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テイルズ オブ デスティニー2 - (2024/03/31 (日) 11:31:50) のソース

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*テイルズ オブ デスティニー2
【ているず おぶ ですてぃにーつー】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:運命を解き放つRPG)|CENTER:&amazon(B00006L8ZN)[[裏を見る>https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51Z27N1F5SL._SY445_.jpg]]|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|日本テレネット、ナムコ|~|
|発売日|2002年11月28日|~|
|価格|7,140円|~|
|プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~|
|廉価版|MEGA HITS!:2003年11月6日/3,150円&br;PlayStation2 the Best:2005年7月7日/2,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
|ポイント|見せ場は多いが行き当たりばったりなストーリー&br()奥が深過ぎる戦闘システム|~|
|>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ]]''|
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**概要
『テイルズ オブ シリーズ』初のPS2作品。~
PS初テイルズの『[[テイルズ オブ デスティニー]](以下前作)』から18年後を舞台に、前作主人公スタン・エルロンとヒロインルーティ・カトレットの息子、カイル・デュナミスの戦いを描く。

本作以後のシリーズの変遷や展開などから、一部の古参のファンの中には、本作を「以降のシリーズの方向性を決めた作品」とする者、また、否定的に「シリーズがおかしな方向に向かうようになったきっかけの作品」とする者も見受けられる。
//古参の全てがD2以降を否定してるわけでもないし、あんまり悪意のある記述はしないほうがいいと思う
//あんまり変わってないかな、個人的にはこれなら多少は緩やかに出来た気もするのだが。

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**特徴
//システム説明は特徴へ移動
***戦闘システムなど
トラスト&タクティカル リニアモーションバトルシステム(TT-LIMBS)という新たな戦闘システムで、より高度な戦術が求められるようになった。~
キャラクターの設定次第で戦略や立ち回りが幾らでも変わってくるため、通常プレイに飽きたプレイヤーのやり込みの門口が非常に広いのが特徴である。
//流石に3Dの戦場を縦横無尽に動き回れる最近のシリーズ作品に比べるとアクション性で見劣りしてしまいがちだが、それをキャラのカスタマイズによる柔軟な戦法繰りによって補っている。
//こっちが先に発売されてるのに補うって言い方おかしい。新作に合わせてこっちを調整したわけでもない。それに、3Dが2Dより優れているような書き方なのでコメントアウト。

-''SP(スピリッツ)''
--戦闘中キャラクターそれぞれに設定されており、攻撃やエンチャントなどの各種行動で消費していく。SPが半分以下になると命中と回避が大きく下がり、尽きた状態で攻撃すると弾かれてしまう。
--時間経過やガードなどの行動で回復するがSPを消費する行動は多いため、きちんと管理出来るようになるまで時間がかかる。少なくとも過去作のように操作キャラ1人でガムシャラに突撃して攻撃しているとあっという間に枯渇する。
--そのため、SPの消費を抑えるためCPUとの連携が求められ、CPUの作戦・使用する術技の指定も他作品以上に柔軟に行う必要がある。
---敵にも同様に設定されており、敵のルーチンが数値として把握出来る。あえて攻撃させて消耗させる戦法も成り立つ。敵次第では多少のダメージや消耗を覚悟で突っ込みまくった方が良い場合もある。
--これに関連して、最大TPも終始100で固定されており、レベルアップなどで増えたりはしない。こちらもSPと同様時間経過で回復したり、TP軽減やTP回復というステータスが用いられている。
--序盤だと寧ろこの最大値は高いのだが、消費の激しい奥義や中級~上級昌術を使う頃になっても同様なので、TP軽減や回復を伸ばしたり術技の使用を計画的に行わないとすぐ枯渇してしまうようになる。しかし操作や育成に慣れると消費が大幅に減り、時間経過での回復も目に見えて早まるため、回復アイテムが無くとも自給自足で技を連発出来るまでになる。

-''スピリッツブラスター''
--通称SB。シリーズでは恒例となっている「オーバーリミッツ」の前身とも言えるシステム。戦闘中、キャラクターごとに設定された隠し数値が攻撃や防御等の行動で一定に達するとスピリッツブラスター状態となり、一定時間SPが減少しない、攻撃を受けても仰け反らないなどのメリットが得られる。
--「オーバーリミッツ」よりも細かな付加効果が多く、これを上手く利用する事で更なる戦略性の向上に繋がった。
---こちらもSPTPと同様敵にも採用されており、ボス戦を中心に長期戦になると何度も発動され、体勢を覆されるリスクが高まる。中には何もしなくても自動的に隠し数値が蓄積され、すぐスピリッツブラスター状態になる敵まで居る。

-''スロット''
--武器や防具に追加できる付加効果で、装備1つにつき2つまでスロットを装着できる。その種類は様々で「対応するパラメーターを上昇させる」「対応する種族の敵に特効を与える」といったスタンダードなものから「ダメージ量でTP回復」「LVが低い程攻撃力が上昇」といった一癖あるものまで多岐。
--スロットにはレベルがあり、高いレベルであるほど効果の持続時間・ステータスへの影響・発動確率等が大きくなる。
--スロットは主に敵のドロップなどで入手する装備品に最初から付加されている他、下に記す『リファイン』によって追加していく。
--後述するエンチャントと並んでステータスのカスタマイズに大きく貢献しているシステムであり、状況に合わせたスロットを身につける事で戦況を有利に進められる。
--これまでと違い装飾品に定められたスロットが着けられており、直接スロットを着けていくような感覚で装飾品を装備する。それにより、従来シリーズからの続投している装飾品の効果も軒並み変わっている。
--またこのシステムに関連してか、本作の装備品は自由にリファイン可能でスロットによって名称が変わる「汎用装備」、固有の名称を持ちリファイン不可能な「ユニーク装備」に大別されている。

-''エンチャント''
--装着すれば自動で効果を発揮する「アームドエンチャント」(術技の性能を上げるものが中心)と、術技の発動中に○ボタンを押し続ける事によりTPとSPを消費して発動する「アクションエンチャント」(追加アクションを行うものが中心)の2種類があり、それらを1つの術技につき1つずつ装備させる事が出来る。
--同じ技であっても装備させるエンチャントの組み合わせにより全く性質の違う技となる場合もあるので、カスタマイズ性と戦略性が大幅に向上。
--エンチャントにはそれぞれレベルが設定されており、高レベルのものになるほど消費SPなどが減り、威力や効果が上昇する。
--本作の「秘奥義」はこのエンチャントの効果の1つとして堂々と扱われており、本作独自の発動条件もあってシリーズでもかなり秘奥義を発動しやすい環境にある。
--エンチャントは無条件で装備出来る訳ではなく、その術技を「敵に『命中』させたカウント回数」が必要ポイントを上回っている必要がある。
--本作以降のシリーズ作品にも形を変えて様々なキャラクター及び術技のカスタマイズシステムが取り入れられているが、本作のエンチャントシステムはその中で現在でも評価が高いシステムの1つである。

-''リファイン''
--所謂「合成システム」。「レンズ」と「ルーンボトル」を使ってアイテムや装備品を合成し違うアイテムに変化させる事が出来る。
--これを活用する事で2つのスロットを持つ装備品を作成したり、特に序盤でまだ販売されていない回復アイテムを得ることが可能。特に高レベルのスロット付装備品を狙うなら必然的にこのシステムを活用する事となる。
--ゲーム開始時点では使用できず、システムの説明もNPCから任意で教えてもらう形なので新規プレイヤーからは無視されがち。しかし、リファインを使わなければ有用なスロットの付いた装備品もいずれベース装備の性能不足で使いづらくなってしまうため、実際には積極的な使用が推奨されるシステムである。~
特に序盤の敵からも入手しやすい命中アップのスロット効果を引き継ぐか否かは、前衛キャラクターの使い勝手に大きな影響を及ぼす。

***前作迄との変更点

-『デスティニー』からの「レンズ」の扱いの変化
--『デスティニー』では世界中で需要があり各地で換金なども出来たが本作ではストーリーの都合でそれらが出来なくなり、シナリオで取り沙汰される以外はリファインの材料やソーサラーリングなどの燃料、一部ダンジョンの攻略に使うのみとなっている。
---ただしソーサラーリングなどについては、本編ではレンズが無いと使えないような説明がされるが実際はレンズが無くとも使用可能。
//ただしレンズが無い状態だとグレードを極少量消費する。
//↑これ「普通にラスボスを倒す」と「レンズ0の状態でソーサラーリングを使ってからラスボスを倒す」でクリアデータのグレード数に変化がなかったんだけど、どういう検証した結果ですか?

-これまで飾りでしかなかった「称号」は本作ではLvUP時の能力上昇に補正が掛かるという重要なウェイトを占める存在になった。これにより多少ながら育成に自由度が生まれ、後のシリーズでも称号はキャラのステータスに関わっていくシステムとなった。
--そこに至るまでに膨大なドーピングが必要だが、完成すれば非常に強いクリティカル特化育成、晶術を立ち回りに組み込むことで他作品では実現できないユニークな動きができる(前衛の)詠唱特化育成などが有名。
--また、「称号」の種類にも従来通りの物に加えて、プレイヤー自身の手で名前を自由に変更する事ができる「自由称号」の存在も今回が初となる。

-ステータスの中でも特に「命中」の重要性が初期3作に比べて更に高くなっており、命中が低いと中盤以降はSPが万全でも物理攻撃がまるで当たらない(回避される)。詳細は後述。

-本作では敵の右側に立つとSPとTPの最大値と回復速度、HP回復量が半減する。
--一見すると背後を取る事で寧ろ有利だと思われるが、本作では「敵に挟まれる事で味方の支援が絶たれた状況」と定義されているためである。
--この仕様のためか、2Dテイルズで多い「不意打ち(敵に挟まれたり、敵と味方の位置が逆で始まる戦闘)」は存在しない。

-シリーズでも数少ない「操作キャラクター全員が魔法を使える」作品である。
--これにより、カイルはシリーズでも数少ない「素で魔法を使える主人公」になっている。
--今作から詠唱を中止する事が出来るようになった。今作での操作は詠唱中に□+↑。
--これを利用した''詠唱キャンセル''(通称:詠キャン)という物が生まれた。攻撃後の硬直を術でキャンセルし、更に術の詠唱を中止する事で硬直や消費SPを大幅に軽減するという物。一部攻略本でも紹介され、以降のシリーズでも定番のテクニックとなった。
--他にも詠唱中に表示されてるコマンドを入力すると、その成功回数によって詠唱時間が短縮される。
--他作品では特定の装備品やスキル等でしか操作できなかった「詠唱速度」が通常成長するステータスとして登場している。詠唱速度への影響もかなり大きいステータスなので、晶術専門のキャラは「知性」と共に伸ばしておきたいステータスである。

-これまでのシリーズに登場した術技がほとんど登場しない。
--今迄皆勤だった「魔神剣」「虎牙破斬」・「ファイアボール」「ファーストエイド」もPS2版ではイベント以外では一切登場しない。
--続投している数少ない昌術や術技も本作専用に特徴づけがされており、戦況に応じた使い分けも重要。

