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スーパードラッケン - (2023/10/05 (木) 04:28:11) のソース

*スーパードラッケン
【すーぱーどらっけん】
|ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B000068H0P)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
//|メディア|16MBit ROMカートリッジ|~|
|発売元/開発元|ケムコ(コトブキシステム)|~|
|発売日|1994年8月26日|~|
|定価|9,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|3個|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''ドラッケンシリーズ''&br;[[ドラッケン]] / ''スーパードラッケン''|
#contents(fromhere)
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**概要
『[[ドラッケン]]』の続編。原作の版権を持つインフォグラムからライセンス許諾を受けた上で開発されたものである。~
主人公は戦士の町ファイタスで修行する戦士アレクス((名前は最初の時点で変える事も出来る、最大8文字まで。 ))。~
アレクスは邪悪な魔術師ギザに仕える妖術師アルゴスによってさらわれた恋人カテリーナを救うために旅立つ。~
//サラはギザの妹。
北米地域では『DragonView』のタイトルで発売されている。((パブリッシャーはケムコの北米法人。))

**特徴
-前作の4人パーティー構成RPGから、等身大の横スクロールアクションRPGになった。その上でフィールド移動は前作の3Dフィールドを引き継いでいる。ただし時間や朝夜の概念は削除された。
--ダンジョンにおける横スクロールアクションパートは『[[からくりゴエモン>がんばれゴエモン! からくり道中]]』のように奥行きがある。 

-アレクスは近接攻撃の「ソード」と、ブーメランのような挙動の飛び道具「ハウザー」の二種類の武器を使うことができ、イベントをこなして武器のレベルを上げるとHPを削って放つ必殺技も使えるようになる。ソードの必殺技は切り上げ、ハウザーの必殺技は貫通性能を追加した投げ攻撃。どちらも最大HPが攻撃力に反映される高火力の攻撃となる。
--ソードはアレクスと敵の位置関係によって自動的に斬り方が変わるが射程が短め。ハウザーは常に正面に投げつけるが、背が低い敵に攻撃できない。これらを使い分けると消耗を避けて戦いを有利に進めることができる。
--サブウェポンも弓矢、多彩な魔法攻撃と充実している。これらを利用してダンジョンのトラップを突破していく場面もある。
--各種武器、魔法、アーマーにはレベルの概念があり、各所に隠された「フォース」を入手することで強化して性能を上げたり新しい攻撃手段を獲得することができる。
---ソード、ハウザー、アーマーはLV5まで上がり、上がる度に該当する装備品の色が変化していくのでパワーアップを実感しやすい。魔法は炎、氷、雷の三種類が存在し、それぞれLV3まで上げられるが、この内クリアに必須なのは雷の指輪LV2のみで残りは任意。

-敵の種類、ダンジョンの仕掛けは豊富であり、その都度それらを突破するための攻略の工夫が必要になってくる。
--アレクスのレベルが低い内に敵の動きを読まずに闇雲に切り込んでも、大抵の場合倒しきれず被弾は避けられないため、いかに少ないダメージで乗り切っていくか攻略法を構築していく楽しみがある。

-ダンジョン内ではシームレスに敵と遭遇するが、フィールドではシンボルエンカウント方式。

-フィールド上でのセーブができなくなったが、基本的に街中にあるセーブポイントでセーブができる。

**評価点
-グラフィックのクオリティが高く仕上がっている。
--前作の3Dフィールドが進化しており、草や雲、山などの表現が追加されてより地形が分かりやすくなっている。
--キャラクターも居眠りする店員の挙動、アレクスを突き落として笑う悪魔、地上と地中を往復するサンドワームなど、細かいところまで作りこまれている。
--地味なところだと、アレクスが町の仕掛けでワープする場面がいくつもあるが、全て演出が違う。
--アレクスが氷の魔法を使用した時の天に拳を突き上げるモーションを歓喜する場面に使用したり、雷の魔法を使用した時の拳を地面に突き立てる動作をアレクスが己の不甲斐なさで地面を殴りつける場面に使用する等、アレクスのアクションをイベント中に流用した表現も上手い。
--文章もファミコンから延々と流用していたおなじみのケムコフォントから、漢字を用いた高品質フォントに進化している。

