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ジェットセットラジオ - (2023/09/25 (月) 15:37:30) のソース

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*ジェットセットラジオ
【じぇっとせっとらじお】
|ジャンル|ストリートアクション|&amazon(B000069TAC,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61c9AR14DkL._SL160_.jpg)|
|対応機種|ドリームキャスト|~|
|発売元|セガ・エンタープライゼス|~|
|開発元|スマイルビット|~|
|発売日|2000年6月29日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#center(){{
 &big(){''トーキョート発&br;マンガ・アクション参上!''}
 }}
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**概要
 架空の都市「トーキョート」を舞台に、電動モーター付きのインラインスケートで駆け巡り、ケーサツやジエータイの妨害から逃れながら、スプレー缶を回収して特定のポイントでグラフィティ(ストリートアート)を描き込むアクションゲームである。

**ゲーム内容
プレイヤーは、架空の都市に住むギャングチームに加入し、グラフィティによる敵勢力との縄張り争いを繰り広げる。&br;エリアは全部で3つに分かれており、最初は自分たちの縄張りから敵チームを追いだすステージが展開される。最初のエリアをすべてクリアーすると次のエリアへ進み、敵チームの縄張りを奪っていく中で、ある巨大な抗争に巻き込まれていくという形で物語が展開していく。
***操作について
-移動時はダッシュやジャンプ、グラインド、走行中の車両の後ろに捕まるなどの操作が可能。トリックを決めることで、より速く走れたりより高くジャンプする事ができる。
--トリックを使わなくては行けない場所があったり、敵からの回避などに使用するため、各種トリックはゲーム中にて必須の操作となる。
-グラフィティを描くには、ステージ内に点在するスプレー缶が必要になる。黄色のスプレー缶はグラフィティ1個分、青色は5個分となる。なお、赤色のスプレー缶は体力回復アイテムである。
-グラフィティは3つのサイズに分かれている。&br;スモールサイズのグラフィティは、移動中にボタン1つで描くことができる。ラージサイズ、Xラージサイズのグラフィティは、アナログスティックにより指定されたコマンドを素早く入力する事で描くことができ、ミスをしたりスプレー缶が無くなると途中からやり直しとなる。&br;選んだキャラクターやグラフィティのサイズにより、必要なスプレー缶の数やアナログスティックの操作回数が異なる。
-プレイヤーには体力ゲージが備わっており、敵からの攻撃や高いところからの落下、走行する車両に衝突するなどのダメージにより減少する。また、ステージには制限時間が設けられている。&br;体力ゲージもしくは制限時間が0になるか、ステージエリアから外れてしまうとリタイアとなり、ステージの最初からやり直しとなる。
***ゲーム進行について
-通常ステージでは、ステージ内に点在する敵チームのグラフィティを、自分のグラフィティに描き換えていき、全て描き換えることでステージクリアーとなる。
--ステージ内で一定数のグラフィックを描くと、ケーサツやジエータイ、敵チームによる妨害が始まる。最初は人員の動員だけだが、ステージが進むにつれて、催涙弾や警察犬、戦車や戦闘ヘリが登場するなど、敵の妨害はエスカレートしていく。
--敵に対しては、指定地点への逃亡による回避のほか、スプレーによる攻撃が可能となっている。攻撃が成功すると人物の動きを止めたり、兵器を破壊することができる。
-ボスステージでは、敵チームのキャラクターが登場する。ステージ内を逃走するすべての敵キャラの背中にグラフィティを描くことで、ステージクリアーとなる。
-ステージの合間には仲間となるキャラクターが登場する。ノルマをクリアーする事で仲間がチームに加入し、使用できるキャラクターが増えていく。
--ノルマはチュートリアルの役目も果たしており、段階を踏んで、基本操作やトリックなどの応用操作を確認・練習することができる。
--各キャラクターには前述のスプレー缶の最大所持数のほか、体力値やスピード、グラフィティの難易度などの性能差がある。
***その他
-ポーズ画面ではステージマップで未対応のグラフィティポイントを確認できるほか、BGMの音量調整ができるようになっている。
-仲間を増やしたり、ステージ中の特殊アイテムを獲得することで、新たなグラフィティを描けるようになる。&br;また、グラフィティモードでは、グラフィティをダウンロードしたり(現在はサービス終了)、オリジナルのグラフィティを作成することも可能である。

