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Rance5D -ひとりぼっちの女の子- - (2022/07/16 (土) 15:13:13) のソース

*Rance5D -ひとりぼっちの女の子-
【らんすごでぃー ひとりぼっちのおんなのこ】
|ジャンル|ADV+RPG|&amazon(B00006JUEP,image);|
|対応機種|パッケージ版:Windows 98~XP&br;ダウンロード版:Windows XP(SP2以降)~8&br;OOParts:iOS / Android / MacOS / Windows|~|
|発売・開発元|アリスソフト|~|
|発売日|日本語版&br;2002年10月25日(パッケージ版)&br;2014年6月27日(ダウンロード版)&br;英語版&br;2016年12月23日((ランス6とのセット))|~|
|定価|パッケージ版:2,800円&br;ダウンロード版:1,500円(+税)|~|
|レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
|ポイント|小粒でもピリリと辛い!&br;勝負は時の運!(ある程度はイジレます)&br;お求めやすい価格|~|
|>|>|CENTER:''[[Ranceシリーズリンク>Ranceシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ランスシリーズ通算8作品目にして正史作品としては『5』に相当する作品(この辺りの事情がについては余談項にで後述)。~
ちなみにタイトルは「ファイブディー」ではなく「ごでぃー」と読む。~
原画家・キャラデザインは『1』~『4』を担当していたYUKIMI氏、『[[鬼畜王>鬼畜王ランス]]』のメインキャラ担当だったむつみまさと氏から織音氏になり、~
本作以後シリーズ完結作までの全作品でキャラデザ・メイン原画を担当している。

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**ストーリー
浮遊大陸イラーピュにてランスと仲間たちが闘神ユプシロンと死闘を繰り広げてから数か月後……。~
 
鬼畜戦士ランスとその奴隷のシィルはキースギルドの依頼を受けてあるダンジョンを探索していたところ、迷子になってしまった。~
お供のあてな2号ともはぐれて不思議な空間を彷徨う中、二人が深い霧を抜けると突然JAPAN風の城下町が現れた。~
 
果たして城には何が待っているのか?~
ランスたちは無事におうちに帰れるだろうか?~

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**特徴

-公称のジャンルとしてはADV+RPGだが、下記の通りTRPGやボードゲームに近い他に例の無いシステムとなっている。

-ADVパートはノベル式よりもコマンド選択式に近い独特の仕様となっている。
--画面左下に行動をする人物が表示され、画面中央・右に調べられるポイント、画面下には所持アイテムが出現する。これらをクリックするとイベントが進む。
--誰で行動するかはその都度変えられ、ランスと他のキャラでは行動の結果が変わることがある。
--罠・宝箱の解除や調べるべきポイントに気づくか等はTRPGの行為判定のような形で毎回成功・失敗のチェックが入り、運が悪いと失敗する。
---基本的にはランスよりも女性陣の方が成功率が高いが、これを見越したトラップやランスで調べないと進めないポイントも存在する。

-RPGパートは歩きまわるようなマップが存在せず、ランスたちの行動は全てルーレットで決定される。
--通常移動としてルーレットを回すたびに画面上部にあるTIMEケージを1メモリ消費し、出た目の色に応じてイベントが発生する(緑はストーリー・サブイベント、黄色ならアイテムゲットのチャンス、橙色なら戦闘など)。
---また、TIMEを2、3メモリ消費する代わりに結果を3、5マスの内から任意の色を選べる「ゆっくり移動」「慎重に移動」することもできる。
---目の色は次回もストックされ、3回連続同じ色が揃えばボーナスイベントが発生する。
--物語は全5章構成となっており、章が新しくなるたびにTIMEケージはリセットされる。
---次の章に行く前にTIMEを消費しきってしまった場合ゲームオーバーとなる。
---ルーレットはまわすたびに緑色が増えていく他、TIMEが残り少なくなると宝箱から時間袋が出やすくなるので「全く緑が出なくて時間切れ」にはなりにくくはなっている。
---EVパネル、TRパネルというアイテムも存在し、前者は次のルーレットを全て緑玉、後者は黄玉にできる。