-敵の行動や特性も個性的で、特にボスは単純な力押しでは苦戦必死。
--そのボスに合わせた装備や行動を今までのシリーズ以上に練っていく必要がある。序盤の終わりで戦うサブノック&オセ・中盤で戦うグラシャラボラスやダンタリオン・終盤でのガープ等。そして代表的なのは最強クラスに入るバルバトス(二戦目以降)。
--多くの敵やボスが、「''FOE(フィールドオブエフェクト)''」という特殊効果を持つ陣を展開するのも特徴。
--この陣の範疇に居る味方キャラに異常状態を引き起こしたり、陣に入った敵キャラ(本人は常に)の特定の能力を底上げする効果がある。何れにせよごく一部を除いて此方に不都合なのは確かなので、これを扱う敵に対してより慎重な戦いが求められる。
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**評価点
-ハード変更に伴うインターフェースの向上。
--ワールドマップが完全に3D化され、マップ上の表現がかなりリアルなものになった。町やダンジョンの2Dドット絵も全体的に綺麗で作り込まれている。
--非常にロードが短く、フィールドからの出入り等でもほとんど時間がかからない。特に戦闘時はエンカウントからほぼ瞬時に操作可能であり、ROMカセットであった『[[SFC版ファンタジア>テイルズ オブ ファンタジア]]』より短いと言っても過言ではない。
--処理落ちもほとんど無く、イベント中にコマンドを入力すると台詞をほぼ飛ばせる等、ゲームテンポ自体はかなり良い。
--バグ自体は少なくないが、ほとんどがプレイヤーにとって有益に働くものばかりで、ゲーム進行に致命的な支障をきたすものはほぼ皆無なのでさほど問題にはなっておらず、寧ろ便利な裏技のように認識されている。

-オブジェを調べるとちょっとした説明文が表示されるが、その種類はかなり豊富。文自体も単なる説明では終わっておらずユーモラスなものも多い。行く先々で虱潰しに調べてみるのも面白い。

-ソフトの容量が大幅に増えた事で、メインシナリオはほぼフルボイス化した。

-今までは顔グラフィックのみが表示されていたフェイスチャットがキャラクターの立ち絵を映す「スクリーンチャット」に変わり、表現の幅が増した。内容もよく練られた物が多く、チャット数は現在でもシリーズ中トップクラスである。こちらも完全フルボイス。
--加えて、フィールド限定であった発生条件も街・ダンジョン内でも発動する様になった上に船での移動中でもチャットが発生し、移動中のあらゆる場面でチャットが活躍の機会を与えられる事になった。
--また、本作よりチャット画面の下部に字幕が表示される仕様が追加されており、音量や滑舌の関係で聞き取りづらかったセリフも詳細が見られるようになった。
--本作のチャットの完成度から、後のシリーズで雛形となったネタもあるほど。

-今作から戦闘時ボイスにキャラ同士の掛け合いや、戦闘内容による終了時の台詞の変化などが追加された。台詞量も非常に多く賑やか。設定でオフにも出来る。
--「スピリッツが少ないときに攻撃するな、弾かれるぞ!」「弱点みたいね」「効かないみたいよ」「その攻撃はガードしきれん、かわせ!」などヒントも多く聞ける。台詞のパターンはシリーズでもトップクラス。
--一部のボス戦で特定のキャラクターを参戦させていると、そのボスの特性や大まかな攻略法を教えてくれたりと、実利の面でも無視出来ない。
---戦闘の臨場感や仲間意識をも感じられるため、この要素は以降のシリーズにも継承されていくことになる。

-後のシリーズでおなじみとなる「『グレード』という戦闘後に獲得できる評価点を溜めて、クリア後に2周目の引継ぎ要素を購入する」というシステムが初めて導入された。これにより、2周目以降も様々なプレイスタイルで楽しめるようになった。
--任意で引き継ぎ要素を選べるためその種類は豊富。術技・図鑑引継ぎといったオーソドックスなものから、「ランダムエンカウントが無くなる」「敵から取得できる経験値が1になるがコンボ経験値((コンボをつなげていくと増えるボーナス経験値。))が4倍になる」といったマニアックなやり込み向けのものもある。
--従来の2周目では図鑑のみが引き継がれる関係で、折角集めた称号や料理熟練度も周回を隔てる事で水の泡と化していたが、グレードショップの導入でこれらも改善される事になった。
--本作独自の仕様として、獲得グレードの量によって戦闘終了後の情報確認画面(俗に言うリザルト)で流れるBGMが変化する。

--舞台が大きく変わる事もあって通常戦闘のBGMがかなり増加し、特に前作の舞台である18年前に行った時は、前作のBGMである「Bare Its Fangs」のアレンジ「TIME LINE」が戦闘BGMとして採用されている。

-後のシリーズでも幾つか採用されている敵が弱体化する「イージー」の難易度設定が初登場した他、本作のみの難易度として「ノーマル」と「ハード」の中間難易度の「セカンド」も登場。
--加えて、上位難易度として従来の「マニア」以上に敵が強化される「アンノウン」の設定も今作が初。難易度設定が幅広くなった影響で初心者から達人まで様々なプレイヤーを難易度でフォローする形になった。

-シリーズ恒例の闘技場では主人公以外のパーティーキャラクターでも挑戦出来る様になった他、プレイヤーとパートナーキャラの二人組みで挑戦する「タッグ戦」が新たに追加され、闘技場でのやり込みもより深くなった。
--本作の闘技場におけるシングル戦では男女キャラに応じて戦える敵の種類がガラリと変わるというシリーズでは唯一の試みも施されている。
--ただし、チャンピオン戦だけは従来通り主人公のみが参加可能な点は賛否が分かれる所。

-フィールドオブジェクトも街やダンジョンの他に触れるとアイテムを獲得できる「宝箱」が新たに追加。
--フィールド上での宝箱は『ファンタジア』のアイフリードの宝を代表とする従来作における「特殊フィールド」に相当する存在で、特定エリアに入らないと出現しない特殊フィールドからオブジェクトに変更された事で視認性も大幅に改善されたとも言える。

-恒例になりつつある料理システムにも変化があり、これまではキャラ毎に依存していた料理熟練度が総合熟練度として統合された他、所持している食材を任意で組み合わせる事で新たな料理を生み出す事が出来るようになったり、調理器具アイテムを消費する事で一時的に熟練度を上昇させる事が可能になった。

-戦闘中のUIについても、様々な面で前作から進歩している。
--キャラクターの動作がより機敏になり、より直感的な操作が可能となった。
--攻撃のコマンド入力の猶予が長くなり、コンボが繋ぎやすくなった。
--前作では特定のアイテムを装備しなければ出来なかった防御時の方向キー入力によるステップが標準で可能となり、魔法に対する防御「マジックガード」が初登場した。
---マジックガードすると昌術ごとにTPが回復し、これでしかガードできない攻撃も多いため、戦闘を有利に進めるなら必然的に活用する事となる。
---その他、敵の攻撃に合わせて使う事で敵のSPを大きく減らせる「ブレスガード」もある。
--攻撃を当てるとTPが回復するようになった。
---本作のTPの仕様上、これも地味ながら確実な影響をおよぼしている。((他作品では終盤になると最大TPが300前後、やり込めば最終的999まで増大するものもあり、通常攻撃でTPを回復しても焼け石に水。また、本作のように消費TPを軽減させるパラメータもないので、序盤で習得するような技を使う(分だけのTPを回復させる)ための通常攻撃の回数が序盤も終盤も変わらない))
--セミオートで攻撃すると、以前は攻撃後に元の位置に戻る仕様だったが、今作ではわずかに後退する。
--また、制限の多さも相まってAIがシリーズでもトップクラスで優秀。慣れないうちはオートの方が強い。「難しすぎて詰みかけたがオートにしたらクリアできた」という話まである。
---なお、オート操作でも左キーで後退させる事ができショートカットでの指示も可能。ゆえにオート操作でやり込む者までいる。
---現に、ステータスや装備、作戦などを十分に吟味すれば、フルオートでも最高難度でのラスボスや隠しボスを撃破可能なことが確認されている。
--更に戦闘面ではプレイヤーと敵との距離によってキャラクターがズームイン・ズームアウトする様になり、前作以上に迫力のある戦闘が繰り広げられる他、現在のパーティーキャラクターの状況も把握しやすくなった。

-サウンドテストが非常に充実している。
--全てのBGMや効果音や戦闘ボイスは勿論、本編中のボイスも全て収録しており更にBGMの演奏を個別にONOFFする遊び機能まで搭載されており、サウンドテストで暇つぶしが出来る程。

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//切り分け
**賛否両論点
***シナリオ・キャラクター
後述するシナリオの問題点も併せ、主人公を始めとしたキャラクター陣の設定や描写には賛否が多々寄せられている。

