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ベヨネッタ2 - (2023/06/24 (土) 16:16:22) のソース

*ベヨネッタ2
【べよねったつー】
|ジャンル|∞クライマックス・アクション|&amazon(B00LVQXXM4)|&amazon(B0785FM1PD)|&amazon(B077XXJ9XB)|
|対応機種|Wii U&br;Nintendo Switch|~|~|~|
|発売元|任天堂|~|~|~|
|開発元|プラチナゲームズ|~|~|~|
|発売日|【WiiU】2014年9月20日&br;【Switch】2018年2月17日|~|~|~|
|定価|【WiiU】7,700円&br;【Switch】5,980円|~|~|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~|~|
//|備考|WiiUのDL版は2019年9月18日配信停止|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[ベヨネッタシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
2009年に360/PS3で発売された『[[ベヨネッタ]]』の続編。発売元がセガから任天堂に変わり、WiiU専用ソフトとして発売された。前作のWiiU版も同梱。~
前作最大の特徴のスタイリッシュアクションはそのままに、タイミング押しQTEの排除やテンポを損なう要素を極力排除することで、文字通りのノンストップアクションを実現している。

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**ストーリー
 バルドルとの死闘から数か月後。
 パレードで賑わう街に、突如として天使たちが現れ人々を襲い始める。
 
 魔女ベヨネッタは魔界の力を駆使してこれに対抗するが、
 召喚した魔獣ゴモラさえもが暴走して彼女に襲いかかる。
 
 共に戦っていた魔女ジャンヌが辛うじて彼女の窮地を救うが、
 身代わりとなって致命傷を受け、その魂を魔界に引きずり込まれてしまった。
 
 ジャンヌの魂を救える時間は残りわずか…。
 
 エンツォの情報を手掛かりに、ベヨネッタは魔界への扉があるという、絶界の霊峰へと向かう。
 そこで彼女を待ち受けているものとは…。

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**特徴
***システム以外
-今作の舞台は霊峰フィンブルヴェトルとその近辺の街や遺跡。さらに魔界も舞台となり、魔界の敵とも戦う。

-主役のベヨネッタやジャンヌは前作からデザインを一新。ロングヘアだったベヨネッタはショートヘアに、ベリーショートだったジャンヌはロングヘアになっている。
--ジャンヌは前作の時点でも貧乳だったが、今作(及び同梱のWiiU版『1』)では、[[胸パッド不正使用の発覚>https://www.inside-games.jp/article/2014/06/27/78153.html]]によりまな板に修正された。
--一定条件で前作の姿で操作することもできる。

-ゲーム全体のテーマカラーは前作の「赤」に対して、「青」となっている。

-前作はジャズの名曲『Fly Me To The Moon』をアレンジした曲がテーマ曲として印象的に使われていたが、今作でも名曲『Moon River』をアレンジしたテーマ曲が存在する。

***ゲームシステム
システムは基本的に前作と同様。攻撃ボタンの組み合わせによる多数のコンボと、敵の攻撃をギリギリで避けることで周囲の時間を遅くする「ウィッチタイム」を軸とした派手で爽快な戦闘がウリとなっている。

-アンブラン・クライマックス(以下UC)
--本作の新要素。魔力ゲージが1本分以上貯まっている時にLボタンで発動できる強化状態。簡単に言えば『[[デビルメイクライ>デビルメイクライシリーズ]]』シリーズの魔人化(デビルトリガー)と似たようなシステムである。
--発動すると、一定時間すべての攻撃が魔人召喚技「ウィケットウィーブ」へと変化し、攻撃力と攻撃範囲がアップする。
---通常時でも各コンボのフィニッシュ技はウィケッドウィーブを放つ攻撃となっているが、UC中のコンボフィニッシュは''魔人のほぼ全身が出現する''、より強力なウィケットウィーブへと強化される。
--また発動時に敵を怯ませる効果があったり、発動中は敵の攻撃を受けても怯まなくなり、どれだけダメージを受けても死なずに残り体力ギリギリで耐えるといった効果もある。
--前作ではダメージを受けると魔力ゲージが減ってしまうという仕様だったが、今作ではダメージを受けても魔力ゲージが減らなくなり、魔力ゲージを消費する強力なアクションをより使いやすくなった。

