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グランディア エクストリーム - (2023/12/01 (金) 08:39:02) のソース

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*グランディア エクストリーム (GRANDIA XTREME)
【ぐらんでぃあ えくすとりーむ】
|ジャンル|RPG|&amazon(B00005U0MK)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|ゲームアーツ|~|
|発売日|2002年1月31日|~|
|定価|8,190円|~|
|レーティング|【PS2(アーカイブス版)】CERO:A(全年齢対象)|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2014年12月17日/1,200円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|システム重視のRPG&br()シナリオはペケ、戦闘は神という両極端な性質を持つ&br()アイテムコンプは''「折れぬ心」''が試される|~|
|>|>|CENTER:''[[グランディアシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
グランディアシリーズの一つ。通称「グランディアX」。~
『[[グランディアII]]』と『[[III>グランディアIII]]』との間に発表された番外編的な作品。

シリーズの特徴的な戦闘システムを更に発展させた「戦う楽しさ」を前面に押し出した、システム重視のゲーム内容となっている。~
物語もダンジョンの探索が主題となっており、ストーリー性よりもゲーム性に重きを置いている。~
また本作ではシリーズ初の試みとして、入るたびに構造が変化するダンジョンが用意されるなど、クリア後も楽しめるやりこみ要素が豊富に存在する。

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**ストーリー
***クリア前
>(説明書より引用)~
 長く続いてきた異民族(アルカダ)との国境紛争をようやく終わらせた新興国家ノーチスの、とある一地方。紛争とは無縁の平和な土地で、エヴァンは生活していた。“地導師”の家に生まれたエヴァンは、近所でも有名なほど無鉄砲で負けず嫌い。血気あふれる友達と、いろいろとバカなことをして暮らしていたが、みな歳を経るにつれて職業を持つようになり、社会に適応していった。エヴァン自身も父親が亡くなったために地導師という職を継ぐ事になり、心機一転まともな大人になろうと修行に精を出す毎日だった。~
 地導師とは、地脈に流れる気の力を操る職業。気の流れの強い場所に“ジオゲート”を作り出し、“ダイブ”して人々を別の場所へ運ぶことができるという、かつては鉱山などで大切にされていた職である。~
 ある日、そんなエヴァンの元に「精霊暴走停止作戦に協力せよ」というノーチス軍からの4度目の手紙が運ばれてくる。精霊暴走を止めることに興味はあったが、クロイツという、昔から対立していた幼馴染みが軍にいることで、感情的に軍へ協力できなかったのだ。しかし、エヴァンがひとり思い悩んでいたところに、ノーチス軍兵士たちが急襲。抵抗するも、強制的に連行されてしまう。~
~
 ロッカの村へ連れてこられたエヴァンは、ディーネから唐突に作戦指示を与えられ、ブランドル、カーマインという2人の軍人を紹介された。ただでさえ連行され不満の募るエヴァンだが、作戦遂行には地導師の力が必要なのだと薄々感じはじめるのだった。

***クリア後
#region
>最大の敵との対決を終え、事件を解決したエヴァンだが、その解決手段には心残りを感じていた。彼は任務を終えて解散しようとする仲間たちに相談を持ちかけ、エヴァンらが倒した敵が残した心の欠片を探索することを提案する。~
~
ロッカの村で進行する村人たちとの交流や、大きな冒険を乗り越えて親睦を深めていく仲間たちの交流を進めつつ、エヴァンらは遺跡の深部に出現した、100階層に及ぶ巨大迷宮へと挑む。
#endregion

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**評価点
-非常に良く練られたシステム
--特に戦闘システム周りのシステムの完成度は高い。
--基本システムとして、初代『[[グランディア]]』や『II』と同じく、リアルタイム性と非リアルタイム性の長所をそれぞれ併せ持った「IPゲージ」制を引き継いでいる。
---敵味方の行動タイミングの「先読み」によって戦闘の流れを制するこのシステムは、コマンド選択型戦闘システムの一つの完成形と言える。
--また後述するようにキャラクターごとの性能の個性も立っている事に加え、特定のキャラクター同士で発生する「合体技」など、過去作と比べ単純に遊びの要素も増えている。

