「ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (DS)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (DS) - (2024/01/03 (水) 20:11:07) のソース

*ドラゴンクエストV 天空の花嫁
【どらごんくえすとふぁいぶ てんくうのはなよめ】
|ジャンル|RPG|&amazon(B000UTI27E)|
|対応機種|ニンテンドーDS&br()iOS&br()Android|~|
|メディア|【DS】1024MbitDSカード|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|アルテピアッツァ|~|
|発売日|【DS】2008年7月17日&br()【iOS/Android】2014年12月12日|~|
|定価|【DS】5,980円&br()【iOS/Android】1,840円|~|
|廉価版|アルティメットヒッツ&br;2010年3月4日/2,940円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
『[[ドラゴンクエストV 天空の花嫁]]』のニンテンドーDSでのリメイク。~
本作より先にリメイクされた『[[PS2版>ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2)]]』をベースにしている。
&br()

2014年12月12日からは他のナンバリングタイトル同様にDS版を移植したスマートフォン版が配信された。

----
**変更点・追加要素

-演出面の変化
--PS2版で追加の要所のムービーの削除
--水のリングを入手するために開ける水門でのムービーが削除。
//元々「なんでこんなところでムービーが?」と言われていたのもあり、容量節約のためにも削除されたものと思われる。
--PS2でパパスがジャミとゴンズにリンチされるシーンのムービーも削除され、いつも通りの戦闘画面とテキストで表現されている。
//これでは残酷さが伝わらないという意見もあれば、詳しく見せないことでかえって生々しさが増しているという意見もある。

-幼馴染のビアンカ、お淑やかなお嬢様のフローラに加え、''新たな嫁候補として高飛車お嬢様のデボラが追加。''
--詳細は後述。

//↑DS版6の項目から移行

-仲間モンスターも新たに2種類追加。
--''プリズニャン''の実力はそこそこで、レベル99まで成長させられるが、活躍の場は中盤までだろう。
---このモンスターは実は従来のザコ敵のベビーパンサーの枠を奪って代わりに登場している形になっている。この煽りを受け、本作のベビーパンサーは幼年期のイベントで仲間になる一匹以外は、カジノの格闘場のみの存在になっている。逆に言えばベビーパンサーがザコ敵ではなくなったことにより主人公のパートナーとして登場する特別な存在になったと考えることもできる。
--''アークデーモン''はステータスが高く、呪文&ブレス耐性も割と高め、特技も強力なものが揃っていると非常に強く、レベル10単体でのラスボス撃破などを記録している。
---強力な追加仲間モンスターではあるが、出現する場所がSFC版・PS2版でもトラウマダンジョンとして知られる「封印の洞窟」の最下層のみであり、敵として出てくるアークデーモンもHPと攻撃力が高くさらにイオナズンまで使ってくる為、適正LV付近では加入の為に倒すだけで一苦労である。加えて出現率も起き上がる可能性も低めであるため、スルーする人が多い。

-タッチペンを使用するミニゲーム「スライムタッチ」が登場。いわゆるモグラたたき。
--たまに薬草や祈りの指輪といったアイテムも出てきて、それらをタッチすれば実際に入手できる。

-DS版『IV』に準じた変更
--ゲーム画面のグラフィックは基本的にDS版『IV』(つまり大本は『VII』準拠)と同系統のもの。キャラもPS2版のようなポリゴンではなくドット絵。敵のモーションもSFC版『III』や『VII』のものが流用されている。
--天空への塔の構造がDS版『IV』に準じたものになった。
---これを使いまわしによる手抜きとの批判もあるが、設定上は『IV』と同一のものであるため踏襲したとも考えられる。
---SFC版でも天空への塔は2作でほとんど同じであった。過去にPS版『IV』で改変されたのに、PS2版『V』で改変されていなかったのがむしろおかしかったとも言える。
--中断セーブが可能になった。上書きしない限り消えない。
--仲間のうち誰かがインパスを習得していれば、MP消費なしで道具の鑑定が可能に。
--HPが0になった時のメッセージが「しんでしまった」から「ちからつきた」に変更。ただしザキ等の即死の場合は「しんでしまった」のまま。