-今作ではアンブラン・アーマーという[[どこかで見たようなロボット>ファイナルファンタジーVI]]を操縦することもできる。
--通常は一部のチャプター限定だが、特定のキャラやアクセサリーを使えば、魔力ゲージを消費してどのチャプターでも操縦できる。

-使用できるキャラクターは隠し含めて前作が3名だったのに対し、今作では5名に増加。
//前作の使用キャラクターはベヨネッタ、ジャンヌ、キング オブ リトルデビルズ ゼロの3名のため修正
--本編のストーリーモードで使えるキャラは3名。他2名は、後述のタッグクライマックスでのみ使用可能。
--ストーリーモード1周目はベヨネッタで固定。1周クリアすればジャンヌも使用可能。ジャンヌの使用条件は前作の条件((いずれかの難易度で全チャプタープラチナ評価以上達成。))よりも大幅に緩くなっている。

-マルチプレイモード「タッグクライマックス」
--オンラインで他プレイヤーとタッグを組んで、敵との6連戦を共闘・競争しながらクリアしていくモード。
---CPUのパートナーと共闘する一人プレイも可能。
--各戦闘の開始前に、戦う敵と難易度を選択し、ベット(賭け金)を行なう。それぞれの戦闘でより多く敵にダメージを与えたほうが勝者となる。片方のプレイヤーが戦闘不能になった場合、もう一方のプレイヤーが制限時間内に蘇生をさせないと両者ともゲームオーバー。
--クリアすると各戦闘ごとの勝者に報酬の賞金が与えられ、ゲームオーバーになると賭け金は没収される。
---稼いだ賞金(ヘイロウ)はストーリーモードで利用できる。
--このモードでしか使用できないキャラクターや、このモードでしか戦えない敵も一部存在する。
//--使用できるキャラクターは、ベヨネッタ、ジャンヌに加え、仮面の男、ロダン、ストーリー終盤で現れるあるキャラクターの5人。仮面の男は天使を召喚して攻撃ができる。ロダンはウィッチタイムと高速移動ができない代わりに強力な拳と脚で攻撃ができる。

-その他
--敵のドロップ武器は全体的に弱体化。攻撃方法もパンチボタンやキックボタンによる使い分けはなくなり、Y(射撃)ボタンの1種のみ。
--アクセサリー「マハーカーラの月」のカウンターによるWT発動は、前作では非常に効果時間が長かったのだが、今作では通常のWTとほぼ変わらない時間にまで弱体化している。
--アイテムを使っても特にチャプター評価へのペナルティは無く、全難易度で最高評価を達成できるようになった。
---アイテムを一度も使わなければチャプタークリア時に+5000ヘイロウのボーナスが得られるだけであり、それ以外の影響は何も無い。
--前作と異なりオートセーブ対応。チャプターの途中でも進行度によって細かくオートセーブされていき、ゲームを中断してもオートセーブ箇所から再開できる。
---戦闘の途中でダメージを食らったりして高評価が達成できなさそうな場合でも、直前のオートセーブ箇所からやり直せるので、各チャプターを高評価でクリアするハードルはグッと下がった。
--プラクティスモードが前作よりも改善された。
---隠し機能などではなくチャプターセレクト画面から項目を選んで遊べるようになった。
---練習用の敵も用意されている。その場でメニューを開いて装備を変更することもできる。
---ロード画面でも前作同様のプラクティスモードが可能。プラクティスモードにするための操作方法も画面にちゃんと表示される。

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**評価点
-爽快で歯応えのあるアクションや、スタイリッシュでおバカな演出、派手なシチュエーション等、基本的な面白さは健在。
--特に最序盤の都会での戦闘は、非常に派手で映画的な展開で、序盤からクライマックス感がある。また「仮面の賢者」というボスとの戦闘における、背景で繰り広げられている巨大な戦闘等も特筆に値するクオリティ。

