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ゼルダ無双 - (2023/02/08 (水) 13:12:41) のソース

本項ではWiiU版『ゼルダ無双』、3DS版『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』、Switch版『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX』の3本を紹介します。~
判定はすべて「良作」です。

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#contents
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*ゼルダ無双
【ぜるだむそう】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00KGTRAX0)|
|対応機種|Wii U|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス&br()(オメガフォース/Team NINJA)|~|
|発売日|2014年8月14日|~|
|定価|パッケージ版:7,389円(税別)&br;ダウンロード版:6,463円(税別)|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ゼルダ愛あふれる開発スタッフによる原作再現と大ボリューム|~|
|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズリンク>ゼルダの伝説シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[無双シリーズリンク>無双シリーズ]]''|

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**概要
『[[メトロイド アザーエム>METROID Other M]]』『[[ポケモン+ノブナガの野望]]』に続く、任天堂とコーエーテクモゲームスの提携作品。~
今回は[[『無双』シリーズ>無双シリーズ]]でおなじみのオメガフォースと、Team NINJAに加えて任天堂側から青沼英二氏がスーパーバイザーとして開発にかかわり、[[『ゼルダの伝説』シリーズ>ゼルダの伝説シリーズ]]に登場する様々なキャラクターとその世界観を起用した、一風変わった『無双』を作り上げた。

このゲームは『ゼルダ』のお祭りゲーという側面を兼ねている。『[[時のオカリナ>ゼルダの伝説 時のオカリナ]]』『[[トワイライトプリンセス>ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス]]』『[[スカイウォードソード>ゼルダの伝説 スカイウォードソード]]』の3本による世界観はストーリーにかかわり、これらのタイトルの関連キャラクターも登場する。

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**ストーリー
#blockquote(){
「力」、「知恵」、「勇気」から成り、触れた者の願いを叶える聖三角形、トライフォース。トライフォースをめぐって何度も繰り返されてきた善と悪の戦い。&br()
ハイラルが悪しき者の手に堕ちそうになった時、その度に緑の衣に身をまといし勇者が現れ、悪しき者の野望を打ち砕いた。&br()
勇者は二度と悪しき者が復活しないように、悪しき者を4つの魂の欠片に分け、3つを時空の彼方に送り、残りの1つは聖地の入口に神殿を造り、マスターソードで封印した。&br()
そして、ハイラルの果て、代々魔女は水晶で「力」「知恵」「勇気」のトライフォースの均衡を感じ、異変に備え続けてきたが……}
(公式サイトより引用)

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**特徴・システム
''コラボレーション''
-基本的なシステムは『無双』のまま、『ゼルダ』でおなじみの体力ハート・魔法ゲージ・宝箱などの要素や、爆弾などのアイテムを活かした遊びを取り入れている。
--ツボだけでなく草も攻撃で狩ることかでき、そこからルピーやハートなどのアイテムが出る。従来の無双シリーズと比べるとツボの数だけでも結構多め。

-オリジナル曲が多い中、『ゼルダ』のBGMもアレンジされて使用されている。どちらも好評。

-ゼルダシリーズの特徴である謎解き要素はほとんどないが、ハートの器や黄金のスタルチュラは収集・探索要素として大半のステージに存在している。
--スタルチュラを倒すことでイラストピースが集まり、これによって隠しステージの解禁や補助アイテムのランクアップ・強力な武器スキルの抽選解禁といった成長がある。

-世界観は完全に『ゼルダ』のもの。ステージとしてもハイラル城・オルディン火山・フィローネの森などが登場。
--ただし、過去作品のいずれかに準拠しているわけではなく、あくまでこれまでのシリーズ全体の世界観を統合した『ゼルダ無双』そのものの世界を中心に物語は進んでいく。

-無双としてのシステムは『真・三國無双6』『7』がベースになっている。

''登場キャラクター''
-シリーズ常連キャラクターである''リンク''、''ゼルダ''、''インパ''、''ガノンドロフ''は『ゼルダ無双』の世界の住人として、オリジナルのデザインで登場。加えて、本作オリジナルキャラクターの白の魔女''ラナ''が、もう一人の主役ともとれる形で参戦する。

-『時のオカリナ』から''シーク''、''ダルニア''、''ルト''…『トワイライトプリンセス』から''ミドナ''、''ザント''、''アゲハ''…『スカイウォードソード』から''ファイ''、''ギラヒム''が参戦し、操作キャラとしても採用。
--本作のオリジナルキャラクターには他にも黒の魔女''シア''や、''ヴァルガ''、''ウィズロ''がいる。この3名は当初ボス敵専用のキャラであったが、アップデートによるステージ追加に伴い、操作キャラに昇格。

-また、一部のキャラクターには隠された武器種が存在し、アドベンチャーモードで見つけ出すことでガラリと変化した攻撃を使うことが出来る。さすがに『真・三國無双6』以降には及ばないもののバリエーション豊か。中には文字通り全く別のキャラクターを動かせるものも……。

-敵側もリザルフォスやギブド、タートナックなど、おなじみの面々が並んでいる。巨大ボスとしてキングドドンゴやゴーマなども登場。

-3作品以外のシリーズ作品からも、様々なネタを拾ってきている。シリーズファンはニヤリと出来ること間違いなし。
--おなじみの「コッコ」も登場。もちろん、攻撃し続けると……。
---だが無双という性質のおかげで、シリーズでは珍しく、むしろ真っ向から戦って打ち勝つことができる。

-世界観を守るため、あるいはゼルダの伝統か。本作は無双シリーズでも珍しく、ナレーション以外のボイスは掛け声などのパートボイスしか存在しない。

''ゲームモード''
-主に2つのゲームモードが存在する。
--「レジェンドモード」はいわゆるストーリーモード。本作オリジナルのストーリーを追っていくことができる。
---ゲーム全体の難易度を4段階から選べる。「難しい」はPS2無双シリーズに近い歯ごたえがあり、即死につながるような要素こそ少ないものの、やはり立ち回りを身につけているかどうかで明暗が分かれる。~
隠しの「辛口」は敵の攻撃力もさることながら、ただでさえ硬い強敵がさらに硬くなるため、武器も含めて育成は必須。

--「アドベンチャーモード」は、初代「[[ゼルダの伝説]]」のマップの1画面を1マスとしたボードマップを進み、各マスでの課題バトルをこなしていくモード。真・三國無双6のクロニクルモードに近いスタイル。
---「アドベンチャーモード」だけでも内容は充実しており、「レジェンドモード」クリア後は「アドベンチャーモード」を制覇していく事がこのゲームの本番である。&br()キャラクター育成のため、両モードを並行して進める事も可能だが、レジェンドモードのキャラ解禁に伴ってアドベンチャーモードで遊べる範囲は広がっていく。
---本作のもうひとつのメインモードと言える。ただ敵味方のキャラが変わったマップだけではなく、バトルには様々なクリア条件が設定されている。
---「クリアタイム」「撃破数」「被ダメージ」によってSランクを取ると、ハートの器や新キャラクター・武器を手に入れることもできる。
---ボードマップ上では、アイテムを使って隠し報酬を解禁させたり、道を切り拓いたりして進んでいく。

''アイテム''
-謎解きは存在しないが、目の前の障害物を突破したり一部の敵を倒すために、おなじみの爆弾や弓矢・ブーメラン・フックショットを使うことになる。
--言うまでもなく、リンク以外も使うことができる。フックショットで飛んでいくゼルダ、爆弾を投げまくるガノンドロフなど本家ではまず見られないだろう。
--アイテムはそれぞれに個別の効果がある特殊攻撃が主であり、一部の強敵は特定のアイテム攻撃が有効な対策になる。とりわけ巨大ボスの撃破は、基本的にアイテムの利用を前提としている。

-あきビンを入手すると回復薬を持ち込むことが出来る。薬はバトル毎に自動で支給され、1バトルでの使用回数に制限がある『戦国無双』式。

''魔力解放''
-バトル中に敵を倒したり置かれているツボを壊したりすることでドロップすることがある「魔力のツボ」を集めると魔力ゲージが溜まっていき、満タンになると任意のタイミングで魔力解放を発動することができる。
--魔力解放中はゲージが完全になくなるまでの間は攻撃力と素早さが上昇し、敵の攻撃を受けてもダメージを喰らうだけでのけぞらなくなる。
また、魔力解放中に一定数敵を撃破することで効果時間を延長し、さらにボーナスで経験値やルピーを獲得することができる。
--魔力解放効果時間が切れると終わり際に周囲を攻撃する強力な「フィニッシュ攻撃」を放ち、通常の状態に戻る。
また、魔力解放中は必殺技が使えない代わりに魔力を全消費して「ウィークポイントダウン技」を放つことができる。その名の通り敵将や巨大ボスをダウンさせてウィークポイントゲージを出現させるためこちらも強力。
---通常、魔力解放はそのキャラクターが得意とする属性を身にまとうだけだが((得意な属性が光だと黄色、火だと赤、水だと青、雷だとオレンジ、闇だと紫のオーラを身にまとう。))、それに加えて子供リンクは鬼神リンクに変身して見た目・ボイスや弱・強攻撃が変化する、ザントは一瞬だけ素顔を見せる、ギラヒムはある変身姿を披露するなど、一部のキャラのみ凝った要素がある。

