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カオス ウォーズ - (2021/06/06 (日) 19:57:49) のソース

*カオス ウォーズ
【かおすうぉーず】
|ジャンル|SRPG|&amazon(B000G7B5YW)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|アイディアファクトリー|~|
|発売日|2006年9月21日|~|
|定価|6,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|タイトル通りカオスな4社コラボゲー|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
アイディアファクトリー、アルゼ、アトラス、レッド・エンタテインメントの4社によるコラボゲーム。~
コラボゲーと言えば『[[NAMCOxCAPCOM]]』が真っ先に上がるくらい数の少なかった時代にまさかの作品群のコラボとして話題になったが、''クソゲーを量産する開発会社とあまりにもマイナーな作品群の所為で発売前から地雷扱い''もされた。

-コラボ作品一覧
--アイディアファクトリー
---[[ネバーランドシリーズ]]
---『[[リバース ムーン]]』
---『破滅のマルス』
--アルゼ
---『[[シャドウハーツ]]』『[[シャドウハーツII]]』
--アトラス
---[[グローランサーシリーズ]]
--レッド・エンタテインメント
---『[[GUNGRAVE O.D.]]』
---『新選組群狼伝』
--その他
---電撃PlayStation

**システム
-戦闘システムはSRPGで、アイディアファクトリーの『[[リバース ムーン]]』の流用。詳細はそちらのページを参照のこと。

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**評価点
''メーカーの枠を超えたコラボゲー''
-コラボゲーというだけで衝撃的な時代であり、作品数・キャラ数ともに非常に多い。
--『シャドウハーツ』独自のジャッジメントリングもシャドウハーツキャラの必殺技で再現されている。
-オリジナルキャラも漫画家やイラストレーターによってデザインされており、こちらの面でのコラボも話題になった。

''BGM関係''
-各原作の曲をもとに上手くアレンジした戦闘曲が使われている。
-Sound HorizonのOP曲「終端の王と異世界の騎士 ~The Endia & The Knights~」は非常に評価が高く、''ゲームは知らないが歌は知ってる''人間も多い。

''遊びやすい難易度''
-後述するがプレイ方法によっては問題が起こるものの、全体的な難易度は抑え気味で気軽に遊びやすいレベル。

**賛否両論点
''カオス過ぎる作品群''
-タイトル通りのカオスな作品群であり、はっきり言ってしまえば''今後コラボが期待できないレベル''で知名度が低めな作品ばかり。
--含まれている作品が好きな人はいいが、一個もやった事ないプレイヤーがいてもおかしくないのはコラボゲーとしては少々インパクト不足。
---この反省か後にIFが出したコラボゲー『[[クロスエッジ]]』ではカオスながらも知名度も高い作品群を集めている。
--これら作品の中ではグローランサーシリーズが一番知名度があるが、それも緊急参戦として発表されており、''当初はアトラスを除いた3社コラボだった''。

''キャラグラフィック''
-全体的なキャラデザは『[[とらドラ!>とらドラ・ポータブル!]]』等で有名なヤスが行っているが、デフォルメちっくな絵柄は原作の印象とかけ離れた印象を受けやすく、それ抜きでも癖のある絵柄から人を選びやすい。
--例外として必殺技使用時のカットインのみ原作の絵柄が使用されている。
---必殺技を使用する際には本来の力を取り戻す強化システム「リアライズ」をする必要があるので、その一環でもあると思われる。

''演出''
-必殺技の演出について
--『GUNGRAVE O.D.』のキャラの必殺技は原作の最高レベルデモリッションショットなのだが、演出に原作のムービーが流用されている。
---食らっている相手が映らないように上手く切り取っているが、背景に映るステージはどうにもならず、また扱っているシーンの問題で一部演出に齟齬がある。ファンからは「手抜き」と不評を買った。
---ちなみに、原作で非戦闘キャラだったミカと、敵で必殺技のムービー演出が無かった九頭文治はオリジナルの演出になっている。そちらの演出は好評。
--『グローランサー』のキャラの必殺技名が地味。「全周囲攻撃」「連続攻撃・改」など、原作のスキル名が使用されている。
---原作ファンからも「変な名前を付けられるよりはこれでいい」という声もあれば、「適当な名前でもいいから付けてほしかった」という声もある。

