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トゥームレイダー2 - (2024/03/31 (日) 18:58:59) のソース

このページは『トゥームレイダー2』(良作)と、『トゥームレイダー3』(判定なし)の二作品を紹介しています。
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*トゥームレイダー2
【とぅーむれいだーつー】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000069TT4,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/71q2ckjI8TL._SL160_.jpg)|
|対応機種|プレイステーション&br;Windows 95&br;Mac|~|
|発売元|Eidos Interactive&br;【日本語版】ビクター インタラクティブ ソフトウェア|~|
|開発元|Core Design|~|
|発売日|【PS】1998年1月22日&br;【Win】1998年2月25日|~|
|定価|【PS】5,800円&br;【Win】7,800円|~|
|配信|【Win】Steam:2012年11月28日/711円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|動きに快適さを齎す新システムの導入&br;一方で舞台やシークレットの仕様など一部に不評も&br;人殺し方面にシフトしたゲームの全貌|~|
|>|>|CENTER:''[[トゥームレイダーシリーズリンク>トゥームレイダーシリーズ]]''|
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**概要
様々な遺跡を冒険する3Dアクション『トゥームレイダー』シリーズの第2作目。~
原題はサブタイトルの付いた『TOMB RAIDER Ⅱ:STARRING LARA CROFT』だが、省略されている場合が多い((日本語版パッケージ、他Steam版においても製品タイトルやロゴにサブタイトルは含まれていない。日本語版に関しては主人公の名前が本作でも「レイラ・クロフト」であるため、本国での正式な名前(ララ)がサブタイトルに使われているものを日本語版にそのまま当てはめる事はできなかっただろう。))((因果性は定かではないが、2024年発売の初期作Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを纏めたリマスター版の原題は本作のサブタイトルが採用されて『TOMB RAIDER Ⅰ-Ⅲ REMASTERED STARRING LARA CROFT』となっている。こちらの場合もロゴに対してはサブタイトルが採用されていない。))。~

基本的なシステムは前作を踏襲しつつ、新たなアクションの追加によりさらに進化を遂げた作品となった。~
PC版は今作からWindowsに対応し、グラフィックが大幅に強化されている。~

**前作からの変更点
-基本的なシステムは前作と同様だが、以下のような新アクション・新要素が追加された。
--ゲーム内メニューでのコンパスが廃止され、新たにストップウォッチが採用された。使用するとゲーム内経過時間、ステージ内でのシークレットの入手状況、敵の撃破数、弾薬とメディパックの使用量、進行距離といったクリア後に表示される総合リザルトの現在の状況を表示する。目標を定めて再プレイを促すきっかけになるステータスであり、やり込んだプレイヤー向けの情報画面。
--前後のジャンプ中に空中180度ターンが可能になった。空中で進行方向・攻撃方向を瞬時に切り替えられる様になり、慣れれば前作と比較にならない程に快適なテンポでのアクションが可能に。
--水中でも同様に180度キックターンが可能になった。特に水中でレバーの切り替えを伴うポイントで重宝する。
--特定の壁を上下左右に自由に移動できる「クライミング」が登場。背面に同じ様に掴める壁があれば、そのままクライミングする事も出来る。
--特定の場所にあるロープを滑り降りる「ジップライン」が登場。
--乗り物に乗って進む場面が登場。
--新たな武器として「M16」や「水中銃」などが登場。
--何も見えなくなる暗闇の部屋が登場。この部屋を照らすための新アイテム「トーチ(Flare)」も追加。
//そもそも初代はハシゴの概念が無かったので削除。

-ステージにベニスの町やオペラ劇場といった遺跡以外の場所が登場。冒険の舞台が大きく広がった。
--ステージ数も増えており、単純なボリュームでも前作から強化されている。

-前作ではメディパックや弾丸などがシークレット扱いだったが、今作では龍の像がシークレットとなり、後のアーティファクトなどに繋がるようになった。
--シークレットは各ステージ3つずつ用意されており、ステージ内の全てを集めればボーナスアイテムが手に入る。

-PS版も''どこでもセーブが可能になった''ので、全体的な難易度は下がったという評価が多い。
--前作もPC版はどこでもセーブできたので、本来のゲームバランスになったとも言える。細かくセーブしていけばクリアもそれほど困難ではない。

-PC版ではこの作品以降、武器やメディパックのショートカットキーが実装された。

**ストーリー
古代中国の皇帝は魔剣「サイアンの短剣」の龍の加護による強大な力で大陸全土を支配していた。~
圧政に立ち向かったチベット僧により短剣は万里の長城の奥深くに封印されたという。~
後にジャンニ・バルトーリというイタリア人が短剣の封印を解くというアイテム「セラフ」を発見してしまう。~
チベット僧たちはジャンニと戦い、彼とセラフを船ごと海中に沈めた。~

そして現代、ジャンニの息子マルコ・バルトーリはカルト教団を率いてセラフを手に入れようと暗躍をはじめる。~
一方、「サイアンの短剣」に興味を抱いたレイラも万里の長城へと向かうのだった。~

**評価点
''前作から向上したグラフィック''
-基本的なつくりは前作と同じであるが、レイラの三つ編みが表現されるようになるなど細かい部分でクオリティアップしている。
--この三つ編み、動くたびにプラプラ揺れるので技術面での向上も見受けられる点である。
--さらにステージによってレイラの服装が変化するようになった。
-前作は終始薄暗い遺跡が舞台であったが、今作では空が見える場所も存在するようになった。