''ウィークポイントスマッシュ''
-任天堂コラボ無双を象徴するシステム。
--雑兵以外の注目可能な敵ほとんどは特定の攻撃を出した後に、体力とは別の「ウィークポイントゲージ」が一定時間表示される。攻撃してこれを削り切ることで「ウィークポイントスマッシュ」が発動し、敵の体力を大きく減らすことができる。
---原則として、ウィークポイントゲージの表示時間は敵が行動不能な状況なら延長される。つまり空中に浮かせるコンボまたは必殺技で、ウィークポイントゲージを多少削りやすくなるということでもある。
--本作はこういった「強敵」の防御力・耐久力が従来無双シリーズの敵武将と比べても圧倒的に高いため、非常に重要なシステムである。
--巨大ボスは普通に攻撃してもほとんど体力を減らせないばかりかウィークポイントゲージも自動では表示されない。~
『ゼルダ』よろしく特定の行動中にアイテムを利用するか、魔力開放中に発動するウィークポイントダウン技を当てることで、ウィークポイントゲージを出現させて削り切ることがほぼ唯一の決定打となる。

''キャラクター育成''
-無双シリーズ準拠であり、ゼルダでは珍しい経験値制を採用。
--ハートの器・かけらを収集することでも最大体力が増加していく。しかしレベルは攻撃力だけでなく非表示の防御力にも影響しており、レベルが高ければ高難易度での被ダメージが明らかに軽減されたりする。
-ただし、キャラクターのアクションや必殺技ゲージなどはレベルではなく、敵が落とす素材を一定数消費してバッジを作成する必要がある。
--余った素材からは次の戦いで使う薬を作ることができ、主に強力な武器を手に入れる確率を高められる。
-武器も素材同様敵が落としていく。武器にはランク(=基礎攻撃力)とスタア(=攻撃力にかかる倍率)、スキルが設定されており、武器合成でスキルを別の武器に付け替えることで強い武器を作ることが可能。

''協力プレイ''
-本作は2人で協力プレイが可能。ただし今までのような画面分割ではなく、1人がテレビ画面、1人がWii U GamePadを利用するという珍しい試みである。

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**評価点
''ふんだんに盛り込まれた『ゼルダ』要素''
-前述の通り、キャラクターやBGMからシステム、UIに至るまで、あらゆる所が『ゼルダ』である。
--それでいて、本家では決して味わえない無双の爽快感や味方軍との共闘が楽しめる。本家では動かすことができなかった、リンク以外の好きなキャラクターを動かしているだけでも楽しい。

-各キャラクターの動きも原作の細かいネタまで拾っているものが多い。特にザントとギラヒムの凝りようは素晴らしく、またスマブラでは実現しなかった「剣と魔法メインで戦うガノンドロフ」や「ハープを弾いて戦うシーク」を動かしたいと思っていたファンも多いだろう。
--アゲハや大人時代のルトなど、原作であまり動きが見られなかったキャラクターも大胆なアクションを繰り出すが、ほとんど違和感を感じさせない。
--どのキャラクターでも爆弾を投げまくったり、フックショットで飛んで行ったりできるのも述べた通り。
---おなじみのジングルと共に宝箱を開けることもできる。開け方から掲げ方まで、各キャラクターの特徴が良く出ていて、見ているだけでも面白い。
--敵将と対峙した時や味方との会話時に、一部専用の台詞がある。例えば味方の際にガノンドロフに対してザントやギラヒムが敬語で話したり、ギラヒムがリンクと敵対した際に本気で嫌っているような発言をするなど、細かく原作ネタが取り入れられている。
---一方で他のキャラと同じ会話をするが故に、ザントやギラヒムがガノンドロフと敵対した際は普通に暴言を吐いたり、リンクとギラヒムが味方同士の際はギラヒムがリンクを褒めるなど、組み合わせによってはシュールになってしまうものもある。こういった敵同士、味方同士の際の会話も楽しみの一つだろう。

-レジェンドモードのストーリーは基本的には王道そのものだが、後半からは意外な展開が待っている。
--この中には「一度はやってみたかった」という『ゼルダ』プレイヤーも多いであろうシーンも有る。

-アドベンチャーモードは、無双でのバトルに入るまでのボードマップは全てドットイラスト主体で進む。オープニングムービーやBGMも初代を強く意識したファンサービスの塊に。
--アドベンチャーモードで使用されるボードマップのうち『冒険マップ』は、初代『ゼルダの伝説』の表フィールドにおける16×8の128マスをそのまま使用している。&br()スタート地点も初代と同じ場所からで、マスの地形に準じた進路で進んでいくことになる。
--その1マス内の地形には、ロウソクやバクダンなど適切なアイテムと場所を選択して隠し要素を開く部分もある。&br()それらの場所も大半は初代のそれを踏襲しているので、初代を遊んだ事のある人は場所を思い出しながら当てたり、初代の攻略本を引っ張り出した人もいるだろう。
--消費アイテムは特定のマスの戦闘クリアで回収できる。そのうちの「コンパス」を使えば、隠し要素のある場所を示してくれるため、場所がわからず詰むということもないハズ。
--戦闘自体はすべて「レジェンドモード」で使用した戦闘マップの一部および全体を流用したバトルではあるが、特殊なルールを設けられていたり、敵の配置や戦況変化イベントも各マスごとに異なるので、戦闘マップの単なる使い回しとは思わせない工夫が施されている。
---中にはそれとなく手ごわいマスもあり、Sランクを目指すのならただゴリ押しするだけでなく手際のよい攻略法を考える必要のあるマスも存在する。&br()マスによってはバトルのテーマ性を匂わせる題名も付与されている。
---キャラクターも善悪関係なしに入り乱れて交戦する。リンクがガノンドロフと組んでいたり、ゼルダが敵であったりする事はもはや当たり前。&br()ちなみに敵として出てくるキャラクターをプレイヤーが使用する場合、同キャラが出てくるのではなく、別のキャラクターが代役で出現する場合がある。

-本作には両シリーズでおなじみの馬は存在しない。しかしキャラクターのダッシュ状態で十分な速さになるため、移動に関するストレスは感じさせない。
--それでも要望が多かったのか、後にリンクのDLC武器という形で騎馬攻撃アクションを楽しめる「エポナ」が追加された。

''再現度が高いながらも進化を感じさせるグラフィック''
-今作のグラフィックは『トワイライトプリンセス』をベースに『スカイウォードソード』の明るい色調を組み込んだ高彩度リアル調となっているが、リアル系・トゥーン系問わずキャラの造形やオブジェクトの再現度が高く、尚且つ違和感なくフィールドで共演させることができている。
--DLCで配信されている過去作の衣装はただ形を再現しているだけではなく、それぞれの作品の光彩などによる雰囲気も再現し、こだわりを感じさせる作りとなっている。
--原作にあるステージの方もシステムの構成による地形の変化がありながらも、各所の特徴をしっかりと捉えて綺麗に再現している。
-その一方で時代が進んだことによる進化も相応に成されており、原作よりもポリゴンが細かくなった他にも、ハードの性能によりキャラの顔をテクスチャで表現していた『時のオカリナ』や携帯機などの作品群のキャラにもまぶたや口が表現されるようになり、表情の自然な動きも可能となった。

''メリハリのある戦闘''
-本作はジャンプのかわりに3Dゼルダおなじみの回避行動ができる。それとウィークポイントスマッシュの存在により「避けて反撃」というメリハリある戦闘が可能。
--3Dゼルダでおなじみの「L注目」も無双に落とし込まれている((先立った仕様は真・三國無双7にて存在していた))。ボス格との戦いは本家ゼルダに負けない遊びやすさ。
---「L注目」が出来る敵は、タートナックやギブドなど部隊長クラスの中ボスや、キングドドンゴやゴーマ等のボスクラスの敵のみに限られる。ボコブリンやスタルベビー等のザコは本当に膨大な数が出るので注目対象にならない。
---また今作は押しっぱなしのみで「L注目」するホールドモードがなく、切り替え式に固定されている。ZLを使用する事もあり、また操作の方に集中しやすくするためだろう。
--それでいて巨大ボス以外はかなり育っていればゴリ押しでもいけないことはないのが無双らしい。

-無双で巨大ボスというと[[テンポが最悪>ガンダム無双2]]な前例があるが、ウィークポイントスマッシュを交えたゼルダ流のボス攻略のおかげでストレスは少ない。育成次第ではスマッシュ一発で必殺するということだって可能。
--特定エリアに閉じ込められて戦闘を強制されることは少ない(一部雑魚が出現しないアドベンチャーモードのマップのみ)。ミッションにもよるが無視することも可能。モードによってはむしろ無視したほうがクリアしやすいステージまである。
--『ゼルダ』未経験のプレイヤーはアイテムの使いどきがわからず戸惑うかもしれないが、レジェンドモードでは味方キャラがヒントを出してくれるので安心。

