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KNACK - (2022/02/15 (火) 00:37:56) のソース

*KNACK
【なっく】
|ジャンル|アクション|&amazon(B00ISNJVNI)|&amazon(B00FJ08HQU)|
|対応機種|プレイステーション4|~|~|
|メディア|BD-ROM 1枚 / ダウンロードソフト|~|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|~|
|開発元|SCE JAPAN Studio|~|~|
|発売日|2014年2月22日|~|~|
|定価|パッケージ版:5,145円&br()ダウンロード版:4,095円(共に税込)|~|~|
|プレイ人数|1~2人|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[クラッシュ・バンディクー]]』、『[[スパイロ・ザ・ドラゴン]]』、『[[ラチェット&クランク]]』等を手掛けたマーク・サーニー氏の最新作。~
満を持して発売された第8世代ハード、PlayStation4のローンチタイトルであり、国内では初回出荷版に無料DLできるプロダクトコードが同封。~
コンセプトは「PS4という新しいハードで誰でも簡単に遊べるアクションゲーム」。そのコンセプト通りシンプルで親しみやすい内容となっている。
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**ストーリー
>地球より少しだけ進んだ文明レベルを持つ、とある惑星。~
そこで暮らす人々は美しく広々とした都市に住み、遺跡から発掘された「レリック」と呼ばれるパーツから生み出すエネルギーを自動車など様々な文明機器に活用して生活を営んでいる。
>
>都市の外には、太古の大戦で人間に敗れたゴブリン達が潜んでおり人間界と敵対しているが、彼らは弓矢程度の武器しか持たず、平和は保たれていた。~
しかし、最近になりゴブリン達の攻撃が活発化し、彼らが持つはずがない銃火器や戦車といった高度な武器を持ち人間の入植地を襲うようになった。
>
>この脅威に対抗すべくゴブリンの武器入手手段を調査するチームが結成された。~
冒険家、科学者などが集められるなか、Dr.バーガスが長年の研究の末に生み出した「ナック」の姿があった。~
平和な世界に訪れた危機に立ち向かうナックたちは、やがて世界を震撼させる大きな事件に巻き込まれていく。
>
>(オンラインマニュアルより引用)
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**特徴・評価点
-「ナック」とは
--古代遺跡から発掘されたレリックと呼ばれる物質。正六面体・球体・三角錐等の形をしており、エンジンやモーター等の動力源として活用されている。
--ナックはこのレリックで構成された人造生命体であり、自らの意思で行動できる。
--2頭身・全長70cmの可愛らしい外観をしており、言葉も発しない。しかし周囲のレリックを取り込む事で姿を変え、言葉を発するようになる他、大きさに比例して精神年齢も上がっていく。

-操作性
--「誰でも簡単に遊べる」のコンセプト通り、子供でも遊べるように操作性は単純化され、スティック2本と○×△□の4ボタンしか使用しない。
--左スティックは基本移動に用いる。右スティックを倒すとその方向に短距離ダッシュし、敵の攻撃の回避に使用する。
--□ボタンは通常攻撃で、3回まで連続攻撃が可能。ジャンプ中は威力が低いが誘導性のある攻撃になり、回避中は隙のないダッシュ攻撃となる。~
こちらがある程度巨大化している場合、自動車や破壊した敵戦車を掴んで投げる事ができる。
--×ボタンを押す事でジャンプする。ジャンプ中にもう一度押す事で2段ジャンプとなり、移動や回避に多用する。
--○ボタンは必殺技の「スーパームーブ」。○ボタンを押す事でスーパームーブの待機状態となり、その後いずれかのボタンを押して発動する。~
○→□は、低威力だが自身を中心に移動しながら攻撃できる「ストーム」~
○→△は、最大3体の敵に遠距離攻撃を仕掛ける「ブラスト」~
○→○は、自身を中心に大きな爆発を起こして大ダメージを与える「ショックウェーブ」~
これらスーパームーブはステージ内に配置されている「サンストーン」を破壊し、エネルギーを溜める事で使用可能。
--△ボタンは上記のスーパームーブの発動の他、特定の仕掛けを起動する際や、ナックのサイズを変える際に使用。