''とあるキャラのキャラ崩壊''
-全体的に声優変更はあってもキャラ崩壊はほぼない中、自前の作品「スペクトラルフォースシリーズ」の登場キャラ「ガイザン」のみ原作の面影がないキャラ崩壊が起こっている。
--原作においては「兵は駒としか見ておらず、非人道的な実験等も繰り返す冷徹な全体主義者」だったのだが、本作においては「出てきては負けを繰り返す俺様ギャグキャラ」になってしまった。
---元々が『機動戦士ガンダム』のギレン等と言われていたキャラなのだが、その例えで言うなら『機動戦士ガンダムΖΖ』のマシュマーになってしまっている。IFは彼をどうしたいのか…。
--原作において「自身の体も改造」「最終的には稼動限界で停止」といった経歴を持つだけに、原作ファンから「ついに壊れた」「バグった」等と言われているが、いっそ清々しいくらいの壊れっぷりにネタキャラとして変な人気も出てしまった。
---そうでなくてもIFゲーを数多くこなしてるファンの中には案外気にしない人も多く、冥界住人の懐の深さが窺える。~
もちろん、純粋に以前のガイザンが好きだったファンから苦言も出ている事を忘れてはいけないが。

''仲間の数と出撃数のあわなさ''
-仲間キャラは多いが、出撃数は基本5人。その為、同じキャラばかりが出撃することがほとんど。
--また、中盤以降あるいはラスト目前で仲間になるキャラもいるが、殆どのプレイヤーはその頃にはスタメンも固まっているため、PTに加えられることはまずないだろう。

**問題点
''シナリオ関係''
-せっかくのコラボゲーなのにシナリオ上で他作品と絡む事はほぼなく、例えばシャドウハーツ関係のシナリオならシャドウハーツキャラ及びオリジナルキャラくらいしかシナリオに絡まない。
--特にそれが顕著なのがグローランサーシリーズ。
---追加参戦だった為にそもそもが加入シナリオからして隠し要素になっている事が大半で、さらに加入後のイベントもなくメインシナリオでの出番は皆無と言っていい。
---ただしカーマインがいる際に最終戦で追加されるシナリオで聞けるティピの熱い台詞等、少ないながらも非常に印象深いイベントも存在する。

-主人公のキャラクター
--''生意気で口が悪く''コラボゲーの主人公なのに受け付けない人が多い。
---後述するが、主人公が受け付けずに全く使わなかったプレイヤーは非常に苦労することになる。
---ただし、性格そのものは真面目で正義感も強いステレオタイプのキャラではある。口の悪さも大抵がIFキャラやオリキャラ相手に発せられるものであり、他社の版権キャラに対しての暴言などは殆どないといっていい。~
一部の台詞には仲間を気遣っての口の悪さもあり、所謂「ドラゴンボール」のナメック星編あたりのベジータのようなものだと思えばそこまで気にはならないだろう……というか、主人公の友人2人が基本ボケ役でストーリー上で様々なボケをかます上、ヒロインといえるキャラもこれまた天然タイプなので、主人公が常識人枠として辛らつなツッコミ役にまわらないとストーリーが進まない事が多いのも原因の一旦か。

''主人公のランク(レベル)依存のゲーム進行''
-新しく探索可能なマップが増える条件は主人公のランクに依存しており、主人公を使わないでいるといつまで経っても探索箇所が増えない。
--また雑魚敵のランクも主人公のランクに依存している為、主人公のランク以上に成長させるには無駄に時間がかかる。
---上記の通り、主人公が合わずに全く使っていなかったプレイヤーも多いため、そういうプレイヤーには非常に進め辛いゲームになってしまっている。

''強制出撃マップ''
-キャラ数が多い割には出撃可能なユニット数が少ない為にプレイヤーによって使用するキャラがバラけやすいが、そんな中1対1の決闘などの強制出撃マップが存在する。
--中でもある分岐ルート上に存在するウルゼル戦は詰みプレイヤーを数多く生んだ。
---何故かというと、''主人公一人の上に連戦の2戦目''だった為。
---一応敵の強さ自体は主人公を普通に使っていれば苦戦しない程度ではあるのだが、前述の通り主人公を全く使っていないプレイヤーが多かった為にどうやっても勝てず、ならレベル上げすればいいじゃないかと思っても、連戦の1戦目終了時点のセーブしか残していないとレベル上げも出来ないという事態に。

''終盤の敵の固さ''
-ゲーム難易度自体は然程ではないのだが、終盤のボスキャラはHPが跳ね上がる。
--それによってクリア出来ない事はないのだが、ただひたすらボスのHPを削るだけの作業ゲーになってしまいやすい。

''時間経過で回復するHP''
-敵味方共にHPにヴァイタルソースが存在し、ダメージを与えても時間経過でヴァイタルソースまで少しずつHPが回復する為、敵を一気にしとめないと戦闘が長引く。
--上記の敵の固さとあいまって純粋にだるさを助長させてしまいがち。
--特に、序盤の分岐によっては進むことになる、『新選組群狼伝』の沖田総司1人で戦わねばならないステージなどは、いつまでたっても敵がなかなか倒せない事態に陥るケースもありうる。