-主人公カイルについて
--両親の影響((父親のスタン、母親のルーティ、そしてフィリアとウッドロウは前作の主要パーティーで、その功績から本作では「四英雄」と讃えられている))で英雄への強い憧れを抱いており、父親譲りの純粋と熱血さを持つ少年なのだが、これが''残念なほどにバカ''。
--極度なまでの能天気・天然・考え無しの猪突猛進・父親譲りの寝起きの悪さ…と、バカキャラが持つ要素をこれでもかと詰め込んでおり、本編中幾度も指摘されているが、恐らくプレイヤーから見たバカさ加減はそれ以上であろう。それゆえファンからもカイルの呼び名は「馬鹿」「バカイル」「オロカイル」((敵キャラのエルレインはブレスガードをする際「愚かな…」と言い、大抵前衛の要としてカイルがエルレインに攻撃しブレスガードされる事が多いため。所謂ファンの愛称で作中でそう呼ばれる事は無い。))など。作中でも何度か「バカカイル」と呼ばれたりしている。
--両親が英雄なら、その息子である自分も英雄になれると考えており、訪れた遺跡で出会ったリアラから「英雄を探している」という一言を受けただけで「俺が英雄だよ!(要約)」と意気揚々と返し、そんな彼など目も暮れずに立ち去る彼女に対し「あの子が探しているのは未来の俺(未来の英雄)なんだ。それをあの子に分からせるんだ!」とストーキングするのが本格的な旅立ちのきっかけ。((あくまできっかけであり、それ以前からカイル自身は英雄になるために旅をしたいと思っていた。))カイルの能天気な性格を考えても些か電波の域に達しており、人によっては迷シーン扱いされる事も。
--それ以降も本編・チャット問わず何かにつけて「英雄」という言葉を頻発したり、自分を「未来の英雄」と称した上で物を語る事も多々あり、流石に鬱陶しいという批判が多くを占める。本編でもチャットでリアラが若干辟易している場面もある。
--PT内でも屈指の激情家でもあり、彼の正義感の強さや強固な信念の源なのだが、逆に感情的になる事で周囲への配慮が疎かになる面も強い。悪気は無いのだが自分の感情本位な振る舞いをしてしまう場面も散見され、それに対する批判も多い。
---代表的な場面は、遠い過去にタイムスリップした際、現代でも英雄と名高い地上軍の中将が、歴史介入してきた敵に囚われた恋人と軍の命運を天秤にかけた苦渋の判断で恋人を見捨てる事が分かり、必死に説得するも彼は決意を曲げず、その末に彼を腰抜け呼ばわりする場面。
---この状況は正史には無いもので、カイル達の目的としては恋人を救い出さなければならないのは確かなのだが、当時の彼は己の行動や判断ひとつが軍全体の命運に関わると言っても過言では無い超重要な立場で、ハロルドのコネで半ば飛び入りで参戦している一般庶民のカイル達とは、行動や発言に伴う責任や影響は雲泥の差であり、カイル達のように「助けたいから助ける」という感情にかまけた独断行動など到底許される立場ではない。カイル本人はその事を全く考慮していなかったため「無責任」「思いやりがない」などの批判が多い。しかも直後のチャットで「見損なったよ!」と憤り、彼への謝罪や自分の発言を顧みる描写等も無いのが悪印象を助長してしまっている。
---後にカイルも同じ選択を迫られるのだが、その際錯乱気味に「もうたくさんだ!英雄なんてやめてやる!」と選択そのものから逃げ腰な態度をとるため、中将への発言もあって批判が集中している((一応カイルの場合同じ状況で世界の命運よりも恋人を選びそうになるというものであるため、無責任ではあるものの発言自体に一貫性はあるのだが))。
--また目の前で喋ったソーディアン・シャルティエの声が聞こえていないような描写がありながら、後にソーディアン・ディムロスと会話するシーンがあったり等の矛盾も存在する。
//とあるシーンで前作時代のスタンと共闘、連携をした際に「(連携するのは)初めてじゃないです」と発言する((作中描写を見る限りスタンと最後に会ったのは5~6歳前後))など純粋な突っ込み所も多々存在する。
//該当シーンを見直してみると、スタンの台詞「初めての相手と…」に対してカイルが遮る形で「初めてじゃない」って返事してたので、「連携した事」ではなく「顔を合わせた事」について言ってると思われるのでCO。
---これは該当時期においてはジューダスに関するネタバレ防止のための措置と思われ、ジューダスの正体が発覚するまではプレイヤー側にもシャルティエの声や台詞が聞こえずジューダスの一人芝居のような風になっている。前作のアナザーストーリーのドラマCDで『ソーディアンマスターの資質は両親から遺伝する』と明言されてはいる。カイルの両親もソーディアンマスターなため、この設定が用いられているならカイルにもソーディアンの声が聞こえる現象自体は頷ける。そのためシャルティエが喋るシーンで反応の一つでもあったら突っ込まれる事はなかったと思われる。
---そもそもソーディアン=兵器という性質上、敵側にマスターの素質を持つ者がいる場合に会話が筒抜けにならないよう、会話機能にある程度の指向性を持たされていても不思議ではない。
--フォローしておくと、カイルは15歳とシリーズ主人公の中で最年少で、平和な時代で母親の擁護の元のびのび育ち、旅立ちも今迄の主人公たちのような悲劇や騒動に駆り立てられてではなく、純粋な冒険心からの明るい旅立ちである。持ち前の陽気な性格も相まって物見遊山気分で浮かれてしまうのはごく自然の事である。((シナリオ工房月光がシナリオを担当した作品は、そのようなものが多い。<script id="gpt-impl-0.9655336547829774" src="https://securepubads.g.doubleclick.net/gpt/pubads_impl_158.js"></script>))それ故従来シリーズ作品の主人公以上に年齢的な未熟さが浮き彫りにされており、視野の狭さや英雄への漠然とした憧れもある程度意図されたものと思われる。英雄への憧れについても、現代で言うと少年漫画の主人公や戦隊モノのヒーローに憧れるような漠然としたものである。
---普段は裏表のない明るい少年であり、気負った仲間を健気に励ましたりロニと協力して孤児院に匿名で寄付していたり、家族(仲間)想いな部分もしっかり受け継いでいることが分かる。
//カイルが敬語を使うのは主に高い地位にある人物に対してのみ。宿屋の主人や旅客船の船長、城の兵士等に対してはタメ口で会話している。そのため、「親しい間柄でない限り年上目上の人物には大抵敬語で接したり」という表現は正確ではない。
--終始このような感じではなく、仲間からの叱咤や度重なる苦境や挫折を経て大きく成長し、終盤は「英雄」という称号が持つ重みと現実に直面し、苦渋の果てに「英雄とは何か」という答えを見出すシリアスかつ筋のある展開になり評価は高い。終盤でのカイルは序盤とは別人のような立派な姿を見せる。
//厨二病とはちょっと違う気がする。
---逆に序盤の未熟さより終盤の姿に違和感・拒否感を覚える人も。ストーリーは中盤以降、敵と味方の間で「人の幸せ」について、互いに人間の一面のみを論拠にした意見のドッジボールが繰り広げられる。カイルを中心とした味方の主張も(敵の主張が極端なことも相まって)どんどん主語が大きくなっていき、最終的にはまるで自分達の価値観が絶対的なものであるかのような啖呵を切る。
---カイル達の主張は概ね未来への希望が込められたポジティブなものである。しかし、その一方で敵側の支持層の一つである「救いを求める人々(不幸の只中にある人々)」の意見が反映されておらず、この欠点は本編クリア後の世界において、とある街のモブ(盲目の女性)から痛烈に批判されることとなる。
---また、時間移動を扱った作品の主人公らしく終盤は「人類の歴史」に対しても自分なりの肯定的な意見を述べるようになるが、カイルの場合「歴史のテスト28点」「(大量破壊兵器として使用された)ベルクラントが何か分からない」「天地戦争の戦犯として流刑に処されたカルバレイス人の歴史を知らない」「というか天地戦争そのものを知らない」等、お世辞にも人類史とその暗部に詳しいとは言えないような描写がゲーム内で散見される。18年前の騒乱(前作『テイルズオブデスティニー』)を始めとした数々の歴史上の不幸は敵側の行動の根源、あるいは敵側を支持する人々が多数存在する理由の一つにもなっているため、本編中で僅かな時間旅行を経験しただけの主人公の歴史観に深みを感じられなくなってしまっている。
---余談だが、ルーティの息子という事で前作の主要敵キャラであるヒューゴ、そしてその息子のリオンとは血縁関係にあるのだが、本作でそれについて言及される事は無い。それどころかあるチャットでヒューゴやリオンを「世界を滅ぼそうとした連中(要約)」と他人事のように語っており、恐らく彼らについては何も聞かされていないと思われる。

-リアラについて
--本作のヒロインで当初は儚げな少女なのだが、仲間になったと同時に台詞や態度が急変し非常に明るくポジティブになる。戦闘時の元気なセリフと相まって印象に残る部分についても賛否が強い。
//公式でも性格のブレが指摘されているほどである。[[参考>http://www.gpara.com/article/cms_show.php?c_id=15800&c_num=56]]
//---公式による指摘はその後「なので以降の作品(例示された画像は『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』)ではブレが出ないようにした」と続いているので、他作品を持ち上げるためのダシにされた、とそちらのほうを問題視する向きもある((ただし、ここで提示された『アビス』もシナリオ上では確執がある時期でもに戦闘終了時に絶妙な掛け合いをしていたりと、この反省点を生かしているとは言い難い))
//ゲーム内容と関係が無い所で、わざわざD2ファンとAファンを喧嘩させるような事を書く必要は無いと思う。
---もっともこれは「仲間になった」ことによる変化がわかりやすく、リアラのキャラ付けに役立っていた部分でもある。彼女自身もそれを聞かれた際「1人の時は使命の重さに苛まれていたが、仲間が出来た事で気が楽になった」という趣旨の返答をしており、脈絡も無く態度を変えている訳ではない。
---また、その後も自らの使命の重さや無力さに苦悩したり、旅の中で見出した『自分の英雄』を誰よりも信じ抜く芯の強さを見せたりと、キャラクター自体は緩急こそあれど筋を通して保っており、彼女への批判意見は比較的少ない。

-ロニについて
--カイルと同じ孤児院の出で彼の相棒。普段は面倒見の良く茶目っ気のある兄貴分なのだが、時折カイルへ見せる''ホモくさい言動''((カイルと再会した際に「俺の可愛いカイルぅ!」と叫びながら擦り寄ったり、カイルの傷口を黴菌が入らないよう「最初はくすぐったいが、じきに良くなるさ…」などと言いながら執拗に舐めるなど。他にも露骨にネタとはいえBLを意識したやり取りが散見される。))で一部のプレイヤーをドン引きさせた。そして過保護なまでに色々干渉している。
---これだけ読むとホモキャラと思われがちだが本来は筋金入りの女好きであり、新しい街に着く度にナンパしては撃沈して落ち込んだり、チャットでも女性への執念を様々な形で語り、「フラれマン」だの「つむじ風((スカートめくりのこと。))のロニ」だのの名称でシリーズになっている等、あくまでカイルへのアレな絡みはネタの範疇なのだが、そのインパクトの強さ故かファンからの愛称は&bold(){「ホモ」}で固まっている。
---過保護なのには下記する相応の理由があるのだが、それでも15歳の少年には過保護がすぎる。ネタ抜きでもカイルには甘く、彼を諌めるべき場面でもなあなあで流してしまったり軽くたしなめる程度で終わってしまい、所々で彼を増長させる一因にもなってしまっている。
---これらの一面は基本チャット内のみの話(本編でも一度だけナンパをしている)で、本編では頼れる兄貴分として描かれている。~
同時にパーティー内屈指のいじられキャラで、チャットのみならず本編中でもしょっちゅうイジられてムキになる等、年長者ながら人間味が濃く愛嬌豊か。習得する技のネーミングや性能、上級者向けとも言える尖った戦闘スタイル、戦闘中の台詞や掛け合いも独特で、色々な意味でファンから愛されてもいる。
---ちなみに、とあるチャットにてカイルが「''ロニが女だという事が判明し、女好きの名を返上するべくターゲットをカイル一本に絞ってきて、毎日その魔の手から必死に逃げている''」という夢を見る。カイルにもそういう認識をされているということか。
---詳しくは下に記すが、本作での主要敵キャラの1人であるバルバトス絡みの描写がほとんど欠落している事もよく指摘されている。
---余談だが、作中でジューダスを「仮面ストーカー」呼ばわりする場面があるが、カイル達の旅立ちの切っ掛けを考えれば、ロニも他人の事を言えない立場だったりする。