-アクション性・ゲーム性
--ナックを操作し、敵を倒しながら一本道を進むという、ステージクリア型の古典的アクションゲームである。
---チャプターは13まで存在しており、各チャプターは7-5・10-2というように2~5のステージで構成されている。合計で50ステージ。
---通してプレイすると軽く10時間以上は掛かり、4000~5000円という低価格ソフトの割にボリュームは多い。
---ステージ構成も、一本道ながら罠があったり仕掛けがあったりと飽きさせない作りになっており、都市・洞窟・基地・火山とロケーションも豊富。
--上で述べた通り操作性は極めて単純。必殺技のスーパームーブもチャプター1の時点で全て解禁される。
---真新しさは全くないものの、「クラッシュシリーズ」や「マリオシリーズ」と同じように軽快な操作感であり、ストレスなく遊ぶ事ができる。
---操作性に斬新さはないが、かと言って味気ないアクションではない。操作が簡略化されている代わりに「敵の動き」が非常に練られている。~
敵の攻撃や挙動は思いのほか激しく、テキトーに攻撃やジャンプを繰り返しているようでは直ぐにやられてしまう。敵の動きを読み、考え、それに合わせた攻撃・ジャンプ・回避の柔軟な使い分けを要求される骨太のアクションゲームである。~
特に高難度では敵の攻撃力や攻撃頻度がかなり激しく、「考えて」立ちまわる事を大切にさせる動きをする。これに加えステージギミックの難易度も変化するので、また遊びたくなるほのかな中毒性がある。
---操作や立ち回りに慣れてくると、非常にテンポよくサクサク進められる事が見えてくる。ステージギミックも難し過ぎず簡単過ぎず、敵も硬過ぎず柔らか過ぎず、実に適度で良好なバランス調整が施されている。

-巨大化するナック
--チャプター開始時のナックは全長70cmの状態であり、この時は雑魚を一撃で倒せる事は少なく、HPも2~3発の攻撃でやられるほど低い。
--しかしステージ内に配置されているレリックを取り込む事によって徐々に巨大化。攻撃力・リーチ・HPが比例して上昇し、倒すのに2~3発掛かっていた敵をパンチ1発ですっ飛ばす爽快感を味わえるようになる。チャプター終盤では10mにもなり、以前は見上げていた敵を踏み潰せるまでになる。
--極めつけはチャプター13。レリックを際限なく取り込んで''山よりも巨大化''し、他アクションゲームでは見られない、凄まじいサイズ・スケールへと変貌する。一体どれだけ巨大かと言えば、同じSCE作品の『[[ワンダと巨像]]』の巨像以上だと思って頂ければ分かりやすいだろう。
--また、一部のステージでは特殊なナックを使用できる。具体的には、
---ステルスナック~
光を反射・無効化する「ライトクリスタル」という物質を取り込んだナック。△ボタンで通常のナックとステルスナックを切り変える。~
この状態ではステージギミックであるサーチレーザーに引っ掛からないが、どんな攻撃でも即死するほどHPが低くなってしまう。
---アイスナック~
氷を取り込んで巨大化したナック。スペックは通常の巨大ナックと変わりないが、太陽光に当たると徐々に溶けてしまう。制限時間は1分。~
なお、この状態だとHPが2段階ある状態となり、氷のHPがなくなると通常のナックに戻ってしまう。これは以下2つのナックも同じ。
---ウッドナック~
木・薪を取り込んで巨大化したナックで、特定の攻撃を受けたり火に触れると燃えてしまう。こちらも制限時間は1分。~
逆に燃えている状態でないと解除できないギミックも存在する。
---アイアンナック~
鉄やガラクタを取り込んで巨大化したナック。時間制限はないが磁石のギミックに触れると鉄を奪われて元に戻ってしまう。

-収集要素・クリア後要素
--ガジェットツール
---収集要素の1つ。ステージ内に隠された宝箱からパーツを発見し、一定数集める事で完成する。
---必要数はツール毎に異なり、最小で3、最大で7。スーパームーブの強化や攻撃ヒット数に比例した攻撃力の増加等の効果が得られる。
--クリスタルレリック
---収集要素の1つ。こちらもステージ内に隠された宝箱からレリックを発見し、一定数集める事で解禁される。
---必要数は最小で10、最大で20。解禁されると特殊な効果を持ったナックが使用できるようになる。
---なお、本作をプレイしているPSNフレンドがいれば、フレンドが開けた宝箱の中身を選ぶ事ができる(一部以外)。
--タイムアタック/コロシアム
---クリア後にアンロックされるミニゲームで、前者は全13ステージ、後者は全3ステージ。オンラインランキング対応。
--チャプターセレクト
---こちらもクリア後にアンロック。好きなチャプターの好きなステージを任意に選択可能で、トロフィーの解除が主な用途。