-戦闘はプレーヤーが介入する要素はないオート戦闘となっており、全ての行動はサイコロで決定される。
--敵味方双方最大3人まで参加可能で、各キャラは事前に目に対応する6つまでの行動をセットしておける。
--レベルを上げることで同じ種類の行動が増えて複数の目にセット可能になったりする。行動の性能を強化したりもできる。
--目虫というアイテムを各キャラに持たせておけば任意の数字が出やすくなる。
--5ターン経過するごとにTIMEメモリが1つ消費されてしまう。
--戦闘はCtrlキーを押すことで高速化も可能。
--敵の出現順はある程度固定化されており、ザコキャラは戦闘せずに逃げられるが、一定進行のたびに出てくる中ボスからは逃走不可となっている。
---中ボスは次章で出てくる女の子モンスターが出現する。やや強いが捕獲できればかなりの戦力になる。

-仲間はストーリー進行に伴って離脱・加入していくが、戦闘中に捕えた女の子モンスターも参加させることも可能。
--見た目がかわいいだけでなくランス一行より一芸に秀でた子もいるのでうまく活用すれば楽に進められる。
--主人公であるランスも控えにできるのでなんなら全員女の子モンスタープレイも可。
--ただし捕獲ロープを所持していないと時々逃げられる。また、捕獲した女の子モンスターはレベルアップできず、戦闘中に倒された場合そのままキャラロストする。

-アイテム
--アイテムは23個しか持ち歩けず、それ以上になる場合必ず23個になる様にアイテムを捨てなければいけない。
---控えのメンバーや捕らえた女の子モンスターもこの枠を共有し、他にも持ち歩くべきアイテムは色々あるために取捨選択が重要になる。
--ある程度進行するたびにランスの性欲というアイテムがいつの間にかアイテム欄に登場する。
---女性キャラに使うとご想像通りのことが起きて、対象の女性キャラの能力が上昇する。
--武器防具には耐久値が設定されており、戦闘終了時に一定確率で耐久値が減少し、0になると壊れてしまう。
---同種の武器防具を持ち歩いていると+のついた強力な武器防具が出やすくなる。上昇値は+3まで存在する。
--戦闘補助系のアイテムは同種の物が溜まると共食いして消滅してしまうことがある。

-キャンプ画面
--戦闘・イベントの進行中以外はいつでもキャンプ画面を開いてアイテムの使用・整理や戦闘メンバー及びスキルの対応目の変更が出来る。
--キャンプ画面下部にある「休」を選ぶと体力回復できるがTIMEを消費する。
--レベルは過去作同様自動で上がらず、キャンプ画面からレベル神を呼び出して行う。
---今回はランス担当のウィリスではなく『4』のレベルアップ時にたまに出ていたミカンがレベルアップを執り行う。
---『4』で時折失敗することがあったのがよほど不評だったのか今回は特に失敗することはなく、過去のウィリス同様普通にレベルアップするだけである。

-その他
--プレイ時間は人にもよるが長くても8~10時間程度で、ちょっとした休日にプレイすればサクッと終わらせられるようになっている。
--セーブは任意のタイミングでする形の物ではなく、ストーリーイベントやモンスター戦の前にオートセーブがなされる。これとは別にプレーヤーの中断直前までの自動セーブも作られる。
---プレーヤーが完全に詰みの状態に陥っている場合(章クリアまでのTIMEが最低限の必須数を下回ってる、必須アイテムを捨てている等)はオートセーブがなされなくなり、それとなく察せるようになっている。
--クリア後はハードモードが追加される。ただしシナリオ自体に変更点はない。
--RPGなのだがシューティングゲームのようなスコアの概念も存在し、章の終わりごとにそれまでの行動や所持アイテムを基に清算される。スコアによる解禁要素などはないのでオマケや自己満足目的なものである。

**キャラクター
#region(若干ネタバレ要素を含むので注意)
-ランス
--我らが主人公。~
全編通してアタッカー・女の子モンスター捕獲担当として活躍する。~
スキルは戦士と魔法。本来のは設定上ランスは魔法が使えない((厳密には『1』の時には使えたが設定が固まっていなかった時期の話である))があくまでゲーム的な物として本作は使えることにされている。