-ジューダスについて
--彼の容姿や声、性格や振る舞いが前作の人気キャラ、リオンに酷似しており、発売前から名前と共に様々な憶測が流れた。
---しかしこの「ジューダス」という名前は「お前達の好きなように呼べばいい」と言われたカイルが「じゃあ…ジューダス!」と''何の脈絡なく''つけた名前であり、ユダから想起される「裏切り者」の意味が含まれているのかどうかも定かでないが、会話の流れとしては明らかにおかしな物である。カイルがこの名前を付けた意図が本編・チャット問わず全く言及されないのも唐突さを助長している。彼の名前については、前作から彼を語るにあたって重要なファクターであるにもかかわらず些か軽さの拭えない扱いである。
---登場自体も「''カイルとロニが地下牢に捕らえられた際、牢獄の天井から彼等を嘲笑する''」という、これまた唐突で不自然な形。理由を聞かれても曖昧な返答しかせず、それ以前の経緯も全く描かれないため結局不鮮明なまま。攻略本でのQ&Aでも不明のままとされている程。
---一応擁護しておくと新約聖書以前の「ジューダス(ユダ)」は本来''「賛美」''を意味する言葉であり、裏切り者のイメージが定着したのは新約聖書以後である。そこまで考えられて付けられた名前かどうかは定かでないが。
---キャラクター自体も当初こそ尖った性格でパーティー内をギスギスさせるが、カイルの夢見るあまりの配慮の無さやロニの過保護を厳しく指摘したり、感情に走りやすいパーティー内における貴重な頭脳&歯止め役として活躍し、シナリオが進むにつれてパーティーとも馴染んでゆく。
//---他にも、前作ファンからは彼の性格についても指摘がある。中盤以降はかなりパーティのノリに馴染んでおり、幾度かツンデレを匂わせる発言があったり((一応前作でも乗り物酔いを心配したスタンに対して「お節介焼きめ」と発言する等そういった発言が無いわけではなかった))、全体的に「やたら丸くなっている」というもの。~
//皮肉や嫌味を言う場面もあるが、意図が変わってる上に内容自体もだいぶマイルドになっており、前作での「そもそも他人を必要以上に寄せ付けない」「相手を心の底から嫌悪・軽蔑しているが故の過激な皮肉」といった排他的な態度とはだいぶ変わっている。~
//ただし、これについては前作での行動に対する罪悪感による変化だと考える事もでき((特にロニは前作でリオンも加担した騒乱によって両親を亡くしており、ジューダスがそれを知った後なら前作のままの態度で接するのは問題であると言える。))、また自身に課せられたしがらみから解放され、精神的に成長したであろう事を考慮するとそれほど不自然では無いと言える。その一方で前作のままの彼が見たかったファンから不満が出るのも仕方が無いと言える。
//---なおそこまで重要な要素ではないものの、前作で見られた乗り物酔いの描写は皆無である。尤も、前作でも1度だけ乗り物酔いをしただけであり、船上で酔わずに普通に行動している場面もあるため、前作及び本作の発売時点で乗り物で酔い易い設定があったのかは不明であり、あったとしても軽度なものであり本作で酔わなかったとしても別段不自然では無いと言える。
//飛空艇の運転は別におかしくないよ。現実でも車に酔い易い人でも自分が運転する場合全く酔わないというのはよくある話だし。
//話し聞く限り、ちっともおかしくない感じがするけどわざわざフォロー入れてまで説明する必要あるのかな?
//それとジューダスの性格とかについても、心境の変化を許さないみたいなのはむしろワガママがすぎるのでは?どっちを選んでも(性格が丸くなろうと前作そのままであろうと)賛否にしかならない記述はここに描くべきなのでしょうか?
//性格については仕方がないんじゃないかな。シンフォニアRのロイドを始めとして似た様なケースは大体賛否両論点になってるし。
//明確におかしい部分にツッコミ入れてる中で、心境の変化の理由が容易で、尚且つ納得できるものであるならわざわざ賛否両論点に加える必要が無いように感じます。賛否両論≠ワガママです。
//賛否にしては否の部分の根拠が足りなすぎるのでCO。(前作そのままの彼がいい。という意見ははたから見れば極端にしか見えない。)性格についてのことを総合スレにてお願いします。
---なお、物語後半でその正体が発覚した後でも、ジューダスを先頭にしてルーティに話しかけてもイベントが発生したりはしない。(フィリアとは発生する)
---彼が被っている仮面はその奇抜なデザインから作中では勿論、四コマ漫画などでのメディアなどでも幾度となくネタにされている。ファンからの愛称も「仮面」で定着している。~
クールで影のある振る舞いとは裏腹に、戦闘中での耐久の低さ(HPと守備の初期・成長率がほぼ最下位)、倒された時のセリフといった落差が絶妙なヘタレ感もかもし出しており、ロニに並んで愛されているキャラの1人でもある。誤解の無いように書くが、コンボ向けな特技が多かったり前衛キャラとしてはそこそこ昌術も扱えるので、使いこなせば強力なキャラである。

-ナナリーについて
--中盤でパーティに加入する。他のメンバーと違い性格や振る舞いにおいて問題のあるキャラではないが、ストーリーの中核から一歩引いた立場にありがちで後半になるにつれて目立たなくなり、戦闘では弓の利点を生かしにくく、サポート系の能力が多いため、やり込むほど他のキャラに置いていかれる。当時のシリーズとしては珍しい気のいい姉御肌なメンバーなだけにかなり勿体無い。
---秘奥義の数も少なく、カイル、ハロルドが5つ、リアラ、ロニ、ジューダスが4つに対して彼女には1つしか無く、条件も作中で明記されていない、ラスボス戦では唯一セリフがない、''ファミ通の攻略本に存在を忘れられている''(P58((スラストファングが使えるキャラの中にナナリーが含まれていない))やP190((戦闘中のガープ戦での台詞が抜けている。本来はロニの台詞「一緒だ一緒」の後、ナナリーは「そんな事言ってる場合じゃないだろ!?」と発言する。因みに同ページのラスボス戦の部分は、ロニやハロルドの台詞も抜けていて台詞集として全く当てにならない))など)ことも相まって、前作で同じく弓を扱うウッドロウに因んで''「空気」と呼ばれてネタにされてしまった''。
---こちらもフォローしておくと、サポートメインの技やエンチャント(後述)等が豊富で、ステータスの成長も悪くない。彼女の性質上CPUに任せていると上手く行動してくれないため、プレイヤーが操作する事で本領を発揮する。使いこなしさえすればカイル達とはまた違う意味で頼れるキャラクターと化す。実際TP面や詠唱速度で有利なエンチャント、それによる晶術の使い勝手は局所的にリアラやハロルドをも上回る。
---カイル以外で唯一「回避力-」の術エンチャントを持つため、作戦を変更して攻撃を術一本に絞れば、前衛キャラの命中が不足している場合の優良なサポート要員にもなる。
---また、本編でこそさほど目立たない分、スクリーンチャットに出番が集約されている形になっている。全体的にチャットの出演率が高く、特に『ファンタジア』のチェスターとアーチェを彷彿させるロニとの絡みは本編では味わえない隠れた見所にもなっている。


-ハロルドについて
--最後に仲間になる過去の天才科学者ハロルドは、前作プレイ者なら気づくであろうが、ソーディアンの生みの親でソーディアンのひとつ『ベルセリオス』の人格となっている『ハロルド・ベルセリオス』本人なのだが、作中での行動もそうだが、前作との設定などとの食い違いが顕著に目立つキャラクターになってしまった。
---本作では『女性』として登場するが、前作の時点では『男性』として登場しており、ベルセリオスでの台詞もしっかり男性のものとなっていたため、大きな矛盾となってしまった。彼女は「あえて男性として記録に残るようにし騙した」と語っているが、どうにも取って付けた感が否めない。
---また彼女の私室のオブジェの1つを調べるとこの『ハロルド』という名前自体もあくまで偽名の1つなのでは?という疑念のぬぐえないメッセージが出る。
--また、前作の関連媒体ではハロルドが悪人、黒幕のような描写すらあったのだが、本作のハロルドは変人ではあるが悪人ではなく、ここはどのメディアとも整合しないD2のみの設定である。((ちなみに原作ゲームにハロルドは名前だけしか出てこないため、矛盾という物ではない。))
---ノベライズ作品の一つにデスティニーの過去の話であり、この作品にも出ている''「天地戦争」時代''のものがある。ここで本作にも登場する「カーレル・ベルセリオス」と呼ばれるキャラがいるのだが、その&bold(){弟}が「ハロルド・ベルセリオス」で、&bold(){しかも既に死んでいる。}設定の変更は公式では明言されておらず、各自で調べない限り設定の把握に混乱する事となる。
---因みに、とあるノベライズ作品ではカーレルは「死んだ妹のクローンを作ろうとしていた」と発言している。

---作中での行動もお手製の装置で時空の歪みを検知し時代をも超えた策略まで見抜いたり、中盤のイベントで時空のひずみに落ちた筈の飛行艇を唐突な新機能であっさり戻したりと、彼女の天性を考慮しても無理があるご都合主義に近い行動もいくつかある。特にラスボス撃破後の超常現象について、原理や作用なども完璧に分析している場面はツッコミどころが多い。
---その飛行艇も、実はハロルドを未来へ連れ出した事によって存在しているかどうかが危ういものとなっている。と言うのも、天地戦争終結前までは完成していないため、終戦宣言直後にハロルドを未来へ連れて行くとなるとハロルドにこの飛行艇を完成させる時間がなくなってしまうのだ。「実は戦争終結直後から宣言までに完成させていた」「ハロルドの業務を引き継いだ者達が完成させた」「最終的に目的((彼女曰く「自らの頭脳が神をも越えることを証明する」。なお、カイル達は言ってしまえば神を敵に回している。つまり……))を果たした後、ハロルドが彼女なりの方法で過去に戻って完成させるはずだった」と考えられなくもないが、描写がないためそう言ったフォローも想像に過ぎない。
---キャラクター自体は天才科学者らしい独特の感性と斜め上の価値観をフルに発揮する「変人」気質ながらも、通すべき筋や物の道理も常人以上に弁えており、ドライながらも的確な判断を下すジューダスに続くパーティの頭脳として活躍する。
---エルレインによる歴史改変の影響で、ハロルドの性別や人格が変わってしまったという見方もできないわけではないが、他のメディアとの整合性が取れない問題は残る。
---上記の問題点は、過去作からの設定の改変やハロルドの便利キャラ化を用いなければ整合性が取れなかったストーリー側の問題である。ハロルドのキャラそのものが問題とされることはあまり見受けられない。

--敵勢力についても、ストーリー上でキャラが立っているのがバルバトスとエルレイン位なもので、彼ら以外に登場する部下であろうサブノックやダンタリオン、ガープ((エルレイン以外、いずれもソロモン72柱の悪魔から名前が取られているのが特徴。))などは''なんの脈絡もなく突如登場し、大した活躍も身の上の説明もないままありふれた宣戦布告と共に戦闘→倒されて即退場''という非常に希薄な存在となってしまっている。
---撃破直後に一言喋る程度で戦闘後の死に際の一言を放つようなイベントすら無く、勝利後は本当に''彼等など最初から居なかったかのようにイベントが続く。''
---ガープはまだエルレインの側近として何度か登場しているものの、結局はありきたりな台詞ばかりで1人のキャラとして掘り下げが全くされていない。PSP版ではガープを除いて隠しダンジョンに再登場するものの、ストーリー上の絡みのなさは相変わらずである。
---また今作に登場するボスは敵勢力とは無関係な野生のモンスターである割合が他の作品よりも多く((但し、前作『エターニア』においても敵側の登場人物は実質的に二人と真の元凶のみであり、今作の敵勢力が必ずしも異例というわけではない。))、世界規模の影響を与えている敵勢力としては他タイトルのように幹部が並ぶなどの様子もなく((バルバトスと三人を合わせて四天王のような位置づけだったと解釈できなくもないが、それではバルバトス以外の三人があまりにも希薄な扱いとなり不自然である。))こぢんまりとしている。結果として少ない敵側のキャラであるバルバトスとエルレインに活躍の場面が集中してしまっている。
---ラスボスも中盤あたりで登場して存在を見せつけはするものの、表立ってカイル達と対峙し、歴史の裏で幾度も暗躍するエルレインやバルバトスの陰に隠れがちである。
---そのエルレインやバルバトスも、個人での描写ややり取りは充分なのだが、彼等同士の繋がりや掛け合いといったものがほとんど無いため、神団を窶した彼等の組織の全貌もあまり見えてこず、一大組織というよりバラバラな敵を追いかけているという認識になってしまいがち。