''秀逸な音楽''
-前作でも使用されたメインテーマはもちろん、場面に合わせた新たなテーマ曲が用意され、曲数も増えている。
-神秘的な曲から緊張感を煽る曲、激しい戦闘テーマなど多彩な曲がゲームを盛り上げてくれる。

''改善されたゲームバランス''
-今作では敵を倒して鍵をドロップさせて進むことが多く、戦闘を避けることが出来ない場面が増えた。
--加えて、前作に比べて人間タイプの敵が多く登場する。彼らは銃による遠距離攻撃をしてきたり段差を乗り越えてきたりするため、安地で戦うといった戦法が通用しにくく、全体的に緊張感が増したと言える。
--その対策なのか、今作ではショットガンが初期装備になっていたり、序盤でマグナムが拾えるようになり、攻撃力が強化されている。弾やメディパックも人間の敵を倒した際にドロップするようになった。

''自由度とボリュームが増した練習ステージ''
-前作の「レイラの家」では一通りの操作を習ったら「そろそろ冒険に行こう」と自動的にメニュー画面に戻ってしまう仕様だったが、今回は気が済むまで自由に練習する事ができる。
--ボリューム自体も強化されており、前作では行けなかった庭も解放されている。庭にはアスレチックコースがあり、ミスすると適切なアクションを教えてくれるので基礎練習になる上、タイムアタック機能もついているのでプレイヤースキルの上達にも役立つ。

**問題点
''操作性''
-操作は前作から変更一切なしで、キーレスポンスの悪さやコンパクトな挙動が出来ない仕様もそのままなので、慣れるまでが難しい。
--今作から登場した乗り物も同様。後半のステージに設けられたスノーモービルは暴れ馬の如き安定感の無さで、ひとたび道を逸れて着地に失敗したり勢い付けて壁にぶつかるとあっさりと即死してしまう。
-一撃死のトラップや長距離ジャンプなど、前作を一通りクリアしたことを前提としたトラップが序盤から登場するので、シリーズ初心者は高難易度に感じやすい。

''舞台''
-ストーリーの都合上、遺跡を探索するステージが大幅に減った。
--最初のステージの万里の長城を終えた後は、ベニス~海底~沈没船でセラフを入手するまで一切遺跡という舞台は存在しない。特に海底ステージは同じ光景が4ステージも続くので、飽きが来る程。
--沈没船でセラフを入手するまででゲームの半分以上のステージを消費する事になる。難易度の高さ故何度もトライ&エラーを繰り返すゲームである以上、前作の雰囲気を期待したプレイヤーは肩透かしを食らう事となってしまった。

''人間の敵が多過ぎる''
-これもストーリー展開上の都合でやむ無いのだが、マルコ・バルトーリの率いるカルト教団が随所で敵として現れるので、本作では積極的に人殺しを迫られる。
--ちなみに全18ステージ中、人間の敵が登場しないステージは3つしかない。

-前作は墓荒らしというタイトルに違わぬ遺跡探索一辺倒であり、敵は動物とクリーチャーがほぼ全てを占めており、ナトラの取り巻き以外の人間の敵はいなかった。~
意思疎通が出来ずにひたすら襲ってくる動物だからこそ、こちらもあまり気に掛けずに倒していけたのが、今作ではあまりに多くの人間の敵との銃撃戦を強いられるので、主人公がやっている事は実質大量殺人のそれと変わらない。
--特にベニス及び最終ステージのレイラ邸で顕著。また、人間型の敵自体にバリエーションが少ない。その分、サメ、バラクーダ、ウツボといった水中面での個性のある動物の敵も増えてはいるが。
--まぁ主人公のララ(日本語版は2までは『レイラ』)はもともと敵と見なした対象への素行は悪いのだが…
---ちなみに大半の人間の敵に関してはレイラを殺そうとしてくるので彼女にとって正当防衛の範疇だが、こちらを基本的に攻撃しないモンク(チベット僧侶)を攻撃することも可能。~
この場合ペナルティとして(たとえ援護射撃の流れ弾が当たったとしても)以後全モンクたちがレイラを敵とみなして攻撃してくるようになる。
--最後の最後、レイラがシャワーを浴びようとするシーンで何故かいきなりプレイヤーに気づき、覗きに来たと誤解(?)したのかプレイヤーに向かってショットガンを発砲。遂に彼女はプレイヤーまでも鉛玉をぶち込んだ。ララは気に入らないことをされると躊躇いなく銃撃するヤクザのようなタイプなのだろうか…?

