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ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり - (2023/09/17 (日) 23:45:45) のソース

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*ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり
【どらごんくえすとひーろーず つー ふたごのおうとよげんのおわり】
|ジャンル|3DアクションRPG|&amazon(B01C2GW200)&amazon(B01C2GW20A)&amazon(B01C2GW1WE)|
|対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション3&br;プレイステーション・ヴィータ|~|
|メディア|【PS4/PS3】BD-ROM 1枚&br;【PSV】PlayStation Vitaカード 1枚|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス|~|
|発売日|2016年5月27日|~|
|定価|【PS4】7,800円(税別)&br【PS3/PSV】6,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|『ドラクエ』シリーズ30周年記念作品|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''|
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**概要
前作[[ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城]]に続く「ヒーローズ」シリーズ第2弾。~
続編だがストーリーや世界観上に直接的な繋がりはない。
//公式は「無双ではない」と公言している。

**ストーリー
>~竜が太陽を喰らう日
> 双子の王が生まれ、再び大地は戦乱に覆われる。~
>
>物語の舞台となるのは、1000年に渡る長い平和が続いていた七つの王国。~
1000年前に起こった大戦争ののち、各国は国同士での争いを禁じ平和を保ってきていた。~
オレンカにある士官学校に留学中であったラゼルと、彼を訪ねに来た従姉妹のテレシアは互いに再会を喜び合うが、~
突如ジャイワールの王子ツェザールがモンスターを率いてオレンカを襲撃。~
宗主国ゼビオンの女戦士オルネーゼの助けもあってジャイワール軍を退けたものの、~
二人はこの戦いを契機に世界を覆う大きな争いの渦に巻き込まれていく。

**参戦キャラクター
''オフラインで使用可能''なプレイヤーキャラが参戦しているタイトルは&color(,#ffc){黄背景}、''ストーリー使用不可''のキャラのみ参戦しているタイトルは&color(,#cff){水背景}、NPCを含め誰も登場していない場合は&color(,#ccc){灰背景}で記載。
|CENTER:出典|CENTER:新規|CENTER:続投|CENTER:''ストーリー使用不可''|CENTER:NPC|
|本作オリジナル|ラゼル(男主人公)、テレシア(女主人公)&br;ツェザール、オルネーゼ|CENTER:BGCOLOR(#ccc):-|CENTER:BGCOLOR(#ccc):-|ホミロン(前作とは別人)|
|BGCOLOR(#ccc):[[ドラゴンクエスト]]|>|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|
|BGCOLOR(#ccc):[[ドラゴンクエストII 悪霊の神々]]|~|~|~|~|
|[[ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]|~|~|~|カンダタ|
|BGCOLOR(#ffc):[[ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]|ミネア、トルネコ|アリーナ、クリフト、マーニャ|ピサロ|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|
|BGCOLOR(#cff):[[ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]|>|CENTER:BGCOLOR(#ccc):&font(b,red){(なし)}|フローラ、ビアンカ|~|
|BGCOLOR(#ffc):[[ドラゴンクエストVI 幻の大地]]|ハッサン|テリー|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|~|
|BGCOLOR(#ffc):[[ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]|マリベル、ガボ|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|~|~|
|BGCOLOR(#ffc):[[ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君]]|ククール|ゼシカ|ヤンガス|レティス|
|[[ドラゴンクエストIX 星空の守り人]]|>|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|ルイーダ、リッカ|
|BGCOLOR(#cff):[[ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城]]|~|~|アクト、メーア&br;ディルク、ジュリエッタ|CENTER:BGCOLOR(#ccc):(なし)|

**システム
-基本システムは前作同様「無双」シリーズをベースにしている。
--□と△の組み合わせによりコンボを発動。
--R1ボタンと○×△□ボタンを組み合わせることで各キャラ固有の「とくぎ・じゅもん」を発動できる。発動にはMPを消費する。
---今作ではとくぎ・じゅもんは1キャラにつき5つ以上覚えるため、付け替えることが可能。
--モンスターへダメージを与えたり、ダメージを受けたりすることでテンションがたまり、ゲージ最大時に「ハイテンション」が発動可能。ハイテンション終了時か、任意で各キャラ固有の必殺技も発動する。
--○ボタン押しっぱなしでテンションを上げることができた「ためる」は廃止され、攻撃力と守備力アップ・HPとMP回復の恩恵が得られる「たぎる」に変更された。

-ゲームの舞台
--街・フィールド・バトルステージの3種類に分けられる。詳細は後述。

-転職
--今作では主人公の2人が拠点の町にて転職が可能になっている。
--各職業に独立したレベルが設定されているが、それぞれの職に他の職でも効果を発揮するパッシブスキルがあるため、他のドラクエシリーズ同様に転職を繰り返すことで基礎ステータスの強化が可能になっている。
--職業毎に2~5つまでの武器が装備変更可能。
--基本職以外にも条件を満たすことで転職可能になる上級職もある。
--神官にお金を払うことでスキルポイントの振り直しもできる。((スキル振り直しは全キャラ可能))

-モンスターコイン
--前作と同じくモンスターを倒した際にコインになることがあり、仲間として召喚が可能。
--今作では新しく「ヘンシン」タイプのコインが登場し、一定時間モンスターへ変身して専用のスキルを使用して攻撃できるようになる。
---残り時間と体力が同じ扱いになっており、攻撃を受けると残りの変身時間も減る。変身前のステータスには影響はないため危なくなった際の緊急避難にも使える。

-熟練度、パーティスキル
--今作から追加されたシステム。
--武器にとっての経験値で、敵を攻撃すると熟練度が溜まっていき、そのキャラクターが新たな特技やパーティ全体にバフを与える「パーティスキル」を取得できる。
---パラメーター上昇から薬草ドロップ率アップと言ったものまでその種類は様々。
--後にアップデートで追加されたが、広範囲に9999ダメージ(固定)を与える「ミナデイン」を唱えられるようになるスキルもある。((発動にはパーティ全員のテンションゲージを最大にする必要がある。))