長々と問題点が挙がったが、節々が強引ではあるもののストーリーの流れやキャラの心情が分からなくなる程破綻している訳ではなく、要所要所の場面はしっかり描ききっており、ひとつの物語として完成されている。キャラクターひとりひとりの出番や成長も確保されており、そこを評価するファンも多く存在する。~
メンバー同士の繋がりや雰囲気もシリーズの中では明るい部類であり、和気藹々と冒険を進める姿も、『アビス』や『ゼスティリア』などの最近のシリーズ作品で頻出しているギスギス感、人を選ぶ棘のある性格付け等を問題視しているファンから好意的に見られてもいる。
//最近っていつのことですか?
//アビスとかヴェスペリアとかエクシリアとかゼスティリアとか、パーティの間柄が穏やかとは言いがたい傾向で、尚且つD2以降のシリーズ作品は軽く探すだけでこのくらいある。
//未来の作品の話ならば「最近」などとつけるべきではありません。それと、他の作品との(悪いと思う部分からの)比較はやめておくべきかと
//最近のシリーズに比べて、って意味通りにするなら、少なくともD2やS以降に発売された作品を出すのは当然。それに悪いと思う部分と言っても、その部分大きすぎる上にニコニコ大辞典や各スレッド、アマゾンのレビューなんかでも問題視されてるレベルで、それらの作品と本作のPT雰囲気が明確に違うなら尚更。言いがかりでもレッテル貼りでもなんでもないです。断じて。

***前作との相違など
-ジューダスは見たまま前作の登場人物。
--酷似というレベルですらなく最早『完全に一致』という域にすらあったため、ファンにとっては発売直後から半ば公然の秘密扱いであった。ただし前作と違って今作では二刀流キャラになっており、また前作の技は一切使わない((技の一部分では前作を連想させるような動きなどはある))。
--二刀流にしたのは、同じく剣で戦うカイルと戦闘スタイルを被らせないためと思われる。ハロルドもリアラと同じくメイン武器が杖だが、リアラと被らないようにするため、ジューダスと同じように短剣を使って戦う。
--そもそも前作では大半のキャラが剣で戦うため、偏ったバランスの悪さを問題視されていた。のちにリメイクされたPS2版『デスティニー』では戦闘スタイルの差別化のためこの二刀流が逆輸入された。
--ゲーム内の差別化であるためか、公式イラストやアニメーションでは剣を二本持っている彼らは描かれていない。
-彼が前作ラスト間際で迎えた悲惨な結末については露骨なほど扱われておらず((この「結末」はもともと賛否が強く、前作関連メディアの多くで削除or改変がされ、リメイク版でも削除された))、当時から無かったことにしたい感が漂っている。

***戦闘システム(賛否両論点)
-システム面は他シリーズと比べてもかなり複雑な部類となっている。
--『[[テイルズ オブ エターニア]]』で基本システムの完成形が出来ており、そこからかなり多くの要素を変則的にいじったために賛否が分かれやすい。仕様の1つ1つにおいても勝手が違う。
--それらを理解しきり、上手に活用出来れば他作品には出来ない斬新なプレイが可能となるためハマる人はとことんハマる中毒性があるが、逆にアクションやステータス管理などが苦手な人にとってはこの制限の多さが苦痛にしかならず、『戦闘が嫌で途中でプレイを止めた』という声も少なくない。

-晶術偏重のバランス
--威力が特技奥義より大幅に高く設定されていることに加え、こちらのSPや命中等関係なく一部の敵を除いて無条件に仰け反らせる事ができ、耐性次第だがまとまったHIT数とダメージを叩き出せるため、物理攻撃優遇な前作とは真逆のバランスとなっている。
--術妨害に特化した作戦も存在し、逆に術に反応して積極的に妨害してくる敵まで登場する。こちらの上級晶術が上手くヒットすれば痛手を与えられるが、逆に敵の上級晶術一発で窮地に追いやられるケースも多い。敵の属性に対する耐性は全体的に高めである一方、此方側で特定の属性に強い耐性を得るのが仕様の関係上難しい事も一因である。((特定の属性への耐性を高めるマントがあるが、従来シリーズでは一律割合で軽減するのに対し、20%前後減少させる程度になっている。味方キャラクターの素の耐性の中にはマイナスなものもあるため、装飾品だけでは精々3割前後しか減らせない。それ以上は耐性を高めるスロットやエンチャントに頼る必要がある))
--このように、ダメージソースは後衛キャラの晶術だが、それを活かすためには前衛キャラの存在も欠かせない。
---味方晶術発動までの壁役としても意義はあるが、さらに発動した晶術を最大限ヒットさせるためには前衛キャラの働きによって極力敵を右端まで押し込んでおくことが重要になる。また、敵を押し込むことで左側の自陣営に大きなスペースを作ることができれば、万が一敵の晶術発動を許してしまっても回避する余地を残せることにもなる。その他詠唱中の敵に攻撃して詠唱妨害を行うのも主に前衛キャラの仕事である。
---発売直後は後述の仕様もあって「晶術ゲー」と揶揄されることもあったが、結局その晶術を生かすも殺すも前衛キャラ次第であり、前衛キャラも後衛キャラと同様に重要であるという見方が現在では一般的。
---冒頭の解説のように敵の右側に回り込むと弱体化ペナルティを受けるため、今作の戦闘は敵味方共に正面からぶつかり合っていかに相手を押し込んで有利を取るかが基本的な流れになる。そのため本作の戦闘はよく「&bold(){押し相撲}」に例えられる。
---また、テクニカルスマッシュ(アイテムドロップ率アップ)やグレードといった要素も基本的に後衛キャラより前衛キャラの方が評価を稼ぎやすいため、戦闘における前衛キャラの存在は決して軽いものではない。
//上記は特定の狩場で上級晶術ぶっぱしてグレードを荒稼ぎできるような場面を除く

-命中・回避の仕様。
--本作で物理攻撃が不遇とされている大きな要因。十分な命中を確保しないと物理攻撃が当たらないため、特に前衛キャラにとっては最優先で伸ばすべきステータスの1つとして扱われる。
---過去作でも一応この仕様はあったが、本作では影響が桁違いに高い。経験者であっても予備知識がないとハマるポイントになる。
--命中が充分でもSPが減少するとこれまた回避されるため、SPの枯渇を抑えるためSP絡みのステータスも同時に見直す必要がある…と、前衛キャラは多くの要素を相対的に把握しながら育成し、戦闘に臨む必要がある。
--「攻撃の伸びが良くなるが命中の伸びが悪くなる」という罠のような称号が序盤から手に入る。命中至上の今作においてはマイナスでしかない。攻撃力はエンチャントやスロットで幾らでも補えるので、火力増強ならそちらで行うのがいい。
---具体的にはカイルの「剣士」とジューダスの「・・・・・」。特にジューダスは最初から持っている「・・・・・」と「ニヒリスト」がどちらも命中にマイナス補正が掛かるというえげつなさ。とりあえず初期状態の「仮面の剣士」から変更しようとすると、必ず命中の成長が悪くなるという罠っぷりである。
--また敵の回避も全体的に高めで、高難易度モードの終盤になるとこちらの命中カンスト+SP全快の状態でも回避される事がある。単にこちらのステータスを高めるのみならず各種ガードを駆使して敵のSPを減らす、敵のSPや回避を下げるエンチャントを装着するなど方々の工夫が求められる。
--更に、命中問題を解決しても物理攻撃のダメージは昌術に比べて数段は低い上、攻撃力を上げてもさほど大きくダメージに反映されないため、物理攻撃をダメージソースにするのは中々難しい。攻撃力上昇や種族特効をもたらすスロットで固めたり、クリティカルヒットを多く出すためクリティカルを鍛える必要がある。
---この仕様により、「攻防は高いが命中回避などが低い」重戦士タイプのロニは、属性への耐性の低さもあって中盤以降物理アタッカーとして活用するのが難しくなっている。
---一応そのことは開発者側も理解していたようで、終盤に差し掛かった頃に訪れるマップの進行ルート上にある宝箱から、命中アップ効果の付いたロニ用の武器が手に入る。もちろん効果はリファインで引き継げるので、「前衛は命中が重要」ということさえ知っていれば、命中不足で苦しまずに済むよう配慮されてはいる。
--なお、今作で言うところの「回避」とは、他のRPGとは違い攻撃そのものがかわされるわけではなく、キャラが自動で防御行動を取るというもの。さらにこれはニュートラルモーション時に限らずのけぞり中やダウン中などでも発生する。~
そのため、システムに詳しくないプレイヤーから見ると、本来連続ヒットするはずのコンボ中にもかかわらずなぜかガードで割り込まれる理不尽な状況と映ることもある。本作で敵に防御されるのは、敵の足止めというメリット以上にデメリットが多いため、尚更である。

-本作特有の状態異常絡みの仕様。
--本作の敵の異常状態を引き起こすFOEや攻撃にはレベルが設定されており、それを防ぐにはそれ以上のスロットレベルの耐性装備を身に着けていなければならない。それに伴い、前述した通り対応する状態異常を防ぐ「〇〇チェック」系アクセサリーも「対応する状態異常の耐性レベル5相当のスロットを付与する」という効果となっており、状態異常を確実に防ぐ事は出来なくなっている。
---こちらは作中では一切の説明がないため、かなりややこし。敵の中には''レベル20相当''の攻撃をしてくる者もおり、最大スロットLV8+〇〇チェックで固めても状態異常を免れない事もある。
---一方、これにより若干のデメリットはあるが状態異常を確実に防げる「リキュールボトル」の重要性が高まっている。

-戦闘中のアイテムの使用。
--これまでとは異なり、今作ではアイテムの効果を受けたキャラのSPが一定量減少するという仕様があり、無闇に前衛キャラをアイテムで回復させると却って窮地に陥る事もある。上述したスピリッツブラスターの持続時間も大幅に減ってしまう。

-初登場のグレードシステムが良くも悪くもピーキーな仕様。
--その内訳がプレイヤーからはわからず他作品に比べると判定もシビアで、減らされる条件がやたら細かい。((アイテムの使用や戦闘不能になる…などは勿論、メニュー画面を開く・装備を変更する程度でも減らされる))慣れないうちはあまり稼げないどころか、戦い方次第では減らされる事すらある。一部ボス戦以外は戦闘終了後にマイナス評価だと[[どこか哀愁漂うBGM>https://www.youtube.com/watch?v=f1QnH9AJuAo]]が流れるため、気にしだすと結構ストレスになる。逆に高い評価だと[[テンションの高いBGM>https://www.youtube.com/watch?v=0LXK5bP_M2s]]に変わり、達成感もひとしおだが。
--特に、戦闘が苦手というプレイヤーにとっては、どうにか勝てたと思えば流れるのはマイナス評価のBGMばかりという状態になりかねず、余計にやる気を殺いでくる部分もある。マイナス評価だと、最後にトドメを刺したキャラ以外はネガティブな仕草をするのも不快を増長させる。
---様々な引継ぎや特典を購入できるグレードショップの値段も異様なまでに高く、初心者が普通に1周クリアするまでに貯まったGRADEではロクに購入できない事も。
--ただしクリアだけが目的なら難易度も評価もいくら低くても構わない。主に評価が関わるのは2周目の引継ぎ関連と、一部の高難易度出現の条件である。((本作では一部の高難易度『MANIA』『UNKNOWN』は周回での取得ではなく、対応難易度での戦闘回数と累積GRADEが条件になっている。))
--本作のグレードの判定は大雑把でもあるため、手慣れたプレイヤーならば逆に荒稼ぎする事も可能。一度の戦闘で得られるグレードの限界は戦闘難易度によって決まり、最高難易度だとザコ戦でも最大12ポイントと、シリーズでもかなり多い部類のグレードを得られる。
--以降の作品ではグレードがマイナスであっても勝利時のBGMは変更されなくなった他、作品によってはグレードの内訳も表示される、こちらのLVが敵のLVより高くても評価が落ちない等仕様が変更されている。