-戦闘面で緊張感が増したという評価点があるのは前述の通りではあるが、まだ人間の敵を作り慣れていないのか調整が甘く、動物の敵の特徴であった「ほとんど予備動作もなしに攻撃判定を発生させてくる」という大味な挙動をそのまま人間に当てはめてしまったのか、「銃を使う敵はこちらからは攻撃できない角度からでも正確な射撃を入れてくる」、「直接殴るタイプの敵はノンストップで追いかけてきてほぼ予備動作なしで攻撃してくる」と、場所によってはダメージを避けるのが非常に難しいバランスになっている。

&b{シークレットの仕様}
-今作での仕様変更により、前作では単体のシークレットで装備品の補給が出来たものが、今作では単体では何の意味もないアイテムとなってしまった。
--銃が増えた事によって色々と代用が利くようになった事、人間の敵が銃の弾をドロップする頻度が多い事により、攻撃面ではそれほど影響が出ていないのが救い。
--ステージ毎のコンプリートに費やす手間の分、換算されるボーナスの割合はかなり美味しいのだが、妥協が許されないという点は結果的に幅を狭めてしまったと言って差し支えないだろう。

''セーブの仕様''
-どこでもセーブ可能という事は、取り返しのつかない状態になってしまってもその状態をセーブ出来るという事にも繋がる。
--こまめにセーブした結果、逆に避けられない攻撃を食らう状況から再開という展開も起こりうる。やろうと思えば死亡確定の高さの空中からの降下中でもセーブ可能。~
勿論そのデータはリセットしてステージの最初から始めるしかない。自殺再開のためのセーブなどやる必要は無いが。
--ご丁寧に、取扱説明書にも一例を上げて注意を促している。
-なお、PC版はステージセレクトができない代わりに自由なセーブポイントをいくつも作る事ができるという仕様なので、あまり頻繁に上書き保存していなければ詰みセーブをして大きくロールバックするハメになる危険性は(PS版に比べれば)少ない。

**総評
細かい部分での仕様変更が気になる人もいるだろうが、前作から正当な進化を遂げてさらに面白さを増しており、ファンからの人気も高い良作アクション。~
さらに歯ごたえのあるゲームプレイを楽しませてくれるので、前作経験者ならプレイして損はないだろう。~
Steam配信版やiOS版があるので、現在でもプレイすること自体は難しくない。環境があり、歯ごたえのあるアクションゲームを遊びたい人にオススメしたい一作である。~

**余談
-当時、PC版は公式で配信していた追加レベルが存在し、後に『トゥームレイダー2 ゴールデンマスク』の名でパッケージ版も発売された。
--現在配信されているiOS版には、この追加レベルも収録されているとのこと。

-Steamで全シリーズが配信されているが、コントローラー設定などが出来ないなどの問題もあるので注意。
--一応、JoyToKeyを使えばほぼ問題なくプレイ可能ではあるが。

-本作で追加されたアイテムのトーチには、炎が消えて完全消費した際にレイラがそのトーチを放り捨てる動作を伴う。
--前作のギリシャステージ開始前のデモにて、ナトラに雇われたピエールが門前に缶詰めを放置していた事に対してレイラは「ピエールったら…''ゴミは持ち帰りなさい?''」と格好良く呟くのだが、本作の動作にて「お前が言うな」という行動を取る様に…


//2020/5/1 ページの途中へのリンクの貼り方が分からないので確認中。
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*トゥームレイダー3
【とぅーむれいだーすりー】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B00005OVWB,image=https://m.media-amazon.com/images/I/51PEVCR4M3L._AC_UY218_ML3_.jpg)|
|対応機種|プレイステーション&br;Windows 95/98&br;Mac|~|
|発売元|【PS】エニックス&br;【Win/Mac】Eidos Interactive|~|
|開発元|Core Design|~|
|発売日|【PS】1999年3月4日&br;【Win】1998年12月24日&br;【Mac】1999年12月17日|~|
|定価|【PS】6,800円&br;【Win/Mac】7,800円|~|
|配信|【Win】Steam:2012年11月29日/711円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|マンネリ気味なシステム&br;シリーズ歴代でも群を抜いて高い謎解きの難度&br;理不尽なトラップの数々&br;不条理で混乱を招きやすいギミック|~|
|>|>|CENTER:''[[トゥームレイダーシリーズリンク>トゥームレイダーシリーズ]]''|
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**概要(3)
様々な遺跡や施設を冒険する、3Dアクション『トゥームレイダー』シリーズの第3作目。~
原題はサブタイトルの付いた『TOMB RAIDER:ADVENTURES OF LARA CROFT』。~

前作(以下『2』)にて、遺跡以外に活躍の場を広げた路線を踏襲した作品となっている。~
今作は日本PS版の発売元がエニックス(現・スクウェア・エニックス)に変わった。

**『2』からの主な変更点
-以下のような新アクション・新要素が追加された。
--しゃがみ状態~その状態からの銃撃/四つん這い移動、特定の天井を掴んでのぶら下がり移動・ダッシュ移動が可能になった。
//---しゃがみ状態からのローリングは立ち状態での同ボタンで発動するローリングと異なり180度ターンは行わず、向きを維持したものとなる。
//しゃがみローリングは従来のオリジナル版では使えず、リマスター版のモダン操作で追加された新アクションでした。
--一部の極寒ステージでは、息継ぎゲージとは別に水に浸かるだけで減っていくゲージが追加。
--状態異常に「毒」が追加。メディパックを使用しなければ、徐々に体力の約半分ほど減少する。
--新たな乗り物(バギー、カヌー、水中スクーター、トロッコ)が登場。
--射程の長い「MP5」、両手持ちで単発威力の高い「デザートイーグル」などの新武器が登場。
--ステージの固定箇所にクリスタルが設置された。クリスタルは触れると消滅し、ゲームのバージョンによって異なる効果を発揮する。
---PC版は「メディパック(小)と同じ効果」、日本語版以外のPS版は「セーブを行うための消費アイテムとして取得」、PS日本語版は「メディパック(大)と同じ効果」となる。