-グラフィックも前作より美しくなっている。

-前作で不評だった多くの要素が改善されている。
--チャプター中のQTEの数が少なくなり、演出時間も全般的に短くなった。
---即死QTEに関しては、タイミング依存のものは全て排除。残りもほとんどの人が初見で対応できるものに。
--QTEやトーチャーアタック(TA)の連打入力やスティック回転入力は、必要な入力回数が大幅に減少。プレイヤーやコントローラーへの負担が軽くなった。
--仕掛けの解除やトラップといった要素も少なくなり、純粋に戦闘だけを楽しみやすくなった。
--アクションゲームとして別ゲーになる場面も一部存在はするが、いずれも射撃だけでなく近接攻撃が追加されて単調さが多少改善され、またボリュームも前作に比べて大幅に短くなっており、何度も繰り返し遊ぶ上でも許容しやすくなった。
--前作のミニゲーム「エンジェルアタック」は廃止。その他チャプター間の演出も短くなり、チャプター進行のテンポが良くなった。
--敵の攻撃のうち、「避けてもWTが発動しない攻撃」が無くなり、どの攻撃でもタイミング良く避ければ必ずWTを発動できるようになった。
--巨大ボス戦も、前作に多かった特定箇所しか攻撃を受けないものやテンポを削ぐギミックは無くなり、『ベヨネッタ』シリーズ本来の楽しさである高速戦闘がメインとなった。
--ラスボス戦でのとどめイベントは「吹っ飛ばしたラスボスを操作して目標まで持っていく」イベントであることが誰の目にも明白なように改善された。
--最高難度「∞CLIMAX」でもウィッチタイムを発動できるようになった。
---ただし他の難易度と比べると効果時間は短い。

-ベヨネッタやジャンヌの新しいキャラデザは好評。二人とも前作より若々しく明るいデザインとなっている。

-アンブラン・クライマックスの追加と魔力ゲージの仕様変更により、雑魚戦・ボス戦ともに、初心者でもより遊びやすく、爽快感溢れる戦闘を行うことが可能になった。

-前作よりも人型ボスと戦う箇所が増えている。特に中盤のアルラウネ戦はボス戦を行うだけのシンプルなチャプターであり、手軽に遊びやすい。

-タッグクライマックスモードは他のプレイヤーとの共闘感が楽しい。使えるキャラも多く、人によってはストーリーモードよりもメインとして遊べるだろう。

-アンブラン・アーマーはロボットならではの豪快なアクションが可能。

-隠しアクセサリー「時の腕輪」(任意のタイミングでウィッチタイムを発動できるアクセサリー)の大幅強化。このアクセサリーを手に入れればより爽快に戦うことができる。

-前作がついてくる
--本作を発売するにあたり、前作をWiiUに移植。日本語吹き替えや各種任天堂コラボコスチューム、ゲームパッド操作を追加した上で本作にバンドルしている。
--本作からシリーズを始めたい人にもおすすめの仕様となっている。

-英語音声だけでなく日本語吹き替えも選択可能になった
--そのキャスティングも、主人公ベヨネッタの田中敦子氏を初めとして子安武人氏や玄田哲章氏、若本規夫氏など声優として評価の高いメンバーを起用。物語を彩っている。
--キャスティングは劇場版アニメと同様だが、これはWiiU版『1』の日本語音声とアニメの収録時期が重なり、オーディションをゲームアニメ合同で行おうという話になった事によるもの(公式ブログより)。

-任天堂とのコラボレーション
--本作は発売元が任天堂になった経緯から、任天堂キャラクターをイメージしたコラボコスチュームが用意されている。
--コラボしたキャラクターはマリオシリーズのピーチとデイジー、ゼルダの伝説のリンク、メトロイドのサムス、スターフォックスのフォックス。ほかに、武器としてマリオシリーズのワンワンも登場。
--これらのコラボはどれも力が入っている。コスチュームはいずれも独自のアレンジを施したコスチュームになっており、小物にまで遊び心がうかがえる作りになっている。
--また、ピーチ衣装の時は敵から得られるヘイロウ(お金)がコインに変わったり、フォックス衣装を着ているととあるステージでアーウィンが登場するなど、ファンならニヤリとする要素も。