-クロスセーブデータ
--セーブデータをPlayStation Networkにアップロードすることで別機種でもセーブデータを読み込むことができる。
--外でPSVで遊んで、続きをPS4でプレイするといったことも可能。

**評価点・前作からの改善点
-バトルは前作同様にDQと無双をうまく融合させた爽快感に溢れるバトルや、画面からはみ出すほどの巨大モンスターとの対決など、評価が高い。

-フィールド
--前作では拠点からステージへと直接移動していたが、今作では次の町までフィールドを移動するパートも用意された。
---かなりの広さがあり、宝箱等の探索要素もあるので前作以上に「ドラクエをプレイしている」という感覚が増した。DQお馴染みのとうぞくのカギで開ける宝箱や、仲間が増えることで行けるようになるエリアもある。
--フィールド上には当然モンスターも存在し、初めて訪れたレベルでは討伐の難しい格上モンスターが現れることもある。そのモンスターとの戦いが始まると結界に閉じ込められ逃げられなくなる。((その場合には近づくと「強敵がいる」と警告してくれる。))

-バトルエリア
--モンスターがひしめくダンジョンに近い空間。
--複数のエリアにまたがるバトルの場合、エリアごとに一旦街に戻るか続けて戦闘するか選択することが可能になった。
---強制的に街に戻らされるわけではないので、余裕があれば連戦することもできるため、テンポを削がない。
---また、戻るにしても特に会話などはないため、前作で批判された「急いでいる状況なのに拠点に戻らされるのが不自然」という問題は解消されている。

-主人公が転職可能になったことで戦略性の幅が広がる
--主人公を僧侶にし、サポートに徹することで歴代キャラをメインに使って攻略を進めることも。
--主人公の武器は変更可能なので自分の好みにあったキャラを育成する楽しみもできた。

-戦闘のバリエーションの増加
--前作では防衛対象を守るステージがほとんどであったことが批判の的になっていたが、今作ではかなり減らされた。
---また、その防衛戦も敵を全滅させることがかなり難しくなり、「時間経過や目標達成で魔物が逃げ出すのを待つ」という構成となっている。
--代わりに、「ステージを突き進みエリアボスを撃破」「敵の猛攻をかいくぐりながら脱出地点を目指す」など様々なバトルのバリエーションが用意された。

-「とくぎ・じゅもん」の増加
--今作ではキャラクター1人が多くの特技を覚える。
---それに伴って、回復呪文を覚えるキャラクターも増加。前作のようにパーティメンバーにゼシカが必須、ということはなくなった。ただし回復量などの差はあるため注意。
---クリフトは相変わらずあまり有用でないザキ・ザラキを覚えるが、特技に組み込まなければ使われることもなくなる。ちなみに彼も回復魔法(リホイミ系)を覚える。

-ホイミストーンと世界樹の葉の自動補充
--拠点の町へ戻った段階で最大まで補充されるので、うっかり切らしたまま、ということも少なくなった。前作ではホイミストーンの補充にお金がかかったが、今作では仕様の変更に伴いタダ。

-ひっさつ演出の簡略化
--前作ではひっさつの演出があまりにも冗長であったことが批判されたが、今作ではすべて再生するか一部だけを再生するかを設定で選べるようになった((ゲーム中で初めて行うひっさつは強制的にすべて再生されるが、それ以降は一部だけの演出になる))。さらに今作は前作よりもテンションが溜まりにくいため、ひっさつの発動回数自体も少なくなっている。
---キャラにもよるが、[[真・三國無双6]]以降の無双乱舞と同程度の長さになる。

-時空の迷宮
--○○の地図というアイテムを入手すると行ける簡易ダンジョン。待ち受けるボスを倒すとアイテムが貰える。ストーリー進行やこちらのレベルに応じて地図が増える。

-魔王との戦い
--前作と同じくアップデートで魔王が登場する地図を入手できる。中でも竜王・強と竜王・極は前作の闇ゾーマに勝るとも劣らない強さを誇る。

-初心者でも楽しめるマルチプレイ
--ストーリーモードのバトルエリアの攻略につまずいてしまっても、オンライン上のプレイヤーに助けを求めることができる「お手伝い」機能がある。
--プレイヤー同士のコミュニケーションは定型文のみなので、チャットで暴言を吐かれるようなことはない。定型文はホイミスライムのかわいい絵柄付き。
--ストーリー外のマルチプレイでは、5つのホイミストーン(自己回復アイテム、他プレイヤーには使用不可)を所持しており、死亡しても30秒後に自動蘇生する。また死亡中は「おうえん」により生存中のプレイヤーのテンションやHPを回復できる。HPが減ってもホイミストーンで5回まで自己回復できるうえに自動蘇生付きなので、回復役などの役割分担は強要されないバランスで、死亡してしまっても自動蘇生までの間に他のプレイヤーを「おうえん」してサポートできるので、初心者でも迷惑をかけることなくパーティに貢献する方法が用意されている。
--マルチプレイの募集部屋には「ガチでいきます」「まったりいきます」「誰でもOK!」「練習部屋です」など定型文による指定が可能で、ガチ部屋以外のマルチならまったりした雰囲気で楽しめる。
--募集部屋を建てる以外にも、プレイしながらマッチングできる待ち受け機能がある。マッチングするまでの間にレベル上げ・熟練度上げ・素材集めなどの通常のプレイを行うことができる。