-シークレットの仕様が初代同様、消費アイテム・武器となる銃に回帰。~
シリーズでもトップクラスの難度と名高い本作で2のシークレットの仕様では、上級者向けと言っても限度があるので妥当という所。

-本作から、主人公の名前が英語版と同じ「ララ」に統一された。
-全5章構成で、2~4章は任意の順番で進められる。また、コスチュームが章毎に変化。
-PS版は本作よりDUAL SHOCKコントローラーに対応。アナログスティックでの移動および周囲を見渡す操作が割り振られた。
-国内PS版は、日本ユーザー向けに難易度が調整((クリスタルの仕様をPC版と同様にして回復量も増加、敵の耐久力半減、一部マップの細部変更))された「日本語版」と、海外PS版と同内容の「インターナショナル版」の2枚組となっている。

**ストーリー(3)
今から数百万年前の南極大陸。ひとつの巨大隕石がアンタルクティカをその本土と火山島とに切り裂いた。~
そして、秘められた力が島の動植物の成長・進化を促進させた。~
冷えて行く本土とは対照的に、島は地底のマグマの熱で暖かかったため、生物のオアシスと化していた。~
島を最初に発見したのは、太平洋を渡って来た紀元前のポリネシア人だった。~
彼らは宙に浮かぶ不思議な石―隕石の中心部―を崇拝し、その力で街を作り、長寿を誇った。~
しかし、なぜか突然、彼らはこの文明を捨て去ってしまう…。~

そして時は流れ…雪と氷の世界となった現代のアンタルクティカ。~
科学調査会社のスタッフが掘り起こした岩の塊、それは驚くべきことにイースター島のモアイ像だった。~
次々に掘り起こされたそれらは、火山口の縁から海を見つめるかのようだった。~
さらに発見されたひとつの墓。そこには、進化論のダーウィンが航海した「ビーグル号」の名が刻まれていた。~
スタッフの、ウィラード博士はつぶやいた。「ここは昔、何かあったな…」~

一方、女性冒険家ララは、インドへと向かっていた。~
現地の部族によって崇められてきたといわれる、「偉大な力を持つ石」を求めて…。(PS版説明書より)~

**評価点(3)
''ダッシュ移動の追加でゲームテンポが向上''
-息継ぎと同様のゲージ管理なため常用は出来ないが、障害物の無い場所では移動速度が増し、テンポが良くなったと好評。敵から逃げ切ったり、トラップ部屋から脱出するにあたりアクション性も増した。

''演出面''
-グラフィックはさらに強化。草木生い茂るジャングルから軍事施設、夜の都会、果ては極寒の南極など様々なロケーションがリアル調で描かれている。
-炎の動きや水中で血が滲む様子など、表現力が増した。
-平時は静けさを重視し、特定の場所でのみ恐怖を煽るという緩急を付けたBGM・SEは今作でも健在。
-今作から武器の発射時に薬莢が飛び出すリアル仕様になった(音が小さくてほぼ聞き取れないが、薬莢が地面に当たる際に"チャリン"という効果音まで入っている力の入れ様)

''やりごたえの増した「ララの家」''
-前作までにおける「ララの家」は単に練習ステージ程度の扱いであったが、今作の同ステージは様々な要素が追加された事により、ゲーム本編にも劣らない、やり応えのあるステージへと変化した。
--恒例のアスレチックはジャンプなどの操作練習の他にもクリアタイムを計測できるように。
--屋敷内では本編同様の謎解き要素も追加。また、謎解きで入手したアイテムを用いる事によって、乗り物を用いた隠しステージに行けるようになった。隠しステージもアスレチック同様にクリアタイムが計測されるため、本編以上に熱くなったプレイヤーもいると思われる。

''戦闘バランスが調整された''
-敵が攻撃判定を出すタイミング等が調整され、前作に比べれば体力を削られにくくなった。特に人間の敵で変化を実感しやすい。
--直接攻撃タイプの敵は殴る際に多少の硬直や予備動作が発生するようになった。
--銃を使う敵は1発あたりの火力が軽減され、動いていれば銃撃をかわしやすくなった事で、一方的にダメージを受け続けるような展開が減少した。
---一方で振り向きの速度が速くなったため背後に回り続け一方的に攻撃する戦術が通用しにくくなったり、かがんで遮蔽物に身を隠す、死に際に最後っ屁とばかりに1発銃撃を入れる等の動作が追加され強化されている部分もあるため、不条理さを削りつつも引き続き厄介な敵というポジションに収まっている。
--強力な武器を使い、やられる前にやるのが最適解という場面が多いバランスだった前作と比較し、動き続けていればダメージを避けやすくなった事で戦闘のアクション性が高まったと言える。