''成長システムによるキャラ格差''
-本作の攻略において最重要なのが素早さであり、素早さ成長が悪いキャラは単純に使いづらい。
--本作の成長システムは(数値は表示されないが)攻撃力成長に必要なEXPは100、防御力成長に必要なEXPは150……、といったシステムになっており、EXP300入手した際には攻撃力が3、防御力が2上がるようなシステムになっている。(レベルに相当するランクは成長値合計から算出される。)
---その為、有用な形で成長が偏ったキャラ程育てやすく、万能成長タイプは単純に成長が遅くなってしまっている。~
ただし全ステータスMAXまで育てる前提で言えば、万能タイプが一番成長が早い。
--この成長システムの恩恵を最大限に受けているのがウェレスのような「攻撃力・素早さのみ」成長が非常に早いキャラ。
---他キャラと同じランクでも圧倒的な攻撃力と素早さを有しており、他のキャラが動く前に敵を一掃、さらに成長して他のキャラは置いてけぼりなんて事態も起きやすい。
---逆にミカのような攻撃力成長が遅いキャラは、前述の敵の硬さもあって万能タイプ以上に非常に使いづらい。~
まぁ、ミカは武器が銃なので、後述のバーストコンボという逃げ道もあるが。

''ゲームバランスを崩す一部の攻撃スキル''
-銃用のスキル「バーストコンボ」
--一定時間のボタン入力で攻撃方法が変わり、ボタン連打すると弱い威力を何十発も撃ち込み、チャージすると高威力の攻撃を数発行えるスキルなのだが…。
---装備武器に付随可能な状態異常が敵へのヒット毎に判定される為、連打版と合わせる事で耐性のない敵にはほぼ確実に状態異常を起こさせる事が可能。~
そして、武器に付随可能な状態異常の中には''低確率の即死''も存在する為、これを合わせる事で''即死耐性のあるボスキャラ等を除きほぼ確実に即死可能''になってしまっている。(体感では成功率9割以上。)

''その他''
-一部キャラの原作からの声優変更
--特にシャドウハーツのキャラは多くが声優変更されてしまっている。
---声優が死去や引退をしているわけでもないのに変更されており、せっかくのお祭ゲーなのに一部原作ファンを落胆させた。

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**総評
カオスな作品群と遊びやすいゲーム難易度から人を選びやすいが気楽に遊びやすいコラボゲーには仕上がっている。~
反面、シナリオ面などの問題に加え参戦作品など人を選ぶ要素も多く、誰にでも薦められるゲームとは言いがたい辺りは少々残念である。

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**その後の展開
-海外版が2年後の2008年に発売された。
--が、吹替の演技があまりに棒読みなため%%ネタにされている%%悪名高いソフトとなってしまった。
---声優の名字が英語版開発チームのメンバーと一致するため、ローカライズ会社が人件費をケチって社員の家族に演じさせたのではないかと言われている。

**余談
-コラボ作品について
--多社コラボゲーは『今まで知らなかったゲームに触れて原作に興味を持つ』という側面を持っている事も多く、実際本作をきっかけに『シャドウハーツ』や『グローランサー』、『GUNGRAVE』を知った人間も多かったようだ。
---ただそんな中、さらっと''クソゲー''の『破滅のマルス』や『リバース ムーン』が混じってたりして、IFゲーの恐ろしさを知った人もいたとか。
---ゲーム内でもほとんどシナリオに絡むこともなく性能も微妙、ゲーム外で原作に触れてもマイナスにしかならないと、本気で''誰も得をしていない''のだが、IFは何故こんな作品を選んだのか…。

-真ED疑惑
--本作はEDで意味深な描写があったり、仲間キャラがどうやっても全員揃わなかった事や、過去の実績(『[[スペソ2>新紀幻想 スペクトラル ソウルズII]]』や『[[ブレソ>ブレイジング ソウルズ]]』)から、「全員が加入する真EDルートがあるのではないか?」と噂されていた。元々、隠しキャラの加入条件も色々とややこしかったせいで、同じようにややこしい条件で何かあるのではないか?と疑われていたのも一因。
---結局、攻略本が出て、そこに真EDの記載が特になかった事で沈静化した。EDでの意味深描写は続編を作る事になった時の為の描写だったのだろう。[[次に出たコラボゲー>クロスエッジ]]は本作と全く関係ない新作になってしまったが。