-ストーリー・BGM
--ストーリーは可もなく不可もなく、所謂「王道」である。盛り上がる場面はあまり多くないが、低年層を意識したゲームと考えれば及第点と言えよう。
---ただし決着の付いていない敵やエピソードが幾つかあり、恐らく続編を考慮していると思われる(開発側も続編を匂わす発言をしている)。
--BGMは飛び抜けたクオリティではないものの、全体的に粒揃いで場の雰囲気にマッチしている。効果音もリアルに作られている。

-グラフィック・ゲーム品質
--PS4作品なだけあってグラフィックは恐ろしく高品質。ピクサーやディズニーのCG映画をそのまま動かす感覚である。
---単純な綺麗さもさることながら、クリスタルに反射する光や風になびく草花等、細部に至るまで丁寧に作り込まれている。
---特筆すべきは物理演算を駆使したダイナミックな演出。巨大ナックの攻撃によってバラバラになる敵ロボットや、逆に敵の攻撃でバラバラになるナック、スーパームーブの爆発等、PS4のマシンスペックを活かした派手な演出が特徴。ちなみにナックの体は''60~5000''のレリックで構成され、その1つ1つに物理演算を駆使しているとのこと。
--SCEお得意の裏読みロードにより、ゲーム開始時以外のローディングはない。短い、ではなく''「ない」''。
---一度読み込んでしまえば最初から最後までロードレスでプレイ可能。ミスした際のリトライも一瞬である。
--フレームレートは固定60fpsではないが、60fpsに近いレベルで安定しており、上記のロード時間の無さも相まってストレスフリー。

-スマートフォン用ゲームアプリ「KNACK's Quest」
--本作発売に先駆けて無料配信された、iOS/Android向けのパズルゲーム。プレイしてゲットしたガジェットパーツやクリスタルレリックをゲーム本編に転送にすることが出来た。2018年3月29日を以てサービス終了。
#region(サービス展開時の詳細)
--遊びつつガジェットパーツやクリスタルレリックを集める事ができ、集めたアイテムはゲームに転送して取得できる。
--無料のパズルゲームながら本編同様に簡単且つ奥深いゲーム性であり、ゲーム進行も楽になるのでプレイヤーからの受けは上々。
--ただし、スマートフォンの充電がゴ~リゴリ減るので注意する事。
#endregion
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**問題点
-融通が利かない引き継ぎ要素
--収集したガジェットツールやクリスタルレリックを他難易度に引き継げない。アンロックした特殊ナックのみ全データで共有される。
--例えば難易度「普通」で集めたアイテムは、その難易度にしか引き継げない。「難しい」で新規プレイする場合は最初から集め直す必要がある。
--また、チャプターセレクトの際は宝箱が消滅し、取り逃したアイテムを入手する事ができない。~
全ての宝箱を開ける事が取得条件のトロフィー「冒険王」は、1つでも取り逃したらもう1周する羽目になる。

-融通が利かない収集要素
--ガジェットツールのパーツは入手すると2度と出現しないが、クリスタルレリックは該当の特殊ナックをアンロックしても出現する。
--例えば「アメジストレリック」を必要数集めて「ダークナック」をアンロックしても、その後アメジストレリックは延々と出続ける。
--これのせいで最上位の「ダイヤモンドレリック」の収集、ひいてはプラチナトロフィーの獲得が難しくなってしまっている。~
ただでさえ入手確率が低い上に、他アイテムと違ってゲームアプリやフレンドからの入手もできないため、「宝箱を開け、入手できなかったらオートセーブ前にリセット」という作業を強いられる事になる。
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**総評
大人も子供も手軽に遊べるゲームを目指した本作だが、ゲーマー揃いのPS4ユーザーと需要が噛み合わず、低評価を付けられてしまった不遇な作品。~
しかしその色眼鏡を外してみると、軽快な操作性・良好なゲームバランス・美しいグラフィック・単純なようで奥深いゲーム性等が見えてくる良作である。~
現在では無料DLコード同封の初回出荷版PS4の入手は難しいが、他PS4作品と比べても数千円安いため、是非前評判に惑わされずプレイして貰いたい。~
PS2~PS3の『ラチェット&クランク』に代わるサーニー氏の代表作として、今後が気になるタイトルである。
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