#region(任天堂とのコラボコスチューム ※エロ注意)
#video(https://www.youtube.com/watch?v=1zD6KXlNezw)
#endregion

-前作ではロックオンボタンと回避ボタンがどちらもR側に割り当てられているため、ロックオンしながら回避がやりづらいという難点があったが、今作ではロックオンをLBに配置した事でその問題点が解消された。
--前作の操作に慣れた人の為に、オプション画面で前作の配置に変更する事も出来る。
--また、WiiU/Switchのタッチパネル操作にも対応。
--だが前作のように「ロックオンボタン+スティックを倒す+ジャンプボタン」では回避出来なくなってしまった。

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**賛否両論点
-一部戦闘要素の仕様変更及び弱体化。
--前作と比べると技の出が遅くなっている。
--そのためウィッチタイムの際に「せっかく攻撃を避けたのにほとんど反撃できない」「ウィケッドの出始めでWTが終了して攻撃を潰されたりウィケッドを避けられる」といったことになりやすい。
--おまけに∞CLIMAXだとWTの効果時間も他の難易度より短くなっている。
---前作同様1つ下の難易度の方が爽快に戦えるという声が多い。
//∞CLIMAX以外の難易度は検証動画によるとウィッチタイム自体が短くなったのではなく技の出が遅くなったのが短く感じる原因との事なので修正
--UCの追加によるバランス調整のためか、ウィケッドの攻撃力は弱体化している。UCのお手軽な爽快感と引き換えに、ウィケッドを叩き込む快感や戦闘におけるウィケッドの重要性はやや薄れた。
---ただし1周クリア後に使用可能になるジャンヌは、ベヨネッタに比べて「ウィケッドの威力が1.5倍」「WTの効果時間が長い」という特性を持っているので、ジャンヌを使えばある程度は前作に近い感覚で遊べる。とはいえ「被ダメージ1.5倍」「WTの発動条件がシビアになる」という短所もあるピーキーな性能なので、プレイ感覚は前作の難易度∞CLIMAXに近いといった方が正しいかもしれないが。
//---UCは絶頂の腕飾り2(UCの威力1.5倍)を装備することでさらに強化されるので致し方ないかもしれない。
//↑絶頂2はやり込まないと入手できない隠しアクセサリーだし、絶頂2の存在を前提にバランス調整しているとは考えにくいのであまり関係ないと思う。
--敵のドロップ武器が弱体化した分、ドロップ武器の性能で押していく豪快な攻めがしにくくなった。

-アンブラン・クライマックス(UC)が万能すぎるのでトーチャーアタック(TA)がやや空気と化している。
--広範囲・高威力のUCは複数の雑魚敵を一気に蹴散らせるため、単体技のTAに比べ非常に使い勝手が良い。魔力の使い道はほぼUCに使っていって間違いはない。また今作では敵のドロップ武器が弱体化したので、ドロップ武器を確実に入手できるというTAの利点も下がっている。そのため今作では、前作に比べてTAを使うべき機会が非常に少なくなっている。
--とはいえTAも雑魚を即死、中ボスクラスを一撃で瀕死に持ち込む火力は健在なので使えないわけではなく、ちゃんと使い分けた方が良い場合もある。
--双剣や盾を持った敵や、すばしっこい双子や犬、リゼントメントのような即死攻撃を使う敵は、TAでさっさと片付けた方が安全なことも多い。報酬の小槌というTAをすると回復アイテムを落とすアクセサリーもあり、安全面でのフォローはしっかり出来ているとも言える。
--一応UCを禁止すれば、前作と似たような感覚でTAを多用していくことは可能。

-QTEやTA全般の必要入力回数が大幅に少なくなった分、ボスへのとどめの大魔獣召喚の連打入力も前作に比べるとあっさり感があり、大技らしい操作の感触が薄れてしまった面もある。
--特にラスボスへの連打入力によるとどめの一撃は、前作を意識した演出にもかかわらず、入力回数が激減していることもあり大技を叩き込む感触は前作よりも軽く感じられる。せめて最後くらいはもう少し長めに連打させても良かったかもしれない。

