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ASSASSIN'S CREED III - (2024/01/11 (木) 11:11:01) のソース

*ASSASSIN'S CREED III
【あさしん くりーど すりー】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&amazon(B008FWIHP0)&amazon(B008FWII86)|CENTER:&amazon(B009LGO0N2)&amazon(B00ADV552Y)|&amazon(B00HQSGFBW,image=https://cache.famitsu.com/img/catalog/item/0000/0000/0009/6347/medium/B00HQSGFBW.webp)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360&br()Wii U&br()Windows Vista~8|~|~|~|
|発売元|ユービーアイソフト|~|~|~|
|開発元|ユービーアイソフト モントリオール・スタジオ|~|~|~|
|発売日|【PS3/360】2012年11月15日&br()【WiiU】2012年12月8日&br()【Win】2012年12月23日&br()【CONNOR SAGA】2014年3月20日|~|~|~|
|定価|7,329円|~|~|~|
|レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|~|~|
|判定|なし|~|~|~|
|ポイント|今度の舞台はアメリカ独立戦争&br()新エンジンによって向上したグラフィック&br()ゲームシステムややりこみ要素の難易度は高めに&br()シリーズ中でも異質の主人公|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[ASSASSIN'S CREEDシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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#center(){{
 &big(){''立ち上がれ。''}
}}
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**概要
『ASSASSIN'S CREED』シリーズのナンバリング第3作。据置用タイトルとしては通算5作目となる。~
WiiUのローンチタイトルの1つであり、国内では初めて任天堂ハードで発売されたアサクリでもある。~
前作『[[REVELATIONS>ASSASSIN'S CREED REVELATIONS]]』まで続いたエツィオ・アウディトーレを主人公としたエツィオサーガが完結。~
そのため、今作ではアメリカ開拓時代(啓蒙時代)を舞台に新たな主人公コナーを迎えた。~
これまでより洗練された新エンジンを採用し、グラフィックも強化。新要素も多く取り入れられている。~
本作よりアメリカ大陸を舞台とした新たな3部作である「ケンウェイ・サーガ」が始動する。~
同一主人公による3部作だった「エツィオ・サーガ」とは異なり、次作『IV』では名前のみ登場したコナーの祖父・ヘイザムの父にあたる「エドワード・ケンウェイ」が主人公となる。

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**ストーリー
18世紀。イギリスはアメリカに植民地を作り、先住民族であるインディアンとの間で確執が存在していた。~
テンプル騎士団に所属するアサシン、ヘイザム・ケンウェイはとある任務を帯びてアメリカへと渡った。彼はそこで、モホーク族の女性ガジージーオと出会う。~
2人の息子ラドンハゲードンは精霊((作中たびたび登場する第一文明人。))の導きによりコナーと名乗り、隠棲するアサシン教団のアキレスに教えを請い、アメリカを支配しようとする父ヘイザム打倒のため自由への戦いを始める。~
やがて彼は湧き上がりつつあるアメリカ独立革命の渦に巻き込まれていくのだった。

一方、昏睡から回復したデズモンド・マイルズは得た情報を元に父ウィリアムたちと共にニューヨーク近郊の宝物庫を訪れていた。~
人類滅亡の時が迫る中、デズモンドは再びアニムスへ舞い戻り、世界救済の術を探す。

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**特徴
-新エンジンを採用し、操作方法も大幅に変更
--フリーランが1ボタンのみで可能になった。また、フリーランで木の上に登ることが可能になった。木の幹を登り枝の上を自由に移動して、より自由度の高い移動が可能に。
--草むらに入ると自動的に身を低くして隠れるようになった。

-戦闘システムも大幅に調整が入っている
--剣などのメインウェポンと銃などのサブウェポンやアイテムを同時装備可能になった。これにより今までのように金を撒くために武器が使用不能になるといった問題が解決した。
--カウンターのシステムが変更。敵の頭上にマークが表示された瞬間にボタンを押すとスローがかかった回避モードになり、すぐに攻撃すればカウンターになる。
---カウンターの種類も、敵の体勢を崩して武器を落とさせたり、投げ飛ばす、銃を使ったショットキルなど多彩になった。
--敵側にも新たに「一斉射撃」が追加。これに対抗するため、敵を盾にして防御する事が可能になった。
--ヘルス(ライフ)がシンクロバーで表示されるようになり、安全な状態になることで自動回復するようになった。
---代わりに傷薬がなくなったので、回復しながらのごり押しができなくなった。