-味わい深い音楽などは健在。
--印象に残る曲が多く、曲数も50曲以上と多い。また裏技でサウンドテスト機能((タイトルのメニュー選択画面で2コンのABXY同時押し))があるので自由に聞ける。
--特にファイタス、雪原フィールド、氷の要塞、オルタ神殿、セクレッタ神殿、バドセール山前半等が曲が流れる状況もあいまって情緒深い曲に仕上がっている。

-アクションゲーム性
--今作ではアクションパートになっており、デフォルメの無い等身大キャラなので臨場性が高い。それでいて軽快に操作でき、動作も豊富なのでプレイヤーを楽しませてくれる。
--敵の動きも序盤の雑魚から複雑で、切り抜けるには縦軸ずらしなどのテクニックが要求されるが、それらが出来るようになるとノーダメージで部屋を突破できるようになり、上達を実感できる快感がある。
--敵にダメージを与えた時や、逆に攻撃を受けた時は攻撃を食らった側が派手な音((ケムコが以前発売した「エックスゾーン」の爆発音の流用。))と同時に仰け反るので戦闘中の爽快感と緊迫感がある。
--こういった土台がしっかりしているため、後述の問題点の多さにも目を瞑ることができる良さがあると言っても過言ではない。冷静に考えると色々とおかしいが、プレイ中はそれらを不思議と感じさせない面白いゲームだと思わせるようになっているのである。

-ダンジョン
--フィールドとは違い、基本的に敵を無視する事が可能。ただしその部屋の敵を全滅させないと解けない仕掛けもある。
--マップが上下左右に連結、更に手前奥にも繋がっており立体感がある。 
--謎解きやトラップの突破をしくじってダメージを受けた時の焦燥感、進めなかったところを進めるようにする達成感はよく出来ており、前作ありきの続編だと考えずにプレイすればSFCの中でもかなり良質なアクションRPGである。
--例として挙げると、中盤のダンジョン「オルタ神殿」はマップの構造が複雑な上に各所にアレクスを攻撃する石像(破壊不可)、レーザーが射出される壁などがあり、雑魚敵やボスの強さもあって難所となっている。そのためクリアした時の喜びもひとしおである。

-自由度の高さと探索要素。
--序盤で中盤以降の高難度の場所へ行ってしまう事も出来る。
---それ故にマップ地理的・攻略の道順的共に迷いやすいが、不親切なわけではなく、イベント毎に行先は明示されて地図もしっかりしており、エリア切り替えの際は曲も周囲の背景も変わる。特に指示が無ければ同じエリア内でイベントがこなせるようにはなっている。
--山(壁)で一つのエリアが囲まれるようになっているので、前作よりは一応親切になっている。
--この自由度の高さを利用することでレベル上げを楽に行うことができる((ただし後述の通り現在のアレクスの攻撃力と敵の強さが釣り合うか把握していることが前提となる))。
--そしてこの広大なフィールドと複数の隠しダンジョンには貴重なアイテムがいくつも散りばめられており、これらを収集するのがこのゲームの攻略法の一つ((もう一つは後述の通りレベル上げ))であり、醍醐味でもある。思いがけない場所でアイテムを入手したり強化してもらえた時はとても嬉しい。

**賛否両論点
-[[前作>ドラッケン]]とは根本的にゲーム性が違う
--身も蓋もないことを言ってしまうとスーパードラッケンはほぼ奥行きがある[[リンクの冒険]]であるため、前作のようなRPGを期待すると肩透かしを食うことになる。もっとも前作はクソゲーに片足を突っ込んでいたので一概に問題点とは言い切れないが……

-ケムコが以前SFCに移植したPCゲーム「Lagoon」と類似点が多い
--「アクションRPG」「悪の魔術師にさらわれた女性を主人公が助けに行く」「溶岩地帯、氷の洞窟などを攻略する」「エンディングの主人公の結末がほぼ同一((人間より上位の存在に世界の行く末を託されて王になる。もっともLagoonの主人公ナセルはそれまでの展開から王になっても不自然ではないが、アレクスの場合はそれまで王がどうこうという下りは存在せず、エピローグで周囲から猛烈に持ち上げられて王になるため若干強引。アレクスは結果的に各所で善行を積んでいたため、それだけのことはしているが。))」「ラスボス格の敵キャラが怪物化((LagoonのソアはSFC版ではラスボスの前座になっているが、PC版ではラスボス。))」「ペンダントに魂を宿す」と類似点が妙に多い。
--もっとも最後のペンダントの展開はPC版Lagoonには存在せず、SFC版Lagoonへの移植に伴うシナリオ改変の結果((PC版Lagoonがイースに非常に似ていた関係だと思われる。ペンダントの下りも明らかにイースのダルク・ファクトのオマージュだと思われるキャラ(ソア)に別の方向のキャラ付けをするためのものである。))生まれたものなので問題点というほどでもないのだが、両作品を知っているとセルフオマージュとするには気になる点。
//二重括弧で区切った注釈内ではリンクが機能しません