-広範囲を攻撃できる無双乱舞もとい「必殺技」や、一定時間様々な強化を受けられる覚醒システム「魔力開放」もメリハリを増すことに一役買っている。
--魔力開放中は、必殺技が中ボス~大ボスに強制的にウィークポイントゲージを出現させる「ウィークポイントダウン技」に変化する(こちらは必殺ゲージの代わりに効果時間を全消費する)。~
ただし魔力ゲージはドロップアイテムでしか回復しないため、ここぞという時に決め打ちするのが無難。
--効果時間中に敵を一定数撃破することでボーナスが与えられ効果時間も延長される。効果時間の終了時に、ダウン技とは別のフィニッシュ攻撃が発動する。

''多彩に差別化かつ強化されたアクション''
-各キャラクターの動きに特徴が出ているのは前述のとおりで、その他にも戦国無双シリーズのようにキャラ・武器種ごとに弱・強攻撃の数が違い、また強攻撃1は各武器に設けられた固有の仕様の「特殊攻撃」になっている。
--特殊攻撃には物を持ち上げる「グローブ(リンク)」や、溜めた聖なる力を消費して強攻撃を強力な技に変化させる「細剣(ゼルダ)」、相手をマーキングして強攻撃を強化する「魔剣(ギラヒム)」などがあり、それ以外にも隠された仕様があるものもいる。&br()これらを理解し使いこなすことで強さの価値観が変わってくることが多々あるので、上達を実感できる。
--謎解き要素が減ったと言われる本作ではあるものの、解明すべきものはむしろ自分のアクションの方に多い。巨大ボスのウィークポイントゲージの削り方や拠点内の敵を効率よく殲滅する方法など、武器と状況によって使うべき技をプレイヤー側で見定めていくことが要点となる。

-アクションそのものの数も多く用意されていて、初期のバージョンからある武器だけでも『無双OROCHI』や『無双スターズ』といった他の無双からの使いまわしがあるものを除けば''無双一作目で最多の数''となっており、バリエーションだけでなくボリュームも豊富。
--それでいてモーションの内容が少ない、技内容が被っているなどもなく、むしろ武器の一つ一つがこだわって作られたものだと感じさせる出来となっている。

-基本のアクション部分も従来の無双と比べて技バランスが調整されており、今まで大抵の場合死に技とされてきた単発強2や弱〆にも、範囲や威力・素早さなどの強化による調整がなされている。&br()特に強2は自身が浮かない技なら弱攻撃でキャンセルができるようになり、打ち上げも真上ではなく遠目の敵にはわずかに手前に引き寄せる方向に変わったものがある、そして大抵はウィークポイントの表示時間延長ができるためコンボパーツとしての価値が大幅に上がった。
--その他には後半の強攻撃ほど範囲や威力とともに隙も大きくなるバランスでほぼ固まっているので、前半の強攻撃や前述の弱〆を使う意義が相対的に上がり、個々の武器で無駄となる技が少なくなった。
--また、無双シリーズにありがちなキャラ(武器)ごとの格差も大きくはなく、強キャラ・弱キャラはいるものの「弱すぎてロクに戦えない」といったものはなく、どの武器にも概ね強みがあるので気兼ねなく使えるようになっている。

''わかりやすく落とし込まれた『無双』のシステム''
-救援要請があった場合、大苦戦している味方の周囲に光のサークルが現れる。ここにプレイヤーが入ると救援成功となり、その味方のライフが全回復する((『真・三國無双6』以降で、苦戦している味方に接近することでその味方を一度だけ回復させることができる仕様を元にしている。))。ただし、同じキャラの救援は2回までで、大苦戦していたら駆けつけてまた体力を回復させるといった所謂ゾンビ戦法はできない。
-本作に士気はないが代わりに戦意こと『やる気』が存在し、特定の条件を満たすことで敵・味方のやる気が増減し強さが変わる。またやる気の高いキャラクターは体が発光し、やる気の無いキャラクターは体色が暗くなるという一目瞭然の視覚効果も有り。
--3段階であるだけに戦況へのやる気の影響は非常に大きい。自軍のやる気が高ければモブが敵将をも平気で倒すが、反対にやる気が低いとどんどん押し込まれてしまう。これは総大将や本拠地も例外ではない。

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**賛否両論点
''ストーリーについて''
-基本的には王道で、意外な展開もあって楽しめるが、一部で妙なことになっている。
--ネタバレになるので具体的には伏せるが、ミドナの扱いやシークの行動が少々おかしい。お祭りゲーなのである程度は仕方ないとも言えるが……。
---また、物語中盤ではリンクおよびゼルダのマスターソードにまつわる洒落にならない大チョンボにより世界が大変ヤバいことになっているが、そのことを咎められたり反省したりする描写もなし。その危険性については作中でハッキリ指摘されていることなので、「良かれと思ったのが裏目に出た」などというレベルではなく完全なるうっかりミスとしか解釈できない状態である。

-また、オリジナルキャラクターであり、ストーリーの中核を担うラナ・シア両名の描写もイマイチ。
--無双というゲームの性質上仕方のない点はあるだろうが、ラナはイベントシーンと戦闘中の言動が違いすぎるため「本当に善の存在なのか?」などと感じることも。シアも動機・理由こそはっきりしているが、不可解な行動が多い。

-本作は過去のゼルダシリーズ3作のクロスオーバーでもあるが、過去作同士のクロス要素はほぼ皆無。せいぜいファイ加入時に意味深な台詞があったり、ギラヒムとガノンドロフの絡みがあるくらい。

''巨大ボスの仕様''
-本家同様にチャンスを作り、ウィークポイントスマッシュで倒すのはやはり面白い。
--一方でそのためには特定の行動を待たねばならず、能動的に敵軍をなぎ倒していく『無双』とは少しズレていると感じることも。~
無双7のストームラッシュとヴァリアブルカウンターを融合したようなシステムだが、大ボスにそれ以外の攻撃はほぼ全く効かないので攻略の重要度は雲泥の差。
---本家ゼルダではボスとの一騎打ちを制せば一段落なので達成感があるが、今作ではそもそもボスと戦う回数が本家の比ではなかったり、複数を一度に相手にすることがあったりと、『ゼルダ』とも違っているのも面倒に感じる原因だろう。
---巨大魔獣の多くは、HPが50%程度を下回ると攻撃パターンが追加される。それだけなら良いのだが、問題はその追加パターンのほとんどが隙を見せない(アイテムが効かない)一方的な攻撃なこと。~
運悪く追加パターンを出され続けると1分以上も待たされてしまうことすらある。
---とりわけテスチタートは複数のキャラを相手にしている状態では一方的な攻撃の使用率が上がるうえ、アイテムが効くチャンスまで味方に潰されるため、3DS/Switch版ではフェアリースキルで魔力を調達し魔力開放→ウィークポイントダウン技で手間を省かないと極端に時間を取られる恐れが強い。

-巨大ボスの1体である「封印されしもの」の仕様は他と少し違い、アイテムを使用せずにウィークポイントゲージを出現させることができる。しかし、WiiU版ではどれだけラッシュをかけてもゲージを半分削ったところで強制終了して這いずり攻撃に移行する。
--このため、這いずり攻撃の待ち時間も合わせると他のボスよりかなり逃げ回らないといけない時間が増えてしまい、展開を冗長にしている一因となっている。

''黄金のスタルチュラ''
-上で述べたように、マップごとの収集実績要素として存在。マップごとに何らかの条件を満たすとマップ上に一定時間出現し、時間切れになると消えてしまう。
--その出現条件はマップによって異なるものもあるが、共通して多くのマップに設定されている「1000体撃破」などは、大抵そのマップが大詰めな段階で達成することになる。
---敵の本拠地に攻め込んだり、味方の救援を急がねばならないときに、スタルチュラ回収のためにわざわざ寄り道せざるを得ないことも。

''協力プレイについて''
-基本的にはどのステージでも協力プレイができ、画面分割もない。
--しかし、2人が別々の場所に向かうと敵の沸き方がかなり偏ることも。また、フレームを減らしているためか、動作が結構カクカクになったりもする。
---1人用とほぼ同じ画面の広さを実現しているのもそう感じさせる原因であろう。

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**問題点
''素材''
-それぞれのバッジには特定の素材が必要であるため、普通にプレイしていて足りない分は、集めやすいマップを周回して集めることになる。
-しかし、素材を落とす代わりに武器を落とすこともある。出現敵数が少ないマップでは特に影響が大きく、大型ボスを3体倒してもそれがすべて不要な武器ドロップだと目も当てられない。
--また、素材にはレア度が存在し、1種の敵につき2種類の素材がある。レアな側の素材を集めるのはなかなか苦労する。
--バッジコンプにはかなりの数の素材が必要だが、主要なものさえ揃っていればゲームを進める分にはさほど問題はない。