-シィル・プライン
--ランスの最愛の奴隷。シリーズ通してのメインヒロイン。スキルは魔法と神官。~
回復兼魔法攻撃担当で他のRPGでいえば魔法使いと僧侶の性能を折半したような性能になっている。

-あてな2号
--『4』でランスに預けられたアホな人工生命体。ストーリー前半から使えるが離脱期間がそれなりにある。~
1の目がラーニングとなっており、雑魚敵の技をコピーできる。このため習得技次第ではかなり頼れることになる。~
設定上彼女はレベルの概念を持たないはずだがランス共々ゲームシステム上の事情で今回はレベルアップする。~
スキルは弓術と人間。これに関しては後述。

-フェリス
--2で初登場し3でランスに真名を知られてしまった悪魔。~
今回は体調が優れないためごく短期間しかPTには参加しない。~
かなり強力な反面レベルアップができず戦闘に参加するたびにどんどんレベルダウンしていき、敵を倒した時にでる魂を回収してレベルを戻すという仕様になっている。

-リズナ・ランフビット
--本作初登場のヒロインその1。玄武城に捕らわれている美少女で、後半で仲間になる。~
戦闘ユニットとしてはランスと同じくアタッカーだが捕獲とランスアタックがなくランス程の火力が出ない代わりに補助系のスキルが使える。~
スキルは薙刀と魔法。

-コパンドン・ドット
--本作初登場のヒロインその2。ランスと同じくダンジョン内で迷っていた女性で、終盤で仲間になる。~
武器は「特製おみくじ」で固定されており、覚えるスキルは全てギャンブル要素が強い物になっている。大凶を引いてしまうと…。~
スキルレベルは神籤と男運。これに関してもあてな共々後述。
#endregion

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**評価点

-シナリオはシュールギャグ色が強く、面白い。
--クリアするための解答法がプレーヤーの予想を裏切っていく展開・正統派ヒーローならまずしないランスの鬼畜ぶりが発揮される展開が中心となっており、お気楽に楽しめる。
---とはいえ全編通して外道ぶりが目立つ主人公ではあるが、シナリオの最後の最後ではカッコよく決めてくれるのが実にニクイところ。
--ルーレットの玉の中にはクルピストン星という玉があり、当たるとクルピストン星の歴史を体感できる。
---非常に混沌としたシナリオとなっており、歴代でも屈指の意味不明なシナリオとなっている。この手のナンセンスなギャグが好きな人ならハマる。
---何故かクルピストン星に向けて所持アイテムを不法投棄することも可能で、細かいことに全てのアイテムごとに別々の反応が用意されている。
---名前で気づいた人も多かろうがラストはランス4の伏線を見事に回収し……。
--戦闘は敵味方ちょいちょいしゃべりながら進行し、各キャラのセリフも遊び心のある物になっているため声なしでありながら賑やかである。
--アリスらしく他作品のパロディギャグも豊富。

-Shade氏のBGM
--BGMは和風色を押し出しながらもshade氏の得意とする力強いギターが合わさることで独特の世界観を彩っている。
--特にデモムービー・通常戦闘曲に採用されている「Trns Beat?」は、コミカルな前半パートから激しい後半パートへの流れがshade氏得意の「転調」がよく現れていることから同氏の代表曲扱いされており、幾度かセルフアレンジもされている。ボス戦で流れる「All Your Power」も人気が高い。
--ランスがアレをするシーンでお馴染み「我が栄光」も元ネタを意識してかどことなく勇壮さがあった旧作版からド派手なアレンジとなっており、流れた瞬間から笑ってしまうこと請け合い。

-各キャラのドット絵・戦闘エフェクト・サブビューの顔や節目節目で挟まるミニイラストもかわいく出来が良い。こちらも本作の雰囲気にマッチしていて好評。
--ただ、ランスの通常顔が本来の性格に反し妙に悟ったような表情なので時折ファンからはネタにされる。