-キャラクターの特徴として、通常の装備品の他にランダムで拾うこともできる「マナエッグ」、「スキルブック」「スキル」の装備、強化も大きく関わり、多彩さを増している。
--「マナエッグ」はシリーズ恒例の魔法要素。『II』と同じく、拾ったものを装備することで、マナエッグごとに対応した魔法が使える。
---ただし今回は『II』と違い、マナエッグに経験値を注いで強化するのではなく、無制限に手に入るマナエッグ同士を「合成」する事で強化してく仕様に変化。
---また合成時には「キャラクターの最大MPへの上昇補正が大きくなる」「魔法ごとに強化要素が確率で付与される」といったボーナス要素もあり、こういった強化の法則性も良く作り込まれ、非常にやり込み甲斐がある。
---そのへんで入手できるマナエッグは「初期はMPが100未満しかなく、強化された魔法も無い」等の状態がほとんどだが、大量に集めて合成すれば「実用的なレベルまで強化する」、果ては「MP999で全魔法が最大強化されている」状態まで持って行くといったやり込みも可能。
---また、ある程度レベルを上げなければ使える魔法の種類が増えていかなかった過去作と違い、本作では基本的な魔法は最初からすべて使えるようになっているため、地味に便利。
--「スキルブック」は文字通りスキルを足すための手段。
---ランク分けされた「スキルブック」に、「羊皮紙」から生成される「スキル」をセットしていく形となる。ただし、セットするためにはブックとスキルのランクが一致する必要がある。
---下位の物は強化に時間がかかるものの、ステータス強化や耐性強化など有用な物も揃っており、また一度に多くセットしやすい。
---一方で高位の物は攻撃回数増加、攻撃に特殊効果付与、魔法連続使用など、強力かつユニークな効果の物が多いが、強化の余地が少なく、また一度にセットできる量も少なくなりがち。
---こういった点でもバランスがとれており、またスキルの種類も豊富であるため、戦術に幅を持たせることができる。
---また同じスキルを付けてもある程度までは効果が重複したり、特殊な例では「ラインアタック」「サークルアタック」を同時に装備することで通常攻撃の一部が全体攻撃になる、など特殊仕様もあり、様々な遊び方が可能。
--装備品も多彩で、能力や耐性の強化だけでなく、ステータス成長アップ、ドロップ率アップ、ワープ回避、ワープ移動など特殊なものも存在する。
---これらの組み合わせによっては、''「最強魔法4連発」「敵の攻撃に対しワープしながら回避しつつ全体にカウンター攻撃」''など、様々なやり込みが可能。
--キャラも固有のモーションや必殺技、装備区分に加え、「マナエッグ」「スキルブック」のスロット欄は合わせて6個で、キャラによってどちらに偏っているか異なるなど、利点がそれぞれあり、カスタマイズ性も高い。

-やり込み要素の多さ
--上記のアイテム集め、キャラクターの強化、クリア後のダンジョン攻略やボス戦など、やろうと思えばいつまででもやり込めるほどに底が知れない。
--特にアイテムコンプリートは''このゲームがアイテムコレクターゲーとして名を馳せるほど、非常に難しい''。
---中でも壁として挙げられるものは入手条件が「再配置される宝箱から1%以下」「雑魚ドロップで1%以下」「10分以上かかって挑めるボスドロップ、及びダンジョンクリア報酬から1%以下」「お金を使って挑戦できるミニゲームの希少な景品」…など、''心が折れる要素盛りだくさん''。
---幸い、取得が期間限定のアイテムは少ない。
---作中に(悪逆非道であろうが)''「男にとって重要なのは『折れぬ心』」''と力説するキャラがいるが、アイテムコンプに挑んだ人からは「アイテムコンプの難易度に対する答えだ」とか「この作品をよく表している」と受け取られることも…。
--キャラの強化はやり込めばやり込むほどそれに答えてくれ、最終的にはクリア後の最強のボスを最弱魔法一撃で仕留めることも不可能ではない。
---戦闘では「合計HIT数」も表示されるため、あるユーザーが「最大はどこまでか」という興味本位の挑戦をしたところ、''1万の位である5桁が見えてしまった''。その後HIT数の稼ぎ方の最適化の模索、及び実行を試みた結果、''数か月単位でPS2を起動させて、1000万の位である8桁最大値(99,999,999)でカウンターストップさせた''という逸話もある。
--攻略進行度が一定以上に進むと、「同じ敵でも別のスキルが追加されている」事があるため、一見同じ敵が相手でも注意が必要になる。