-アップデートにより、クスリレベルが最大の時にかなりの高確率でレアな素材を落とすようになる「レア素材薬」が作成できるようになったため緩和された。

''アドベンチャーモードの戦績評価''
-前述のように、新武器や隠しキャラクターを使うには「クリアタイム」「撃破数」「被ダメージ」による評価で同時にSランクを取る必要がある。3つの部門でどれか一つでもA以下があるとNG。
--ここまではいいのだが、最大3項目もあるのに、ステージ毎にSランクに必要な数値がゲーム中で一切表示されない。攻略サイトなどでステージごとのSランクの基準を知る事ができるが…。
--また被ダメージの項目がなかなか厳しい固定値で((多くのステージで4,000(ハート10個分のロス)を超えてしまうとAランク確定))、せっかくハートの器でハートを増やしても制限があるのでは意味がないという声もある。
---また「スリリングバトル」とDLCマップの裏ルール「攻撃をすべてかわせ!」では''一撃喰らうだけでハート残り4分の1まで体力が減る''、つまり一撃でハート10個以上減るためこの時点でSランクは不可能。前者は敵も同じく一撃で倒せるため名前の通りスリリングで済んでいるのだが、後者は敵は普通の強さのままのため、後述の救済要素を使わないとかなりキツい。
---今作では雑魚の攻撃が緩く、ボスクラスの敵の攻撃も見切りやすいように作られているので、ゲームに慣れていけばノーダメージも目指せるような設計にはなっているのだが、無双でそのようなシビアなルールをマップ攻略に強制するのはズレているとして不評。
本作は雑兵の表示数によるステルスが無双シリーズの中でも起こりやすく、油断するとすぐ背後にワープされて囲まれることが多い。不意の被弾に怯えながら敵を丁寧に処理しなければならないこのルールとはかなり相性が悪い。
---一応、救済要素としてアップデートで薬レベルが最大時に次の戦いが終わるまで全てのアイテムが強化状態になり続ける「アイテム強化薬」が追加され、これを使って回避→強化弓を繰り返せば初心者でもノーダメージクリアがしやすくなっている。
---レジェンドモードの辛口はかなりダメージが痛い、DLCの裏冒険マップのガード禁止ルール、ガノンパックのサバイバルバトルでは被ダメージが評価対象外のバトルもあり、ハートが完全に無駄ということはないのだが……。

''コッコ''
-おなじみ「コッコ」は攻撃すると敵対するのだが、伝統を通り越して迷惑なものもいる。
--具体的には、''自分の後ろをひたすらついてくるコッコ''。必殺技などの広範囲攻撃でうっかり巻き込んでしまうと、仲間を呼んで一斉に襲いかかってくる。通称「''当たり屋''」。
--敵によって子コッコと親コッコの合流が失敗すると親コッコが怒りにより最大まで強化され「全ての勢力と敵対」と表示されるが、速攻で操作プレイヤーに進軍してくる。
--攻略上占拠しなければならない砦で2羽の縄張り争いが発生したりすることも。更にその争いがある砦に入ると暫く閉じ込められる。
--コッコは他の敵と比べ高耐久、高火力を持っている為、相手していると時間が掛かったり、攻撃を一発食らうだけでSランクが厳しくなってしまう等厄介。
--そもそも原作におけるコッコはプレイヤーの後を追尾するようなことはせず、あくまでプレイヤーが不注意もしくは故意に攻撃した時に逆襲してくるというのが特徴である。
---この点、シリーズをよく理解していると評価される本作の中で、唯一原作を理解していないと批判的にみられている。

''ザントのウィークポイント''
-ビックリする程ゲージが出ない。だいたいの場合ウィークポイントゲージは隙の生じる技の硬直に合わせて出るのだが、ザントは他のキャラクターとアクションの構成がやや異なるためゲージの発生条件も一癖ある。
--具体的に言うと、「ザントは強攻撃2~6を連続で出し続けることができるが、使いすぎると疲れきって動けなくなる((プレイヤー使用時は強攻撃の連続使用によるスタミナゲージが可視化されているが、進行したゲージを戻すことで特殊攻撃を使用できる。))」という特殊な仕様になっている。NPC登場時も同様であり、敵で登場した場合はザントが動けなくなることがウィークポイントゲージの出現条件になる。
--故にザントの強攻撃をガードして技を使わせ続けることでウィークポイントゲージの出現を促せる……のだが、このことに気づかず回避するとザントが攻撃を切り上げてしまい、結果いつまでたってもゲージが出ないことになる。
--出現条件に気づいたとしても、すぐにゲージが出る他の敵と比べると時間も手間もかかるのに変わりはない。

''テスチタート触手について''
-テスチタート触手が出現すると「戦場各地に種攻撃」か「味方本拠地に種攻撃」を行ってくるのだが、前者の場合、「戦場各地」と告知しているにもかかわらず''プレイヤーもしくはその付近をピンポイントで攻撃してくる。''((正確には「まっすぐ走っていた時に到達するであろう場所に攻撃する」という偏差射撃の仕様なので歩きやガード移動だと当たらなくなる。また、屋内の判定がある場所だと降って来ないようになっている。))喰らうと(ネールの愛2以上のバッジが無ければ)吹っ飛ばされてしまい、ネールの愛バッジの効果で吹っ飛ばされなくてもダメージが移動する度に蓄積されていくのでストレスが溜まる。砦内にいる間は攻撃されないが、砦の外に出ると再び狙撃される。一応シビアながらも回避行動でかわすことは可能で、攻撃の仕様からジグザグ走行をすれば当たりづらくなるが、それでもリスクは拭い切れない。
--後者の場合はそれほど削る速度は早くないものの放っておくと味方本拠地を落とされて敗北してしまう可能性があるので、その時に早期決着ができる自信がないなら無視できないのだが、前者後者どちらの場合においてもテスチタート触手の攻撃を止めるためだけに戦場を右往左往しなければならないためテンポが悪くなる原因になる。
--テスチタート触手がどの砦内に出現するかは本拠地以外の敵砦、''すべて制圧した場合は味方砦すべて''の内からランダムとなっているため、運がいい時や後半に発生するイベントの場合はそれを見越してあらかじめ敵砦を一つ残して制圧しておくと同じ砦に複数出現するため多少は楽になるが、基本的には撃破のために戦場を縦横無尽させられる。

''L注目の仕様''
-複数の敵がいても基本的には正面の敵を捉えられるのだが、それに関係なく大型ボスを優先してしまい、結構な距離が離れていたり真後ろであってもターゲッティングが吸われる。
--そのため、大型ボスから距離を置きつつ別の敵を相手にするのが難しくなっている。
--右スティックによって注目対象を変える機能はあるのだが、どうにも反応が悪く、思うように切り替えができなかったりする。

''同名だが外見が異なるキャラクターについて''
-「真のミドナ」や「子供リンク」といったキャラクターは、ゲーム中で普通に「ミドナ」や「リンク」と表記される。その為、戦況テロップが流れた際に事前に把握しておかないとどちらなのか判別できない。
--とはいえ弱点となる属性も、落とす素材もその同名のキャラと全く変わらないので、この時点では大した問題とはなっていないのだが。
--3DS移植版のハイラルオールスターズでは「トゥーンリンク」や「トゥーンゼルダ」の追加、アドベンチャーモードでの敵/味方として出てくる機会の増加、素材の固有化等の要因により、更にこの問題が顕著になっている。

''遭遇率が高い不具合の存在''
-現在はアップデートにより改善されたが、回避が極めて困難な不具合がいくつか存在した。
//誤解を生む改編はやめよう。進行に関わるバグは確かにあったが『回避不可』なものではなかったぞ。

''オンラインマルチプレイが存在しない''
-近年の無双シリーズのほぼ全てに実装されていたオンラインでのマルチプレイに本作は非対応。

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**アップデートとDLCについて
//アプデとDLCについてはこちらへ。たとえ予定が発表されていても実装されるまでは執筆禁止ということなので、予定についての執筆は控えるようお願いします。
-発売当初は、フリーズ・最大体力減少バグ・ムービー挿入によるカメラの誤作動など、回避が難しいいくつかの不具合が存在した。
--2014年11月現在、アップデートによりどれも修正・改善されている。
--2014年11月27日のアップデートにより、amiiboに対応。『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどの「リンク」「ゼルダ」「ガノンドロフ」「シーク」等からはキャラクターに応じた武器が、その他のamiiboからはランダムで武器やルピー等がもらえる。1日5回まで使用可能。
--その他、敵専用キャラであった「シア」「ヴァルガ」「ウィズロ」がプレイアブルキャラとして参戦、2014年12月現在ではレベルや素材所持可能数の上限も上げられている。
--2015年1月29日のアップデートにより公式が予告した内容の他、ダメージ時に表情が付く、一部のキャラの技が強化などの変更が行われた。