-マネマネの店
--本作では、ゼビオンの施設にマネマネの店が登場するが、これはなんと武器と盾の見た目を固定できるという内容の店。これにより、『ムービーや公式ホームページに描かれているのと同じ見た目の武器をずっと使いたい』というユーザーの希望を叶えてくれるまさに痒い所に手が届くシステムとなっている。

-オーブ関連
--本作では、オーブをまとめ買いでき、しかもまとめて装備などもしてくれるようになり、前作のようにオーブの購入時の煩わしさがほぼ解消されている。

-主人公の武器
--本作では、マンネリ防止のためか、主人公も剣以外の武器が使用可能となっている。
--このほか、初期装備の剣においても、前作の主人公二人があまりにも攻撃モーションが似通っていることを反省したのか、違いがみられるようになっている。

**賛否両論点
-シナリオ
--「各地の国王を束ねる盟主の背後に暗躍する黒幕が1000年続いた平穏をかき乱す」という王道なプロットだが、前半のボスは人間の国なのにボス戦で倒すまで説得にも応じない頑なさを見せるものの、倒した後は手のひらを返したように急に物分りがよくなる。
---流れを簡単にまとめると『自分の父親を殺したのは○○だ!姿を見たから間違いない!』→『○○ならその時は私と一緒に居ましたよ?』→『騙された、自分も一緒に戦おう』といった感じ(一応作中でも屈指の信用出来る人物がアリバイを証明したという点も大きいのだが)
---そしてその後から黒幕探しの旅に出ることになるのだが、またしても別の人間の国が早とちりして大騒動、そして異常なまでの物分かりの良さであっさり和解、という流れになる。大丈夫かこの国々。
---後半のボスは魔物の国の王だが、黒幕により不可抗力的に操られていたという。まだこっちのほうが納得はいく。

-ソロプレイとマルチプレイの難易度格差
--今作でも前作同様、ソロプレイでキャラの行動の個別指示はできず常に固まって動く。攻撃はあまりせず、攻撃特技や呪文を使うことはほとんどない。攻撃ほどではないがサポートも積極的ではなく、MPが満タンのくせに他のキャラが瀕死状態でも回復せずに棒立ちすることもしばしば。
--そのため、役割分担が必要なステージではその仕様のせいでソロプレイの難易度が跳ね上がる。序盤のバトルエリア「大峡谷」などで顕著。
---この、序盤のバトルエリア「大峡谷」。&bold(){メインパーティー4人プラス数十人の軍勢で軍隊の一個師団を正面突破で壊滅させろというレベルの話}であり、いかにソロプレイでのプレイが難しいかがお分かりであろう。
---戦闘状態の仕様に足を引っ張られて攻撃回避は碌に出来ず、大型モンスター気絶時に敵の真横で棒立ち((ちなみに今回はホミロンも参加するがほぼ無意味。))等に加え、AIが前作から大幅に劣化(攻撃防御補助全てにおいて動きが悪い)+今作の仕様との相性が最悪で全く役に立たない。
--難易度の変更もできず、総じてソロプレイではマルチ前提で作られた物を1人でやらされる事になるため、異様に難易度は高い。
--一応救済措置はある((全滅した時にやり直すと使える世界樹の葉が増えるアイテムがある。))がそもそもの話、難しい原因はマルチを前提とした異常な敵の体力の多さや数の多さ、滅茶苦茶な距離を離した魔物の出現位置等が原因であり解決策になっていない。
--また無理ゲー・理不尽ゲーという程のものは無いとはいえ、結局解決策が「力押しでケリをつける」が最善策になっているのは前作から何も進歩していない問題点である。

-主人公の声優
--前作同様に両者とも本職の声優ではない役者を起用したため、棒読み気味と指摘される。
---両者ともに、ムービーシーンや会話シーンではまだ及第点なのだが、&bold(){バトルシーンになるととたんに棒読みぶりが顕著になる}。
--特に男主人公であるラゼルは「じわじわたぎってきたぜ!」が口癖の熱血漢なのだが、棒読み気味な演技や空気が読めずに突っ走りがちな性格付けも相まってキャラクターとしての評価は高くない。
--女性主人公のテレシアもかなりの棒読み気味である。
--メインキャラの一人であるツェザールの声優((ツェザールを演じている山田孝之氏はドラクエパロディのTVドラマである「勇者ヨシヒコ」シリーズで主役を演じている。))も本職は俳優だが、こちらはあまり批判されていない。

-キャラクターバランス
--主人公が頭一つ抜けて強い。転職でのステータス強化は大したことがなく(むしろパッシブが無ければ低い)、同職業時や同武器装備時で性能の多くが共通しているが、7つの職業と10種類の武器が用意されているので合計で24つの組み合わせがあり、組み合わせにハズレもあるがアタリがいくつもあり、打撃や呪文攻撃・回復でシリーズキャラを差し置いて最強キャラとなる。
---1.6倍ダメージ+テンション3倍増加状態になれる「分身拳」と少しの隙で特大ダメージを与える上に爪装備時に動作が短くなる「無心攻撃」と与えたダメージ比例してHP回復する「ミラクルブースト」ができる爪装備のバトルマスター。確定呪文会心+呪文2回連続発動+呪文連射可能になる3つの特技で他の呪文キャラが足元にも及ばない瞬間火力を誇る杖装備の魔法使い。MPの多さ・回復呪文の回復量と隙の少なさ・状態異常回復・補助特技・防御系スキルを持つスティック装備の僧侶。とくに爪バトマスは全職業とキャラで最強とされている。
--シングルで遊ぶ分には大した問題にはならないが、マルチで遊ぶときは主人公だらけのパーティになることが多く、わざわざ歴代キャラを使う理由がなくなってしまう。
---アップデートでバランス調整が行われたが、結局は強化されたククールに主人公3人という結果に。