-一部のネーミングセンスに難あり。
--ギザ関連が顕著で、ラストダンジョンの名前が「&bold(){ギザパレス}」、ラスボスの名前が「&bold(){ネクロマント}」とどうにも安直。ちなみにネクロマントはマントを着ていない。ギザはマントを着ているが、このマントがネクロマントなのかどうかは作中で言及されていない。

**問題点
-''&color(#F54738){取って付けたようなドラッケン要素}''
--前作との繋がりを感じさせる点と言えば3Dフィールドと通貨の名前(ジェイド)くらいしかない。後は前作に登場した書籍の著者の子孫(メスラトン)が登場するくらいか。
--国内のデベロッパーが作ったので当たり前だが、普通のJRPGのような雰囲気になっている。
--シナリオはあくまでもアレクスとギザの物語に終始しており、前作と比べるとこじんまりとしたスケールの内容になっている(一応世界が滅亡しかけたりはするが)。シナリオの顛末も特段深いものではなく、かなりありふれた話になっている。
--&bold(){タイトルに反してドラッケン(人型ドラゴン)はほんの少ししか登場しない。}そんなところまで[[JRPG>ドラゴンクエスト]]のようにならなくても…
---強いて言うならラスボスが変身してドラッケンのような姿((ただの悪魔のようにも見える))になるが、ラスボスの力の源(魔界の核の力)とドラッケンに関連性は無い。
--一応は続編であるためか、[[前作>ドラッケン]]のドラッケン王族8人がとある場面で登場する。
---しかし前作で身内同士で対立してどちらかが死ぬまで殺し合っており、改心も和解した様子も無い面子で人間(アレクス)に助力するために協力し合っているのを見ると、なかなかシュールなものがある。8人中3名が冷酷な台詞を吐きながら島中の人間を虐殺して回ったり弟や妹を殺害しようとしていたのだが…
---細部が分かりづらくお世辞にも質が良いとは言えない前作のグラフィックから新規にドラッケン王族のデザインを書き起こしたからか、ほぼ全員前作とは似ても似つかないだいぶ苦しい容姿になっている(こちらのドット絵のクオリティそのものは高い)。ナクトケン王子とナクトカ王女のみ元々分かりやすい見た目であるためか一目で判別できるほど再現度が高いが…