-「にげる」が弱体化された。
--個人逃走((各キャラのコマンドにある「にげる」を選択すると、そのキャラの番になるまで「にげる」を実行できないが、成功するとその場で逃走成功となり、戦闘が終了する。))の廃止、失敗すると敵全員が何の制限もなく行動できる、と使い難くなった。
//確実に成功するには5回「にげる」しなければいけない(PS2では3回目で確実に成功する)、
//PS2版実機で試したけど、普通に4逃げミスがあった。確実に逃げるには5回逃げる必要がある。
---PS2版5はPS版4と同じく個人逃走が可能で、全員で個人逃走すれば1ターンでかなり高確率で逃走成功できるものだった。仲間加入、メタル、金持ちモンスターとの戦闘サイクル向上するのに一役買っていた。
//---しかし、個人逃走可能というシステムはドラクエ全体を見てもかなり恵まれているほうであり、実装されている作品も稀。本来の姿に戻ったともいえる。
//--本作の「にげる」システムはDS版4とDS版6でも採用されている。
//理由付けが弱すぎるため削除

-戦闘演出のテンポはPS2版に比べると劣るが、それでもかなりスムーズなテンポとなっている。

----
**評価点
//追加・変更点の項目から移動。

-新たに追加されたデボラのキャラクター性
--雑誌などでデボラ追加の情報が公開された当初は『地雷』と警戒されてしまった。~
中世が舞台であるドラクエにはそぐわない、キャバクラ嬢にしか見えない容姿から「堀井がついに狂った」などと非難された他、原作には存在しなかった「フローラの実の姉」という唐突な後付設定も批判を招いていた。
---なお、SFC版の時点からフローラは「ルドマンに拾われた子供」という設定なのだが、デボラも同様。ただ、別々に引き取られた血のつながらない姉妹ではなく「デボラはフローラと一緒に拾われた実姉((デボラかフローラと結婚すると、子供が生まれた後に妻が自分の身の上を話したあと「フローラ(デボラ)とは本当の姉妹」という。))」とされている。
--だが、''実際に発売されてみると、上記の前評判を覆して会話・戦闘能力共に好評を博すことになった。''
---彼女は魔法攻撃を得意とするビアンカ、フローラと違い前衛タイプとして設定されており、性格・性能の両面で他の二人とかぶる個性が殆どなく、むしろ花嫁候補の中では最強と言う意見もあるほど。キャラの個性がきちんと現れている。元々DQ5では呪文より物理攻撃の方が強い為、物理よりなデボラの性能とシステムが噛み合っている為である。「魔神の金槌」も装備できるため、メタル狩りにも事欠かないのも利点。
---青年時代前半のデボラは主人公を「小魚」呼ばわりする、主人公の叔父を「パパより貫禄がない」と罵倒する等、ツンデレというよりは非常識あるいはDQNな発言が少なくないため、ビアンカやフローラと比べると人を選ぶキャラなのは事実。~
しかし物語後半になるとデレの一面も見せはじめ、主人公への悪口じみた言葉の数々も愛情の裏返しという事が判明し、魅力ある一面が描かれていることが分かるようになる。特にラスボス前の会話は必見。
---ビアンカの子供が金髪、フローラの子供が青髪なのに対し、デボラを選んだ場合は子供が黒髪になる。このため子供の外見の選択が広がったとも言える。
---ただ、それがわかった上でも、やはり人の好みは千差万別であり、現在でも「デボラだけは絶対に選びたくない」というプレイヤーもいるのは致し方ないところだろう。

-PS2版で問題となっていた部分が一部修正された。
--あまりに難しかった「すごろく」の難易度が、「さいころの目を自由に出せる」マスの追加、「強制アウトとなる『落とし穴』マスの減少」により少し改善された。
--削除されたアイテム「ときのすな」が復活。また、その効果はSFC版と違って、PS版DQ7以降と同じ「戦闘開始時に戻る。何度使っても無くならない」に変更されている。
---これによりはぐれメタル等の撃破や加入をかなりやりやすくなった。入手タイミングの都合でかなり終盤にはなってしまうが。
//--シリーズの中でも随一と言われるほどおバカなAIも改善された。
//---ただし、少年期に仲間に加わるベビーパンサーなどのかしこさが19以下の仲間モンスターは「ぼうぎょ」を選択しやすいために積極的に攻撃に移ってくれなくなったなど、劣化点もある。