-"海洋ミッション"の登場
--シリーズで初めて大型の帆船を操縦可能になり、船を使った海洋ミッションが登場した。
--高額だが、船の改造も可能で、大海原を自由に駆け、イギリス海軍と戦うことができる。

-狩り
--今作では、『[[BROTHERHOOD>ASSASSIN'S CREED BROTHERHOOD]]』に登場したローマの約1.5倍という広大さを誇る自然豊かなステージ「フロンティア」が登場し、これらの場所に住む野生動物を狩ることが出来るようになった。
--鷹の目で獲物の行方を追いかけたり、罠を仕掛けたり、弓や銃で狙撃したりと様々な方法で狩ることができる。狩った動物からは交易用の毛皮などがはぎ取れる。
--獰猛な動物も登場し、襲われた場合はQTEで反撃を要する。
---ただし、ステルスキルを決めないと毛皮が傷つくなどのデメリットが発生し、売値が下がってしまう。
---また、コナーは無益な殺生を好まないため、狩った動物から毛皮を獲らずに放置して遠くまで離れることを繰り返していると一般市民を殺害し続けた時と同様にシンクロ解除される。

-輸送隊システム
--今作における資金稼ぎのシステム。前作までの街の発展で資金を得るスタイルから、自分で仕入れた交易品を輸送隊に売って来てもらうことで利益を得る、というシステムに変更。
--拠点となるホームステッドに関連するホームステッドミッションをクリアすると、新たな住人が職人として居住し、彼等に加工してもらうことでより高値で売ることができる。
---上記の狩りで得た物品もそのまま交易に出せるが、基本的には加工してもらう方がより高く売れる。

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**評価点
-グラフィックの強化
--前作までの「Anvil」を一新した新エンジン「Anvil Next」の採用により、グラフィックはさらに美麗になっており、雪深いフロンティアや独立の熱気あふれる都市の雰囲気は良好。
--フロンティアだけでなく、ボストンやニューヨークの街並みも郊外は豊かな自然が広がっている。

-海洋ミッション
--これまでも船が暗殺の舞台になる場面はあったが、巨大な帆船をプレイヤー自ら操り大海原を駆け、海戦を繰り広げる海洋ミッションは非常に新鮮味がある。
--大砲は側面に固定されているので攻撃時には横を向かねばならず、射程は長くないので必然的に接近戦となり、時には衝角で敵船の横腹に体当たりをしたりと、この時代の船ならではの戦い方が出来るのは魅力的。
---撃てる弾は鉄球を放つ「通常弾」・鉄球に油を浸した布を巻いて火をつけ威力を増した「火炎弾」・小型の敵を狙うための散弾「ぶどう弾」・敵船の帆柱を折って移動力を下げるための「鎖弾」があり、状況に応じて使い分ける。
--操作性も良い。巨大な帆船を自分の意のままに操り、搭載した多数の大砲をドカドカ撃ち、自分より大きな敵船を沈める爽快感を味わえる。
--何か操作すると主人公が「帆を張れ!フルセイル!」「弾種切り替え!火炎弾だ!」など船員に威勢よく掛け声を掛け、副船長が船員に「早くしろ!」と怒鳴る。船長なり切り感もピカイチ。
---好評を得たためか、次回作『IV』ではさらに海戦システムが強化されて本格的に海賊として活躍することが可能となった。

-サブミッションも相変わらず豊富
--拠点に住人を迎え入れ、頼み事を聞くことで発展させるホームステッドミッション・お馴染みの羽集め・年鑑集め・ボストン・ニューヨークの解放、弟子を育てるなど非常に多彩。
--拳闘クラブや狩猟クラブといった会に入り、ケンカや探検をしてそれぞれの中で地位を向上させていくミッションも用意されている。
--また、古典的ボードゲームがミニゲームとして用意されており、相手によって難易度も変化するため遊びごたえがある。
--ストーリーやミッション進行とともに、事件や建築物の記録をコレクションしていくことでシリーズおなじみのデータベース辞典が完成していき、世界史雑学ウンチクが楽しめる。

-マルチプレイ
--新たなゲームモードが追加されたマルチプレイも相変わらず好評。
--特に、新ルールの「ウルフパック」は他プレイヤーとの協力をメインとしたルールで、NPCのターゲットを暗殺するというもの。対戦だけでなく協力する楽しさを味わえるようになった。
---ソロプレイも可能なので経験値や表彰が獲得しやすくなった点も評価されている。