-料理システムについて
--本作では料理システムはテコ入れが施された事でこれまでとはガラリと変わったのだが、非常に便利になった反面、従来のシリーズでは料理熟練度を上げる事が入手条件になっていた称号が廃止されてしまい、やり込みプレイヤーから不満の声が上がっていた。
--そのためか、次回作『シンフォニア』では『エターニア』に近い方式に戻った事で熟練度称号も獲得可能になったのだが、その次作『リバース』ではまたしても熟練度称号が廃され、これにより「藤島作品ではエターニア同様の料理形式で熟練度称号あり、いのまた作品では熟練度が総合かつ称号無し」と差別化される様になってしまった。

**問題点
***シナリオ
本作の問題としてよく挙げられる点は、多くがキャラクターとこのストーリーに集中している。

-前作と打って変わってタイムスリップもので、歴史の改変を防ぐために不思議な力を持つ少女リアラと一緒に過去や未来を行き来することになる。ただしタイムパラドックス等は説明がなく、神という概念による改変やパラドックスもあるため、SF的な解釈は通じない。
--同シリーズの『ファンタジア』もタイムスリップが主軸になっているが、これともまただいぶ扱いが異なる。
---過去の出来事に介入する事での歴史操作や「神」の存在により正史に生じる歪み等、時間移動による複雑な影響を思わせる描写は多いのだが、実際は大元の事件部分を大雑把に解決して終了or急き立てられるように更なる時間移動…といった展開が多く、本作の趣向を活かしきれてない感も否めない。
--ストーリーの主題や敵勢力等も前作とはほとんど繋がりが無く、この時点で前作の続編にする必要性を問う批判がある。
---しかし、逆に言えば前作との関連の薄さ故、前作未プレイでも1つの作品として楽しむ事も出来る。前作のキャラや出来事も多く出てくるが、「本作の過去話」程度の感覚でも理解できる程度の関係に留まっている。
--前作で破壊された空中都市の残骸が落下した影響で、前作で世界的な首都であったダリルシェイドが難民キャンプのような有様になっていたり、様々な街が壊滅し消滅している等世界情勢も一変してしまっている。更に後述するように、前作の主要メンバーが本作新規キャラに次々と襲撃されて傷つき、1人は殺害すらされてしまう。前作に思い入れのあるプレイヤーからすると気分のいいものではないだろう。
---歴史改変の影響などもあったのかもしれないが、それらが解消されたはずのED時でさえ、都市の荒廃の問題は変わっていなかった。
--ストーリーの流れも、主人公をはじめとしたメンバーに直情的なキャラが多いのも相まって行き当たりばったり。伏線の張り方や回収が強引で、要所要所の展開を唐突な新設定や場当たり的な思い出し等に頼っている事が多く、練られているとは言い難い。
--キャラの行動や時系列に突飛なものが多く、それに対するフォローや説明が非常に少なく(もしくは言及すらされない)、ご都合主義感も否めない。((ジューダスの初登場、牢獄からの脱出法、ロニと神団の関係の結末、要所要所のレンズ入手、ハロルド絡みの多くの現象等。))
--また中盤のほとんどを過去や未来の行き来に費やすため、終盤までは現代フィールドを動ける期間が非常に短く、自由度も低め。過去や未来世界は一部の区間しか移動出来ないので、これを解消するには至らない。

***前作との相違
-続編を名乗っているが設定の違いや矛盾が多々ある。
--前作はメディアによって設定面のブレが大きい事でも有名で、ドラマCD・漫画・小説版それぞれでキャラの性格や一部設定、作品によってはシナリオ展開や結末すら違っており一貫性に欠ける。本作の前作設定は原作ゲームのみではなくこれらのメディア版からも多々輸入されているため、原作ゲームしか知らないプレイヤーにとっては把握しづらく、食い違いも多く生じてしまう結果となった。
---特にドラマCD版の影響は原作ゲーム以上に大きく、前作絡みの声優キャスティングはドラマCD版準拠になっている。

-前作の主人公、スタンの扱い及び描写周りに対し前作ファンからかなり批判されている。

#region(前作主人公に関してネタバレ)
--前作主人公スタンの異常なほどの冷遇。出番はOPムービー、中盤のあるイベント中とEDのみ。改変世界(本編)では10年前に''上記のバルバトスに殺される''ことになっているため、''ゲーム開始当初から故人になっている''((カイルもスタンの死を目の当たりにしたがショックでその時の記憶を失っており、ロニとルーティがスタンの死を隠し、あくまで「旅に出ている」と教えられている。))。イベントでも登場早々、即座にロニを人質に取られ成すがままに殺害され出番を終えてしまうため、前作主人公であるにもかかわらず、他の前作キャラよりも圧倒的に存在感が薄い。
---いくら身内が人質に取られていて全力が出せなかったのだとしても、前作主人公であるスタンが呆気無くやられる様は、見ていて気分が悪いとしか言いようが無い。
---流石にあんまりと思われたのか、後に発売されたドラマCDや小説版ではスタンとバルバトスが戦い、スタンが一度は優位に立つなど補完がなされている。
--それでもスタンの死がストーリー上で大きく取り沙汰されキャラの成長に大きく貢献したり、バルバトスとの因縁を描ききっているならば批判はまだ少なかっただろうと思われるが、その悲劇を巡る描写が本編中ではほとんどされない。
---カイルが事実を知ってもバルバトスに怒りをぶつける等の描写も無く、「父親を殺された息子」としての側面が全く活かされていない。「殺害された当時の記憶が無く、スタンの死自体もイベントで克服しているため、直接的な怒りはあまり無い」「目の前の彼の蛮行(アトワイトを人質に取る、カーレルの死を突き付けてハロルドを挑発する等)に対する怒りが上回っている」といった事が理由だと考えられなくもないが、ほぼ言及すらされていないのは流石にどうか。
---それ以上におかしいのがロニ。幼少のカイルを庇ってバルバトスに人質にされた結果スタンが死亡した事を気に病んで異常なほどの過保護になった((厳密に言うと、ルーティから「カイルを本当の弟だと思ってしっかり守って欲しい」と嘆願されていたのもある。))…と、メンバーの中で最もバルバトスとの因縁が強い筈であるにもかかわらず、本編で対峙した際にはバルバトスを仇だと認識している素振りすら無く、まるで初対面の敵であるかのように接し、終始当時の出来事に関してバルバトスに対する感情そのものが一切描写されない。挙句スキットの中でとはいえ、バルバトスを笑いのネタにし出す始末((「今迄真実を隠してカイルの親友面をしていた事」への呵責はあり、完全に当時の出来事が蔑ろにされてる訳ではない。バルバトスについては一言も触れていないが。))。
---ロニはカイルと違って記憶喪失にはなっておらず、当時の時点で充分記憶に残ってもおかしくない年齢であり、「ショックで当時の記憶を失っていた」という擁護の余地があるカイルと比べものにならないレベルで不自然。バルバトスと対峙する時はカイルが近くに居るため、彼に悟られないように感情を抑えてあえて他人のフリをしていた…という風に脳内補完したい所だが、それを匂わせる素振りすら全く無い。初対峙直後のスキットでカイルにバルバトスが何者かと聞かれた時の返答が悪い意味での証左となってしまっている。~
一方、自分の両親の命を奪った前作の騒乱の象徴であるダイクロフトに対する怒りはチャットで描写されている事から、制作側がバルバトスとスタン親子絡みの因縁については深く描きたくなかったのでは?という邪推を禁じえない。
---スタンの死は物語的には大きなウェイトを占めている筈なのにこの有様なのも、批判を強めている一因になっている事は間違いないだろう。
//---二人同様にジューダスも、終盤に「''この世界は…スタン達の手によって救われなければならない。それを邪魔する奴は…この僕が許さない!''」とバルバトスに啖呵まで切るにも拘らず、スタンがバルバトスに殺された事に関しては、やっぱり忘れてしまったかの如く全く触れない。
//さすがにジューダスに関しては仕方がないんじゃないか。そもそもスタンが殺された事をジューダスが知っているかも不明だし、知っているとするならばスタンが殺された事をカイルが知らないのはルーティが必死に隠そうとしている事ぐらいジューダスなら流石に察するだろうし、バルバトスがスタンを殺した事に触れると必然的にそれをカイルが知ることになるから、ルーティのやった事を無下にする様な事をジューダスはしないと思うんだが。
//カイルが過去を思い出す前ならその通りだけど、思い出した後でも全く触れない事は不自然だと思うんだが…バルバトスへの啖呵はあくまで18年前の出来事を守るための言葉だし。まぁカイル、ロニが全くその事に触れないせいでジューダスがどういう意図で触れないかがわからないってのはあるけど。
//ぶっちゃけジューダスはカイルやロニほどスタンと深い関係というわけじゃないし、不本意とはいえ自分が世界を滅ぼしかけた以上、世界がスタン達によって救われる出来事を守りたいという意志はパーティの誰よりも強いだろうし、バルバトスに対してスタンの仇よりもこの啖呵を優先させたのは決して間違いじゃないと思う。スタンの仇討ちという要素をカイルやロニを差し置いてジューダスを前面に出すのも、それはそれで不自然だろうし。
---そのため、バルバトスは「ストーリー上立ちはだかる敵役」としての描写ばかりで、同じくプッシュされて重要である筈の「カイルやロニの仇」という一面がほぼ欠落してしまっており、キャラクターとしての奥行きが乏しくなってしまっている。
---なお、バルバトスはスタンたちが四英雄の1人と認識もして襲撃している。にも拘らず残りの2人の英雄であるウッドロウらは、なぜかスタン襲撃後の数年後である本編開始の時期に襲撃している。この奇妙なブランク期間については特に語られていないため、これまたご都合主義観が漂う。
---バルバトスの最期も彼自身の望む形での自害であり、彼の手にかかった者やカイル達の無念を晴らすようなものでは到底なく、その後は彼の死については言及すらされない。
--PSP版で前作の主要キャラ(リオン含む)と戦うことは出来たが、なぜか彼絡みのイベントは用意されていない。PS2版での不遇を見ると、寧ろ最も厚遇するべきキャラである筈なのだが。
---バルバトスが倒された後のストーリー終盤でもスタンは死亡している。これはバルバトスの時系列的にはスタンを殺した後に倒されたためであるため問題無いのだが、何故か「テイルズ オブ クロニクル」ではスタンは別の死因で死亡した可能性が示唆されている。

