なかったが、FC版ではきちんと8つの徳全てを究めないとクリアできない。
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BGMは全曲ファミコン独自のものに差し替え。
評価点(FC版)
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前作『III』のFC版移植よりもグラフィックが向上し、PC版と比べても見やすくわかりやすいものになっている。ロード時間も皆無。
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前作の移植では不評だった原作の難解なシステムはばっさり切り捨てられ、プレイしやすいシステムになっている。
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サウンドはPC版とは全く違うが、一定の評価を受けている。
問題点(FC版)
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ゲームバランスはPC版よりも若干悪化している。前述のランダムエンカウント制への変更が原因。
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まず、お金を稼ぐのがPC版よりもつらくなっている。PC版では「ダンジョン内の玄室でのエンカウントは一歩外にでると即座に復活する」という仕様があったのだがこれが廃止され、PC版のお金稼ぎのテクニックである「敵と複数の宝箱が同時に出現する玄室を何度も訪れて戦闘を繰り返す」ことができなくなってしまった。にもかかわらず物価と宝箱に入っているお金はPC版から据え置き。
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また、「連戦したいのになかなか敵に会えない」「戦いたくないのに敵と遭遇する」という問題も発生してしまっている。
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特に「戦いたくないのに敵と遭遇する」ことに関しては、普通に逃げると「ゆうかんさ(武勇)」の徳が下がってしまうので早々逃げられないという問題もある。ブリンクの魔法を使えば徳を下げずに逃げられるが、代わりに触媒を消費する。
総評(FC版)
バランス面で悪化した点もあるが、総じて遊びやすく改良された良移植。
余談
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この作品以降、ウルティマのナンバリングタイトルはすべて「ブリタニア」という国が舞台となり、町などの位置関係がほぼそのまま用いられている。また、オンラインRPGの元祖である『ウルティマオンライン』でも同じマップデザインが使用されている。
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『I』~『III』のセールスとそのパッケージイラストが元で、「リチャード・ギャリオットは悪魔的だ」などといった非難が浴びせられることがあった。ラスボスを設定せず、「徳」の概念を導入しようと決めたのはそういったことも関係していると言われている。
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シナリオで参加したロー・アダムスIII世は『ウィザードリィIV』の制作にも関わっている。『ウルティマIV』『ウィザードリィIV』の両者に「ホークウィンド」というキャラクターがいるが、これがロー・アダムス自身を投影したキャラとなっており、前者では徳の状態を教えてくれる占い師として、後者では戦闘における最終ボス(といっても半ばイベント戦闘だが)として登場する。
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海外ではセガ・マスターシステムに移植されている。制作はセガ・オブ・アメリカだが、発売された地域はヨーロッパ・カナダ・ブラジルであり、アメリカ本国では発売されなかった。
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なお、FM音源にも対応しており、開発当初は日本でも発売予定があったことがうかがえるものの結局発売はされなかった。
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PC版でのキャラクターメイク中に、マニュアルを読むように指示される場面がある。読まずにエンターを押し続けると「ちゃんと読め」という意味のことを言われるのだが、実際にちゃんと読んでからエンターを押してもやはり「ちゃんと読め」と言われたりしてしまう。どうしろと。
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映画監督であり、ゲーマーでもある押井守は発売当時PC-9801UV版『ウルティマIV』をクリアし、証拠写真まで撮ったものの「ちょっと恥ずかしくて」発売元には送らなかった。そのため終了認定証をもらいそこねたというエピソードがある。
最終更新:1970年01月01日 09:00