-前作とは趣の異なる雰囲気
--前作に比べて大型飛行機やビルなどの近代的な場面は少なくなり、魔界も舞台になる等、全体的な雰囲気は前作と異なる。
--コミカルなシーンの多かった前作と比べ、基本的にシリアスな登場人物が多く、笑える展開なども少なくなっている。前作の主要人物・ルカとのロマンス(?)も今作では薄い。
--前作のジャンヌ戦は「主人公と同じ力を使うライバルとの戦闘」という定番の展開で好評意見も挙がっていたが、今作の人型ボスは趣が異なるため残念だという意見もある。
---一応おまけステージで「ベヨネッタ&ジャンヌ」というタッグの敵と戦うことはできる。しかしおまけステージでの戦闘なのでストーリーは特に無い。
--ラスボス戦が巨大ボスではなくなった事もあり、スケールダウンしたのではないか…という声も。
--とは言え、新作である以上、前作と方向性を変えてくるのは不思議な話ではないとも言える。前作のストーリーに思い入れの無いユーザーも多く、単純に今作のストーリーを評価する声もある。

-後半の過去ヴィグリッドステージは懐かしくて良いという人も多い反面、前作の要素の使い回しという否定意見もある。
--特に新規プレイヤーは同梱されている前作から続けてプレイすることも多いため、ほとんど間をおかずに同じステージを見ることになる。
--ただし前作とは進行ルートが異なるため、前作のステージが流用されているのは極一部((公式設定資料集によると「地下道の隠し通路から時計塔までの9割近くが新規作成」とのこと。))であり、同じステージでも現代の古建築物から中世の町並みに変えるべく所々に手を加えられており、使い回しとはいえ手抜き感が感じられるものではない。
--また懐かしさだけでなく「あるキャラクターとの共闘」というシチュエーションも含めて評価する声も多い。

-ストーリー
--仮面の賢者のキャラクターや、『1』と密接に繋がる大筋の設定は続編のストーリーとして良くできている。
--途中で他のキャラと共闘する場面が多く、展開を盛り上げてくれる。ムービーではなく、実際に一緒に戦える。
--前作ではただ召喚されるだけだったベヨネッタの魔人(魔獣)もストーリーに絡んでくる。この点も前作にはない新鮮な楽しさがある。
---前作でお馴染みだった魔獣ゴモラが暴走する展開の意外性とインパクトは圧巻。魔界での魔獣との戦闘もあり、ベヨネッタの相棒とも言える魔人マダム・バタフライにも焦点が当てられている。
--しかし、唐突に別の場所に飛ばされる展開が妙に多いため、中盤辺りからは「目の前の問題に対処するうちに、何故か先に進んでいた」という感覚に陥りがちになる等、難点がない訳ではない。
//グラマー戦、ヴァラー戦等、前作の四元徳戦に近い雰囲気のバトルはあるため修正
--また前作はベヨネッタの過去の謎に迫りつつ因縁の敵を倒すといった展開で、終始一貫してベヨネッタというキャラクターに焦点が当てられていた。
---対し今作では、前作の物語を補完する意味合いから、ベヨネッタ以外のキャラに焦点が当てられる事があるため、物語の補完を期待していた前作プレイヤーからは好評であるものの、前作の作風を好ましく思っていたプレイヤーからは残念がる声も。
//因縁の敵を倒すという点では前作と同様であり、またラスボスの所業を考えると「他者の問題」とは言えないので修正。