-格好いい戦闘モーション
--本作の戦闘モーションはエンジンの進化に伴い、より格好いいものになっている。さらに、ヘイザムは優雅で余裕を感じるもので、コナーは縦横無尽に荒々しいものと主人公ごとに異なる戦闘スタイルが用意されている。モーションの多くが『IV』『ROGUE』に流用されており、その完成度の高さがうかがえる。
--2人同時のカウンターはカメラの演出も相まって、シリーズで一、二を争う無双感を味わえる。

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**賛否両論点
-ストーリー
--今作ではゲーム序盤からしばらくはコナーではなくその父、テンプル騎士団に所属するヘイザム・ケンウェイをプレイヤーキャラとして操作し、途中からコナーへと交代する。
--ヘイザム編はチュートリアル的な役割も果たし、基本的なアクションを学びつつコナーのターゲットとなる人物たちがどうやって知り合い、強大な存在となっていったかが描かれる。
--本編主人公であるコナーを操作するパートに入っても「木登り」などの追加アクションのチュートリアルから始まる。~
結果コナーがパッケージでも着ている、シリーズでもおなじみアサシンのローブを身に着けて本格的にアサシンとしての行動を開始するのはゲームとして中盤に入ろうかという段階。
--決してコナー編の尺が短いという訳ではないが、「本格的なゲームスタートが遅すぎる」という印象は否めない。
--主人公の交代という要素を入れたことで、敵であるテンプル騎士団側の魅力を増すことに成功している一方、コナーのキャラクターとしての魅力が薄まっている。
---これまでのテンプル騎士団は大義のために動いているという説明は度々あったものの、対峙する敵は悪党染みた連中が多く敵役としての側面が強かったが、ヘイザム編により騎士団なりの思想と正義に基づいて動いているという説得力が増している。
---一方、コナーの行動理由は自身の集落を燃やし母を殺害したチャールズ・リーたちへの復讐が大きい。~
アサシンになったのも復讐の力を求めて精霊(第一文明人)に導かれたからだし、独立戦争で独立側を支援するのも騎士団が征服側についているからである。正直、コナーがアサシンであるべき理由付けは薄い。
---また、独立側もコナー達ネイティブ・アメリカンの味方という訳ではなく、作中コナーは独立側から大きな裏切りを受ける。
---大義を失いながら個人の復讐だけは完遂しようとするコナーに対しては、本シリーズのテーマからして賛否両論と言わざるを得ないだろう。
--今作も史実の偉人が数多く登場するが、コナーは偉人や歴史的重大事件にガッツリ絡んで表舞台で大活躍する。~
重大事件に参戦できる楽しみの一方、「歴史的人物・事件の影で人知れずアサシンが活躍していた」どころでなく、「独立戦争に参加していた」ではあまりにも表舞台に出張り過ぎているという批判もある。
--つまるところ、「アサシンとテンプル騎士団の戦い」「ネイティブ・アメリカンであるコナーの復讐と自由への戦い」「アメリカ独立戦争」「史実の影で暗躍したアサシン」という本作のストーリーの核同士の食い合わせが悪すぎた。
--その結果、何とも言えないチグハグさが浮き彫りになってしまい、短めながらも筋の通っているヘイザム編とその後のヘイザム一派の言動の方が理解出来るという現象が起きている。
--あくまで「1つの物語」として観るのであれば、この時点でのシリーズの集大成として、とても良く描かれている、とは言える。
--新大陸へ渡ることの困難さ、植民地支配者層と原住民との対立と模索、それらを紡ぎつつコナーやヘイザムといった個々の英雄像を無理なく物語に落とし込むことは、困難だったことは想像に難くない。
--が、いかんせんゲームのシナリオとしては相性が悪すぎた。結果としてできたのは複数の複雑な視点や歴史情勢からなる叙事詩であり、リアリズムを追求した挙句主人公は共感されず、また当時のマシンパワーではアメリカの雄大な大地をゲームに落とし込むのは難しすぎた。
--挑戦の方向性自体は賞賛されても良いのだが、それらが過不足なくエンタメとしてのゲーム体験に結実するのは、5年後の『[[ASSASSIN'S CREED ORIGINS]]』までかかることになった、とも言える。