**賛否両論点(3)
''『2』からの代わり映えの無さ''
-南極大陸やエリア51など、好奇心を煽るステージ構成ではあるのだが、「トゥームレイダー(墓荒らし)なのに遺跡ステージが少ない」という声が『2』と同様に多い。
--ただし、『2』において、特に海底の沈没船ステージで似たような景色が4ステージも続いて中だるみを起こした反省からか、本作では序盤のインドでは自然中心のステージと遺跡中心のステージを交互に出したり、南太平洋編では樹海の村→軍用機の墜落現場→激流の河→寺院という展開になる等、似た印象のステージを連続で登場させないようにし、出来るだけプレイヤーを飽きさせないような工夫がされてはいる。
---また、遺跡とは無関係そうなステージでも小規模な遺跡(またはそれに似た雰囲気のロケーション)を登場させるという試みも為されている。~
イギリスに馴染みの無いユーザーは「ロンドンの地下鉄の横穴を抜けたら遺跡(風の展示をしている博物館)だった」という状況に違和感を感じたりもしたのだが。((地下鉄ステージのモデルであるオールドウィッチの廃駅(英語版は地名がそのままステージ名になっている)のすぐそばには実際に大英博物館やエジプト博物館をはじめ、多数の博物館がある。))
--同様に人間の敵との戦闘も多い。敵がほぼ動物とクリーチャーのみであり、ララがれっきとした冒険家であった初代をクリアしたプレイヤーから見れば、目的のためなら人殺しを厭わないララに抵抗感を覚える人も。
-但しこういった声は、マンネリ化を防ぎたい製作側と保守的なファンの板挟みになることの多い、シリーズ物の常である。
-また、海外のゲーム誌「Retro Gamer」等で、クリスマスシーズンに間に合わせるために1年未満という極めて短い期間で制作したと開発スタッフが語っているため、目新しい要素を入れるだけの時間的余裕が無かったという事情もあると思われる((開発側は本作の制作に2年は欲しいと提言したが認められなかったとも語られている))。
--前作も同じペースで作られていたらしく、この辺りは[[初代>トゥームレイダース]]の想定外の大ヒットを受け、長らくヒット作に恵まれなかったCore Designが売れ線の商品をコンスタントに販売したかったという商業的な事情も絡んでいるのだろう。 

''非常に高い難度''
-元々高難易度で知られていたシリーズではあるのだが、今なおシリーズ最難関は本作であると認識しているユーザーも多いほどの難易度を誇る。
--全体把握の難しいマップ構成に加え、即死級のトラップが不意打ちのように作動する場面も多く、まさに「死んで覚える」を地でいく本作のゲームバランスは「非常にやりごたえがあり、クリアした際の達成感が強い」という見方もできるが、「理不尽、不条理の域である」との評価も多い。

''ルート分岐の実装''
-広大・複雑なマップでも、仕掛けを解いたりアイテムを拾う順番を多少前後できる以外は一本道の攻略ルートしか無かった前作までと異なり、ルート分岐が存在するステージも作られている。
--なお分岐があるステージでもゴール地点は1つしかないので、どのルートを選んでもいずれは同じ場所にたどり着く事になる。
--片方のルートは時間がかかるが簡単、もう一方は難しい代わりにアイテムが多い等ルート毎に特徴があるため、自分のプレイスタイルに合った方を選択でき、攻略の自由度が増している。
--ただし片方のルートでしか取得できないアイテムやシークレットも多く、分岐の存在を知らない初見プレイではルート選択によって損をしてしまったり、アイテムを全て拾うやり込みプレイが不可能になる等の問題もある。

**問題点(3)

''テンポを欠く仕様''
-これまでのシリーズではアイテムを拾った際に画面右下に入手したアイテムアイコンが表示されていたのが、本作では表示されなくなった。特にシークレットはそれ1回でのアイテム入手数も多く、単純に装備画面で逐一確かめる手間が増えたためにテンポが著しく悪くなってしまった。

-四つん這い・ぶら下がり移動も同様に「実行中はアクションの多くが著しく制限される」新アクションであり、両アクション共に移動の遅さに加えて、攻撃/180度ターンが出来ないという問題を抱えている。
--四つん這い移動は狭い空間での使用に必須となることから全篇に亘ってこの体勢での敵との対峙が殆どなく、スピード感を大幅に欠いた動きでもどかしさを感じがちになる。この状態から壁にぶら下がって下の足場に降りるシーンも多く、そこで180度ターンが出来れば大分快適だったのだが。

''乗り物の操作性''
-前作で問題点とされたスノーモービルの操作性の悪さが、今作のバギーにそのまま引き継がれてしまっている。
-本作初登場のカヌーや水中スクーターも快適に移動できるとは言い難く、ストレスを感じやすい。
-トロッコに至っては、(広いマップを容易に移動するためとはいえ)ノンストップでの移動中に「急カーブで脱線しないように減速させる」「分岐器を適切に切り替える」などのアクションを決まったタイミング・順番で行う必要がある。カーブやジャンプ、レールの切り替えは一度でもミスをすると即死となるため、ほぼ全ての手順を完璧にこなさなければならず、覚えゲーのような作業を強いられてしまう。