**評価点
-トゥーンレンダリングによる世界観
--自称「マンガディメンション」ともいう、2Dと3Dを融合したような独特のグラフィックは、発売当時からインパクトが強く、都会のストリート観を際立たせるだけでなく、新たなゲームデザインとしての形を確立するに至っている。
--後述の通り、グラフィックや独特の世界観への高い評価により、国内外において複数の受賞歴がある。
-インラインスケートならではの自由度
--ストリート系アイテムであるインラインスケートを採り入れたことにより、手すりやガードレールをグラインドしたり、ウォールライドで壁面を滑ったり、ハーフパイプなどで派手なジャンプアクションを決めることもでき、ステージ内を文字通り縦横無尽に動き回ることができる自由度の高さは、高く評価できる要素といえる。
-プレイすればするほど上達していく操作感覚
--インラインスケートの独特な挙動によって、最初は慣れるまでにやや手こずるが、コツさえ掴めば面白いようにステージ内を駆け巡ることができるようになる。
--キャラクターの成長要素は無いため、単純にプレイヤーのテクニックがモノを言う。&br;また、応用操作にも複雑なコマンド入力はなく、あくまでもアナログスティックの操作とタイミングによるボタン入力のみのため、初心者は初心者なりに、上級者は上級者なりにインラインスケートの操作感を楽しむことができる。
-長沼英樹氏らによるサウンド
--ストリートにマッチしたヒップホップやスクラッチを多用したポップス、メロコア系パンクといったBGMが世界観に非常にマッチしており、どの曲もとても耳に残りやすい。&br;メインを担当する長沼氏のほか、リチャード・ジャックら海外の作曲家や、GUITERVADERやdeavid soulといったバンドやユニットが参加し、多ジャンルの音楽がゲームに華を添えている。
--特にオープニングの「Let Mom Sleep」や、エンディングの「Sweet Soul Brothers」はテレビ番組でも時折使われているので、一度は耳にしたことがあるはず。
--架空の海賊ラジオ『ジェットセットラジオ』を聴きながらプレイするという設定なので、ゲーム中にBGMが切り替わる際にはシームレスで繋がるなど、音楽へのとても強いこだわりが感じられる。
--余談だが、長沼英樹氏はこの作品を機に自分のスタイルが確立し「長沼サウンド」と呼ばれるようになる。

**問題点
-チュートリアル要素が難しい
--仲間を加える際に必要なノルマがチュートリアル要素になる点について、基本的には先に仲間キャラが見本プレイを見せて、それを真似することになるのだが、操作にあたっては特に操作方法やタイミングなどが表示されるわけではないため、操作に慣れないうちはここでかなり躓きやすい。
--仲間によっては複数の見本プレイを真似る必要があるが、一度ミスをしてしまうと最初からやり直しとなるため、テンポが損なわれるのも残念。
-グラフィティの位置がわかりづらい
--グラフィティポイントはエリア内の各地に散らばっており、一度場所を見失うと探すのにひと苦労する。ポーズ画面で地図を確認はできるものの平面でしか表示されないため、3Dのフィールド上では分かりづらいというのも難点といえる。
-通常ステージでの敵への対抗手段が希薄
--スプレーでの攻撃などで一時的な回避は可能だが、基本的には逃走が主体となるため、敵を撃退するという爽快感には欠ける。
--もっとも街の若者が公権力に力技で対抗してしまうと、それはそれで別の問題が発生してしまうともいえるので、逃走が主体となるのも致し方ないのかもしれないが…。
-ボスステージの追いかけっこが難しい
--敵キャラクターの動きが素早く、普通に追いかけただけではクリアーは難しい。実直にトリックを決めて追いかけるよりは、敵のルートを把握した上で待ち伏せした方が効率がいいのだが、やや面白みに欠けるのが難点。
**総評
インラインスケートの独特の操作に慣れるまでが大変だが、それを乗り越えるとトリックをはじめアクロバティックなプレイが自由に楽しめるようになれる。~
独特のグラフィックとノリの良いBGMが、ストリートの雰囲気を十二分に醸し出しており、オリジナリティ溢れる唯一無二の個性派ゲームとして、根強い人気を誇る良作ソフトといえる。
**余談
-本作の魅力の根幹を成すグラフィティ行為であるが、現実に行った場合、「''刑法第260条 建造物等損壊罪・第261条 器物損壊罪''」によって処罰される。
--本作の世界観や設定に憧れたからといって、絶対に真似しないように。((ゲーム起動時にも犯罪である事が表示される。))。
-[[本作のマップツールは『龍が如く』でも使用され>https://twitter.com/drunkenAndo/status/903099103994716160]]、技術的には実は直系の作品にあたる。
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*デ・ラ・ジェットセットラジオ
【で・ら・じぇっとせっとらじお】
|ジャンル|ストリートアクション|&amazon(B000092PH1,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61FbeaxKiRL._SL160_.jpg)|
|対応機種|ドリームキャスト|~|
|発売元|セガ|~|
|開発元|スマイルビット|~|
|発売日|ドリームキャストダイレクト版:2001年1月1日&br()通常版:2001年10月18日|~|
|定価|ドリームキャストダイレクト版:5,800円&br()通常版:4,800円(共に税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