-有料DLCとして、追加シナリオや追加アドベンチャーマップ、追加キャラクターや各キャラクターの武器やコスチューム等が配信されている。
--追加アドベンチャーマップの1つ「裏冒険マップ」はそのまま初代裏ゼルダのオマージュ。&br()通常の「アドベンチャー」のマップと同じマス数だが、通常にはなかった特殊ルールが追加された高難易度ステージに、各キャラクターの新しい武器やコスチューム等が報酬として用意されている。&br()通常のアドベンチャーマップと並行して進める事も可能。
---追加マップの新ステージとして、撃破数(ひいては経験値・素材)を一定時間内で稼ぐ『暴風!ラッシュバトル』が存在する。さらに高難易度だが「黄昏マップ」のバトルは素材のドロップ数が2倍、「タルミナマップ」のバトルは武器の最大ドロップ数が2倍になるなど、稼ぎ要素としての側面も持っている。
--他にもパックに応じてリンクの武器「エポナ」、ゼルダの武器「コピーロッド」、新キャラクターの「真のミドナ」等のコンテンツも用意されている。特に「子供リンク(鬼神リンク)」は魔力開放に特化したキャラであり、原作以上の無双っぷりを味わえる。
---なおこのうち子供リンクはリンクの代わりに台詞を喋るキャラが原作のチャットではなく、通常のリンクと同じプロクシィとなっている。プロクシィの台詞が既に時のオカリナで勇者になっている子供リンクに向けた台詞として違和感がある事もあって、この点を残念に思うプレイヤーも多い。
--追加マップだけでもかなりのボリューム。長くやり込んでみたいのであれば、思い切って「オールインワン まとめてお得パック」を買ったほうがお買い得である。

//必要に応じてDLCについての追記をお願いします。

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**総評
『無双』の爽快感をそのままに『ゼルダ』の要素をほぼ無理なく落とし込んだ本作は、双方のファンにとって新鮮で楽しめる良作に仕上がっており、これまで凡作から一歩躍り出られなかったコラボ無双の一作としては、会心の出来であることに疑いの余地はない。

任天堂のゲームシリーズでは非常に稀有な他社主導の制作であり、発売も開発もコーエーテクモゲームスに委ねていることによって、第三者の視点から観た『ゼルダ』シリーズに対する愛を感じられる。~
そしてレジェンド・アドベンチャーの両モードを遊び尽くすだけでもかなりのボリュームがあり、不具合や不満点も少なく抑えた上で、アップデートによってさらに盤石になっている。

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**余談
-『スカイウォードソード』最終盤にて、無数のボコブリンをなぎ倒しながら突き進むというシーンが存在する。当時は「まるで無双みたいだ」などと言われていたが、''本当に無双になってしまう''ことなど誰が予想しただろうか…。

-通常版のほか、設定資料や小物、コスチュームのDLキー((後に単品で有料配信されている))などが同梱されたプレミアムBOXや、数量限定でさらに豪華なトレジャーボックスも販売していた。
--この設定資料集に載っている「リンクの妹的な存在」だったという没キャラクター「リンクル」は、まさに女の子版リンクという可愛らしいデザインでちょっとした話題になった。~
結局「既にラナや敵キャラがいる中、あまりオリジナルキャラを増やすのは良くない」という理由で採用はされなかったが、公式ツイッターが「追加配信してほしいキャラ」のアンケートを行なった際にはリンクルに結構な票が集まり、後の『ハイラルオールスターズ』への参戦に繋がっていく。

#region(一応、オリジナル作品のネタバレ注意)
-「リンクル」という名前自体の元ネタは『トワイライトプリンセス』で記憶喪失になったイリアがリンクと再会した際に間違えて言った呼び名のこと。~
プレイヤーが決めたリンクの名前の後に「ル」が加わるという仕組みで、当初はチンクルとかけたネタのつもりだったとされる(実際、雑誌の投稿などで同様のネタは以前から存在していた)。
#endregion

-2016年1月21日に3DS版『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』が発売。詳細は後述。
--こちらでは新キャラとして『風のタクト』から&bold(){テトラ・ハイラル王・トゥーンリンク}の三人、またオリジナル版の時点で使用したいという声が大きかった『ムジュラの仮面』の&bold(){スタルキッド}のみならず、没キャラながら人気を集めた&bold(){リンクル}も参戦。
---購入者特典としてこれら追加キャラと追加武器をWiiU版でも使用出来る様になる。後にDLCとして単品配信された。
---また、3DS版のアップデートに合わせる形で本作・3DS版両方のプレイアブルキャラに『風のタクト』から&bold(){メドリ}が追加された。こちらはアップデート付属の無料配信となっている。

-2018年3月22日にSwitch版『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX』が発売。
--全ての追加コンテンツが初めから収録されている。

-ゼルダ姫のプレイアブルキャラ化および、任天堂以外の発売したゼルダシリーズは当然ながら国内初の事である。~
…が、実は欧米においてはこれらは約20年ぶりのことだったりする。日本では未発売のその作品は、今となっては完全なるシリーズ黒歴史だが…。~
気になる人は、「CD-i ゼルダ」で検索…ただし色々とインパクトが強い為、自己責任でどうぞ。

-2020年11月20日に第二弾『[[ゼルダ無双 厄災の黙示録]]』がSwitchで発売。
--クロスオーバーではなく、『ブレスオブザワイルド』の前日譚関連作品となっている。

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*ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ
【ぜるだむそう はいらるおーるすたーず】
|ジャンル|アクション|&amazon(B0157YGMMS)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス&br()(オメガフォース/Team NINJA)|~|
|発売日|2016年1月21日|~|
|定価|パッケージ:5,800円&br;ダウンロード:5,143円(各税別)|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|WiiU版以上のボリューム&br;没キャラのリンクルが実装&br;New3DS前提のスペック|~|
|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズリンク>ゼルダの伝説シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[無双シリーズリンク>無双シリーズ]]''|

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**概要(3DS)
新キャラクター、新シナリオ、新システムなどを追加した3DS移植版。WiiU版のアップデートとDLC関連をほぼ全て封入している。

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**WiiU版からの追加点
-新キャラクターと武器
--新たに風のタクトから「テトラ」、「ハイラル王」、「トゥーンリンク((リンク同様喋らず、妹のアリルが代弁する))」、ムジュラの仮面から「スタルキッド」、そしてオリジナル版で没キャラとなっていた「リンクル」が参戦し、ガノンドロフに新武器「トライデント」が追加された。
--新アイテムとして周囲の敵を気絶させる「ハンマー」と起動させた大翼の像に瞬間移動出来る「オカリナ」が追加。

-新シナリオ
--風のタクト編と緑衣の少女編が追加。
---風のタクト編はWiiU版のED後の後日談、緑衣の少女編はストーリーの裏側といった立ち位置。緑衣の少女編ではWiiU版でDLCだったキャラも登場する。
--また従来のストーリーには無かったサブミッションが追加されている。
---失敗しても戦況には大きく響かないが達成すると有利になる。
--スタッフロールは風のタクト編かアドベンチャーマップクリアが条件となった。

-新システム
--3DS版独自のシステムとして、操作キャラを交代する[[戦国無双 Chronicle]]のシステムを採用している
---操作していないキャラには命令で特定の場所に行くよう指示したり出来る。
--操作可能なキャラが1人でも敗走すると敗北なので注意。
--複数の操作キャラが巨大魔獣に近づくとスマッシュブーストパワーが発生し、魔力が回復したり、ウィークポイントゲージを削り易くなる等有利な効果が発生するようになった。

-アドベンチャーマップに「風のタクト」が追加。
--冒険マップをクリアすると出現。

-自分だけの妖精を育てる「マイフェアリー」。
--アドベンチャーモードのどこかのマップにおいて、特定の壺の中にいるマイフェアリーを手に入れることで出現。
---予め名前が設定されるが自分で決める事も可能。
--戦闘中魔力を消費しフェアリーマジックで周囲の敵を大量に倒せたり、レンタルスキルで体力や必殺技ゲージ・魔力ゲージを回復したり、ダメージを一定量無効化する((ダメージ無効化型のスキルである「絶対水壁」「連続水壁」は、スリリングバトルや「攻撃をすべてかわせ!」ルールでも激化前の被ダメージを耐久値について参照する仕様のためかかなり強力に働くことがある。))等、戦闘を有利に進められるようになったり、特定のルールを格段に楽に出来るようになる。
---フェアリーのレベルが一定の値に達する事で、フェアリーマジック使用時に一定時間結界を張る効果が追加される。属性によってその範囲内では味方の体力が回復したり、敵の防御力を低下させる等有利な効果が得られる。
--サロンで衣装を着替えることで、ダメージ量アップや魔力の消費ダウンなどフェアリーマジックを強化したり、ダイニングで戦闘中手に入れたフードを食べさせる事で5つの個性とレベルが上がり、伸びた個性に応じて新たなレンタルスキルを覚えたり出来る。
---フードも素材同様レア度があり、アドベンチャーマップの一部でどこかの壺から入手できるものは必ず金食材。金食材を手に入れてからは、銅・銀ランクの同種食材が敵からドロップするようになる。
--レベルが最大まで上がると個性の伸びは止まるが、リフレッシュする事により10%の数値を引き継いで1から育て直せる。
---この際に名前変更をしたり、育てる個性のうち一つを別のものに変えることが出来る。
リフレッシュする度に引き継ぎ数値は蓄積されて少しずつ上位のスキル習得に近づいていく他、フェアリーマジックは一旦追加効果が無くなる代わりに威力が1%ずつ上がっていく。