//シリーズの売りである「映画のようなクライマックス感」も前作より劣る。
//--最序盤の都会での戦闘は非常に派手で映画的な展開だが、ここがこのゲームのピークであると言ってもいい。
//--魔界も舞台になるのはいいのだが、前作と違って大型飛行機やビルなどの近代的な場面は少なくなり、映画的な雰囲気は薄れ、どこかデビルメイクライシリーズに近い趣になった。
//---ボス戦も派手ではあるのだが、前作に比べると話の展開的にはいまいち盛り上がりに欠ける部分がある。特にラスボス戦は不評である(後述)。
//-前作に比べてスケールダウンしたラスボス戦の展開。
//#region(ネタバレ注意)
//--前作のラスボス戦は天界の主神との宇宙での戦闘。ラスボスは巨大な体で、空間全体を溶岩や氷などの地形に変えたり、炎や氷や風といった超自然的な力を操る。
//---前座の黒幕を倒した後のどんでん返し、更にジャンヌの活躍という熱い展開を踏まえた上での最後の決戦であり、申し分なく盛り上がる。
//---倒し方も宇宙というスケールに相応しく壮大でバカバカしいもので、これ以上無いというほどのクライマックス感があった。
//--一方本作のラスボス戦は「太古の昔に人類に知恵を与えた人間界の神(の悪の半身)」と、山頂の神殿や宇宙のような空間で戦う。ラスボスのやることは爆撃機召喚や人工衛星召喚など、人の創造物を利用しており、あまり「神の力」という感じではない。ラスボスは普通の人間とあまり変わらない人型サイズで、言動や服装もなんだか変態的なイメージを与えるもので、小物感がある。
//---ラスボス戦に至るまでの展開は、色々あって霊峰から遠くに飛ばされてしまうも戦闘機で山頂までひとっ飛びというあっさり超展開。前作のような敵の本拠地を攻略していく緊張感は無い。仲間と協力して敵地へ向かうという展開は盛り上がるが、それだけである。前座の戦闘やどんでん返しなども特に無く、前作の「映画のクライマックスのような盛り上がり」という感じは薄れている。
//---決着の付け方も、仲間の一人がラスボスを無力化させてその隙にボコボコにするというもので、いまいち燃えない。この時、謎の宇宙空間?から山頂に戻るので、どうしても前作よりスケールダウン感がある。とどめも「強烈な一撃でぶっ飛ばす」だけでもいいのに、ぶっ飛んだ先の大魔獣に食わせるという普通のボスと同じ倒し方なので、やや萎えるものがある。
//---今作でQTE全般の入力が簡単になった分、ラスボス戦のとどめの一撃の感触も「軽く」なってしまった。せめて最後くらいはもう少し長めに連打させても良かったかもしれない。
//#endregion
//↑賛否両論にある趣の違いに関する記述と被っているためカット。一部統合。

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**問題点
-各Verseの戦闘評価において、戦闘時間の評価基準が前作に比べて厳しくなった。
--高評価を達成したければ、強力な技を連発して速攻で敵を倒すというプレイスタイルが基本となる。そのため色々な武器を使ったり好きなコンボを決めて楽しむような余裕はあまりなく、戦い方の自由度が低くなりがち。
--アイテムを使って攻撃力を上げたりすれば多少は余裕も出てくるが、アイテムはそう何度も使えるものでもないし、アイテムを使わず自分の実力だけで攻略したいというのも人情だろう。

-前作に存在した武器のいくつかがリストラされた。
--爆弾を設置したり、ヌンチャクを振り回したりと個性的な武器もあったのだが、それらに代わるような武器は今作では無い。
--炎や冷気を噴射したり、チェーンソーを振り回したりと、今作は今作で個性的な武器があるのだが、大半が入れ替えとなった以上、惜しむ声があるのも免れ得ないだろう。

-前作ほどではないとは言え、相変わらずアクションゲームとして別ゲーになる場面を強要される。
--チャプターによってゲーム内容も区別されていればまだいいのだが、一つのチャプター内でジャンルの異なるゲームを両方やらされるのだからタチが悪い。

-一部ボスの問題点
--巨大悪魔インシディアス戦は、前作の巨大ボス戦と似たような作業感がある。
--今作のライバルキャラである仮面の賢者戦は、敵の攻撃の予告動作が分かりづらい、画面が派手すぎてキャラが見えにくいなど、WT発動のために回避が重要である本作においては厄介な要素が多い。