-壊滅的なシナリオと設定
--アクションゲームのシナリオはおまけという風潮はあるが、単純にツッコミ所が多い。
--基本的にお使いイベントの連続なばかりな上に、以前訪れた場所の往復は当たり前で、そのアイテムを手に入れるために必要なアイテムを回収するために以前訪れたエリアのダンジョンへ向かわされるという展開、更にシナリオを進めるために一見シナリオとは繋がりが無関係な場所に向かわされる展開もある。
---前作もお使いイベントの連続ではあったが、終盤のボスラッシュを除けばイベントをクリアするごとに解放される新しいダンジョンへ向かう一本道にはなっているし、目的の説明そのものは丁寧なのでシナリオ上の整合性も取れていた。
--特にオルソートの街関連のイベントは「セクレッタ神殿(次のダンジョン)への行き方が分からないので街で情報収取していると、オルソートの街のカップルの彼氏の方が働いている鉱山から帰ってこないという情報を得たので、特に他にやれる事が無いアレクスがその彼氏を助けるとセクレッタ神殿への行き方が判明する」という、この先何をすればいいのかは分かるが、何故そうしなければならないのか分からない展開が繰り広げられる。
---一応、直前のダンジョンで「セクレッタ神殿への行き方はオルソートへ行けば分かる」という投げやり気味な情報は得られるが、それは説明になっていない。
--オルタ神殿へ行くには、角笛と角笛を演奏するための楽譜が必要。しかし角笛には音階という概念は無いのでは…?
--カテリーナがギザにさらわれた理由は魔界の入り口を開ける力を持つから。しかし何故カテリーナがそのような力を持っているか説明は無い。
---前作主人公4人の内の誰かの子孫で、ドラッケン王族から贈られた首飾りを受け継いでいるアレクスの方がそれらしき設定を持っているのだが…ちなみにアレクスはその首飾りをオープニングでカテリーナに渡しているのだが、アルゴスにさらわれる際にあっさり落としてしまいアレクスの手元に戻っている。
--ラスボスのギザの人類滅亡計画の動機の詳細がかなり酷い。
#region(ネタバレ)
ギザは溺愛していた妹のサラを病気で失ったことで命の儚さと、ギザ自身の無力さを思い知った。&color(#F54738){なので無力な人類は魔界の核の力でサラと同様に病気に侵して滅ぼす}(ギザ談)。
-&bold(){つまりギザは完全な八つ当たりで何の落ち度も無い人類を滅ぼそうとしていたのである。}ギザはこの人類滅亡計画の実行理由を語った後にその場に現れていたサラの幽霊へ向けて「お前だけは私の気持ちを分かってくれるな」と同意を求めているが、流石にサラも兄が自暴自棄になっていることを察した上で、自分を看病し続けてくれて亡くなるまで生きる力を与えてくれた兄は無力ではないという旨の説得を行った。結果としてギザは改心するが、こういった話にありがちな「身内を失ったのが闇落ちの原因のラスボス」としてはかなり強引である。
#endregion()

-自由度の高さ故に寄り道しないと入手できないアイテムが多数。
--アイテムと交換できる木の実、マップの特定の場所から入手できるようになる魔法の鏡は入手しなくてもクリアは可能だが、装備品の強化が最大限までできなくなるため難易度は上がる。
--問題なのは木の実も鏡も入手経路が分かりづらいという点。木の実は屋外のダンジョンなどに配置されている木を攻撃するとドロップするがノーヒントで最後まで気付かない可能性がある。魔法の鏡は場所がやはりノーヒントである砂漠のどこかに入り口があるダンジョンを見つけなければならないという嫌がらせのような配置になっている。そして木の実や鏡を手に入れたとしても、それらを使用する場所がこれまたノーヒントである。鏡はマップ上の怪しい場所で使えばいいのでまだマシだが、木の実を渡す相手はダンジョン内の壁の中などにやっぱりノーヒントで隠れているため、木の実を集めたはいいが渡す相手が居ないということになりかねない。

-その時の適正レベルまでアレクスと装備品を鍛えないと攻撃力が足りず、ボスに与えられるダメージが極端に低くなり、撃破が困難になる。
--適正レベルに満たなくてもわずかながら敵のHPを削れるので敵の攻撃を全て回避しながらこちらの攻撃を当てればいつかは倒せるのだが、現実的ではない。特にラスボス戦では。
---多彩なアクションが用意されながらそれを活かすことはなく、ほとんどの場合[[レベルを上げて物理で殴る>ラストリベリオン]]しかない。

-ラスボスがそれまでの敵と比べて極端に強い。
--ラスボスの攻撃力が非常に高く、最強状態のアレクスでも連続でだいたい3~4発当たれば死亡する上に素早く動いて攻撃してくる。しかも単純に防御力が固い点に加えて攻撃前後の隙があるタイミング以外ではあらゆる攻撃を弾いてくる。
--攻撃を当ててラスボスのHPゲージが1ドットくらいしか減っていないようであれば、レベルを上げてから出直すか一度地上に戻ってアイテムの回収を行った方が良い。飛び道具のハウザーの必殺技をタイミング良く当てられるのが理想的だが、素早く動く上に特定のタイミングしか攻撃が通らないラスボスに対しては容易いことではない。

-ボス部屋の見分けが付かない。準備しないままボス戦に行き敗北すると、セーブポイントからのやり直しになる。
--更に一部のボスの登場演出が冗長。レベル不足で負けてやり直しせざるを得なくなるとダンジョン内を再び通過する時間も含めて何度も登場演出を見せられるのが辛い。
--床を破壊しながら登場するなどの大がかりな演出で10秒くらいで戦闘に入れるボスはまだマシな方で、20秒近く無意味に回転し続けるのを見せられるオルタ神殿のボスはかなり酷い。ラスボスは長ったらしいギザパレスの道中を攻略した後にアレクスとギザのイベント戦が間に挟まるので更に酷い。
//--ボスの名前が明かされない。現実では名前は表示される訳がないとはいえ、成敗した後くらいは「~を倒した」と言っても良かったのでは?
//初期のゼルダの伝説など、すべての敵の名前がゲーム中判明しないゲームはこの時代では多く、問題点とまでは言えないのでCO。