-ステルスゲー型のミニゲームの存在
--ストーリーの進行やある特殊アイテム獲得のために、迷宮型の監獄を迂回する看守のモンスターに見つからないよう探索するミニゲームが存在。しかも見つかった時点で即スタートポイントからやり直しとなるため(戦闘で看守を倒せないルールとなっている)、慣れていないプレーヤーにはストレスとなるだろう。ただし、より獲得難易度の高い特殊アイテムの方は本編クリアに必須では無いため(あると便利だが)、それが救いか。

-フィールド
--かなり広い割に敵・アイテム・探索要素の密度が薄いと言われる。イベントで進めるようになってもすぐに行き止まり、ショートカットはルーラで十分であり使い道に乏しい。宝箱や素材が落ちていることを示す光が目立たない。バランス調整のためか敵の密集地点とまばらな地点の差が激しく、目当てのモンスターとの戦闘を望むなら同じところを行ったり来たりするだけ。

-ツェザールのキャラクター設定と描写のブレ
--主人公達の幼馴染である彼はジャイワールの王子であるが短気かつ短絡的とかなり性格に問題がある。
--序盤から人の話に耳を傾けず、深く考えようともしないで主人公達を怒りに任せて「裏切り者」と決めつけて本気で殺しにかかってくる。
---先王殺しに関しては部屋から出てくるオレンカ王の姿や物的証拠などから勘違いしてしまうのは仕方ない部分もある。
---しかし主人公達の話を一蹴し裏切り者だから殺すという言動は擁護の仕様がない。
--とはいえ、その一件後に誤解が解けた際は自らの命をもって償おうとしたり、決して無責任なキャラという訳では無い。
--後半では黒幕の手によって多くの被害を出してしまったダラル王に「自分も諭された」と救いの手を差し伸べ、国を率いる次代の王として成長している姿も描かれている。
--総じて王へと成長していくキャラという描かれ方をしているのだが、どうにも描写が安定していない。
---上記戦争の一件後に「自身の言動に国や民がかかっているのを忘れてはいけない」と言われ「肝に銘じる」と返しているが、それもどこ吹く風。
---この次のクレティアで早速「父の仇なら叩き潰すのみ」と発言しオルネーゼに窘められるシーンは何をどう肝に銘じたのかという話である。
---ラストダンジョンですら「刺し違えてでも倒す」と発言してはオルネーゼに国を背負う王様がそんな事言うなと窘められる。ムービーの時の成長は一体どこにいってしまったのか。
--「成長していく姿」だけで良いハズなのだが、何故か「短気かつ短絡的な姿」まで細かく描写してしまったのがブレている原因ではないかと思われる。
//「擁護意見もある」という言い回しもそうだが、前半の部分失敗描写のみ追及して後半の成長部分に一切触れない表現が、明らかに恣意的で客観性を欠いているので修正。
//「描写的に際立った問題があるわけではない」という言い回しもそうだが、成長部分のみ追求して、多数ある描写の矛盾・おかしな点に一切触れない表現が明らかに恣意的で客観性を欠いているので修正。

-BGM
--音楽担当はシリーズレギュラーのすぎやまこういち氏だが、前作同様、過去作品からの流用がほとんど。前作でプレイ済みだったプレイヤーにとっては似たシチュエーションで聞かされることになる既出曲も多いため、マンネリ感は否めない。

-マーニャのあるセリフについて
--発売後にDLCされた新たなクエストに、マーニャとミネアを強制的にパーティに加えないと達成できないクエストがあるのだが、そのクエストの最中にマーニャが「この依頼めんどい。あのひとは見殺しにしよう(要約)」などととんでも無いセリフをのたまう。
---マーニャ自身、品行方正とはいえない性格だが、このような血も涙もない発言をする様なキャラクターではない。
--このクエスト自体はギャグ寄りであり、救出対象の人間がマヌケなキャラクターである事や、即座にミネアのツッコミが入ること、そしてなんだかんだで最後まで付き合ってキッチリ助けているため、あくまでギャグ要素の一環ともとれるが、言動から受ける印象はあまりよいものではないだろう。
///この件に関してはクエスト内容は会話や展開がギャグ寄りである事を考慮し賛否両論に移します。

**問題点
-シナリオにおけるマルチプレイの不親切さ
--本作ではシナリオでもマルチプレイが出来るが、これが微妙に不親切な作りになっている。
--シナリオを手伝うにはそのシナリオをクリアしていなければならず、同時に遊ぶという事が出来ない。
---必ずどちらか一方は常に先の展開を知った状態でしか遊べず、既に見た内容をもう一度見せられる事に。
---そのため、どうしても一緒に遊んでいるという感覚になり辛く違和感が残ってしまう。
--手伝いを募集する際も何故か遊びたい相手が一覧の中に中々表示されずに、選びたくても選べないという事態になる事も多い。
---機種の問題なのか回線の問題なのか地域なのか、どれもはっきりしていないためこれといった解決策が無いのも難点。
---中には同じ家の中で遊んでいるのに表示されないという良く分からない報告もある。
--マルチプレイが出来るというのをウリにしているだけに、これらは気になる所。

-シリーズキャラの偏り
--前作でも挙げられていたが『IV』からの登場キャラが最多と特定タイトルの優遇が相変わらず目立つ。
---特に前作キャラがほぼオンラインプレイ専用キャラになっている中で前作にも選出されたアリーナ・クリフト・マーニャは全員シナリオに続投。
---その上でトルネコとミネア、Switch版では更にライアンの追加とほぼフルメンバー。
--それに対して『V』はシナリオへの出番は一切無くオンラインのみで、事実上の全滅状態。
--VIの追加もハッサンのみ。バーバラやミレーユなど人気の高いキャラでも参戦は無し。
---Ⅷもゼシカのみ続投でヤンガスはオンライン行きでククールと入れ替え。シナリオに3人が並ぶ事は無かった。
--作品やキャラの人気でキャラ選出が行われるのは仕方無いし、前作からのキャラが採用されないというのも仕方ない事ではあるが、『IV』だけキャラの続投や追加が多いのは流石に贔屓と言われても仕方ないだろう。