-難易度表記が分かりづらくなった
--難易度表記が前作の「EASY・NORMAL・HARD・∞CLIMAX」から「1stCLIMAX・2ndCLIMAX・3rdCLIMAX・∞CLIMAX」へと変わっている((神谷氏曰く任天堂からの要望であるとのこと。)) ((なお、Switch版では前作と同様の難易度表記に戻されている。))。
--最高難易度の∞CLIMAXに表記を合わせたものであり、また「EASY」というヌルゲーマー的な語感に抵抗を感じさせないためでもあると思われるが、初見ではどれがどの難易度か、どれが標準の難易度か判別しづらい。

-タッグクライマックスモード
--相手プレイヤーの実力や「どれくらいの難易度で遊びたいのか」が分かりにくい。
---上級者であれば☆0~1(低難度)では物足りないし、初心者には☆2~3(高難度)だと辛い。そのため最初は☆1くらいの難易度の戦闘で相手の様子を見る、といった遊び方になりがち。
--相手プレイヤーとの競争によって「勝者が賞金を独占する」というルールだが、これが微妙な空気を生みやすい。
---「賞金等の別にいらないので純粋に共闘を楽しみたい」という人にとっては、自分が競争で勝って賞金を独占してしまうと、相手に申し訳ない気持ちになるし、自分が負けた場合も戦闘ごとに「LOSE」と表示されるのであまり良い気はしない。
---賞金を相手に全額譲渡したり、競争ではなく賞金を均等に山分けすることなどもできれば、より素直に楽しみやすくなったと思われる。

-ダウンロード版を買うと『1』『2』合計で30GBの容量が必要になる。ダウンロード時間の長さもさることながら、WiiUの内部ストレージでは容量が足りないので、同時に保存するには外部記憶用HDDが必要になる。

-その他の細かい点
--戦闘終了毎に投げキッス等で結界を壊す演出が、前作ではスキップできたのに今作ではスキップできない。もっとも、スキップできなかったところで非常に短い演出なので細かい点ではあるが。
//-前作より改善されたとはいえ、QTE・TAの連打やスティック回転の操作はコントローラーに優しくない。
//-前作である意味名物だった、ゲームクリア後のダンスムービーは今作には無い。
//-後半の過去ヴィグリッドステージでは前作のエネミーがたくさん出てくるが、トーチャーアタックの鮮烈なイメージをプレイヤーに刻んだあのジョイは不参戦だった。
//↑これ要るか?
--コスチューム「ハイラルの勇者」が強力すぎて、性能を重視するならこのコスチューム一択になってしまう。
---このコスチュームは、強力な防御・カウンターが発動可能になる非常に優秀なアクセサリー「マハーカーラの月」と同じ効果を標準で備えているので、実質的にアクセサリー装備枠が2→3に増加しているようなものである。他のコスチュームにはここまで強力な性能のものは無い。
---入手条件も難しくなく、ある程度金を貯めれば割と早い段階で買えてしまう。

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**総評
一部微妙な調整点も見られるが、基本的に前作の問題点を大幅に改善して遊びやすく、よりスピーディに、より派手になった戦闘を楽しめる良作である。~
また他プレイヤーとの共闘という新たな楽しさも提示しており、前作を丸々つけるという気前のいい販売形式も手伝って、前作経験者はもちろん新規層も楽しめる。~
今作のためだけにWiiUを買うのは気が引けるといった声も少なくないが、面白いアクションゲームがやりたいのであれば買ってみても良いだろう。