''ダメージ必須箇所''
//-武器没収イベントと並んで最早シリーズの恒例となっている「ダメージが絶対に避けられない正規ルート」であるが、本作では特にその頻度が多い上に無理矢理な構成となっており理不尽感が非常に強い。
//--前提条件として、南太平洋の島ステージでは高所から着地する際に多かれ少なかれダメージを負うのは当たり前と認識した方が良い程。それすらも本作ではまだ可愛い方で、他ステージも含めたチャプターでは「カヌー移動中にギロチントラップ&トゲエリアを体力を犠牲に正面突破する」「水中で酸素ゲージが尽き、体力減少を伴う」正規ルートが存在する。カヌー移動中のダメージゾーンの突破は体力最大値から&bold(){6~7割を必ず削られる}という鬼畜構成。これだけでも相当おかしいのだが、それ以上に酷い南極大陸エリアでの水中で酸素が尽きる正規ルートではスムーズに進めても''COLOR(red){全体力2本分+7~8割}''を奪われ、最低でもメディパック(大)を2つ消費させられる((さらにこのステージの終盤では四つん這い移動で通り抜ける地帯にミュータントの敵が配置されており、例によって毒ブレスが回避できないためにメディパックがさらに1つ必要となる。))。開発陣はこれでプレイヤーが受け入れてくれると考えていたのだろうか…
//--これらの仕様により、該当箇所で残り体力とメディパックが不足している場合は成す術無く詰む状況となってしまう。くまなく探索すればメディパックが尽きている状況もそうそうないだろうが、明確に「詰み」が起こる状況を意図せず簡単に引き起こす仕様はゲーム性が練られていないと言わざるを得ない。
//--この辺りの大味さは洋ゲーならではであるが、「体力を犠牲にして強引に突破するゴリ押しが正規手段」というのはゲームを攻略する上での組み立てやテクニック諸々の要素を最初から度外視した単なる極論と言え、とりわけ日本のゲームプレイヤーからすれば「アクションゲームはきちんとしたやり方であればノーダメージでクリアできるのが当たり前」という感覚(強制イベントなどは抜きにして、開発側がちゃんとノーダメージでクリアできる様に調整を施している前提でリリースしているだろうという認識)が広く普及しているため、こうした強引な仕様に難色を示す日本ユーザーは少なくない。シリーズ内でも本作は特に&bold(){「避けられないダメージを割り切る精神」が求められる}と言えるだろう。

//↑確認のため南太平洋ステージを通しでプレイしましたが、高所からの着地でダメージを受ける正規ルートはそこまで頻繁には確認できず、1回ごとのダメージも特に大きい印象は受けませんでした。
//また、カヌーでの移動は、終盤の栓を抜いた水中の穴に降りる場面以外は、慎重に操作をすればノーダメージで完遂する事ができます。ブレードとトゲの中を突破する道は、(ステージ進行はできますが)正規ルートではなく罠ルートです。
//南極大陸エリアの話は「RX-TECH社発掘場」の終盤かと思われますが、ここは体力ゲージ1本半ほどのダメージで切り抜けられ、補填として置かれているメディパック大小一個ずつ(オリジナル版とPS日本語版は追加でクリスタル1個)で全て穴埋めできる範囲でした。
//上記理由により、こちらの記述を大きめに変更させていただきました。

-前作まででも度々見られた「ダメージが絶対に避けられない正規ルート」であるが、本作ではその頻度が増えてしまっている。
--無理を感じる展開としては、「カヌーで深い穴に飛び降りて体力の5割~を失う((カヌーでの着水は、生身での着地と同様に高所からであればダメージを受ける))」「極寒の水中で体温ゲージが尽き、体力減少を伴う」等の正規ルートが存在する。~
一応こういった場所の近くには穴埋めとしてメディパックやクリスタルが配置してある事も多く、「詰み」に陥る可能性はそこまで高くない。とはいえ、明確に「詰み」が起こる状況を意図せず引き起こしかねない仕様はゲーム性として不親切と言えるだろう。
---他、日本語版以外のPS版ではクリスタルに体力回復効果が無くなっているため、クリスタルが穴埋めにならなくなっている箇所もいくらか存在している。
--こういったルートはステージ設計にいくらかの変更を加えれば潰せる場所が多いのだが、開発中に不自由や不親切な部分が発生した場合、予定とは違っても内容に変更を加える事がある日本の開発環境とは違い、海外ではいくらかの不親切さが有っても初めの設計通りに作り通す事が多いため、そういった文化の違いから生まれた大味さ、といったところであろうか。しかし、やはりこういったゲーム性には馴染みが薄く、難色を示す日本ユーザーは少なくない。
-また、必ずダメージを受ける訳ではないものの、画面外やただの壁からいきなり毒矢が飛んでくる、身動きが取りづらい状況で毒を与えてくる敵が不意打ち気味に現れる、細く不安定な道に体力の多い敵が配置されている等、ダメージの回避が非常に難しい場面も存在する。
-一部のシークレットに通じる進行箇所でも体力の5割強を確定で失うポイントがある。こちらは必ずしも行く必要はないが、オールクリア後のボーナスステージを解放するのには避けて通れない。