-&bold(){安い。}
--発売当時、それまでの美少女ゲームは6,000~9,000円が業界の基本だった中、本作はなんと2,800円。もちろんボリュームの問題もあるがそれにしてもここまでの価格破壊っぷりはそうそうなかった。
--当時はフルプライスでも10時間かからず終わる美少女ゲームもザラにあったので、単純なプレイ時間で言えば本作の方がお買い得ということもありえた。
--現在買えるDL版では1,500円なのでもはや同人作品と同価格帯である。
---後述の通りやや人を選ぶ部分はあるが、このおかげで肌に合わなくとも損害は小さい。むしろハマれば逆に安すぎたと思えるだろう。

-後作へと繋げた事
--後述の通り本作の開発自体が難航し、下手をするとランスシリーズ自体が終わりかねない状況だった為、ボリュームを含め色々賛否両論点はあれど、本作のおかげでシリーズが再始動した事は今では評価されている。

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**賛否両論点
-運要素がある
--ルーレットとサイコロで全てが決まる都合上、当然ながらいい目が出れば楽勝だがそうでないこともありうるためいつでもプレイヤーの思い通りにサクサクプレイというわけにはいかない。
---特にゲーム後半の敵はやや強めになっており、目虫を装備していても「その数字ばかり出る」というよりは「気持ち出やすくなる」程度なので必殺技・回復が間に合わず殴られておしまいということもありうる。
---女の子モンスターを捕獲できるのはランスのみなので常に捕獲枠として採用しておきたいところだが、あるボスはランスがうっかり捕獲したら即ゲームオーバーという強烈なトラップが仕掛けられており、逆にランスを採用しないと打点不足になって突破しにくい。ただし対応策自体はある((そのボスの1の目が防御になっているので、ランスの捕獲スキルを1にセットしておけば強制ゲームオーバーにならない。2つ以上捕獲スキルをセットしていると厳しいが、この直前にミカンのイベントでスキルを書き換えることもできる))。
--とはいえ、最低限の戦闘をこなしていればレベル不足になることはなく、適確に戦闘前の行動順の変更・スキルのセットを行っておけばあくまで負けるのは事故の範疇と言えるレベルで、本作は厳密には「運を操作して計画通りに事を運ぶゲーム」と言える。
---とりわけあてながゲイツの使う封印を覚えた場合、相手はまるで行動できなくなるのでこれを習得できればあとはクリアまでほぼ一直線である。
---覚えるのも運ではないかという意見があるかもしれないが、ゲイツ自体はしょっちゅう登場するザコ敵で一回も遭遇しないままクリアすることはない。プレーヤーが意図せずとも勝手に覚えてくれることが多い。
---女の子モンスターもロープさえあればどれだけ体力があってもランスで一発捕獲できるので強敵でもあっさり捕獲できたり、ピンチでも捕獲を引いて逆転勝ちということが往々にある。こうしたプレーヤーが介入できないからこそのラッキーを楽めるのが本作の魅力点である。
--運要素に関しては意図してこのようなコンセプトの基に作られており、公式サイトでは「&bold(){完璧に進められるゲームは楽しいかもしれないが、失敗やミスがあるゲームでないと運がよかった時の喜びが感じられないのでこのようなゲームを作った}」と言及している。~
スタッフ自身が「現代の主流から外れてる変わったゲームを遊びたい人向け」とも発言しており、本作は最初から賛否両論になるのを見越した上でリリースされたと言える。
---非好意的な評価をされる一方、本作独自の持ち味として好意的な評価をされる事もある。万人向けのゲームではないが、PVでの宣伝通り「ピリリと辛い!」味つけとなっている。
//運要素については「そういうコンセプトで作っている」部分が大きいので賛否両論でいいと思います。ルーレットの方は救済措置いくつかありますし
//スタッフがどういってるかは補足要素であって評価の対象外だよ。じゃないと、スタッフの俺得でプレイヤーの誰得とかが評価点になっちゃう。
//初版製作者ですが、言葉が足らず不適切な表現もあったので修正。厳密には本作は「運要素があるけど事前の準備でだいたい勝てる」ゲームと言えます。個人的には良作ですが運要素が人選ぶかな? と思ってスルメ判定にしたのでこれについては賛否でいいと思います。味方キャラも後半はカンストダメージ叩き出すこともあるので例を挙げると当wikiでの「ゲームバランスが不安定」判定レベルほど運要素に左右される難易度が高いゲームではありません。ファンの間でもこのシステムに関して批判一辺倒というわけではなく一風変わってて面白いという好意的意見もよく見られます。
//(---システムを理解できないユーザーからは非好意的な評価をされる場合もあるが、しっかりと理解できたユーザーからはこの部分を本作独自の持ち味とするレビューも見受けられる。この辺りは万人向けの甘いゲームではなくPVでの宣伝通り「ピリリと辛い!」味つけと言える)という部分、賛否両論点であるのにもかかわらず、一方の立場の視点で断定的に書かれていた為、それを修正かつマイルドな表現に修正しました。