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**余談
-本作はとても"難産"であったことが神谷氏のTwitter上にて明かされている。
--当初セガがパブリッシャーとして開発を進めていたがセガ側が打ち切り。そこで各社に本作の開発資金援助((要は「パブリッシャーとして引き受けてくれる企業」である。))を求めていたがことごとく断られあわやプロジェクト中止…になりかけたところを、任天堂がパブリッシャーとして名乗りを上げたため開発を再開できた。結果として2014年に世にでることができた((神谷氏はTwitterで「5年越しでようやく送り出すことができた」旨を述べているのでいかに難産だったかは想像に難くない。))、という話。
--その経緯を説明した上で、神谷氏は連日来ていた別ハードへの移植希望や任天堂へのバッシング((さらにプラチナゲームズや神谷氏自身にまでも多くのバッシングがTwitterに来ていた。))に対して明らかな不快感を示していた。
--神谷氏の説明内容についても至極まっとうな話であって、それをバッシングされるいわれはそもそもないはずだが''宗教的/心情的に決して内容が理解できない(もしくは最初から理解しようともしない)層には全く通じなかったのだろう((『3』の発売予定が2021年9月のNintendo Directで公開されたときも同様のことが起きていることから見ても十分察しはつく。))。''
---前作のPS3版の問題といい、''つくづく業界の「大人の事情」というものを感じさせるシリーズである。''
--ちなみに、''『ベヨネッタ』シリーズのIPはセガと任天堂で権利を半分ずつ持っている状態であり、プラチナゲームズは一切保有していない。''タイトル画面の著作権表記にもセガと任天堂の両方が明記されており、チャプター1開始前のムービーでもセガと任天堂のロゴが出て来ることが確認できる。
//IPに関してのソース→https://jp.ign.com/the-wonderful-101-remaster/41343/interview/the-wonderful-101

-前作にも登場していたボス戦BGM「You May Call Me Father」のイメージが本作をやると大幅に変わるという声も多い。

-今作の舞台や後半のストーリー展開は、『[[大神]]』のカムイ編との共通点がいくつか見られる。
--雪山とその周辺地域が舞台。過去の時代に飛んでの時空を越えた出会い。狼に変身する能力を持つ、仮面を被った重要キャラ等。

-海外Metacriticによるメタスコアは91と高評価。

-障害者支援団体AbleGamers財団により、「2014年にリリースされたゲームで最もユニバーサルデザインに秀でた作品」と評価された([[参考1>http://www.inside-games.jp/article/2015/01/09/83980.html]]・[[参考2>http://www.ablegamers.com/ablegamers-news/ablegamers-2014-accessible-mainstream-game-of-the-year-award-2]])。

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**その後の展開
-2016年2月4日、『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』の有料DLCとして、ファイター「ベヨネッタ」とステージ「アンブラの時計塔」が配信開始された。
--デフォルトの姿は『2』のベヨネッタが元になっているが、『1』の姿のベヨネッタも使用可能。『2』のベヨネッタは日本語音声、『1』のベヨネッタは英語音声で固定。
---ベヨネッタのamiibo(『1』『2』それぞれの姿)は2017年7月21日とかなり遅れて発売された。これは他のDLC追加ファイターと同様。

-2018年2月17日に第1作のSwitch版が『2』と同時発売された。発売元は『2』に引き続きセガではなく任天堂が担当。
--グラフィックが360/WiiU版から若干向上しており、フレームレートもより安定して動作するようになっている。
--また『2』のみの追加要素として、対応するamiiboをかざしてアイテムやコスチューム等を入手したり、タッグクライマックスモードがSwitchを持ち寄ってのローカル通信でも行えるようになっている。
---また『1』『2』の両方が同梱された「∞CLIMAX EDITION」も数量限定で発売。当初『1』単品はダウンロード版のみの販売だったが、2022年9月30日にパッケージ版も発売された。

-2022年10月28日にシリーズナンバリング最新作『[[ベヨネッタ3]]』がSwitchで発売された。
--『舞台は''東京の渋谷''であり、ベヨネッタのデザインも再び一新されている。また、『3』では始めから日本語音声が収録されている。
--その一方で、シナリオや探索面などで不満の多く残る出来となっており、シリーズファンからの評価は低い。詳細は作品ページを参照。
--なお、この『3』発売後に海外メディアのインタビューにて、神谷氏が''今後『4』『5』に留まらずシリーズを末永く継続していきたい''と発言している。

-2022年12月にシリーズの前日譚を描いたスピンオフ『ベヨネッタ オリジンズ』が発表された。主人公は幼少期のベヨネッタで、本編シリーズと異なりクォータービューのアクションとなる。
--対応機種はSwitchで、2023年3月17日に発売された。