-戦闘状態の仕様
--戦闘の可能性が無い場合は「非戦闘状態」、戦闘の可能性が発生した場合は「戦闘状態」となるのだが不便さばかりが目立ち、システムとしての必要性が感じられない。
---非戦闘状態ではルーラ、装備・特技の変更が可能でダッシュで移動出来るなど至って普通。
---なのだが、ひとたび戦闘状態になると、ルーラ、上記2種の変更が使用出来なくなり、ダッシュはみかわし(回避)行動に置き換わってしまう。
--これが不便・不要と言われる理由は以下にある。
---&bold(){自分達と敵の位置を全く考慮しない}
---「自分達より強い中型以上の敵が近いと強制的に戦闘状態になる」
---「弱い敵だと勝手に非戦闘状態に戻る」
---「敵の範囲攻撃などの標的になっただけで戦闘状態になる」
---「味方の状態もUI操作に関わる」
---「自分の意思でこの状態を切り替えられない」
--特に問題なのが自分と敵の位置を考慮してくれない事で、位置的に戦闘が不可能でもおかまいなし。
---お互いの攻撃が届かない、壁や地形を挟んでいても戦闘状態にされるため、移動が非常に遅くなる。
---AIはそれに引っ張られて全く無関係な近くの敵に勝手に喧嘩をふっかけて状況を無駄に悪化させる。
---巨体で戦闘状態になる範囲が広い敵を相手にすると振り切るのが非常に面倒。
---レベルが99でも強制的に戦闘状態になってしまう敵が存在するため、育てても解決出来ないのも難点。
---アトラス等はレベル99でもダメで戦闘状態になる範囲が非常に広く特に厄介。
--強敵が居たとしても、戦闘する気が無い時も当然ながらある。
---しかし戦闘状態になるとダッシュ不可能でルーラも出来ない。
---キラーパンサー系など移動速度が早い敵は振り払えず半ば強制的な戦闘になってしまう。
--強敵判定になっていなければ戦闘中でも勝手に非戦闘状態になってしまうのも困りもの。
---相手が弱かろうがプレイヤーには戦いたい理由があればそれは戦闘状態である。
---戦闘中に勝手に非戦闘状態になった結果、みかわしが出ずに被弾なんて事も起きる。
--AIが対応しきれずサンドバッグになるのも地味ながら迷惑
---非戦闘状態ではAIの思考パターンがプレイヤーの追従しか働かないので殴られてから反応する。
---しかし上記した通り「仲間の状態もUI操作に関わる」のでサンドバッグになるのは困りもの。
---ルーラしようと思ったら味方が攻撃の対象になってて出来なかった・・・なんて事もある。
--結果的に、ルーラなりしようとすると安全な場所を求めて無駄にウロウロする必要が生まれてしまう。
--せめて自分の意志で切り替える事が出来れば、ここまで不便にはならなかったのだが・・・。
--はっきり言ってしまえば、この仕様自体が無かったとしてもゲームにマイナス的な事は一切無い。
--むしろ余計な制限が無くなり遊びやすくなるため、無い方が良いと断言出来るレベルで利点がない。

-AIの戦闘行動パターン
--今作はAIの戦闘時の行動に不可解な点が多く存在する。
---中型や大型の敵と交戦すると、何故かAIは少し離れた雑魚に突撃して戦い始める。
---敵が範囲攻撃を行うと攻撃範囲ギリギリまで何故か近づき、チキンレースを始める。
---もしくは範囲外に立ったままピタっと足を止め、敵のど真ん中でも動こうとしない。
---戦闘中に明後日の方向へ走り始める。
---敵から離れようとして壁がある方向にひたすらジャンプを繰り返す。
--ダウン中の敵に攻撃もせず身体を擦り付けるようにぶつかり続ける。
--などなど。他にもあるが多すぎて書ききれない位に謎めいた行動が多い。
--こういったものとは別に単にお粗末だなとなってしまう物も多い。
---毒沼の中で状態異常回復をする、ダメージ床の上で回復呪文を唱える等。
--キャラ切り替えのシステム上、いざ切り替えると何処で何やってたんだ・・・?となってしまう事も。
--全て完璧なAIなどは到底不可能だが、せめて変な行動を取らない位は出来なかったのだろうか。

-仲間キャラの追尾性能
--パーティに組み入れたキャラたちは現在の操作キャラを追尾してくるが彼らは複雑な地形や段差などに引っ掛かかる事が多い。
---キャラを切り替えようとして初めて離ればなれになっていた事に気付く事も。
---仲間も仲間で1度引っかかると迂回する等のルーチンが働かないらしく、延々と壁に向かって走ったりジャンプを繰り返すだけ。
--パーティコンボを使うと交代先のキャラをその場に呼び出せるが、意識していないと目立たないので気付かないプレイヤーも多い。

-たぎり状態の使い辛さ
--〇ボタンを押し続けてゲージを溜める事で「たぎり」という状態になれるのだが、これがシステムとしてイマイチ。
--ゲージの溜まる速度が遅い割りに効果時間が短く、また〇ボタンという仕様上テンションゲージが溜まると必殺技が発動してしまうため使えなくなる。
---たぎり状態に移行した時にMP回復、たぎり状態で〇を押し続ける事でHP回復の2つとテンションの仕様が噛み合っていない。
--ストーリー攻略段階では必殺技を温存する事も多く、基本的に戦闘が常に激化しやすいので使い辛い。
--やり込み段階でも戦闘速度の関係上やはり使い辛く、本当に大きな隙に取り敢えずやっとくか程度。
--「たぎる」というワードは主人公とも繋がりのある部分だっただけに、もっと練れなかったのだろうか。

