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サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~ - (2021/06/29 (火) 17:59:24) のソース

*サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~
【さくらたいせんふぉー こいせよおとめ】
|ジャンル|ドラマチックアドベンチャーゲーム|&image(sakura4.jpg,width=200)|
|対応機種|ドリームキャスト|~|
|発売元|セガ|~|
|開発元|オーバーワークス|~|
|企画|セガ&brレッド・エンタテインメント|~|
|発売日|2002年3月21日|~|
|定価|6,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[サクラ大戦シリーズリンク>サクラ大戦シリーズ]]''|

#contents(fromhere)
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**概要
-サクラ大戦シリーズのナンバリングタイトル第4作目。ナンバリングタイトルで大神一郎が主役を務める最後の作品である。
-舞台は帝都だが、巴里華撃団のメンバーも登場し、ヒロインは過去最高の13名となった。
-本作は本来別の構想であったものの、ドリームキャストの製造中止を受けて急遽制作されたという事情がある。そのためか制作期間は1年にも満たないとされる。

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**ストーリー
太正十六年、帝都東京。空中戦艦ミカサの機関部を民生に利用し、帝都は急速な発展を遂げていた。~
しかしその一方、蒸気機関の暴走事件が頻発するようになる。~
日本に帰国し、再び帝都防衛の任務に就いた大神一郎は「帝国華撃団・花組」の仲間と共に出撃する。~
突如として現れた魔装機兵と戦う花組だが、思いもよらぬ敵の能力に絶体絶命の窮地に陥ってしまう。~
万策尽きたかと思われた時、救いの天使が舞い降りた。大神と共に巴里の街を守った「巴里華撃団・花組」が、遥か彼方の地フランスから飛来したのだ。~
帝国華撃団と巴里華撃団。二つの華撃団が力を合わせ、いよいよグランドフィナーレの幕が上がる。(Wikipediaより)

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**特徴
アドベンチャーパート、戦闘パート共に大きな変化はない。戦闘パートは『[[3>サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~]]』に引き続きARMSを採用している。
-従来と異なるストーリー構成
--これまでは10~12話の連続したエピソードで構成されていたが、今作はその区切りがなく、1つの長いエピソードで構成されている。
--例えるならば「2時間スペシャル」もしくは「劇場版」。そのためお約束の次回予告もない。

-ヒロイン選択について
--今作では冒頭で帝都組、巴里組から1名ずつヒロイン候補を選択する((帝都組は『2』で、巴里組は『3』でその隊員をヒロインに選んだという設定))。その後終盤で、好感度上位5名の中から最終的なヒロインを決定する。
--中盤で巴里組のヒロイン候補が来日し、その際は大神と帝都、巴里ヒロイン候補の三角関係が描かれ、帝都8人×巴里5人=40パターンもの修羅場を拝むことができる。
--EDは帝都、巴里全員分=13パターン。加えて、どのヒロインも選ばず終わりを迎える「大神ED」が用意されている((後に発売された『君あるがため』ではこの大神EDこそが正史として扱われた。))。

-大神華撃団
--本作では最終決戦において帝国、巴里両華撃団の隊員から5名((うち1名はヒロインのため実質4名))を選出し、「大神華撃団」を編成することになる。
--隊員の組み合わせによって、部隊名と能力補正が変化する。バリエーションは豊富なので色々試してみるといいだろう。

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**評価点
-大神編最終章に相応しいOPとED
--OPテーマ「檄!帝~最終章~」は大神一郎がメインで歌い、帝都、巴里組のヒロインがコーラスとなっており非常に豪華。また、EDテーマ「君よ花よ」は曲の良さは勿論、これまでのシリーズを振り返るムービーが流れるため、シリーズファンなら涙ものである。
---後者については作曲の田中公平氏いわく、「真夜中に。家族のみんなが寝静まったあと。明かりを消して、それから、観てください」とのこと。
--概要にある通り、今作は大神一郎が主役を務める最後の作品である。どちらもフィナーレを飾るにはまさにピッタリの演出なのだ。

-帝都、巴里両方のヒロインが登場する
--このおかげで帝都に思い入れがあるファンでも、巴里に思い入れがあるファンでも楽しむことができる。ヒロインは13名と多いが、『[[2>サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~]]』に比べれば制覇は楽な方。
---冒頭でヒロイン候補に選んだ隊員はほぼ確実に好感度上位に食い込んでくるため、狙ったヒロインのEDを迎える事も容易。
--巴里組登場の展開は『3』のとあるシーンを彷彿とさせ、熱く嬉しいものとなっている。

-快適な戦闘パート
--『3』同様ARMSを採用しており快適。帝都組がこのシステムに対応したのは本作が初である。
--戦闘パートで操作することになる隊員は多くて6人なので、2と異なり1ターンが長すぎるということもない。
---ただし、この仕様とストーリーの短さが相まって生じてしまった問題もある。詳しくは後述。

-ラスボスの設定
--ラスボスは江戸(後の帝都)繁栄のきっかけを作ったという設定がある。原作者の広井王子自らが声を当てている事もあり、ある意味物語の創始者とも言える存在。
--その人物(広井王子自身とも取れる)を倒して物語に区切りをつける、というのは中々に面白い展開である。ラスボスの在り方は、本作において米田との対比となっている。
--キャスティングに関してはその広井王子曰く&bold(){「みんな倒したかったんでしょうね、僕を」}。ただし、当初から声にエフェクトを強めにかけるのが前提の役であり、「それでは誰がやってるのか分からなくなって、担当する声優さんに失礼」というスタッフ全体の判断もあった模様。

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**問題点
-ボリュームの少なさ
--本作最大の欠点。1つの長いエピソードとはいうものの、それでも過去作でいう所の3~4話相当しかない。理由は概要にある通り、製作期間の短さ。
//---しかも''事前告知が無い上にフルプライス販売''だった為、この点だけで糞ゲー扱いする人も出たほどだった。
//短いって事前告知はなかったっけ?
--戦闘パートは3回しかなく、進め方次第ではクリアまでに一度も戦闘に参加しない隊員が出る事もある。せっかく帝都、巴里のヒロインが全員集合したというのにその良さを殺してしまっている。
--一応、周回プレイがしやすいという利点はある。もし従来の長さだった場合、全ヒロイン制覇は苦行の道となっていただろう。

-一部帝都キャラの作画
--キャラにもよるが、帝都組の作画が明らかに違和感を覚えるレベル。
--中でも特に酷いとされるのがさくら。従来よりも丸顔になっており、太ったかのような印象を受ける。メインヒロインなのに…。

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**総評
帝都、巴里のヒロインが全員登場するなど、サクラ大戦シリーズの集大成と言える作品。~
最終章に相応しいOP、EDを始め、シリーズファンにとっては嬉しい展開が多数用意されている。~
但し、正式タイトルの4作目として販売されたものの、実質的にはシリーズファン向けのファンディスクといった内容になってしまった。~
(今までの1~3を1クールのTVシリーズとするなら、4はシナリオ量的にも劇場版と言った所)~
それ以外の人がプレイすると今までのキャラの積み重ね前提のストーリーやボリュームの少なさに肩透かしをくらう可能性が高い。~
そのため、『1』~『3』までを通してプレイした後に手を付けることを強くお勧めする。~

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**移植情報
-Windows版も発売されているが、OSがWin7の場合、過去作のデータ引継ぎを行えないので注意が必要。