-ロード時間の短さ
--短いどころかほぼ皆無。やり込みの際も、このロード時間のおかげでほとんどストレスが溜まらない。

-音楽
--作曲者はシリーズおなじみの岩垂徳行氏で、人気が高い。
--戦闘曲もおおむね好評。そのおかげで長丁場の戦闘でもなかなか盛り上がりが醒めない。
---特に大ボス戦の戦闘曲である「COMBAT 4」は人気が高く、RPG史上屈指の戦闘曲と言われることもある。初めてこの曲が流れた時に、コントローラーを操作するのをやめて曲に聴き入る者もいるほど。

-豪華声優陣
--主人公役の三木眞一郎氏を始め、パーティーメンバーのキャラに江川央生氏や水谷優子氏、保志総一朗氏や田村ゆかり氏が、サブキャラにも子安武人氏や矢島晶子氏と、有名所の人気声優が名を連ねている。

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**賛否両論点
-戦闘面
--マナエッグを強化するかしないかで、戦闘の難易度がまるで変わる。
---別のレアアイテムを発掘するついでにマナエッグは集まっていき、その合成を効率的に行うと、MPがマナエッグ側依存ということもあり、低レベルでも相当楽に攻略できる。敵によって耐性はあるものの、爆裂属性はかなり安定して通る。
---しっかり数を集めないといけないため、やり込んだご褒美ではあるが、それでも強力すぎると言えば強力すぎる。
--味方では最上級のマナエッグのヴォイドエッグ、敵ではクリア後の隠しボス専用の魔法「ギガヴァニッシュ」が非常に強力。
---「対象の効果をすべて無効化する」という一見わかりづらい説明だが、内容は''「ステータス強化効果のみならず、装備などで付与したスキル効果、耐性などを全て無効化」''というもの。
---敵に使えば''倒せないように無敵の耐性が付いた相手も倒せる''し、味方が受けると''スキルブックも含めた特殊効果が全て無くなる''という、トンデモ魔法。強力な敵とするにはうってつけであり、味方側が使う場合は限定されているものの、効果に対する説明があまりに不足している面は否めない。

-アイテム関連
--取得に運による要素が強いものが多すぎる。
---レアアイテムをレアアイテムとして扱うためには仕方が無いが、それでも確率としては異常なレベルではある。一応、「所持アイテムランク」が撃破前から目安として見えるが、あくまで目安。
---資金を使ってのギャンブルである「ラッキーシャッフル」の専用景品の多さも、レアアイテム狙いのプレイヤーには辛い。
---本作のアイテム(武器防具)は種類がかなり多い分、個々の入手には激しく運が絡むが、種類の多さの割に死にアイテムは少なく、レアアイテムのうちどれか一つでも手に入れば戦力増強になるといった事も多い。例えばルティナの武器として「七星剣・〇〇」という7種の武器が存在するが、どれも強い特徴があるため入手すれば何らかの形で戦闘に寄与してくれる。
---また、マナエッグの強化要素、及び強化効果が発生しやすくなる星の数(最大2)も完全に運。

-ダンジョン
--ダンジョン内にセーブポイントなどは無く、それなりに長い。全滅後のコンティニュー機能なども無いので、途中で全滅するとやる気を失くす可能性もある。
---しかし、その一方で如何にしてMPを温存しながらダンジョンを進むかという昔ながらのRPGの面白さがあり、戦闘の評価の高さの一因にもなっている。
---ダンジョンの中間地点と拠点を行き来するショートカットは存在する。帰還専用のショートカットも大体ボス手前には存在する。
--いくつかのダンジョンはランダム自動生成方式となっており、途中でダレやすい。