-作りの粗い熟練度システム
--キャラクターを使って敵にダメージを与える事で熟練度が上がるシステムが採用されているが、プレイヤーからの評価は悪い。
--殆どのキャラクターが熟練度で特技や呪文を習得&強化されるため、使う程強くなるというより熟練度を上げないと弱いというのが実態で作業を強いられる。
---また、熟練度が上がっても師範に話かけるまで何を習得出来るのかは一切分からないため、根本的にキャラクターの強みがまるで分からない場合が殆ど。
---キャラ個別の強さとは別にパーティスキル習得の条件になっており、有用なスキルも多い事から好きなキャラだけ使うという訳にもいかない。
---特にマーニャ(獲得する熟練度アップ)は補正が+20%と大きい事もあって、習得が遅れれば遅れる程しんどい思いをするハメになる・・・がこちらも上げて師範に話すまで知る手段がない。
--熟練度は自分より一定以上弱い敵からは得られない仕様に加え、「与ダメージの大きさ」を参照する事から、キャラごとの上げ易さにも大きな格差がある。
--また必要な熟練度も異常に多くなっており、仮に全員の熟練度を上げきろうとすると、熟練度を上げきる前に全キャラクターのレベルは平然とカンストしてしまう。
---パーティに入れて戦闘しない限り一切上昇しないため、パーティキャラと待機キャラではレベル差以上に強さに差が開いてしまうのも辛い所。
---敵はこちらの強さに関係なく進行度合いに応じて強くなっていくため、熟練度の上がっている現在のキャラクターから他のキャラクターへの入れ替えも検討しにくい。
--主人公でしか上げられない武器種も複数存在しており、上げきってしまえば終わりのゲストキャラクターと比べて主人公は特に時間がかかる。
---別キャラクター扱いであるため、主人公2人を上げようと思うと同じ作業を2人分である。性能に差異は無いので1人さえ上げてきってしまえば良いのが救いか。
--時空の迷宮など、クリア後の要素はレベルだけでなく、熟練度が上がった事を前提に体力などが設定されているので上記も含め、どう足掻いても熟練度上げ作業は避けられない。
--せめて待機キャラクター達も経験値と同様に自動で上昇してくれれば、気軽にパーティを入れ替えたり、好きなメンバーで遊ぶ事も出来たのだが・・・。

-画面・技演出による視認性の悪さ
--戦闘に入るとキャラに寄った視点で固定されてしまうため、周囲が非常に把握しづらい。
---アップデートによって視点を遠ざけられるようになり、ある程度は改善された。
--本作のロックオンは画面の中央に対象を捉えるだけで、操作キャラがロックオン対象に向かって攻撃するわけでもない。
---この仕様に不便さを感じるプレイヤーもいる。一部魔法(メラゾーマ、マヒャド)のホーミング性能が向上するのが救いか。
--前作以上に敵味方とも演出が派手な技を持ち、画面が技の演出で埋め尽くされて戦況がまったくわからなくなることが少なくない。
---マルチプレイでは他のプレイヤーに迷惑をかけるので控えたほうがいいとされる技もある。
---特に上記したメラゾーマ・バギクロスは使った本人ですら敵が少し見えなくなるレベル。
--特定の相手ではあるが、ダメージ表示も重なると敵を覆い隠してしまい本体や動きが見えない・確認が遅れる事がある。

-プレイヤー操作キャラへのヘイトがすぎる
--敵はプレイヤーが操作中のキャラクターを優先的に狙ってくる。この仕様は前作でも同様だが、本作ではそれがより顕著。
---オフラインでは雑魚からボスに至るまでその全てがプレイヤーを集中して狙ってくるので大体の状況でリンチ状態。
--ボスのすぐ近くにいる3人の味方から遠く離れたたった1人の味方に操作切り替えした瞬間にクルッと方向転換してくる事も。
---味方と戦闘中の敵から思い切り離れると攻撃対象から外れるが、そこまで距離を離しているとプレイヤーの側に居ようとするAIがやってくるし戦闘にならない。
--操作キャラがピンチになったら他の仲間に切り替えるとさっきまで操作していたキャラが助かりやすくなるが、ピンチになる対象が変わっただけである。
---プレイヤーキャラばかり狙うから結局すぐ囲まれてピンチになりやすいのは何も変わらない。
--武器やアクセサリーの中には敵に狙われやすくなる、という効果を持つ物もあるがこちらもイマイチ効果は薄い。
---言ってしまえばプレイヤーが狙われやすい=内部的にプレイヤーはデフォルトで引き付け状態なので非操作キャラにつけてもターゲットがちょっと変わる程度である。
--オンラインであれば自分が狙われる分、他プレイヤーのチャンスになるがオフラインではそうもいかない。
---幾らAIがいるとは言え、基本は攻撃から回復・補助まで含めて一人で敵を全て捌いていく必要があるため、限界がある。
--加えて、敵がこぞってプレイヤーを狙いにくる関係でオフラインでは魔法職業はほぼ封印である。
---物理職の様に通常アクションメインでは戦えず、主力となる呪文攻撃は漏れなく詠唱付きなため集中狙いではオチオチ呪文を唱えていられない。
---ほしふるうでわでチャージ速度を早める事は出来るが、消費MPが1.5倍に増加、上級呪文はどれも消費が大きめなのも相まって消耗が嵩みすぎる。
---結果、隙を見てチマチマと撃ち込むしかないが、それでは殲滅が追いつかず結局ジリ貧。
---唯一ハイテンション時は凄まじい火力を誇るが、それでも普段のキツさを考えれば割に合わない。
--アクションゲームであるという部分との兼ね合いを疎かにした結果、職業バランスにまで悪影響を及ぼしてしまっている。
--マルチプレイを遊んで欲しいという意図もあったのかもしれないが上記した引き付け効果等含め、もう少しバランスは取れなかったのか疑問が残る。