-その他
--武器の新スキルや新キャラの素材が追加。

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**WiiU版からの変更点
-レベル4の武器がドット武器から裏武器に変わり、武器の攻撃力の上限が大幅に上げられた。
//アップデートでレベル上限が上がったので編集

-調合薬の必要素材やルピーが一部変わった。
--主にWiiU版のアップデートで追加された調合薬の要求が銅から銀素材に変わり、あまり出番の無かった銀素材の価値が上がった。

-アドベンチャーモードのバトルで戦場情報から宝箱が隠されている砦が分かる様になった。
--これにより片っ端から制圧して探す必要は無くなったが、中身は出てくるまで分からない。

-リザルフォス等の隊長系の敵モンスターの必殺技発動中に特定のアイテムが表示されるようになり、それを当てる事によりウィークポイントが出せるように。
--この仕様はWiiU版でも存在したが、アイテムの表示も含めそれに関する説明が一切無かった為、このことを知っていた者は殆ど居なかったと思われる。

-ザントと封印されし者のウィークポイントの調整。
--一部の強攻撃後に直接ウィークポイントゲージが出るようになった。
--封印されし者は半分削っても強制的に這いずり攻撃はしなくなった。

-巨大魔獣のウィークポイントスマッシュの簡略化。
--今作では全キャラ共通で衝撃波が出るように変更。周りの敵も巻き込むのでフィニッシュと同時に多くの敵を倒せる。
--ナルドブレアにフックショットを当てるとすぐ落ちるようになった。

-その他
--アドベンチャーマップでSランクを取ると、そのステージのキャラ・武器制限が撤廃されるようになった。
--一般兵系の描写フレームレートが減少。
--スタルチュラの出現条件やハートのかけら等の報酬が一部変化。
--アドベンチャーマップでのクリアタイムのSランク基準は、旧3DSでプレイすると20分に変わる。
--一部のキャラの技の簡略化
---ラナの武器『召喚の扉』は巨大魔獣を召喚していたが、本作では光る玉に変更された(性能は変わっていない)。
--魔力解放時のBGMがWiiU版ハイラル平原の魔力解放BGMで固定となり、それに伴いWiiU版に存在したリアルタイムで曲調が変化する機能が無くなった。

-削除された点
--チャレンジモードとガノンパック関連が未収録。
--調合薬の素材選択する際のおまかせ調合が無くなった。
--BGM選択機能が削除。

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**評価点(3DS)
-WiiU版の評価点はほぼ維持出来ている。

-WiiU版を超える大ボリューム
--WiiUのDLCに加え更なる追加要素により長く遊べる。
--アドベンチャーマップはごほうびを除くと5つ。

-大翼の像により移動手段が快適に。
--ただし全てのバトルである訳ではない。

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**賛否両論点(3DS)
-一部演出の簡略化
--前述の通り巨大魔獣のウィークポイントスマッシュが簡略化された。
---良く言えばテンポが良くなったが、悪く言えば演出が地味になったのでこの点は人によるだろう。
---ちなみに3DS版初出のキャラはWiiUやSwitch版ででちゃんと巨大魔獣用ウィークポイントスマッシュの固有演出が用意されている。
--ただし、ラナの召喚の扉は前述のように演出が簡略化され過ぎて面影が無くなってしまっている。

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**問題点(3DS)

#region(アップデートにより改善済みの問題点)
-操作していないキャラのAIが少々頭が悪い。
--命令を出しても稀に無視したり、敵に向かうよう指示してもその敵が進軍している際にすれ違ってもスルーして、指示を出したときの位置に向かったりと不便。
---ストーリーではミッションが開始すると強制的に動いたりはする。
--更に巨大魔獣に対して指示を出すと闇雲にひたすら攻撃する影響で、巨大魔獣が延々と弱点を出さない行動ばかり出してしまう事になる。
---再度その敵の近くや操作キャラに行くよう指示を出せば攻撃はしなくなる。
--アップデートでボスの行動調整や敵をスルーする行動は改善されたので、以前よりはマシになっている。それでもテスタチートは他の操作キャラを近寄らせてはいけないレベルの地雷だが…

-一部の敵の攻撃を受けると操作キャラがずっとスローになり続けてしまうバグがあった。
--他の技を受けたり、キャラチェンジする事で直る。

-調合薬の「レア素材増加薬」を使っても金素材が全然出て来ない。

-レンタルスキルがとある方法で無限に使用可能になるバグがあった。

-ストーリーモードのステージ2でボムチュウが爆発せず進行不可能になる事がある。こうなってしまった場合はやり直すしかなくなる。
--その他WiiU版の初期の頃と同様フリーズする事もあった。

-発売当初の時点では、セーブデータが一つしか残せないにもかかわらず、それを削除することができなかった。

-マイフェアリーを育てる為のフードが一度のバトルで手に入る量が少ない。
--一部のアドベンチャーマップで壺から手に入るフードを除き、1個しか手に入らない。
---壺に関しても、取れば取るほどリポップが遅くなる。
---調合薬で出現数を増やすことも可能だが、それでも2個だけと少ない。
--ちなみにこれは普通にプレイした場合であり、ステージクリアした後ゲームを終了して再開すると、クリアしたステージのフードが取れる状態になっているので、これを利用すればある程度不満は解消される。
--現在はアップデートによって複数手に入るようになった為、多少マシになった。
#endregion

-ストーリーの黒の魔女編で矛盾が生じている。
--本作の獣姿のミドナはシアによって変えられたとされているが、会った時には既に変えられておりザントと争っている。
--この点はWiiU版のDLCの内容だが配信時点ではまだ真の姿のミドナは出ていなかったのであまり指摘はされていない。
---しかし本作では真の姿は初期で入っているにも拘らずWiiU版の内容からそのまま使い回しているので指摘されている。

-レジェンドモードでは2~4番目に操作するキャラの武器を変更できず、直前に使っていた武器になってしまう。変更するためにはそのキャラを一旦1番目に選び、装備を変更した上でキャンセル(もしくはクリア)しないといけない。
--またステージ解禁時点では未解禁のキャラ((ルト、ギラヒムなどアドベンチャーモードで解禁される場合もある))を2P以降として操作する事がある。だが当然解放前のため強化する事ができない。

-レジェンドモードの登場キャラ。
--シナリオの都合とリンク同士の接触を避けるためか、子供リンクとトゥーンリンクなどの追加キャラは登場しない。特にトゥーンリンクは追加シナリオが風のタクト編にもかかわらず登場しない。ついでにチンクルも登場しない。
---またリンクとリンクル、ゼルダとテトラも同時に登場する事がない。

-調合薬関連
--多い素材から自動的に選ぶおまかせ調合が無くなっている。自分で全部選ばなければならないので地味に不便。
--wiiU版から元DLCマップ含めマップの数が大幅に増えた事で、薬や封印スキル解放に必要な黄金のスタルチュラが大幅に増えた。具体的には最大のレベル5に必要なスタルチュラが45→90と倍になっている。
---そしてwiiUで救済措置として登場した「アイテム強化薬」や最終的な必須スキルの「攻撃加速」がレベル5のため、ここまで凄まじい時間がかかる。

-新アイテム「ハンマー」の登場による問題
--新ボスである「ジークロック」に有効なハンマーの判定が少しシビア。
---くちばしを地面に刺した時にハンマーで頭を叩くことでウィークポイントが出るのだが、近すぎたりすると叩いても外れ判定になったりする事がある。
--新モンスター「チュチュ」はハンマー以外で攻撃するとカウンターをしてきてダメージを受けてしまう。カウンターのガードや回避も無効。
---原作ではこのようなカウンター行動はせず、普通に剣でも倒せるため違和感を感じる。また、ダルニアやラヴィオの武器はハンマーだが、それとも関係なしにアイテムの方を使わなければならない。

-新システムのマイフェアリーの入手問題
--マイフェアリーはアドベンチャーマップでしか入手できないが((すれちがい通信で配信もされていた))、大半のプレイヤーが最初に入手するであろうマップには''アイテムとしてのフェアリーも登場する''。このため攻略スレなどでは「フェアリーを取ったのにマイフェアリーが手に入らない」という質問がかなりの数寄せられる事となってしまった。

-協力プレイが存在しない。

-SEがWiiU版から減少。特に魔法関連のSEはすべて普通の斬撃音に置き換わっており、一部攻撃の迫力がやや薄まっている。

-複数人でプレイするステージ
--操作キャラ以外のPCキャラが敵を撃破すると敵が何も落とさなくなる。
---スマッシュブーストパワーのために大型ボスに集まっていると、横取りされて無報酬という事も起こり得るようになってしまっている。
--絶対水壁やシークのバリアなどがキャラを切り替えると消滅してしまう。特に絶対水壁は1マップに1回しか使えないため、実質的にキャラチェンジを制限されてしまう。

-仕方ない事情はあるものの、ハイラル王(赤獅子の王)は原作ゲームのボイスを流用している((原作で声を担当していた丸山詠二氏が、本作製作発表から約3ヶ月後に亡くなったため))。そのため、他キャラのボイスと比べて棒読み感がやや強い。

