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@field - (2023/11/01 (水) 15:00:03) のソース

*@field 
【あっとふぃーるど】
|ジャンル|仮想空間ゴルフアクション|&amazon(B005N4JQ62)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|
|メディア|PlayStation Vitaカード|~|
|発売・開発元|ソニックパワード|~|
|発売日|2012年3月29日|~|
|定価|3,990円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|セーブデータ|3個|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~|
|~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|着せ替えゲーの皮をかぶった難ゲー&br;独特なルールは魅力でもある|~|
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#contents(fromhere)
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**あらすじ
素敵なドールを所有していた「あなた」はゲーム管理人リーナとひょんなことから知り合い、ドールを使って遊ぶ仮想ゲーム用空間「@field」のゲームに挑戦することとなった。

**概要
プレイヤーもといドールマスターは@fieldと呼ばれる仮想ゲーム用空間で、ドールをあやつりゴルフのようなピンボールのような独特のゲームをひたすら行うことになる。

***操作方法とルール
-コース
--@field上に構成される浮遊型のゴルフコース。ルールによって多少変動はあるが、スタート地点とゴール地点が存在し、その道中に得点となるギミックがある。

-ステージのギミック
--コインをとるとわずかな加点、エンジェルリングという羽が生えたリングを通過すると高い加点が得られる。
--その他、ボールの速度を著しく向上させるダッシュパネル、リング、ジャンプさせるトランポリンや竜巻といったギミックがある。これらも使うことでわずかながらの加点効果がある。

-ショットとボールの軌道操作
--○ボタンを2回押すことゴルフボールを打ち出すことが可能。1回目の○ボタンは左スティックとの兼用による打ち出す方向決定の役割、2回目は威力調節の役割を持つ。
--打ち出したあとのボールはPSVの傾いている向きに応じた「加速度」を与えて軌道を操れる。操作できる時間には制限があり、下のゲージが0になるまでであればRボタンを押している間に起動操作が適用される。
--ボールにかかる加速度は、ボールの周りに出る矢印型のアイコンで大まかに把握可能。
--またゴルフボールに一定以上の速度がないと加速度を与えることができない。

-装備など
--ゲームを進めると、クラブのショットの強さや、加速度のかけやすさなどを装備によって変更できる。
--ただし、ミッションモードでは指定されたクラブとボールを使う必要がある。

-カメラアングル
--ボールを打ち出した後は右スティックでカメラアングルを調節できる。左右にスティックを倒せば倒した方向にカメラが向き、上下にスティックを倒せばそれぞれ見下ろす、見上げるようなカメラアングルになる。
--打ち出す前に□ボタンを押すとステージを見回すことができる。

***各モードの詳細
-ミッションモード
--ワンショットでゴールまでボールを誘導する必要がある。ゴールは同心円状になっており、中心に近づけるほど高得点が得られる。
--全部で16のレベル分けがされている。さらに各レベルは4つのステージによるミッション及びその4つのステージをまとめた@検定の合計5つのミッションによって構成されている。
---@検定以外のミッションは、ボールを得点版の上に静止させることができればクリアとなる。クリアの成否に得点は問われないが、これができないと失敗扱い。
---@検定では直前に行った4つのミッションのステージを連続で攻略し、合計得点が一定基準を上回ればクリアしたことになる。得点版に載せられなかったり、コースアウトしても失敗にはならないがそのコースの分の得点は0点となる。
--レベル16の@検定をクリアすれば、このモードを最後までクリアしたこととなり、一応のエンディングが見られる。

-シングルモード
--通常のゴルフのようにホールにボールを落下させることができればステージクリアとなる。
--ワンショット目はミッションモードの要領でボールが誘導できるが、ツーショット以降は誘導ができなくなる。
--コースアウトなどしても失敗にはならないが、ホールに落とすまでの手数が少ない方が高得点となる。
--オリジナルステージの作成・投稿、ダウンロード及びカスタマイズも可能。

***ドール
-ドール
--目つき(眉10通り×目10通り×瞳の色6通り)、口元(口尻の広さ4通り×唇の厚さ4通り)、肌色通り5・髪(前髪6通り×バック7通り×色8通り)などを決める。
--髪型以外は一度決定すると変更不可能。
--声にはさまざまなパターンもあり担当している声優も5人。
--着せ替え用の衣装は、「ミッションモードのコースをクリアする」「ミッションモードのコースで満点に近い高得点を出して金メダルを取る」といった条件で入手できる。

***その他
-セーブ
--本作はオートセーブ方式を導入している。手動によるセーブやデータの増殖は不可能。
--1つのセーブデータにつき所有できるドールは1体のみ。
--マルチ対戦成績、ステージのエディット総数、保存したフィールドも記録される。

**問題点
***とにかく難易度が高い
-悪意満載のステージの存在
--ゲームオーバーの類はないのだが、何度もミスショットをさせていくうちにノウハウを掴んでいく流れとなっている。これはミッションモードも例外ではない。
--簡単なコースももちろんあるが中にはクリアするのも一苦労なものもある。例としては…
---やたらと細い道だったり、ダッシュリングが変な向きにおいてあったりなど、OBさせる気満載なもの
---氷が一定時間経つと道をふさいでしまう、または道を塞いでいる氷を勢いよくぶつかってどかさないといけないコース
---障害物が非常に多く軌道調節がシビアなコースなど
--@検定の合格水準がシビアで、どこかのステージでOBしようものなら一気にクリアが遠のく場合もある。
---衣装などが手に入る金メダルを狙おうものなら数十回のリトライは覚悟しなければならないほど。