-ランスの鬼畜ぶり
--ちょうど旧シリーズから後期ランスへの転換期だったため、本作でランスシリーズを始めた人や『6』以降の作品から入ってきたユーザーがプレイした場合相当鬼畜に感じる可能性のある場面が存在する。
--付け加えると本作以前のファンからも、海苔子さんという女性にあまりにも酷すぎる対応をとったことから本作のランスが一番鬼畜に感じたという感想もある。
---また、後付けではあるのだが本作でランスがフェリスにヤったことが原因で次回作でとんでもない目に合うために、次回作ないしフェリスのその後について知ったうえで本作で遊んだ場合ランスがより極悪に見えると思われる。
--クルピストン星人パート以外の全てのシナリオはシリーズの生みの親であるTADAが書いているため、他のスタッフが担当したシリーズ作よりもえげつない場面が多い。暴力を振るったりや暴言を吐く場面も以降の作品に比べて多い。
---とはいえ以降のランスは丸くなりすぎ、シィルのことを本当は愛しているという点が強調されすぎ、として本作のランスの描写を肯定的に評価するファンもおり、このあたりは常に賛否が分かれるところ。

-基本的には一本道ゲーであり一周すればCGも全回収可能だが、その分自由度は低い。
--仕掛けに対する解答法が一つしかなく、特定の行動をとっていかないとすぐに詰まる。
--一見キャラの育成に関しては自由そうだが、あるボスを倒すためにはランスが戦士レベル21で覚えるランスアタックを習得していなくてはならないので結局こちらに関しても事前に経験値を稼いでおくことが必須である。
---また、あてな2号のスキル「人間」とコパのスキル「男運」は上げても全く意味が無く、これはそれぞれあてなは絶対に人間になれない・コパは男運が無いというシステムを生かしたギャグである。~
しかしこれを理解せずにスキルを振ると大損することになる。つまるとここの二人もどちらも育成の自由度がない。コパはそもそも加入が終盤なので育成するほどの暇がないが。
---ただしあてなはラーニングがあるため毎プレイごとに同じ性能になるとは限らず、上書きではなく進化する特殊な組み合わせもある。女の子モンスターも18種類いて(3種類ほど戦力外ではあるが)、戦術の幅は結構ある。
--とはいえ価格面を考慮したら仕方ない部分でもあり、運要素があるだけに周回プレイ必須の要素を入れられても意見が分かれるところであろう。

-キャンプ画面のBGMに&bold(){スタッフのげっぷ音をサンプリングした曲が使われており}、人によってはあまり笑えないかもしれない。

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**問題点

//否定意見しか書いてない物は問題点へ

-時間制限
--アリスゲーにありがちなのだが、永久パターン防止やゲームに緊張感を持たせるため本作でもTIMEケージによる時間制限があり、のんびりプレイすることはできない。
---ゲーム内でもヒントはいくつかあるが、解答法に気づけなかった場合は時間だけ浪費してしまいゲーム終了ということも起こりうる。
---解答法が分かってもイベントマスを引けるかはルーレット次第(ただし上述の通り時間が減るとTIMEの延長やイベントを引きやすくはなる救済措置はある)で、好みの女の子モンスターを捕獲するまで粘る等寄り道している時間的余裕はあまり無い。

-ラスボスは即死耐性がないので即死攻撃を使えるデス子を連れて行くと、一撃死する。
--もちろん正攻法で挑むと強く、ラスボス戦で2の目が三回出てしまうと全体即死攻撃を使われておしまいなので気が抜けないのだが。
--デス子も耐久は低いので他の雑魚戦等は他の女の子モンスターの方が安定するうえに、捕獲時にこっちが即死攻撃を食らってガメオベアになることも往々にありうるので必ずしも誰でもこの方法で簡単にクリア可能というわけではない。