-現代編については完全に旧作ありきで説明不足が多く、壮大ではあるが理解できないという意見も見られる。
--これ自体は''日本未発売のコミックや小説で補完されている''ためであり、日本のプレイヤーには仕方のない所である。
---なお、そちらの媒体を知っていたら知っていたで問題がある。というのも、あちらサイドで一部主役を務めシリーズ中でも重大な部類に入る出来事を引き起こした人物((教団を壊滅させ、その後の優劣を確定的にした元アサシン。))が、本作現代編に三下同然で現れあっさり死亡する((実際にプレイヤーが雑魚キャラ同然に処理する。))。
---ただし、今作はデズモンドという主人公がいる分、まだマシと言える。本作後のシリーズではしばらく現代編がおざなりになってしまうためである。
---本作以降、現代編はコミックでの展開が中心となり、ゲーム本編の現代編はコミック版の補足的な扱いになる。そのためゲーム本編で張られた伏線がコミックで消化され続編では触れられなくなったり、コミック版のキャラが何の説明もなく登場するといった展開が続くことになる。

-戦闘システム
--これまではカウンターで一撃するか、攻撃を重ねてダメージを与えるのがほとんどだった。
--今作では敵兵の種類による差別化がハッキリしており、種類に応じて有効なカウンターと攻撃が異なるようになった。
---正面からの攻撃を短剣で受け流してくる軽装兵やキルストリークに反撃してくる擲弾兵、それらに加えて手数も多い将校がいる。
---これにより、戦術性が増しており、以前のようにカウンターとキルストリーク連打だけでは勝てなくなった。これ自体は改良と言える。
---しかし、チュートリアルやデータベースなどを見てもこの要素についての解説が不足しており、敵が強すぎるという評価が大勢を占める事となった。
--敵のAIが強化され、上記の要素と相まって状況に応じて戦い方を変える工夫が必要になった。
---が、このAIの強化も人によって賛否が分かれている。
--戦闘モーションやアクションの豊富さについてはシリーズでも随一と好評価。ヘイザムとコナーでそれぞれ独自のモーションが多数用意されている。
---ヘイザムはどこか優雅に余裕を感じる動き、コナーは敵を翻弄する荒々しい動きと明確な違いがある。
--また、2人同時のカウンターがあるが、こちらのモーションもかなり凝っていて格好いい。
---が、後作に比べてその頻度が高く確定で倒せるため、自分の攻撃で敵を倒している感覚が薄い。

-グラフィック
--エンジンが進化して光の表現や詳細の立体感・テクスチャ等が良くなった。
---特に冒頭のオペラハウスはシチュエーションも相まって雰囲気抜群。
--それは良いのだが、開拓時代のアメリカの街を描くアートデザインが良くない。
---異様にくすんだ色のレンガか木材がほとんどで、繁華街の派手さが全く無い。色がどこも単調で建物の使いまわしも多い。NPCの衣服の色も地味。
---当時はまだ歴史の浅い国なので、年代物の華麗なモニュメントも無い。ビューポイントの塔だけが不自然に伸びている。
--現代のボストンやニューヨークの街と比べてみると、全く似ていないので没入感も少ない。

-フリーランの仕様変更
--街中だけでなく木を飛び移るなど、コナーのモホーク族出身という設定を活かした((モホーク族は現実でも高層ビル建築現場で働いたり「スカイウォーカー」とも呼ばれている。))フリーランは新鮮味のある要素と言える。
--一方、操作がこれまでのRT+A(R1+×)からRT(R1)のみに変更された点を改悪という声も多い。
--特に操作性の変更はシリーズを遊んできたプレイヤーほど戸惑う事となった。
--ただし、前作までは自分で操作する必要のあったダブルジャンプなどのアクションが自動で出るようになったり、前作までは飛び移れなかった距離を飛び移れるようになっていたりと、快適性を上げる調整も施されている。
---ワンボタンでダッシュが可能になった点も、当初こそ誤爆があるが慣れればダッシュしながらのカメラ操作が行いやすくなったと一定の評価も得られている。