-モンスターコインケース
--前作と比べて、運頼みが加速してしまっている。
--コインケースの枠を増やすためには仲間モンスターを使って指定された敵を倒す必要があるが、これが祈るしかない。
---モンスターコインが落ちるかどうかは運であり、その確率を上げる方法も無いのでただひたすらコインが落ちるのを待つだけ。
---コインが落ちる確率が高かったり、弱い敵が対象なら良いが、そこそこの強さの敵を倒せとなるとコインも相応の強さのものが必要になる。
---そして、敵が強い程モンスターコインが落ちる確率が低めなのも難点。
--前作でもドロップアイテム集めという運頼みだったが、アイテムドロップ率上昇効果を持つアクセサリーがある等の手段も存在していたが本作はそういったフォローも無い。

-アクセサリー関連とそれによるゲームバランス崩壊
--今作ではアクセサリーの効果は固定となり、決まった素材で強化を進めていく形へと変更になったが、その素材が前作以上に苦行になっている。
---最大まで強化すには素材とは別に、同じアクセサリーを失う代わりに手に入る「〇〇の素」と呼ばれる素材が必要となる。
---つまり、何かしらアクセサリーを一つを強化するには、同じ物を複数集めて素材にしろという事。
---一つ作るために同じ物を集めるという行為が作業の水増し以外に何の意味があるのだろうか。
--中には最強クラスの雑魚敵しか落とさない様なアクセサリーもあり、完全に強化するのは苦行の域。
---広いフィールドをただ素材のためにグルグルと走り回って、アイテム回収作業をする事になる。
--前作と違って小さなメダル交換では入手できない素材もある上、前作ほどの超効率でメダルが集まる訳でもないのでフィールドにしろ敵にしろ長時間の作業は必須。

-今作でもアクセサリーは多数存在するが、前作よりマシとは言え強いものはほぼ決まりきっており大多数は腐っている。
--特に言われるのが「ちからのゆびわ」「パワーベルト」の2つ。
--「ちからのゆびわ」は攻撃力上昇効果を高める事が出来るアクセサリだが最大強化状態では50%の上乗せ、つまり攻撃力1.7倍、キャラによっては1.8倍。トンデモ性能である。
--ハッサンやククールなど、攻撃力を強化できるキャラには必須。これの有無で火力が目に見えて変わる。
---特にバイキルトは全体に効果があるため、全員につければ結果は言わずもがな。
--「ちからのゆびわ」の効果が知れ渡った事や、アップデートで弓の性能が劇的に向上した事から、最弱扱いされていたククールが一転して必須クラスのキャラに。
---特になにか理由が無い限りマルチプレイでククールないしバイキルトが使えるキャラ・職業がいないパーティはまずない。
--「パワーベルト」は汎用性の高さに優れ、アクセサリの性質上から有効に使えないのはの雑魚敵だけ。
---弱点という制限があるもののダメージが40%上昇するのは上記「ちからのゆびわ」を考えれば説明は不要だろう。
---更に弱点というのは「敵がダウンした状態も弱点として扱う」ため、HPの減少・必殺技・弾き返し&カウンターでダウンしてもダメージが増える。
--このため、上記「ちからのゆびわ」の様な大きい効果のアクセサリが無い呪文は物理とはどう足掻いても埋められないレベルの火力差が生まれてしまった。
---加えて「パワーベルト」の存在から弾き返しとカウンターの有無による性能差も大きく、本作のキャラのバランスは一部だけが飛び抜けて強いという状態になってしまっている。
--本作最強と名高い主人公の爪を装備したバトルマスターは典型的な失敗例と言えるだろう。
--本編でもエンドコンテンツでも全体的に敵が打たれ強く、攻撃面を強化しないとテンポが悪くなるのもダメージ倍率増加アクセサリー至上主義に拍車をかけている。

-アップデートでの「しんぴのカード(改)」の追加、アクセサリーの存在意義の消失、さらなるバランスの悪化
--本作では前作からの反省点としてアクセサリーは同種装備一つのみになったり、効果が固定になる等、上記踏まえバランスを取ろうとした節は見える。
---しかし、アップデートで追加されたしんぴのカード(改)の2種の追加で前作と全く同じ問題点を再現する形になってしまった。
--これらのアクセサリーは付与効果がランダムで何がつくか分からない、という言わばガチャ方式なのだがその付与される効果に問題があった。
---付与される効果の中には上記した「ちからのゆびわ」「パワーベルト」と同じ効果に加え「会心発生時にMP回復」という前作の問題と全く同じ効果が存在する。
--こうなると会心の一撃が発生する物理攻撃の一強化。本編の物理優遇がここにまで伝染してしまっている。
--加えて、「しんぴ(改)2種は同時に装備出来てしまう」ため、同じアクセサリーが装備出来ないというバランス調整も無意味化。
---結果的にどんなキャラであっても何かしらアクセサリーを一つ+しんぴのカード(改)2種で終わり。他のアクセサリーも稼ぎで使われるものが極一部ある程度。
---幾らやり込み要素とはいえオンライン要素がある以上は他者の存在があるので嫌なら~という訳にもいかない。
---また、それらの強力なしんぴを持っているか持っていないかで判断するプレイヤーも増加し一時期のオンライン環境は非常に治安が悪かった。
---加えて、カードの厳選やMP回復による連打ゲーの作業感が加速した事でそれに辟易としたプレイヤーも増え、オンラインが急激に過疎する原因にもなってしまった。