-フェアリーマジックで闇の結界を張ると敵の体力が減少し続けるという便利な効果があるのだが、困った点が幾つかある。
--この闇の結界はいわゆるノーリアクション攻撃という実装のため、巨大魔獣のゴーマとテスチタートの行動が変になる事がある。
--ザントのウィークポイントスマッシュ、ゼルダのタクトの必殺技等、空中に結束する技を使用すると敵が斜め上に延々と上昇してしまい、技が当たらない。ただ一部のキャラではこれを利用してハメる事が可能。
---画面外まで離れてステルス表示になれば上昇は直る。
---ルトの必殺技は闇の結界の悪影響が非常に強く、敵を殆ど巻き込めなくなってしまう。
--デクババが結界内にいると一切地面から出て来なくなって倒せなくなる。

-WiiU版では「素材か武器のどちらかしか落とさない」という問題があったが、更にフードが追加された事でますますレア素材の期待値が下がる羽目に。

-アドベンチャーモード
--マップ毎の登場キャラの配分が悪い。
---最初のアドベンチャーマップ及びWiiU版のDLCマップの登場キャラに全く調整がされていないため、登場する敵キャラが大きく偏り、特に本作で追加された5人はそれらのマップに全く登場せず、素材を集め辛い。また風のタクトのキャラは大海原マップ以外ではまともに素材が出てこないため余計に集め辛い。
--同じく、それらのマップにはオカリナワープ用の大翼の像がない事が多い。
--マップの縮図
---上画面が広範囲、下画面が拡大となっているのだが、上画面でもあまり広い範囲が表示されず、それどころか縦方向は上下共に3マスと同じなため、マップ全体を見る事ができない。

-武器解放、封印スキル
--WiiU版ではストーリーモードと最初のアドベンチャーマップだけで全ての武器が揃うため、「ストーリー」と「アドベンチャー」を並行して遊ぶ余地がある程度できていた。
---しかし3DS版からはWiiUの''高難易度DLCマップ''を含めた5種類のマップに武器が分散されているため、最初のマップがスカスカになったうえに高レベル武器の入手が段違いに大変になっている。特に多くのLv2武器が集中的に配置されている"大海原マップ"はボスの対処に要するアイテムがストーリー終盤まで手に入らないため、「ストーリー」→「アドベンチャー」への図式をより強要する形になってしまった。
---ストーリー中盤で、この時点では桁違いの攻撃力を持つ武器がリンクに与えられるわけだが、他キャラの武器攻撃力がその水準に達するまでが間延びされ、戦力にかなりの格差ができる形となる。
---特に「マジカルスピナー(スピナーLv3)」の入手手段がそれ単体でも条件が悪化している。スピナーの使用を強要された上で条件が「攻撃を全てかわせ!」となるステージ(一撃受けると即瀕死、かつ敵の耐久力は通常通り)をクリアしなければならない((しかもこのステージはミッションが「孤立した味方軍団を救出せよ!」&結界拠点が2セットも存在するため、アイテム強化薬による強化矢ゴリ押しも一筋縄では通らない。))ため、スピナーによる遠距離攻撃のコツを掴まない限りは一撃瀕死ステージの苦行が助長されている。
まともにやるならフェアリースキルの「絶対水壁」「連続水壁」のどちらかは必須である。
--また、3DS版はWiiU版と比べて敵の出現数が減ってしまっているのだが、封印スキル解放のための撃破数はWiiU版から調整なし。
---特に問題なのはマスターソード及び伝説の力((マスターソードの封印解放が最低条件))。撃破回数がダントツで多い事に加え、WiiU版では武器61種類を入手する事が解放条件だったのだが、3DS版では129種類入手必須と、段違いの面倒くささになっている。
--また、フェアリーマジック自体は画面外の敵も倒せるのだが、ステージのランクに関わる撃破数の方は見えない敵を含めた分加算されるのに対し、封印スキルのカウントは画面内に見える範囲の敵しか撃破数に加算されないという仕様違いまで存在する。

-全体的にNew3DSを前提とした作りになっている為、旧3DSでプレイすると操作性やWiiU版からの劣化点が目立ってしまう。
--New3DSでは画面内の敵の表示数やロード時間、目立つ処理落ちがあまり無い等WiiUに勝るとも劣らない環境でプレイできるが、旧3DSではどうしてもスペック上これらが劣化してしまっている。
--3D表示は処理の都合上New3DSのみとなっている。
--主にこれらの理由により、New3DSと旧3DSでプレイした人とで全体の評価が大きく分かれている。
---敵表示が少なくなる分クリアタイムの基準が緩和される等一応の配慮はある。

-幾重にも渡るアップデートが行われてきたが、修正されていない不具合が存在する。ポーズメニューから戦場に戻った際にロックオン対象が勝手に切り替わるものと、&b(){マリンの武器に「特殊攻撃強化」と「強◯強化」を付けても効果が反映されない}という現象がそれである。
--尚、アドベンチャーモードの一部マップでは敵として出てきたプレイアブルキャラの武器が別キャラの物になっている事があるが、こちらは仕様であることが判明している。

-コッコ関連や、ロックオンで大型ボスにターゲットが吸われてしまうなどWiiU版で不評だったいくつかの機能も修正されていない。

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**アップデートとDLCについて(3DS)
-上記の通り命令時のAIの悪さ、スローバグ等不満点が目立っていたが現在は改善。
--2016年5月の無料アップデートにより、風のタクトから「メドリ」が参戦した。
--WiiU版の頃からハートを増やす意味がないと言われていたが、2016年10月31日のアップデートにより、WiiU版発売から2年以上経ってハートの最大値が高ければ高いほど与ダメージが増える「ハート攻撃増」が登場した。解放に必要な5,000人撃破に見合うすさまじい倍率を誇る。

-WiiU版同様にDLCは本作でも展開。
--本作では主に携帯機の作品がテーマになっており、「風のタクト裏」、GBの「[[夢をみる島>ゼルダの伝説 夢をみる島]]」、DSの「[[無限の砂時計>ゼルダの伝説 夢幻の砂時計]]+[[大地の汽笛>ゼルダの伝説 大地の汽笛]]」、3DSの「[[神々のトライフォース2>ゼルダの伝説 神々のトライフォース2]]」のパックが配信されている。新キャラクター(新武器)として、マリン、トゥーンリンク(サンドロッド)、リンクル(ブーツ)、トゥーンゼルダ、ラヴィオ、ユガが追加される。また各キャラにレベル4の武器に属性を追加したレベル4+武器が登場。
--キャラクターと武器のみはWiiU版でも配信され、両方が一緒になった「まとめてお得パック」もある。
--DLCマップではプレイヤーに不利な要素しかなかったWiiUのDLCと違い、プレイヤーに有利な要素が登場したり、マップ自体の難易度も低難易度から高難易度まで幅広くなっている。
ただ、ルピーなどを稼ぎやすいステージの存在はまだしも''レベル3武器入手マップよりレベル4+武器入手マップの方が簡単''というキャラがいるなど、アンロック分布は明らかにアンバランスな点があるが。

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**総評(3DS)
WiiU版の評価点をそのままに一部改善点も追加要素の問題点もあるが、新たな作品の参戦によりまさにハイラルオールスターズといった膨大なボリューム。~
劣化点が目立つ旧3DSでも携帯機での無双としては十分だが、WiiU版と同じ様な快適さでプレイしたいのであれば、New3DSでプレイするのをお勧めする。

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*ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX
【ぜるだむそう はいらるおーるすたーず でらっくす】
|ジャンル|アクション|&amazon(B078Y3FRZJ)|
|対応機種|Nintendo Switch|~|
|発売元|コーエーテクモゲームス|~|
|開発元|コーエーテクモゲームス&br()(オメガフォース/Team NINJA)|~|
|発売日|2018年3月22日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|WiiU版と3DS版のいいとこどり&br;ごくわずかに劣化した点も&br;ボリューム過多で武器のランクアップが遠い|~|
|>|>|CENTER:''[[ゼルダの伝説シリーズリンク>ゼルダの伝説シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[無双シリーズリンク>無双シリーズ]]''|

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**概要(Switch)
上記のWiiU版と3DS版の完全版であり、基本的なシステムなどは3DS版『ハイラルオールスターズ』をベースにして、両方の要素を統合したバージョンとなっている。

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**特徴(Switch)
-3DS版になかった要素の復活。
--チャレンジモードやガノンモード、コッコモードなどWiiU限定の要素が復活した。
--同様に3DSでは簡略化されていたエフェクト関連もWiiU版準拠になった。
--ドット武器は一部キャラを除くレベル4+武器の見た目として採用。オプション設定から裏武器と同じ見た目に変える選択もできる。

-序章をクリアした段階でストーリーで操作可能なキャラの大半と、ほぼ全てのアドベンチャーマップが解禁される。
--アドベンチャーマップでは弱点アイテム未入手の状態で、巨大ボスに挑む事もできるが、その場合は予め注意が入るようになっている。

-アイテムカード屋の追加。
--アドベンチャーマップ毎に、一度入手したことがある探索用アイテムカードが一部以外購入可能となった。

-レベル4+がなかったキャラ(3DS版のDLCキャラ)全員にレベル4+武器が追加。全キャラを等しくやり込むことができるように。
--また3DSのDLCやアップデート要素は最初から全て導入済み。