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**問題点
-システムの改悪
--本作でもっとも批判されている点がこれ。前作から大きく変えたのはいいが、その要素の多くが批判の的となった。
--敵兵の強化
---今作の敵兵は視力や感覚が良くなり、前作までは問題にならなかった距離でも反応してくるようになった。よって、隠れて進むという本作のゲーム性からするとかなり窮屈さを感じるようになった。
---さらにコナーは戦闘状態になる前の警戒状態の時点で、ステルスをやめて勝手に隠れ場所から立ち上がってしまう。
---前作まではX(□)ボタンのみで行う、気付かれにくいステルスキルとRT+X(R1+□)で行う気付かれやすいアクションキルの両方を選べたのだが、本作ではダブルキルやエアアサシンといったアクションは全てアクションキルでしか行えず、近くに敵兵がいると間違いなく戦闘状態になってしまう。
---そのため、ステルスが要求されるミッションではこれらのアクションを封印せざるを得ない場面がある。
---また、軽装兵の走る速度がコナーよりも速いため、すぐ追いつかれてしまう。しかも延々と追って来るため、なかなか撒くことができず、一般市民状態に戻るのが難しくなった。
--多くの敵兵がマスケット銃やピストルを持つようになった。
---戦闘中は敵を盾にするアクションがあるためそこまで驚異ではないが、発見状態で壁に登ると一斉に発砲して撃ち落とそうとしてくるため、高所に登って逃げる場合に非常に面倒くさい。
--ビューポイントの仕様変更
---ビューポイントでシンクロしてもマップが明らかになるのは周辺のわずかな部分であり、完全にするためには自力で歩き回って埋めていく必要がある。
---市民から受ける一部のサブミッションやショップなども自力で発見する必要がある。
---シンクロ率を100%にする目標の1つとして全てのマップを完全にする((完全とはいっても、実際は90%程度で達成扱いになる。))というものがあり、都市部はともかくフロンティアはその広さもあって、かなり骨の折れる作業となっている。
--ファストトラベル解放
---今作では、ファストトラベルを行うトンネルを探索出来るようになったが、ファストトラベルのポイントを解放するためにはトンネル探索が必須となった。
---トンネルの中は広大な迷宮となっており、謎解きを挟む場合もある。前作まではトンネルを修理するだけで使えたので、非常に面倒くさい。
--交易隊のシステム
---はっきり言ってUIが非常に分かりづらく、交易隊に渡す品を個々で選択する必要があるのにカーソル位置を記憶しないなど、不親切な部分が目立つ。
---そもそも毎回物品を加工し、能動的に行わなければ交易もできず、利益も少ない。前作までは何もしなくとも勝手に資金が貯まっていたので、なおさら面倒くさい。
---結局は狩りやすい動物を狩って毛皮を交易に出すのがお手軽となっている。ある程度元手が必要だが、ホームステッドミッションを進めると登場する毛皮を販売するNPCから仕入れて売ってもそれなりの利益を得られる。
---また、3つある交易隊のうち、一隊が交易が終わっても戻ってこなくなり、使用不能になるバグがあり、アップデートでも修正されなかった。
--製作のシステム
---上記の交易隊と同じ使いづらいUIで、並んでいるアイコンを決定するまで必要素材が表示されない。そのため、素材自体を製作する必要があるものでは何度もメニュー内を往復することになる。
---さらに武器などの一度だけ製作するものも全く変わらず並び続ける。ソートもできないため非常に不便。
---こうした不便なUI周りは後述のリマスター版ではある程度改善されている。
--弟子が空気
---フラグの管理がまずく、弟子とは何なのかの説明が入る前に最初の弟子を作れるので、システムやストーリー背景が分からず戸惑ってしまう。
---弟子出現にもバグがあり、弟子と出会えるはずの地点に行っても誰も居ないことがある。ゲームを再起動するしかない。
---弟子を作った後も、成長要素や遠征に関する説明が何も無いので、勘の良い人しかこれらのシステムを活用できない。
---戦闘で呼び出して共闘したり囮になってもらうこともできるが、ダメージを受けると回復まで長時間呼び出せなくなるので、必要なときに使えない。

-ゲームバランス
--上述のように敵兵が強くなったことに加え、とにかく街中に敵兵が大量に配置されているため、気付かれるとわらわらと集まって来る。
--さらに警戒レベルが最大の3になると最上位の敵兵「イェーガー」が周辺に続々スポーンするようになる。一般市民状態でないと警戒レベルを下げることができないのに、そもそも一般市民状態に戻るのも一苦労な状況になってしまう。これも本作の難易度の高さに拍車をかける要素となっている。