//---おまけにバルバトスが倒された後のストーリー終盤でもスタンは蘇ったりはせず死亡したまま。ちなみに「テイルズ オブ クロニクル」によるとスタンは別の死因で死亡した可能性が示唆されている。伏線も何もないため違和感が大きいが。
//バルバトスが死亡した時点ではスタンは存命してるんだからバルバトス的にはおかしくない、って事はないだろう。過去が変われば未来が変わるのは天地戦争時代が証明しているし。
//バルバトスがスタンを殺す→時間移動によってバルバトスがスタンが存命していた過去に移動する→バルバトスが死亡するって順番。スタンを殺した後にバルバトスが死亡してもスタンが殺された過去が変わるわけが無い。
//ドラゴンボールのセル編と同じはずなんだけどね。セルを倒しても未来トランクスの時代の悟空達が生き返るわけではないってのと一緒で
#endregion()

***その他の問題点
-独自システムの説明が一度しか見られない
--エンチャントや秘奥義など、本作独自のシステムや仕様はそれらを習得した戦闘終了後のリザルト画面で説明文章が流れるのだが、それらは一度しか表示されず、後のシリーズのような辞書機能(バトルブックなど)も無いため、後で見返す事が出来ない。
--繰り返すが、これらのシステムはシリーズの中でもとっつきが悪く、特に戦闘が苦手なプレイヤーにとっては更に追い討ちをかけるような形になってしまっている。

-術技の使用回数増加の条件がかなり厳しい。
--冒頭で述べたエンチャントを装備するのにこの回数を稼がなければならないのだが、他シリーズ作品と違い相手に「命中」させなければならない。回避されたり空振りすると回数にカウントされず、戦闘に慣れないうちは思うようにポイントを稼げない。
--回復系の昌術に至っては「戦闘中、回復対象のHPが50%以下だった場合のみ加算」というかなり厳しい条件。意図的に狙わなければこの条件で頻繁に回復させるのは至難。

-戦闘中の装備変更の反映にラグがある。
--本作では、戦闘中に装備を変えた場合、''変更後の装備の状態に切り替わるまで数秒のラグがある''という仕様がある。ゲーム中では一切説明されない要素であり、敵の特定の属性の攻撃に対策したい場合咄嗟に別の耐性装備に変えて対策する…といった事が出来なくなっている。
--特に影響があるのは「リバースドール」である。使用者が戦闘不能になるダメージを受けた際は自動的に蘇生し戦闘を続行できるシリーズおなじみの装飾品なのだが、これも数秒のラグが入ってしまうため、リバースドールを身に着けた直後に致死量ダメージを受けると自動蘇生が発動せずそのまま戦闘不能に…という事態になる。
---シリーズでも本作くらいにしか無い仕様であり、1秒を争う戦闘システム上かなりの支障になりうるマイナス要素である。

-チャット機能にまだ粗が残っている
--本作ではチャット機能の完成度が現在の形式に近いレベルまで高まったが、相変わらずチャットの発生を知らせる機能が実装されておらず、チャットが発生する条件を満たしていても画面上は勿論メッセージでもチャットが発生した事を確認する事が出来ず、実際ボタンを押しみるまで分からない。中には期間限定でかつ称号に関わるものもあり、それを逃すとその周でその称号を得る事が出来なくなってしまう。
---次回作『シンフォニア』では発生したチャットのタイトルが画面端に表示され確認できるようになり、これでようやくシステムが完成したとも言える。
---細かいことだが、道を間違えたことを教えてくれるチャットにもミスがある。チャットのタイトルが「こっちじゃねえよ」と言うロニ目線でのセリフなのに、実際に喋るのはロニではなくリアラになっている。

-「称号バグ」の弊害
--称号が持つ成長補正値の仕様によるバグで、上手く利用すればより良い成長率で育成出来るが、付け替える称号を誤ると''その後一切成長しないステータスが発生してしまう。''
--厄介な事に、''その称号を選択した時点で効果が永続する''という仕様があるため、このバグを知らず何気なく該当する称号を身につけてしまい、レベルが上がるごとに特定のステータスが著しく低いキャラが出てしまう事も充分ありうる。勿論、それに気づいてその称号を外しても手遅れである。そのため、育成を重視するなら一時期であっても称号を自由に付け替える事が出来ない。

-「時間旅行」シナリオの弊害
--本作は『ファンタジア』以来の「時をかける」要素のあるシナリオが特徴なのだが、その弊害なのかやたらと「一定の期間になると再侵入が不可能になる」街・ダンジョンが多発する事になってしまった。
---加えて『ファンタジア』ではそちらで取り逃したアイテム・術技も後に再入手する事が可能だったが、本作ではそのフォローすら無く、特にヒントの少ないフィールド宝箱を取りこぼしやすい。後のシリーズにおける宝箱コンプリート称号が本作の時点で存在しない事が救いか。
--今作は時をかけて前作のラストダンジョンの周辺に到着し、前作のラストダンジョンに向かうシーンがあるが、ここでのフィールドの形が前作と矛盾している。ネタバレを含むため詳しくは説明できないが、少なくとも前作ではここまで穴ボコだらけではなかった。

-飛行艇の使い勝手が異様に悪い
--終盤から使えるようになるのだが飛行中の移動速度が従来に比べると遅く、少しでも着地地点の地形が荒れていると『着陸できない地形です』、ラストダンジョンから帰還直後に×を押すと『高度を下げてください』というメッセージが出て着地が出来ず、従来に比べると使い勝手があまり良くない。
--本編中では時空のひずみに落ちても何事も無く帰還出来る高性能な機体である事が説明されているのに、地形の悪さ程度で手間取るという現象が悪目立ちする結果に。

-本作もシリーズ恒例のミニゲームは健在だが、全体的に難易度が高い。
--特に特定の街で行える配膳及び寿司職人ゲームはカイルやロニ辺りの簡単な難易度は比較的普通にクリアできるものの、ハロルドの場合は異常に難しく、前者は「持てる料理が少ない」「客多すぎ」「ページ数多すぎ」後者では「制限時間短すぎ」「ボタン数多すぎ」と「難しい」というよりもはや「苦行」レベル。
---他にも飛空艇を駆使してレンズを集める物も存在するが、上述の通り操作性が悪い上に制限時間付きである。最早いじめである。
---スルーしようにもよりにもよって、両ミニゲームをクリアすると称号が獲得できる上に配膳ゲームでは限定武器も存在するため、本作のミニゲームは称号コンプリートにおける最大の障壁といっても良いだろう。

-本作では前作の重要地点である都市が崩壊しているという、前作を知っていると複雑な気持ちになる要素がある。
--その影響か、前作での大きな裏切りの要員となった女性は一切姿を現さない。

-一部キャラの秘奥義の仕様について
--本作の秘奥義には大幅な命中補正がかかっており、まず命中する。そんな中でロニの秘奥義「ファイナルプレイヤー」のみ命中補正が一切かかっていないため、素のロニの命中率がそのまま適用される。
---上記の通りロニは命中率に難があるキャラのため、この秘奥義を使うと大抵の場合ガードされてしまう。
--同じくロニの「震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃」は、クセの強いロニの秘奥義の中でも安定しており尚且つ最高威力を誇るのだが、2周目以降になると「カイルが戦闘メンバーに居る時に発動すると1/8の確率で劣化版である「震天裂空…''攻撃''」になる」という仕様が追加される。
---専用の掛け合いがあるなど完全なネタ要素なのだが、言ってしまえば一定確率で秘奥義が勝手に弱体化させられてしまうという事でもあり、狙ったタイミングで劣化させられると戦局が乱れやすい。特にグレードを稼いでいる最中となるとこれでトドメを刺せなかった場合、大抵大きくグレードが下げられてしまう。発動条件であるカイル参戦も、カイル自体優秀な前衛キャラな事もあって避けるのははばかられがち。
---デッキブラシを装備していると劣化の確率が1/2に上がる仕様もあるが、通常時ではなくデッキブラシを装備していた時のみ劣化するという仕様なら、通常の戦闘に支障をきたさずネタ要素のみを活かせただろう。
--またこれによりロニは上位二つの秘奥義に難があるという状況に陥っている。
--ジューダスの隠し秘奥義「真神煉獄刹」の発動条件は「3周目以降のあるイベントの後、秘奥義である「義憐聖霊斬」を発動中に○ボタンを押しっぱなしにすると20%の確率で発動」という、かなりハードルの高いものとなっている。2周目なら兎も角、3周目までこのゲームを遊ぶプレイヤーは少数と思われ、それ以前に本作を止めたプレイヤーは「ネットなどで存在は知っているが、実際発動させた事は無い」という人も多いだろう。逆にやりこんだプレイヤーからは''3周目からが本編開始''とまで言われている。
---「義憐聖霊斬」自体この真神煉獄刹までの連携を前提としているような性能で、発動出来ないと暫くダウンしてしまい威力もやや低めと、お世辞にも単体で使える秘奥義とは言い難い。
---「真神煉獄刹」までつなげると専用のカットインが見られる上、非常に高い威力とヒット数となる上彼の秘奥義につき物である「発動終了後の硬直」も無いため、一転して強力な秘奥義となるのだが。
---また「真神煉獄刹」を発動すると仮面を取り、取った後でさらに秘奥義を発動すると仮面なしのカットインを見る事が出来るのだが、このカットインも違和感のある残念な出来。

-取得したグレードが本編攻略中に確認できない。
--グレードが表示されるのはエンディングを終え、次周への引継ぎの際のグレードショップのみで、本編中グレードをどのくらい得ているのか確認する事が出来ない。グレードショップの引継ぎ項目を多く購入したいプレイヤーや一部取得グレードが関わる難易度出現を狙っているプレイヤーにとっては非常にわずらわしい。
---次回作以降の多くの作品で、本編中でも取得したグレードを確認できるようになった。

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**総評
粗く強引さが目立つストーリー、前作設定に関する多くの食い違い、前作主人公の扱い等が原因で前作ファンから「蛇足そのもの」「こんなものが続編だなんて認めない」等と忌み嫌われ、本作単体で見ても難は多い。~
戦闘面においても、シリーズの中では今現在もハードルが高い方であり、「ただ窮屈で複雑(面倒)なだけ」と酷評され、『エターニア』までの正統進化や前作の続編を期待したプレイヤーからの評価は否寄りで分かれ気味だった。

しかしユーザーによる解析等が進むにつれて、複雑ではあるが完成度の高く奥が深いシステムだという事が徐々に知れ渡っていき、発売当初は否定的であったユーザーも含めて本作の戦闘を評価する者も多くなっている。~
事実、今現在に於いても有志による新たな戦闘動画が精力的に制作されている。

初期3作の古参ファンからはよく比較され「D2以降は…」という論調で語られることが多いが、これら3作から進化した要素、3作迄には無い独自の魅力も多く秘めているので、複雑な戦闘が好きならば色眼鏡無しにプレイしてみると良いだろう。

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*テイルズ オブ デスティニー2(PSP版)
|ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:運命を解き放つRPG)|&amazon(B000LA5DJW)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|メディア|UMD 1枚|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|アルファ・システム|~|
|発売日|2007年2月15日|~|
|価格|5,040円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|廉価版|PSP the Best:2010年1月28日/2,800円|~|
|配信|【PSP/PSV】2013年11月28日/2,500円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
**概要(PSP版)
2007年2月にPSPへ移植された。いくつかの追加要素を加え、一部ゲームバランスの見直しも行われている。~
携帯機ながらPS2版とほとんど変わらない再現度だが、重い処理を重ねすぎると処理落ちしたり、フィールドが多少粗くなっているなど、スペックの制約を多少受けている。