-難易度も調整し直している。
//--モンスターの最大出現数がほんの少しだけ抑制された…が殆ど実感がないレベル。
--レベルアップ時の能力値上昇がDS版4と同様のシステムになり、悪い方向に傾かないようになった。
//---DS4と違い基準値そのものが変化していたり、「上限値((アイテムやレベル上げ吟味などでそのレベルに見合わないほどの高い能力値があると、次のレベルアップでその能力値の成長値が0か1になるシステムのこと。ちなみに「下限値」というシステムもあり、これらはFC3からのランダム成長作品で使われている伝統システムである。))」が厳しいので、DS4ほどの恩恵はない。
//---青年期前半で再加入するビアンカは、PS2版では「少年期ビアンカ離脱時のレベル+2」だったが、DS版ではそれが「+10」に上がって強化されたと思いきや、「ステータスは、全てのレベルアップ時に上昇基準値通りの成長をしたときのステータスに変化させる」となっている。つまり''ビアンカを少年期にレベルアップさせるほど、ビアンカの最終的なステータスが低くなってしまう''。
--イオラ、爆弾石で受けるダメージが減った。
--ドラゴラムでドラゴンに変身すると、ギラ・炎系に対する完全耐性がつくようになった。
--ラスボスの行動パターンの変更。

-過去のバグはほとんど修正されている。
--SFC/PS2版の時のようにゲームバランスを変貌させるような大きなバグは見つかっておらず、DS版で新たに発見されたバグもほぼ無害なものとなっている。

***スマートフォン版のみの評価点
-追加アイテム「モンスターブローチ」
--主人公のみが装備できるアイテムで、装備するとモンスターの勧誘率がアップする。
---ほとんどのモンスターが2倍あるいは4倍の確率にアップするため、仲間集めが格段に楽になった。かの「5強」ですら、加入率が256分の1から64分の1になるのは非常に大きい。
---元々はスマートフォン配信後に期間限定で入手できるアイテムだったが、後のアップデートでカジノの景品となった。

----
**問題点
-多くの点が変更された一方で、PS2版から引き続き変更されなかったものもある。
--山彦の帽子はやはり削除されたまま復活せず。
--仲間モンスターは追加2種を除いて、PS2版とほぼ一緒。勿体無いと言われたおおねずみなど幼年期系モンスターが仲間になるタイミングの修正も無し。
//---PS2版では一応OT技((オープントレイ技。ゲーム実行中にPS2のトレイを空けてディスクの読み込みを止めて通常では行けない所に行ったりする裏技。))などで役立てることもできたが、DS版ではそれに相当するバグも無いため、使い道が完全に無くなってしまった。
---さらに、おばけキャンドルはPS2版ではピピンと同じ装備グループだったのだが、DS版では他の物質系モンスターと同じ装備グループに変更。つまり装備できるものが減ってしまい、元々弱かったのにさらなる弱体化となってしまった。
--ゲーム内容自体はほぼPS2版のままであり、追加要素もデボラ以外はあまり目立っていない。
//--PS2版で没になったと言われていた魔界の塔のダンジョンも結局追加されなかった。

-追加仲間モンスターが2匹と少ない
--PS2版でかなりの数が追加された後とはいえDQ5と言えば仲間モンスターであり、追加が少ない事には残念な声も聞かれる。

-仲間モンスターがかしこさ20未満の時はランダムで命令を無視するのだが、そのバリエーションに「ぼうぎょ」が加わった。
--これの何が問題かと言うと、幼年期のベビーパンサーが大幅に弱体化してしまったのである。元々ベビーパンサーはSFC版の頃から命令に従わない事があったが、当時は「攻撃のターゲットが変わる」「アイテムを使いにくい」ぐらいの弊害しかなかった。しかしDS版では、「攻撃してほしい時に防御して攻撃してくれない」と言う状況が頻発する。