''一部ステージの進行ルートの把握のし難さ''
-進行するポイントには到達出来ているにもかかわらず、レバー/スイッチ/足場/ぶら下がり状態で進むルートなどが「壁の模様と同化している」「生い茂る植物で見え難い」「水中の光源から死角になる暗所にある」「透明の足場が宙に浮いている」等、瞬間的に見ても気付けずに言われなければ分からない様な不親切なステージ設計箇所が目立つ。
--最初のステージとなるインドのジャングルからして複雑かつ進行ルートがわかりにくいマップ構成となっている。~
ある程度はルートを把握しやすく、良くも悪くも『ゲーム内のステージ』としての赴きが強かった前作までとは異なり、本作のステージは『リアルな自然環境や施設内の道なき道を行く』といった試行錯誤を行うデザインになっているのだが、『探索感が強まった』という面もあれば『どこに行って何をすればいいのか分かりにくい』という問題も引き起こしてしまった。~
『2』の開始ステージの万里の長城でも中盤で続けざまに何度も即死ギミックが迫りくるポイントが存在し、一通り前作をプレイ済みという前提条件を要求される様な構成であったが、本作では序盤も序盤からどこに行っても似た様な草木の生い茂る立地で今現在自分がどこにいるかも分かり難いことに加え、即死ないしそれに近いダメージを受けるトラップも多い。~
&bold(){「最初のステージで攻略を諦めた」と言われても決して不思議ではない}、初っ端から心を折りに来るこの歪な難度曲線は本作を悪い意味で印象付けるものとなっている。『2』までの経験者であっても、本作初プレイかつ攻略情報抜きでこの最初のステージを極力アイテム回収しつつクリアするのには、実時間にして少なくとも&bold(){1時間半}程度は見積もる必要がある。門前払いの敷居が異常な程に高過ぎたと言えよう。
---シークレットの数もこのステージで6つという、最初のステージとしては過剰な数となっていることからも本作が「完全に過去作をやり込んで更なる歯応えを求めるシリーズ経験者向け」として作られている事がうかがえる((『2』でのシークレット数の仕様変更と比較すると「必ず3つ」という制限を取り払えたとも言えるが、最初のステージとしては多過ぎるだろう。ちなみに6つというシークレットの数は本作最多タイ。))。

-ステージ内に変化が起きるギミックを起動した時、どこが変化したのかを見せてくれない場面が多い。
--1度起動した壁のスイッチを(起動後の進行ルートのギミックを突破して戻ってきてから)2度どころか3度に亘って起動するステージも存在し、その手のギミックに限って一見して何が起こったのかを見せてくれない仕様のため、変化が起きたポイントに到達してもそれが「元々の状態なのか、何らかの変化が起きた状態なのかが把握できない」という状況に陥ることが頻発する。
--トゥームレイダーシリーズの特徴として、ギミックを起動することによる「どこかで何かが起きた」という突破口の把握は絶対条件であり、『1』は問題なく、『2』でもこの傾向は多少見受けられたもののまだ可愛い方であった。半面本作ではギミックの大部分にこの仕様が採用されており、変化を把握できる/できない以前の問題でいたずらに混乱を引き起こすものとなってしまっている。

-過去作と比較して全体的に、足場を飛び移る起点となる場所&着地点が分かり難い。
--これが顕著に表れているのがよりにもよって最初のステージのインドの最序盤。始まってすぐに坂を下る地形を進むに当たり、下り始めて即左側の生い茂る葉の中に跳びこむ事でシークレットポイントに着地するのだが、視認不可能な規模で葉が密集して着地点さえも把握出来ない場所に隠しアイテムを置いていても大半のプレイヤーはまず気付かないだろう。~
下りきった地点からは上に戻れないが、そもそもの配置がゲーム開始直後の最序盤であるためにこれを取り逃がす位ならリセットした方が余程有意義である。意表をつくと言うより知らなければ純粋に損をしてしまうアイテム配置となってしまっている。
---このシークレットで入手出来るアイテムは「ショットガン」。前作では初期装備であったが、本作では「知らなければ絶対に見逃す事になる序盤の高火力武器」となってしまったのも痛手。
--四つん這い・ぶら下がり移動や乗り物などにより、ララの行動可能範囲が広がった関係で、ステージ構成もより立体的かつ複雑になっている。そのため「あの足場へは、ひょっとして届くのでは?→飛んでみたら届かず死亡」といった事態が更に多発。
---この点はほぼノーヒントで試行錯誤する、本シリーズの醍醐味でもあるのだが。

-一部のポイントでは強制的に遠方からの固定視点に切り替わり、操作に多大な影響を及ぼす。
--ゲーム的にはこの固定視点に突破口となるヒントを示したものという想定で導入されているのだろうが、「静止を挟まずにいきなりの視点切り替え」「それまでの進行度と結びついたヒントなのか理解し辛い」「ステージをクリアできる状況でも視点が切り替わる」といった風に、その視点に切り替える事でどういった意味があるのかを図るのが困難で、何かしらのヒントを提示しているにもかかわらず説明不足で逆に分かり難さを助長してしまっているポイントもある。
--初期のバイオハザードシリーズなどは背景に一枚絵を使った固定視点を採用し、画面切り替えの際は1秒程度の画面静止を挟むことでプレイヤーに一旦立ち止まるのを促す効果があったのだが、本シリーズではそういった静止はなく、唐突に全くの別視点に切り替わり進行方向が狂わされるといった弊害も一部出てきてしまった。さらに、こうした強制視点切り替えポイントで即死トラップが迫りくるというシチュエーションも本シリーズにありがちなので…