-キャラクターデザインの評価の低さ
--デザインは漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』で有名な藤原カムイ氏。しかし「いまいち魅力を感じない」という意見が多く、ストーリーの低評価と併せて批判されることが多いが、人によって好き嫌いが違ってくる部分でもある。
---見た目の評判に関しては、典型的なアニメ絵のゲーム中イラストや、加えて彩色ばかりでいささか安っぽいデザインのユーザーインターフェイスなども合わさり、不評の一因となっていると思われる。
--血が上りやすい主人公、筋肉馬鹿な軍人、氷の女神と称される敵女隊長、ショタ、野生児幼女、とイロイロそろってはいる。
---主人公のエヴァンは、頭部に着けている個性的な装飾がパンツを被っているようにも見えるため、ユーザーから&bold(){パンツマン}という蔑称・愛称で呼ばれることもある。
--仲間の1人が戦闘中に無駄にパンチラを見せるのが気になるという意見もある。

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**問題点
''シナリオ・キャラクター''~
システム周りやゲーム性の完成度が極めて高い反面、キャラクターの描写や世界観等をはじめとしたシナリオ面の完成度や作りこみは拙い。

-粗雑なシナリオ
--まず単純にボリュームが薄い。その上、筋書きはありきたりで、お寒い台詞やスベり気味なシーン、良く分からない展開も多く、評価は低い。
---本作は一応外伝作品という位置付けにあるのだが、『I』『II』を経験していたユーザーの多くは、本作にも従来作のような壮大かつ緻密な展開を期待していた。そういったユーザーからは期待との反動もあって駄作と評価とされやすい。
--また「シナリオを理解するために必要最低限な情報さえ提示してくれない」「明らかに無理な行動が何故か通る」などの理解不能な展開もしばしば見られ、過去作と比べるまでもなく、かなり出来は悪い。
---例えば、ティトというキャラクターには「その特殊な出生が性格に大きな影響を与えている((長年戦争状態だったノーチスとアルカダのハーフであるため、他人はおろか親しい人とも距離を置いてしまう程人間関係に過敏になっている。))」という設定があるのだが、&bold(){ゲーム中には一切説明がなく、初めて明かされたのは攻略本}。そのため、ストーリー中では他人に歩み寄ったと思ったら不信感を爆発させる情緒不安定なキャラに見えてしまう。
---他にも「明らかにシリアスな問題を、子供向けギャグのような稚拙なアイディアで解決しようとし、何故かそれが成立する」「特定のキャラクター間において感情的なやり取りが発生するが、そこに至るまでの経緯が描かれていないため心情が理解が出来ない」等の理解しがたいシーンは散見される。
--先述したシステム面の評価が非常に高いため、そちらを重視するユーザーには「特に気にしない」と割り切る者も多い。しかし、やはり本作の大きな問題であることは間違いないだろう。
--幸いというべきか薄っぺらいだけであり、不快感を与えられるような描写は乏しいため、無視しようと思えば無視出来るのが救いだろう。

-規模の小さい世界観
--本作のゲームの流れは、本拠地であるロッカの村と各地のダンジョンとを行き来するというものになっており、物語も終始ロッカの村とその周辺地域のみで描かれる。
---そのため、従来作のように広大な世界を股に掛けて冒険していくような壮大さを求めていたユーザーからは批判されやすい。
--拠点からダンジョンまでの移動風景がゲーム中で描写されないことも、冒険感の薄さを助長している。
---初回時のみダンジョン突入までの様子がムービーで表現されるが、それ以降は開いたジオゲートを通っていきなりダンジョン内から始められるため、脳内補完も難しい。

-世界観の描写が少ない。
--ダンジョンは豊富にあり、各キャラクターは様々な地域から訪れた異なる民族という面々なのだが、作中で訪れることができる集落はロッカの村の他に街一つだけ(それも仲間達の設定とは関わりの薄い場所)なので、世界観が今一つ不透明。
---それぞれの仲間の故郷については、各キャラの台詞からおさわり程度に説明されるに留まっている。