-完全に理不尽なフルシンクロ
--『BH』以降賛否両論ありながらも存在してきたフルシンクロ((ミッションで提示された目標を達成することで達成度100%を目指すシステム。))だが、今作にも存在している。しかし、本作のものはシステムの変化も相まって完全に理不尽と言っていいものになっている。
---前作まではミッション開始時に条件が1つ提示され、達成できれば100%、失敗すれば50%というシンプルなものだった。それが本作では、ミッションの中で「サブ目標」というものが2~4個提示され((一つだけや無いものもある。))、それらを''一度に全て達成しなければ''フルシンクロ達成とはならない((そのためか50%と100%だけでなく細かく集計され、100%を超えるものも多い。))。
---これまではミッション開始時に一旦画面が停止し、ミッション名と共にフルシンクロ条件を確認できた。それが本作ではミッション中リアルタイムに表示され、しかも白っぽい小さな字で直接画面に出るので読みにくい。ミッションによっては読んでいる暇が無く、読んでいる内に失敗してしまう事もある。
---しかも展開のネタバレ防止のためか、ミッション進行に応じて新たに表示されることも多い。ひどい時には、プレイに集中していると突然失敗したと表示され、初めてそんな目標が出ていたと気付く事もある。
---ステルス系のサブ目標((見つからずに進む・一定人数以上敵を暗殺しない。))は仕様変更や敵の強化により達成がかなり難しくなっている。また、制限時間があるタイプのものがいやに厳しく、極端な話「操作可能になった直後から最適ルートを全力で駆け抜ける」に近いことをしないと達成できない。
---そのためか本作ではミッション中のチェックポイントからのリスタートが可能となっているが、失敗直後にポイントが更新されてしまうこともあり、その場合最初からやり直すしかない。
---サブ目標の難易度自体もまちまちで、初見ではどうすればいいのか見当がつかなかったり、そもそも何を言っているのか分からないといったこともある。
---ミッション自体の難易度からして高いものも多く、それに前述の要素が相まって初見ではフルシンクロ不可能と言えるミッションが多い。
---あくまでやり込み要素でありしなくてもいいとは言え、達成したくなるのが人情であり、失敗が続くと終始嫌な気分でゲームを進めることになる。
---さすがに本作の仕様は問題があるとされたのか、『IV』以降はサブ目標の難易度も概ね下がっており、達成した状態でクリアすればその目標はクリア扱いとなるので、複数回に分けて挑戦することが可能となった。

-とにかくバグが多い
--前作までもオープンワールドゲームにありがちなバグが多かったが、今作は新エンジンとなったためか今までに増してバグが多く、快適なプレイとはいかなかった。
--メインミッションに関わるバグこそ少ないものの、上述のように輸送隊やサブミッションに関わるバグは多い。
---最序盤の船で船長が腹話術をするバグは現在も直っていない。

-長いチュートリアル
--本作のストーリーは全12章あるが、その内5章までが実質的にチュートリアルで占められている。
--ヘイザムを操作する3章まではまだしも、4章はコナーの少年時代で、アサシンとなるのはチュートリアル終了の6章からと歴代で最遅。
--特にフリーランに関するチュートリアルはヘイザム時代とコナー少年時代で2回も存在し、前者が街中、後者が自然の中でのチュートリアルとなっている。
---たしかに操作方法が変更されたので丁寧にやるのは構わないが、やりすぎは良くないという例となった。
-現代編の仕様
--これは過去作と同様だが、アニムス内外を分ける演出のためか、アニムス外である現代編ではイベントスキップが不可能。
--現代編の途中でゲームを終了するとイベントをまた一から見直さなければならずテンポが非常に悪い。
--Win版でCTD((Crash To Desktopの略で、ゲームが異常終了してデスクトップ画面に戻されること。))した際などは最悪。
--現代編の内容自体は、現代ステージでのフリーランや戦闘など本編と同じようなミッションも用意されており、好評価。ミッションも時限ではあるが、リプレイ可能。

-翻訳における問題
--日本語ではヘイザムがアサシンではなくテンプル騎士だったというミスリードが成立しなくなっている。
--実は前半の主人公ヘイザムがテンプル騎士団であることは、原語ではアニムスを出る直前まで明かされていない。
--原語では自分たちを「''ORDER''(翻訳ではしばしば『結社』等と訳される)」とだけ呼び、この表現はアサシン教団・テンプル騎士団両方の略称として成立している。
--ヘイザムの行動もアサシンそのままなので、言われなければ彼はアサシンである、という認識で進めることになる。
--最後のリーを加入させる場面でも、「騎士団の教義と~」という今作が初出の騎士団の宣誓文は「ORDER」で統一されている。
--そして、締めの「叡智の父の導きがあらんことを」の一言でやっと正体が判明する、という展開なのである。
---そのためデズモンドはそこで「何だと?」「今の見たか?」と驚愕しているのだ。
--ところが日本語ではボストンに到着するなり「騎士団」と口にしていくので、早い段階から素性を知ったまま物語が進んでしまうのである。
---このミスリードが台無しになったことで、ストーリーの面白さが下がってしまった。
---おそらく翻訳の際にストーリーの流れや展開を訳者が把握しきった上で訳してしまったため、このような表現になったと考えられる。
--過去作に比べ誤植も目立つ。代表的なものでは「バッ熊ン亭」「色濃い連邦」など。