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**概要(デ・ラ)
 2001年、『ジェットセットラジオ』の海外版をもとに、BGM・ステージ・ミッション・キャラを追加したバージョンアップ版『デ・ラ・ジェットセットラジオ』が発売された。

-''主な変更点''
--2ステージ・8ミッションの追加。
---追加された2ステージは海外が舞台となる。
--エネミー・グラフィティソウル・BGMの追加。キャラクターの声の一部変更。
--また、ゲーム中のBGMを聞くRADIOモードやプラクティスモードの追加。
--エンディングの変更。

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*その後の展開
-初代『JSR』はElectronic Entertainment Expo(E3)「2000 ゲーム・クリティック・アワードベスト・オブ・コンソール部門」において''最優秀賞を受賞した''。
-第1回セガフェスの「セガ総選挙アンケート復活部門」では2位、「#セガエイジス移植希望アンケート」では1位を獲得。未だに根強い人気が高いことが証明された
-2002年には続編『ジェットセットラジオ フューチャー』が発売、今作の反省を踏まえてこちらも良い作品となっているが、発売されたハードが日本では普及していなかったXbox。その為に流通数が少なく、プレミア化している。
-アメリカでは2003年にGBA版『Jet Grind Radio』が発売されている。ベースは上記『デ・ラ』。
-2012年12月にiOS向けアプリ、2013年1月にAndroid向けアプリとして配信されていた。現在は配信終了。
-『デ・ラ』をベースにしたHD版が、2013年2月20日にPlaystation 3・PlayStation Vita・Xbox 360のマルチタイトルで発売された。税抜952円。(参考:[[HD版インタビュー>http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20130220_588217.html]])
--こちらはSteam配信のWindows版も存在するが、本来は日本から購入出来ないおま国タイトルになっている。だが2016年より配信されたバンドルセット『Dreamcast Collection』に本作が収録されており、これのみ何故か国内からも長らく購入可能になっていた。ただし英語版のみで、特定ファイルを書き換えることで強引に日本語化は可能だが不完全。残念ながら2020年4月7日より日本ストアでは購入不可になった。『[[ナイツ NiGHTS into Dreams...]]』の項目も参照。

*関連作品
|''機種''|''タイトル''|''概要''|''判定''|
|Wii U/PS3|[[ソニック&オールスターレーシング TRANSFORMED]]|『Sonic & SEGA All-Stars Racing』の続編。&br;シリーズからはビートとガムがレーサーとして登場。|BGCOLOR(lightgreen):良|
|PS4/One/&br;Switch/Win|[[ソニックフォース]]|有償DLCでビートをモチーフにしたアバターパーツを入手可能。|なし|
|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):''国内未発売''|
|Wii/PS2/PS3/&br;360/DS/Mac|Sega Superstars Tennis|セガオールスターのテニスゲーム。&br;シリーズからはビートとガムが参戦。||
|Wii/PS3/360/&br;DS/Win/Mac|Sonic & SEGA All-Stars Racing|シリーズからはビートがレーサーとして登場。||