**追加、変更点(PSP版)
-中断セーブをロードしても消えなくなった。

-戦闘画面自体はPS2版と同様だが、画面の関係で接近時のキャラクターのサイズが原作以上に大きく描かれている。

-カイル達の秘奥義のカットインが新規に描き直された他、一部ボスにも追加されている。
--但し前作キャラの秘奥義には採用されていない。またグレードショップの特典を購入する事でPS2版のカットインに戻すことが可能。その場合、敵キャラのカットインは無くなる。

-前作キャラと戦えるようになった。
--キャラや術のグラフィックおよびボイスは[[リメイク版デスティニー>テイルズ オブ デスティニー (PS2)]]のものを流用。リオンのみグラフィックは新規に書き起こされている。(モーションはジューダスの流用)これにより前作の昌術や特技も多く逆輸入される形になるが、それぞれ専用のエフェクトが作られている。

-隠しダンジョンのボスにバルバトスとリオンが追加された。
--特にバルバトス2戦目以降(バルバトスとは何度でも戦える)はストーリーで戦ったボス2体を連れて同時に戦う他、難易度次第で全てのカウンターやPS2版ではほぼ使わなかった昌術を没ボイスと共に使用してくるため、より難易度が高くなっている。

-新しい装備が追加された。特にジューダスの追加装備はファンに評価されている。

-本作キャラクターやPS2版デスティニーのキャラクター等、数々のイラストが閲覧できる『イラスト本』が追加された。
--閲覧出来るイラストはイベント閲覧、周回クリア等様々な条件を満たすことで増えていく。
-ミニゲームの難易度が低下した。
--特にハロルド操作での配膳・寿司は大幅に難易度が下がっている。

-一部の数値や条件が緩和された。
--ラスボスのHPが75%に減少した。
--PS2版では必要なTPがある限り必ず発動したバルバトス3戦目のカウンター発動率が低難易度時限定で低下した。
--ジューダスの隠し秘奥義「真神煉獄刹」の発動条件が2周目以降に変更&発動率も50%に向上し緩和された。
--時間経過が必要なイベントの待ち時間が短縮された。
--回復晶術のカウント加算条件が変更された。PS2版はターゲットのHPが50%以下でないと加算されないが、PSP版は75%以下で加算されるように。これにより、使用回数が増やしやすくなった。
--装備品の所持上限が512個から999個になった。

-獲得グレードが下がり難くなり、グレードショップの購入ポイントも下がった他、購入できる特典も増えた。

-テキストの修正。誤植が修正された他、ジューダスの「男はともかく、女子供は無理だ」という台詞に若干変更が加えられている(CERO指定の関係と思われる)。

-バグの大半は修正された。
--「称号バグ」は再現されており、PS2版ではオーバーフローを起こす諸刃のバグであったが、オーバーフローは起きなくなっている。大抵バグは修正されるが残す事は珍しく、なおかつ使い易く変更(むしろ改善)されるというのは稀である。((ただしクールパイロットで防御1.5→4.0になるジューダスはこの恩恵を受けられなくなったために、虚弱仮面の名をほしいままに……PS版の設定を考えればある意味当然ではあるが))

-ボタン数の都合で、戦闘中のスタートボタンはターゲット変更機能になった
--その弊害として、戦闘中のソフトリセットが不可能になった。戦闘をやり直したい時は全滅を待つか、ハードリセットをしないといけない。

**総評(PSP版)
PS2版のテンポを可能な限り保ったまま、多くの追加要素やPS2版からの調整によってより遊びやすく、やりこみやすくなった。~
調整により本編の難易度は若干下がっているが、追加されたボスはそれを補って余りある強敵ばかりなので、全体的な難易度そのものはさほど変わっていない。~
戦闘・育成システムや仕様そのものもPS2版からほとんど変わっておらず、戦闘が苦手なプレイヤーには手放しにオススメしづらいが、携帯機で気軽に戦闘や育成ゲーをやりこみたいという人にはオススメできる。

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*余談
-バルバトスについて
--主要敵キャラクターの一人として立ちはだかる「バルバトス・ゲーティア」は戦闘での圧倒的な強さや''理不尽なカウンターの嵐''((戦闘中、プレイヤーの様々な行動に対して強烈なカウンター攻撃を行ってくる。ただしどの行動をすればカウンターしてくるかは、本編中3回のバトルそれぞれで異なる。))''シナリオでの清々しいまでに残虐、かつ卑劣な行動の数々''、そして声優の若本規夫氏の「''ぶるああああああああああああああああ!!''」「''貴様等は、俺の最高の玩具だったぜ''」など若本節全開な台詞や絶叫が数々のインパクトを与えた。
--ユーザーによって厳しい条件での撃破動画やMAD動画等が多く制作され、リメイク版デスティニーで隠しボスに抜擢された他、[[ヴェスペリア>テイルズ オブ ヴェスペリア]]で闘技場のボスとして出演し、お祭りゲーに至っては定番キャラと化している。
--しかし、最近はファンから「バルバトスを出し過ぎ」と言う声もある。そしてパーティーゲーム等におけるキャラ崩壊(美化)を激しく受けている一人でもあり、若本氏は「自分の中のバルバトスのイメージと最近バンナムに指示されるバルバトスのキャラクターが異なって困惑している」と明言しているほど。
---外作品では生粋の戦闘狂、或いはネタキャラになっている事が多いが、後者は兎も角前者については、本作では戦闘狂に加えて冷徹・狡猾な面も強く、幾度も人質を取る、人質を取って勝利しておいてあたかも自身の実力で勝利したかのように悦に浸ったり、全盛期をとうに過ぎたウッドロウ、無抵抗のフィリアを蹂躙して弱いと貶すなど小物染みた言動が目立ち、一貫して悪役に相応しい卑劣漢として描かれている。一方で、天地戦争時代にて、地上軍屈指の実力者であるディムロスの一撃を軽く受け止め真っ向から圧倒するなど相応の実力はあり、卑劣さだけが売りのただの小物という訳でもない。
--また他作品では%%ジューダスに「馬鹿の一つ覚えだな」と皮肉られそうなほど%%カウンターの一つ「アイテムなぞ使ってんじゃねぇ!」ばかりがプッシュされている。確かに初見のインパクトは凄まじかったわけだが、バルバトスのカウンターはこれ一つではなく、また本作は''3回目のバトルのみ、アイテム使用にカウンターをしてこない''。この辺りも批判される要因となっている。
--なお、本作でのバルバトスは圧倒的な強さで特に初心者をトラウマを植えつけたが、強さの要因の多くはカウンター行動によるもので、所謂「初見殺し」な要素が強い。操作に慣れればそれを利用してある程度動きをコントロール出来たり意図的にスキを作ったり…と、本作の中でも比較的戦いやすいボスでもあり、上級者からは彼の台詞をもじって「最高の玩具」などと呼ばれている。

-晶術に関する事柄。
--本作への批判の1つに「ソーディアンを持ってないカイル達が晶術を使えるのはおかしい、前作の設定を無視するな」という趣旨のものがあるが、これは''誤解''である。~
何故なら「レンズを持ち訓練を積めば威力の差こそあれど誰でも晶術を使える」という設定が''前作の時点で存在している''からである。モンスターが晶術を使えるのもレンズを落とすのも、レンズを体内に取り込んでいるためで、前作の時点でもソーディアンを持たず晶術を使用する人間のザコ敵も僅かに存在する。
//リアラ・ナナリー・ハロルドの3人はそれぞれ特別なレンズ製品を所持しており、他の3人よりも強力な上級晶術を使える。
//リアラたちが特別なレンズ持ってるって設定ゲーム中に明かされてたっけ?攻略本とかに書いてあったとしてもリアラ、ハロルドはともかく生活環境的にナナリーが持ってるってのに違和感感じるけど。
---前作・本作ともにこれを説明する描写がほとんど無く、「ソーディアンが無いと晶術が使えない」という誤解が生まれている。この様に前作の段階で存在したいくつかの矛盾した設定は今作にも引き継がれ、今作の矛盾と誤認している者も多い。
--冒頭でもあるように、本作のPTメンバーが前作の晶術をほとんど覚えないのは本作で「ソーディアンを持てば晶術という特殊な力を使える」という台詞があり、同じ晶術でもカイル達のものとは一線を画した特殊なものであると思われる。(ソーディアンで前作の術を使うイベントがあり、PSP版で戦うソーディアンを持った前作キャラも前作の術を使用してくる)
--知らない人のために追記すると、晶術とはRPGにおける「魔法」とほぼ同義のものである。レンズという結晶体に秘められた力を精神力等によって増幅し、術として発動する。
//問題でもなんでもない事実説明だけなので、余談へ。

-次作の『シンフォニア』では『エターニア』を3Dにした上で発展させたと言える戦闘システムで、本作のような特に変わったシステムは採用されていない。以降テイルズ オブ シリーズは本作の流れを受け継いだ複雑なシステムのシリーズと、わかりやすくライト向けなシリーズの2つに分かれて共存していくことになる。
--SPを取り入れているのは本作のみで、同一のシステムの作品は後にも先にも存在しない。

-ちなみに、&bold(){外国語版の『エターニア』が「Tales of Destiny2」として発売}されており、本作の北米版および欧州版は現時点では存在しない((唯一の外国語版として韓国語版が存在する。当時の韓国では『エターニア』が未発売のため、名称の問題は無い。))。
他にも海外で未発売のタイトルは存在するが、今作だけ未発売に加えタイトルも別作品に使われてしまうという由々しき状況に陥っている。
--こうなったのは単純に今作の発売前に『エターニア』を『デスティニー』に続くタイトルとして発売してしまったため。ちなみにSFC版とPS版の『ファンタジア』は海外では未発売。
--海外は神の扱いが色々デリケートなので本作の内容をそのまま発売できなかった可能性もあるが、仮にそうであれば「神の信奉者に配慮した結果テイルズの歴史から消し去られる」という、本作の物語を考えるといささか笑えない話になってしまうわけだが…。
--非公式ながら英語のパッチを作ろうとする海外の有志もいたらしく、今作の内容が完全に受け付けられないわけでもないようだが。

-当時の月刊ゲーム批評という雑誌の1コーナーにおいて「[[LUNAR2>LUNAR ETERNAL BLUE]]とやけに話が被る」ようなことを暗に言われていた。当時の某大型掲示板でもこの指摘はされてはいた。
--キャラと世界観の基本設定に関していうならば確かに主人公が英雄的存在に憧れをもっていたり、教団と対立するし兄貴分がその元神官だったりする。他にもメインとなるPTキャラがどちらも6人だったり、姉御肌なキャラや魔法に関して天才的な才能を持つキャラがいるなどの共通点も見受けられる。さらにいうなら声優の緑川光氏が両作品にメインキャラで出演していたりもする。
--それ以上に似てると感じてるのはヒロインが大きな水晶から現れて女神の片割れで序盤主人公放置で進むあたりなところであろう。前作からの復活キャラ(重要ボスポジション)もいるのでなおそう感じるか。
---なおフォローになっているのかわからないフォローとして、製作会社が同じだから仕方が無いだろうか、と書かれていた。
---実際には会社どころか担当したメインライターまで本作と同じ人物であったことが後に判明している。