-カメラアングルと重力センサー操作のクセ
--「PSVの傾きでボールを好きな向きに加速する」というと、一見シンプルだがこれに求められる作業が非常に精密。
--「PSVの傾き」というのが体感的にわかりにくいため、加速度の大きさを瞬時に判断できない。特にボールの速度と逆向きに加速する(すなわちブレーキをかけたい)時の調節が非常に難しい。
--次に加速度の向きについてだが、この加速度の向きは現在のカメラアングル準拠となる。シンプルなステージであればいいが、複雑になってくるとカメラアングルの調節がほぼ必須になる場合もあり、加速度調節とカメラ調節を手際よくこなさなくてはならない。この2つがとっちらかってしまうと、あらぬ方向に加速して失敗になりかねない。
---よほどのことやりこまないとPSVを傾けながらアングル調節といった芸当は不可能。カメラアングルの右スティック入力に対しての感度を調節できてもよかったのではないか。

***食われたドール要素
-着せ替え以外のドール要素
--セーブデータ1つにつきドールを1体しか持てないうえに、ドールは一度決定したら肉体という意味での外見を変えることは不可能。着せ替えしかできない。
--ドールの顔や肌といったパーツも決して昨今のゲームの中で劣っているとは言い難い水準ではあるものの、かといってとびぬけて豊富にそろえられているわけではない。

-着せ替えが事実上のオマケ要素に追いやられている
--パッケージやそこにある説明を読み限りでは、ピンボール&ゴルフというゲーム性よりもドールの着せ替えを目当てにプレイする人が多かったと思われる。
--しかし、ゲームのウェイトの大半を占めているのは事実上前者であり、後者の方を本格的にやるにはこのゲームを相当の事やりこまなくてはならない。
--初期装備がスポーツブラと短パン。中盤に行くとクリアだけでももらえる装備がちらほらと存在するが、逆にいうと序盤はロクに着替えられない。
--DLCによる入手パーツもあるものの、基本的に衣装やボイスのカスタマイズをするなら、クリアも一苦労なコースで金のメダルをとって衣装などのパーツを揃えなくてはならない。そこまでモチベーションを保てる人は少ないだろう。
--このゲームに深いところまで付き合えた人にとってはあまり気にする内容でもないだろうが、メインのシナリオにもドールが大して絡めていないため、ゲームを極めているうちにドールというコンセプト以外の要素にめりこみがち。

-ストーリーがほとんどない
--@fieldの案内役をつとめる女性「リーナ」は遊び方の解説をしてくれるほか、本作に最低限のストーリーらしい要素を与えている存在。
//--レベル12をクリアすると本来のフランクな口調になる。
--ドールは喋れるには喋れるのだが、セリフは完全にパターン化されているため会話のキャッチボールができるわけではない。
---またセリフにトロフィー取得時のものも用意されているのだが、トロフィー取得チェックが''リザルト画面から次に進むボタンを押した瞬間''に設定されてしまっているため、ドールが喋っている間に画面・音声が共にフェードアウトしてしまいセリフを最後まで聞くことが出来ない。

***その他の問題点
-オブジェクトの多いコースを遊ぶと処理落ちが発生しやすく、軌道操作のタイミングが計りづらくなる。

-ステージエディットは既存コースのコピーなどは行えず3D空間に1からパーツを配置していかなければならず難しい。
--さらに現在はサービス終了のためエディットデータのネット上でのアップロードならびにダウンロードができなくなっている。

-BGM自体は悪くない出来だが、コース中の曲がミッションモードとその他のモードでランダムで流れる各2曲ずつしか用意されておらず、特にミッションモードではあまり代わり映えがしない。
--また、コース中にリトライを行うと曲が最初から再生されるためイントロ付近を何度も聞くことになる。

**評価点
-題材
--問題点にもつながる範囲かもしれないが、ボールの打ち出し方、カメラアングル、加速の仕方など、攻略を左右する要素はかなり多様であり、自由度の多い物理エンジンも手伝ってゴルフそのものは単純作業にならない。かなり試行錯誤の余地がある。
--そもそもこのようなルールのゲームがおそらく存在しないので、ひととおり困難を乗り越えられればこのゲームの発揮する存在価値は高い。

-やりこみに特化した設計
--ドールのクオリティや好みはともかく、他ユーザーとコースのやりとりができたり、得点を極めるようなゲーム設計と言い、難しいゲームが好きなプレイヤー向けの設計が多い。
--ゴルフに限って言えば、上記の難しい操作性・ルールを克服してはじめて、このゲームの本当のやりこみ要素に足を踏み入れることができる。

**総評
かわいい女の子のドールが本体のゲームと思いきやそんなことは全くなく、実際は高難易度のスポーツゲーである。~
ゲームのルールなど、他ゲームにはない独自性の点では非常に優れているのだが、試行錯誤が好きかどうかで、本作をどの程度まで楽しめるかが決定してしまうだろう。