-モンスター預かり数が実質無制限(199匹)だったPS2版とは違い、DS版では最大80匹に制限されているため、1種類につき1匹+αまでしか集められない。
--SFC版では最大53匹だったため一応元祖より上限数は多いのだが。

----
**総評
内容はPS2版のほぼベタ移植である。しかし今作は特に目立ったバグもなく、安心して遊べる。PS2版の出来が良かったためか、DS版DQ4~6の中では最も評価が高い。~
しかし、PS2版における問題点の一部が解消されていないことは、不満点として挙がっている。~
PS2版と比べると変更点・追加要素が少ないので、「携帯機でどこでもプレイ」「新たな花嫁であるデボラが気になる」ならDS版もしくはスマートフォン版、「据え置き機で綺麗な画面&ダイナミックな音楽でプレイしたい」のであればPS2版を選んだ方が良いだろう。
//また、SFC版やPS2版にはバグがあったものの、それらのバグは上手く使えば遊びの幅を(ゲームバランスを破壊するほど)広げられるものであったが、DS版には特に目立ったバグが存在しないため、旧作のようなぶっ飛んだプレイはできない。バグプレイを楽しみたいならPS2版を選ぼう。
//さすがに普通ではないあそび方を前提にした選択を推奨するのはどうか。

----
**余談
-DS版特有のバグとしては以下のようなものがある。いずれも小技程度のものであり、ゲーム進行にはほとんど影響しない。
--表世界と妖精の世界で船が座標を共有しているため、船の位置を調整すれば妖精の世界で透明な船に乗れてしまう。
--ただし地上で乗ってしまうと身動きが取れなくなり、うまく調整して外海へ出たとしてもそこには何もない。一応ルーラなどで復帰できる。
--船に乗るときにあることをすると地上に船を持ち込めるバグがある。
--一部仲間モンスターの初期習得済み特技が、電源を切って再開や中断セーブして再開すると変化してしまうバグがある。ホークマンのバギ→スカラ、ガップリンのまひこうげき→ねむりこうげきなどが確認されている。ただしどちらも元々使い勝手の良いモンスターとは言えないため実害はほぼ無い。
--また、こちらは逆にバグ修正による仕様変更だが、カボチ村のイベントで、最後の報酬を受取る段階でカボチ村によらずにゲームを進め、青年期後半になってから村長に話しかけた時のおかしな会話が修正された。
---PS2版までは村長のフラグだけ消えず、青年期後半でも嫌味を言われながら報酬を受け取れる。そして直後に話しかけると、いきなり主人公のことを忘れ、恩人に酷い仕打ちをしたと後悔を始めるという仕様があった。DS版では他の村民と同じく最初から主人公のことを忘れ後悔している。
---結果としては報酬が貰えなくなるというマイナス仕様なので、報酬が欲しい人は後半に入る前に貰っておこう。

-堀井氏がPS2版『V』発売当事のインタビューで、「新たなヒロインを加える案もあったがそれだとジャンルが違ってしまうから止めた」(※悪い意味で『ときメモ』化という意味合い)と言っているのに、DS版であっさりデボラを加えたのは、前回のPS2版からわずか4年しか経っておらず、使いまわしの批判を避けるためではないかとも言われている。デボラを加えたこと自体は別に悪いことではないが。
--ちなみにデボラは「SFC当時結婚イベントでビアンカがまず選ばれると思ってたのにフローラを選んだという人が多かったので、今度の女性キャラはCOLOR(red){''絶対に選ばれないようなキャラにした''}」ということから、あのようなアクの強すぎる外見と言動になったという。

-2019年8月2日に公開された映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」が『V』をベースにした作品だったため、DS版スマートフォン版共に大きくセールスを記録した。もっとも、映画はSFC版がベースのため、デボラは登場しなかったのだが。
--映画に先駆けてかスマートフォン版では上記のモンスターブローチに関するアップデートが同年7月11日に行われた。

//タグ管理用スペース(タグを変更した時は内容をこちらにコピペ上書きしてください。)
//ドラゴンクエストシリーズ,ニンテンドーDS,スクウェア・エニックス,リメイク作