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**総評
グラフィックの強化や海洋ミッションなどの新要素が好評な一方、多数のバグやシステムの変更に批判が集まった。~
シリーズの刷新を目指した事自体は理解できるが、プレイヤーに不便を強いる改変が多かったため、評価が下がってしまったと言えよう。~
ゲームとしての根底は変わっておらず、これまでのシリーズで最大級のボリュームで、遊べる要素は多く用意されている。~
これらに魅力を感じる人なら楽しめるだろう。次回作では今作のシステムをさらにブラッシュアップし、成功を収めることとなった。

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**余談
-これまでシリーズのWin版は日本語未対応だったが、今作のWin版はSteamなど一部店舗での専売ながら日本語版を発売した。
--音声は日本語のみ、字幕は日本語か英語を選択可能。また、これまでの日本語版同様、Uplayのリワードや予約特典・店舗特典なども収録されている。その他の言語は未収録なので一長一短。
---なお、本作以降のシリーズ作品はWin版にも最初から日本語が収録されるようになった。

-主要なDLCとして、シングルプレイ用の連作追加シナリオ「ワシントン王の圧政」が3部作配信された。パラレルワールドで暴君と化したワシントンにコナーが戦いを挑む。
--パラレルワールドであるため、本編で退場したキャラクターも再登場する。エピソードごとに特殊能力が解禁され、本編とはまた異なったプレイが楽しめる。
--エピソード3の冒頭では、コナーが祖父エドワードについて言及しており、「その話は長くなるからまた今度にしよう」と次作『IV』への前振りととれるシーンがある。

-PSVにて同時発売されたスピンオフである『ASSASSIN'S CREED III LADY LIBERTY』にはコナーが1シークエンスのみゲスト出演、本作との連動特典もある。
--2014年にはPS3((後に海外では360/Winでも発売。Win版のみ日本でも購入可能だが、英語版のみ。))にてHDリマスター版の配信が開始し、本作とのカップリング『CONNOR SAGA』も発売された。5000本の限定生産だった初版にはエンサイクロペディアの第2版やサウンドトラック、一部DLCのプロダクトコードが付属した。
--このためか『II』以降恒例となっていた完全版「スペシャルエディション」は本作では発売されなかった。

-2016年にユービーアイソフト創立30周年を記念し、月替わりでゲームを無料配布するキャンペーン((ただし、キャンペーンが行われたのはWin版Uplayのみで、配布されたのもWin版のみ。))が行われたが、本作が最後のオオトリとして配布された。
--ただし、Uplayでは日本語版を扱っていないため、配布されたのは英語版であった。

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**その後の展開
-2018年に発売された『[[ASSASSIN'S CREED ODYSSEY]]』のシーズンパス購入者に本作のリマスター版が提供される。マルチプレイを除く追加コンテンツが全て収録されており、新たに『IV』から『ODYSSEY』までの歴代主人公の衣装がリワードとして追加。『レディリバティ』も収録される。

-2019年3月に『ASSASSIN'S CREED III Remastered』がOne/Win向けに、5月にはPS4/Swtich向けに発売された。
--これに伴い、リマスターではないオリジナルのPC版は現在販売を終了している。

-新エンジンにより、グラフィックが向上し4K解像度に対応。『LADY LIBERTY』はPS3版の再リマスターとなり、PC版も日本語に対応した。
--瞬時に開く武器ホイールや輸送部隊・製作のUI改善、口笛の搭載、鍵開けの簡略化などゲームプレイ面である程度の改善がなされている。
--一方で戦闘BGMが爆音で流れ続けたり、ビューポイントでシンクロすると登頂時に流れるBGMがその後プレイを一旦終了するまで流れ続けるなどリマスター版固有のバグも新たに発生している。