-謎めいた武器の存在
--しんぴのカードおよびしんぴのカード改と同じく、特殊効果がランダムで付与された武器があるのだが、これまた面倒な作業を強いられる。
---謎めいた○○を武器屋で鑑定する、もしくは謎めいた○○の破片を5個集めて鑑定すると武器を入手できるのだが、それら素材を入手する時に誰の武器の素材が貰えるかはランダム。
---パーティに参加させているキャラの素材が入手しやすい傾向があるが焼け石に水である。

-PS3・PSVita版の最適化不足
--本作はPS4版を基準に開発されたゲームなためか、それ以外の機種に関して最適化不足が目立つ。
--敵味方問わず攻撃時の演出がカットないし消失してしまう事が多々起きる。
---溜める事で威力を上げられる攻撃があるがPS4版では溜めが完了したという事を示す発光エフェクトがあるのに対しPS3・Vitaではそれがカットされている。
---そのため、どのタイミングで威力が増えるかが見ているだけでは分からないため、何度も繰り返して覚えるしかない。
---プレイヤーに溜めが終わった事を伝えるために用意されたエフェクトをカットする必要は感じられない。
--マーニャは「つるぎのまい」の際に周囲に現れる剣のエフェクトが完全に無くなってしまう事も。
---こちらはプレイ上無くても問題無い部分ではあるがやはりもっと抑えて表示など出来なかったのだろうか。
--それでもこれらはまだ影響は少ない方で「敵の攻撃の演出まで消失してしまう」事が困りもの。
---敵のブレス攻撃、呪文攻撃、何かしら降らせる攻撃など演出が大きめ・派手な攻撃だと特に起こりやすい。
---ラスボスの第2形態が使う自身を中心に爆発を起こす攻撃などは全く表示されず突然大ダメージor即死なんて事も起きる。
--PS4では敵の攻撃範囲を示すリングが表示されるがPS3・Vita版ではカットされている攻撃も多く、どの程度の攻撃範囲なのか把握し辛くなっている攻撃も多い。
--また、余りに数が多くなる場合は敵が表示されない事もあり、そういう場合は本当に敵に対して何も出来なくなる。
---特に激闘の峡谷という地図をマルチプレイで遊ぶと魔扉の番人が見えなくなってしまう事も。
--機種毎の性能などの問題がある以上、表示が簡素になるのは仕方の無い問題ではあるが・・・。
--溜めの完了や敵本体や攻撃の演出が消失など、アクションゲームとしてプレイヤーに影響が出てくる部分の最適化が行われていない点には疑問が残る。

-やんちゃモンスターのバグ
--本作では特定の敵を倒し続ける事で出現する大幅にステータスが強化された「やんちゃな〇〇」という肩書を持つモンスターが出現する。
---アップデートにより、この肩書を持つモンスターは倒す事で設定されているドロップアイテム2種の内どちらか一方を必ず落と様になったが・・・。
---この肩書を持つモンスターを倒して素材をドロップした際に、モンスターリストに反映されないバグがある。
--別のモンスター扱いでの仕様とも考えられるが、アクセサリーをドロップした際はちゃんと登録される事を考えるとバグの可能性が高い。

-前作ではバトルフィールドに行くときに出現するモンスターを確認できたが、本作では確認が不可能になり、戦歴の並び順から出現地域を推測するしかない。

-コスチュームチェンジが主人公しかできない。
--新キャラの別コスチュームがないならまだしも、元々別の衣装が用意されていた前作からのキャラクターにすらない(ピサロは前作でも唯一別コスチュームがなかったが)。装備品の一覧にコスチュームの欄があるが、それを「オリジナル」から変えられるのは主人公のみなのはさびしい。

**総評
前作のTD要素や拠点とミッションを行き来するだけの閉塞感のあった移動など、賛否あった部分を手直しする事で前作に増してドラクエらしさが表現された。~
環境に応じた魔物達が闊歩している広大なマップを目的地へと向かって進みながら時に戦い、時に逃げ、探索する正にドラクエの世界と言える作りは見事の一言。~
演出もより派手になり、更に数が増えた特技・呪文を敵の群れに放つ爽快感も大きい。~

一方で偏ったキャラ選出を始め、単調になりがちな戦闘バランスや無駄な工程を要求するアクセサリーなど、ゲームシステム面にいて作りが粗い点が多く目に付く。~
特に、シナリオにおけるマルチプレイ要素は一緒に進められない点に加え、マッチングのし辛い仕様であった事もありその点に関する指摘も少なくない。~
ネットゲームライクなバランスでメインシナリオ以外の部分ではいかんせん作業感の強い要素が多く、プレイするのが面倒・飽きるといった声もある。~
//こういった点から、TDという一つの路線に沿ってしっかり纏まっていた前作を評価する人もいる。~
//本作の評価について総評してるんだからこの一文はいらんでしょ。

総じて、普通にクリアまで遊んで終わりという程度であれば遊んで損の無い作品と言える。~
やり込み派の場合、その作業量に対して余り最適化されていないシステム面が自分にとってどう映るのかをまず検討した方が良いだろう。~
オンラインプレイには遊び辛さもあるものの、一緒に遊ぶ事で違った面白さがあるのも事実。~
オンライン環境がある・共に遊べる友人等がいるなら一緒に遊ぶ価値はある。~
**余談
-本作の発売日である2016年5月27日は初代[[ドラゴンクエスト]]が発売されてちょうど30年になる記念日でもある。

-2017年3月3日、『IV』のライアンや『II』のシドーを追加し、前作とカップリングしたNintendo Switch版『[[ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch]]』が発売。

-オープニング後、ゼビオン到達前のグリーネ草原でパーティーが全滅すると例外的にゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻されるが、ゼビオン到着以降は教会に戻されるようになる。