-キャラクターの3Dグラフィックは粗めでカクカクしている。モーションも不自然で機械的。
--ただし、このことが本作のロードの短さに貢献している面もある。
--一方で炎や水といった形の定まっていないものに関してはPS2相応の出来栄え。一部必殺技や上級の魔法などは十分に見栄えするかっこいい演出となっている。

-一部の設定の名称が若干危ない
--アルカダは発売数ヶ月前の大事件の集団、ノーチスはノーチスで色々マズイ((ちなみに前述の通りノーチス軍にクロイツがいる。後はお察しください。))

''システム面''
-ストーリー上のイベントを飛ばせない。
--システム重視という割にはこの点が非常に不便で、周回プレイへの配慮が無い。
--ただし一応自動進行なので、戦闘の無いイベントならコントローラー放置で勝手にイベントが終わる。

-ティトの性能が優遇されすぎている
--全キャラで唯一、敵からアイテムを盗むことができる。様々な有用アイテムを盗めるため非常に便利。アイテム蒐集にも欠かせないものであり、やり込み重視ならティトはパーティから外せない。
---とはいえ盗めるアイテムと落とすアイテムはテーブルが同一であるため、アイテムドロップ率を上げるスキルで代替出来ないわけではない。
--全キャラで唯一、コンボ(通常攻撃)の標準攻撃回数が2回ではなく3回。しかも飛び道具。攻撃力もそれほど低くはない。ヒット数稼ぎや敵の足止めに使えるため、結果的にパーティ全体の火力や安全性アップに繋がる。
---ただし飛び道具は狙った相手とティトを結ぶ直線状に他の敵キャラがいるとそちらに全段当たってしまう不安定さもはらんでいる。
---またティトは攻撃力に直結する「筋力」が初期値・成長値ともにパーティ中最低なため、3回当ててようやく他キャラの2回分のダメージに並ぶ程度になってはいる。

-戦闘中の必殺技や魔法などの演出
--『II』での批判を受けてか全体的に演出は短めになっているが、それでも長めのものが少なくない上に、演出を飛ばすような機能も無い。
---特に本作最強のボス戦にて敵が多用してくる「ギガヴァニッシュ」という魔法は、1回あたり10秒ほども待たされる。
--各演出中はBGMの音量が小さくなるため、戦闘曲による高揚感や陶酔感が阻害されるという面もある。
--一応のフォローとしては演出自体はカッコイイ物も多く悪くはない。

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**総評
シナリオは低評価、システム(戦闘)は高評価。人によって評価が分かれやすく、シナリオを求めて買った者にとってはクソゲー、戦闘が好きな者にとっては良作と成り得る極端なゲームである。~
特に、プレイヤーがシリーズの従来作の経験者か未経験者か。シナリオ重視派かシステム重視派か、自分に合わない要素を割り切って捉えられるかどうか…で評価が割れやすい。~
一見すると相反する意見が同居しているにもかかわらず、お互いがお互いの言い分を認めているために対立することが少ない稀有なゲームと言える。
-言い換えれば、本作を良作と評価する人間でも「シナリオはクソ」と断じてしまうほどにシナリオは酷く、一方で本作を駄作と評価する人間でも「戦闘システムは素晴らしい」と称えるほどに戦闘システムは良い。

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**余談
-高橋秀信氏(後にかのガッカリゲー『グランディアIII』の監督を担当した人物)がこのゲームの監督も担当しているため、この作品に対してもあまり良くない感情を持っているファンも多い。
--実際『グランディアIII』に通じる要素も所々に散見される。
---例えば、先述したような「ゲーム中で語られない脳内設定をインタビュー等で得意気に後出しする」という監督の悪癖は、続編『グランディアIII』で遺憾なく発揮される事となる。
---攻略本インタビューでは監督が「○○(キャラ名)萌えでしょう」と、ほとんど賛同されないどころかドン引きされている自画自賛も行っており、監督の自己満足が目につく部分もある。
--ただ、高橋氏は一作目から演出面や美術面で深く携わっており、そちらの方面では好評であった事も確かである。