-ナンバリング作ではあるがこぢんまりとした作品である事
--大作ランスを求める声が多かっただけにこぢんまりとした本作が出された件についてはかなり否定的な意見も多かった。

-キーアイテムですら捨てられてしまうので、うっかり捨てると詰む。
--主要キャラのように絶対に捨てられないとすると圧迫するから捨てられるようにしたのだろうが、使用しきったら消費という方がよかったと思われる。
--上記の通りキーアイテムを捨てているとオートセーブしてくれなくなるので気づきやすくはなっているのだが、場合によってはかなり前からやり直したり、複数個捨ててしまったのでどれがキーアイテムだったのか分からないという事態になることもある。

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**総評
シュールギャグもの・外道主人公好きや他のランス作品をプレイして雰囲気が気に入ったという人ならばストーリーは楽しめる。BGMの質も値段を考えたらそれだけで元が取れるぐらいである。

一方ゲームシステムは運要素が強く、開発者が「失敗も楽しめる人向き」と認めるほど癖の強いゲームである。
戦闘前の準備によってある程度運要素は操作できるとは言えど、やはり思うように事が進まないことイライラしてしまうプレーヤーには向いてない。

値段・内容的に、休みの日に肩の力を抜いて流れに身を任せて楽しむようなゲームと言える。

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**開発経緯・余談
-タイトル名が『ランス5』ではなく『ランス5D』という名称になっているのは、『ランス5』に相当する大作作品を3作作ったがいずれも納得するクオリティに到達せず、途中で没にしてしまったことに起因する。
--そこで発想を転換して、必ず完成させることを目標にあえて小粒の本作が作られた。「D」とはつまり没にしたランス5ABCに続く4度目の正直という意味合いを含むタイトルである。
---そして、製作を円滑に進めるために少数精鋭のスタッフで本作は作られた。その人数、なんとほぼ&bold(){4人}。おかげでスタッフロールが凄惨なことに……。
---ちなみに没になった、鬼畜王ランスも開発初期は便宜上『ランス5』の名称が使われていたが、製品版では諸々の事情からナンバリングタイトルから外されている。
--なお、『[[6>RanceVI -ゼス崩壊-]]』や『[[戦国>戦国ランス]]』のマニュアルには『5』が未発表作品扱いとして掲載されており、アリスソフトのスタッフとしては本作はあくまで外伝作というスタンスをとっていた。
--『5D』~『6』間に起こった事件の年表上の設定は存在し((ランスが地下帝国の幹部になって自由都市地帯を支配するも離反して崩壊させるという物))、スタッフも『5D』ではない正式な『5』への制作意欲を見せていた時期もあったものの、結局純粋な『ランス5』は世に出ぬまま本シリーズは完結を迎えることとなった。

-この時期のアリスソフトは本作を始めとしたいくつかの作品を2,800円シリーズと題して続けて販売しており、業界でも老舗のアリスが低価格帯で看板タイトルを複数出したというのは少なからず業界に衝撃を与えた。
--この流れを受け、数年後「ロープライス作品」という概念が業界に定着し、実験的な作品や特定ジャンルに特化した作品は低価格で販売されるようになった。
---これはユーザー・メーカー双方メリットがあるため、本作が業界に与えた影響は大きいと言える。
--本作はランスを語る上でシリーズ再起動のポジションとして重要なソフトであるが、業界的に見ても一つのターニングポイント的な作品と言える。

-本作のメインヒロインのリズナは『[[瑠璃色の雪>真・瑠璃色の雪~ふりむけば隣に~]]』のメインヒロインをかなり意識したキャラである。
--元々パロネタが多いシリーズとはいえ、同業界の他社メインヒロインのパロをこちらのメインキャラでやるとはなんとも大胆である。
--ただし外見上の話であって設定はかなり異なるが。

-2018年8月3日に定額サービス「GAMES 遊び放題」に収録された。

-2020年4月23日に定額ゲームプラットフォーム「OOParts」がサービス開始。本作は初期から収録されたタイトルの一つである。
--PCだけでなくスマートフォンにも対応している。