-マイフェアリー
--レンタルスキルからフェアリースキルへと名称・仕様変更。3DSではセットしたスキル+すれちがい通信で加わったフェアリー3枠だったのが、1匹で4つ装備できるようになった。
--一枚絵だった外見が3Dになった。

-なおすれちがい通信を使った3DS限定の要素は流石にオミットされている。

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**評価点(Switch)
-かなりのボリューム
--WiiU限定のモードの復活に、3DSの追加要素が加わった事で、両作を上回るボリュームとなっている。

-WiiU版からさらに向上した画質
--WiiU版の時点で非常に美しかった画質がさらに向上している。
--3DS版から登場した要素であるマイフェアリーが3D化、2つの世界が融合したステージ"魔獣島""風と大地の神殿"やトゥーンレンダされた巨大魔獣"ジークロック"がHDで描かれ、よりリアルなものになった。

-WiiU版を超えるワラワラ感
--最新機種になった事で敵の数がさらに増加。3DSのフェアリーマジックも加わった事で撃墜数を面白い勢いで伸ばす事ができる。

-&b(){被ダメージ評価の基準が一律で絶対値から%に変更。}これによって被ダメージ評価が大幅に緩和され、レベルやハートを増やすことでSランクが取りやすくなるようになった。

-アイテムカード屋
--これが追加された事で探索がかなり楽になった。また制限時間があるムジュラマップではアイテムが出なくて詰み、といった事が起きにくくなった。
---さすがにムジュラマップの"時の逆さ歌"や黄昏マップの"光の雫"、コホリントマップの各種楽器といったマップごとの重要なアイテムカードは購入できず、これまで通り自力で手に入れるしかない。

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**賛否両論点(Switch)
-フェアリーマジックで炎属性好物の食料をLv50まで与え続けることで得るボンバー×2+魔力回復系のフェアリースキルの組み合わせが強すぎる。
--ボンバーはフェアリーマジックの効果範囲内において敵の防御力を下げる効果があり、それが2重にかかる事で大きく防御力が下がって後期アドベンチャーマップの深部における強敵にも目に見えてダメージが通るようになる。
---習得が困難であるとはいえ魔力回復系のレンタルスキルを最大で4種もセットできるようになれば、そのフェアリーマジックが連発可能となる。
--敵将の防御力が非常に高いため、Sランクに時間制限があるアドベンチャーではこれを縛るとかなりの苦行になる。

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**問題点(Switch)
-非操作キャラのAIが3DSの初期版並に悪い。
--3DSのアップデートパッチで改善された「指定したターゲットが動く→一度指定ポイントまで行ってから追いかける」という行動が修正されておらず、アプデ前のAIに戻ってしまっている。

-アドベンチャーマップのSランクの条件が可変になっており、不明。
--特に問題となっているのが撃破数。WiiU/3DSでは一律1200だったため明示されていないのは問題にならなかったが、本作では敵の数が増えた事やフェアリーマジックの存在から、必要撃破数がマップ難易度に応じて1000~1800の間で変動しているからである。
--撃破数だけでなく、各項目でSランクの評価ラインはマップ難易度によって変動している。
---一応解放前のエリアのカラーによってマップの難易度・評価レベルは決まっているのだが、そのエリアに入れるようになった時点でカラーが消えてしまい、それ以降は判別が不可能になってしまう。

-マスターソード・伝説の力
--内容としては3DS版と全く一緒の問題だが、3DSからキャラと武器が更に増えた事で、マスターソードの封印解除や、他武器の攻撃力大幅アップスキルの出現に必要な武器が215種類もある。3DSから100近く増えてしまった。
--さらに大半の武器の解禁がマップの遠い箇所に散らばっているうえ、((冒険マップにはレベル1の追加武器種のみ、レベル2武器は大海原マップの中盤以降、レベル3武器は裏冒険マップの後半、レベル4武器は黄昏/タルミナマップの後半、レベル4+と3DS追加キャラはコホリント/大冒険/タルミナに集中している。))レベル2以上の武器はストーリーの大部分クリア後を想定しているマップに存在するため、ただでさえ武器のランクアップが著しく遅く感じる。とりわけ3DS追加キャラの武器は他とマップが分かれている上、メドリに至ってはレベル4+以外の全部が高難易度エリアの裏大海原マップ((裏大海原マップにはメドリ以外の武器は存在しない。))にまばらに配置されている。
--また裏冒険・裏大海原のレベル3武器よりもレベル4+武器のほうが入手難易度が低いといったバランスの悪さもそのまま引き継いでしまっている。~
まずは一通りレジェンドモードを最後までやりきった後、「難しい」「辛口」マップをリンクを中心に突破していき、そこのレベル4~4+武器((一部の高レベル武器が手に入るステージは複数キャラを連れていけるため、リンクなど育成が突出したキャラを2番目以降に選んでの引率が可能。))を先んじて狙うようにするのが効率的になる。

-アドベンチャーマップでアイテムカード屋が追加されたことによる弊害。
--WiiU版や3DS版で充てられていたショップへ行くボタンがSwitch版ではアイテムカード屋へ行くように差し替えられ、アドベンチャーマップから直接ショップなどに行くことができなくなった。このためショップへ行くためには何でもいいのでバトルを選択してキャラクターを選ぶ画面まで持ってこなければならず、面倒になった。余ってるボタンを使うことは出来なかったのだろうか。
---レジェンドモードやフリーモードでは直接ショップやマイフェアリーに行くことができる他、マイフェアリーはメインメニューからも入れるため、尚更この問題が目立つ。

-アイテム関連
--WiiUではゲームパッドの、3DSでは画面下のタッチパネルでアイテムを選べたのだが、本作では方向ボタンの左右でしかアイテムを選べなくなっている。その上画面タッチによる時間停止でゆっくりとアイテムを選ぶ事もできなくなり、大量のアイテムを戦闘しながら手早く選ばさせられる。
---特に弱点武器を的確に切り替える必要がある魔獣ガノン戦はかなり焦る。
--何故かフェアリースキルの残り使用回数が表示されない。薬はちゃんと残量が表示されるため余計に謎。

-バグ
--ゲームを終了せず長時間プレイしていると画面のポリゴンが乱れ始め、最終的に高確率でエラー落ちする。New3DS版FE無双にも似た現象があるので、電力消費の激しさといい最適化が為されていないのが原因なのだろう。
--初期バージョンではラヴィオやユガがNPCとして登場した場合、台詞をしゃべっても声が流れず、無言のまま台詞をしゃべるバグがあった。
---現在はアップデートにより修正されている。3DS版までに存在したマリンの武器スキルバグもSwitch版で修正されている。
--&b(){キャラクターチェンジをすると、複数回使用できるフェアリースキルの回数が強制的に1回以下になってしまう}バグが存在する。~
発生は確実ではないにせよ、対策はキャラチェンジを1度でもする前にフェアリースキルを残り1回まで使い切る以外にない。「魔力の絆」に頼る状況下での複数人出撃ステージでは大きな打撃となる。

-本体の発熱、および携帯モードの電池消耗が異常に激しい。
--初期型のSwitch自体電池持ちがあまり良いわけではないものの、最適化がされていない本作の場合たった1時間ほどで充電を使い切ってしまうほど負荷が激しい。

-amiibo
--amiiboの抽選に関してはおそらく3DS版のベタ移植と思われる。
つまり使用した時に武器が出る場合、そのキャラが現在入手できる最高ランクの武器が手に入るが、3DSでレベル4+武器がなかったキャラは何故かamiiboでレベル4+武器が抽選されない。
仮にそのキャラがレベル1とレベル4+武器しか解禁していない場合、レベル1の武器しか手に入らない。

-協力プレイの劣化
--WiiUと違いゲームパッドがないため仕方ないのだが、協力プレイをする場合は画面が上下に分かれる何時もの無双方式であり、オンラインプレイもないため画面が見辛い。

-殆どのムービーがプリレンダ化されている。
--WiiU版に存在しない緑衣の少女編・風のタクト編の仕様と統一するためか、レジェンドモードにて挿入されるイベントシーンはプリレンダムービーになっている。そのためWiiU版と比べてやや画質が劣化している他、コスチュームチェンジは勝利デモ以外に反映されない。

-基本的にオリジナル版で不評だった点は改善されていない。
--当たり屋コッコといった元々不満しかない要素や上述の武器追加バランスの悪さ、精神的続編である『[[ファイアーエムブレム無双]]』で改善された武器スキルの確認や、クリアランクの確認・ショップの導線などといった機能は一切改善されていない。FE無双や『厄災の黙示録』から遡ると結構不便。

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**総評(Switch)
究極版・最終移植版というだけあって、ボリュームはシリーズトップクラスの凄まじさを誇り、これ1本で長く楽しめる。~
ところどころ移植に合わせた調整がされていない箇所や見過ごせない不満点は少なからずあるものの、元々の完成度が無双シリーズとしては比較的十分高い部類に入る。

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