-ロンドンステージの駅構内改札から先への侵入方法は、それまで「古代遺跡の仕掛けを解く」、「鍵を探す」などのギミックが用いられてきた中、いきなり&bold(){「拾ったコインを使って切符を買う」}という妙に現実的な手順をこなす必要があり、現実的だからこそ逆にその発想に至らず迷ってしまいがちになる。((ちなみに、この手順には「最初からお金を持ってこい」「両替しておけ」といったツッコミが入る事もあるのだが、ここで手に入るコインの英語名が「Old Penny」であり、これは流通から外された古い時代のペニー硬貨で両替等の手段では入手できなかった可能性が高く、日本語訳が単に「コイン」である故にそうした事情を説明されていない日本のプレイヤーから起こるべくして起きたツッコミである。それを踏まえると「わざわざステージ内でコインを拾う」という行動には特に矛盾は無いのだが、それでも行き当たりばったりなことは確かである。))
//--さらにその切符で通行可能になる改札口があるポイントの構造自体も「四つん這い移動で通る狭い空間を抜けた先にある」というツッコミ所しかない有様である。この駅の利用者は皆その狭い空間を四つん這い移動しているのだろうか。
//↑トンネル崩落も起こしているレベルで老朽化している廃駅のステージなので、天井が崩れた等で道が潰れている表現の可能性もあり。

''暗い場所が多い''
-ゲーム全体の明度が低めに設定されているのか、「トーチの使用を前提とした暗所」として作られていない場所でも薄暗く、視認性が悪い場所が多い。

''ステージセレクトの罠''
-今作は最初のインドステージをクリアすると、3つのステージを好きな順番で攻略できるようになる所謂「ステージセレクト」方式となるのだが、本シリーズ恒例の武器没収イベントと絡んだ罠がある。
--ネバダのエリア1「ネバダ砂漠」をクリアすると、所持している全てのアイテムを没収されてしまう。次のエリアでピストル等の基本アイテムは戻ってくるものの、残念ながら完全奪還とはならない。
--ネバダ以外の2ステージで入手できる武器の中には強力な物が揃っているため、ネバダを最後に回すと最終ステージを貧弱な装備で挑む事態になってしまう。よって、余裕を持ってクリアに挑むのであればネバダを最初に選ぶ必要があり、今作のウリである自由なゲーム進行が妨げられてしまっている。

''一部シーンにおける過剰過ぎるSE''
-緊迫感を煽るBGMと書けば聞こえはいいものの、本作ではロンドンの地下鉄エリアなどで不意に挿入されるSEが過剰気味な場面も多い。
--該当する進行箇所の大半で、静寂な環境音から突然「ダダン!!」ワンテンポ置いて再び「ダンダン!!」、もうワンテンポ置いてまた「ダン!!」とキンキンした巨大なSEが立て続けに挿入されるため、とても心臓に悪い。SE挿入のオンオフ切り替えも出来ないので、いわゆるジャンプスケア系の演出が苦手な人は注意が必要である。
--過去作でもそういったSEの挿入は普通にあったが、ここまで出し抜けに心臓に直接影響を与えてくる規模のものは無く、適材適所で緩急をつけたものであった。また、環境音も過去作は独特の音程と反響を交えた耳に残るもので、音量バランスも随所で挿入されるBGMと同程度で、それが「BGMとしての体制を保っている」。単純な音響面でのストレス要素としても、本作の該当箇所での挿入SEは少々やりすぎと言えるだろう。


**総評(3)
元来トゥームレイダーシリーズは大味なゲーム性故に日本ユーザー目線では決して掴みのいい内容とは言えないゲームであったが、初代の時点で破格の完成度を持っており、それ故にやり込みプレイヤーが生まれ、独自の味を持つ作品として受け入れられてきた。~
それは同時に、システム部分での革新的な進化を(保守的ファンの離反を恐れて)組み入れられないという枷でもある。~
初代から5までの同一エンジンでのシリーズ内でも最高と称される難度とは別に、(結果的に)不親切でテンポを阻害する要素が増えた一方、純粋な爽快感へと繋がる新要素はダッシュ位であり、それさえも初代の時点で導入されていてもおかしくない、悪く言えば「あって当たり前のもの」であった。

それらを踏まえ、ゲームとしての進化に乏しい本作は「普通に遊べるが、マンネリ化した凡作」という評価を下されたナンバリングとなってしまった。~

//特に初代からプレイしているファンからの「もっと遺跡ステージがやりたい」という声は増す一方で、次作は原点回帰として舞台がエジプトの遺跡メインの作品となった。
//次回作の傾向について総評で述べるのはちょっとおかしいので。

**余談(3)
-全てのシークレットを発見すると、オマケとして隠しエリアをプレイ出来る。

-Win/Mac版のみ、後に追加6エリアが遊べる「トゥームレイダー3 ロストアーティファクト」が単体でパッケージ販売された。尚、プレイに『3』本編は不要であり「単体で動作するアドオンパッケージ」というタイプである。
--Win/Mac版は、『3』本編と「ロストアーティファクト」を同梱した完全版も発売されていたが現在は入手困難((ちなみに現在Steamで配信されているDL版も『3』本編のみで、「ロストアーティファクト」の内容は配信されていない))。
-ロストアーティファクト編は上記問題点に挙げたジャンプスケア系の演出が非常に多い。ブロックの死角から人間の敵が出てきただけという状況や、ひどいものでは&bold(){ステージ開始と同時に}いきなりそうしたSEが導入されるので注意。

-『2』で追加された、アイテムを拾う際のボイス(「アハン!」)は今作で削除され、『2』のみの仕様に。あのボイスを聴き慣れたプレイヤーからは物足りなく感じるという意見も。