-フィールド関係の操作性、及びエンカウント関係が劣悪。
--旋回が非常に遅い。そして旋回中は移動不可。それだけなら前作と同じなのだが、今回はシンボルエンカウント制なので背後から敵に迫られて意図せずエンカウントという事故が起こりやすい。そして&bold(){フィールドのシンボルに一度触れてしまうと、出現したエンカウントザコからは逃げられない。}
--上記の通り敵との戦力差があまりに大きいとまともにダメージが入らなくなるため、間違って高難度のエリアで遭遇した場合、悲惨な事になる。
--その分その敵を倒した際の経験値などの実入りは大きいが、今のアレクスで倒せる敵かどうか判別する事前知識が必要。初心者にとっては単なる事故要素でしかない。

-ダンジョンの基本的な構成に一方通行の要素があまりにも多すぎる。
--どういうことかというと、「トラップを突破できなければ数部屋戻してやり直し」というものしかない。流石に序盤の火薬庫などはそういったものはないが、次のダンジョンである炎の洞窟から牙を剥き始め、穴に落下したら入り口からやり直し、特定の扉に入り損ねたら同じ部屋や通路をループというものばかりで、無駄に往復させられることになる。
--[[ゼルダの伝説]]で言えば穴に落下した時にペナルティとしてダメージを受ける代わりにその部屋の入口からやり直すのではなく、穴に落ちる度にものすごく序盤の部屋に戻されるというイメージになる。
--炎の洞窟の一区画にだけ「地下から炎が噴き出ていて先に進めない部屋があるので、同じ部屋にある穴に落ちてそこの炎の止めて通れるようにする」という後戻りすることに意味がある仕掛けがあるが、とんでもないことにこういったものはこれで打ち止めである。

-セーブについて
--ダンジョン内にセーブポイントが用意されていない。特にボス前にセーブが出来ないのが辛い。そのせいでボスの登場演出の冗長化に拍車がかかっている。
//特徴には「洞窟の中にあるセーブポイントでセーブができる」とありますが、このゲームの洞窟はダンジョンではないということなのでしょうか?
//↑最後のセーブポイントがイベントで洞窟の中に作られるのでそのことが言いたかったのだと思われる

-音楽
--評価点にあるように曲そのものは良いのだが、音質は悪く、ループが極端に短い曲もいくつかある。
--いわゆる前作や[[ボンバザル]]などの少し前のケムコ作品にありがちなパペパプー音がメインで使用されている。使われていない曲を探す方が大変なほど。
---前作はむしろパペパプー音を上手く生かしていたのだが、今回はまともな音源と同じ曲で同時に使用してしまっているので違和感が凄まじい。
--序盤の洞窟の曲が頻繁に使われる。各ダンジョンは固有のBGMが設定されているのだが、シナリオに関係ない洞窟は大抵この曲が流れると言えるほど序盤の洞窟の曲が使われる。最後のセーブポイントがある場所までこの洞窟の曲。

-ゲームが進行不可能になるバグがある。
--特定の条件を満たしてオルタ神殿をクリアすると、クリア時のイベントでゲームがクラッシュする。
--この特定の条件がいまいち不明瞭である点が厄介だが、オルタ神殿攻略前にセーブしてからリセットを行い、データをロードしてすぐにオルタ神殿を攻略することで回避は可能。

**総評
もっさりとした前作から大きくアクションゲームに舵を切った。~
問題点は多いが、プレイ中はよほどドツボに嵌らなければそれらをあまり感じさせないほどに一つの作品としての完成度は高い。~
良くも悪くも前作とは別物なので、それを許容できるのであればオススメできる作品。~

**余談
-2019年1月22日にWindows版がSteamで配信開始。パブリッシャーは前作同様アメリカのPiko Interactiveによるもの。尚、内容はSNES版をエミュレーションで動作させたものとなっており、配信タイトルも海外版準拠により『DragonView』となっている。

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