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スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2 - (2023/10/29 (日) 13:39:15) のソース

*スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2
【すーぱーろぼっとたいせん おりじなる じぇねれーしょんつー】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B0006VVF6G,image);|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|128MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|バンプレソフト|~|
|発売日|2005年2月3日|~|
|定価|5,800円(税別)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦関連作品リンク>スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:&color(blue){OGシリーズ}:[[OG1>スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION]] / &color(black){''OG2''} / [[OGs>スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]] / [[OG外伝>スーパーロボット大戦OG外伝]] / [[第2次OG>第2次スーパーロボット大戦OG]] / [[OGDP>スーパーロボット大戦OG ダークプリズン]]/ [[OGMD>スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
前作である『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』の好評を受けて作られた直接の続編。略称は『OG2』。~
今作のストーリーは『[[第3次スーパーロボット大戦]]』のインスペクター襲来をベースに、『[[スーパーロボット大戦A]]』や『[[スーパーロボット大戦IMPACT]]』が展開される。~
また、新たに『[[第2次スーパーロボット大戦α]]』の主人公であるアラド・バランガやアイビス・ダグラスも登場している。

**特徴
-シナリオは「リュウセイ編」「キョウスケ編」が用意されていた前作に対し、今作ではシナリオが1本に絞られている。そのため主人公が誰かという明確なアナウンスはないが、作中での因縁の多さからキョウスケが主人公であるという見解が多い。
-基本的なシステムはほぼ前作を踏襲している。前作でも好評だった武器換装システムは、武装の数も増えたことから選択の幅が広がった。
--また『スーパーロボット大戦D』であった直線状に並んでいる敵を連続で攻撃できるコンボシステムは、連続攻撃システムと名を変えて採用されている。
-敵を撃墜し、撃墜数を稼ぐことによって得られるエースボーナスが従来のもの+パイロットによって固有のボーナスとなった。
-比較的易しめな難易度である携帯機スパロボの中では高めの難易度を誇る。詳細については後述。

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**評価点
''シナリオ面''
-かねてより熱望されていた『スーパーロボット大戦A』オリジナルの参戦。キョウスケVSアクセルという夢の対戦カードが実現した。

-前作では『スーパーロボット大戦COMPACT』および『IMPACT』からはキョウスケとエクセレンのみが参戦していたが、敵対勢力である「アインスト」がようやく登場。

-『第3次スーパーロボット大戦』の敵勢力「インスペクター」がまさかの登場。
--前作の時点で『第2次』の要素が再現されていたり、『第4次』の敵組織である「ゲスト」の存在を仄めかす台詞もあった為、参戦を予想する声もあったが、事前告知無しのサプライズだった為、急な登場に驚いたプレイヤーも多かった。
---オリジナル作品のみを集めた作品だからこそ出来たサプライズと言える。

-『第2次スーパーロボット大戦α』における主人公たちの参戦。
--アラド・バランガ&ゼオラ・シュバイツァー達スクール勢、アイビス・ダグラスをはじめとするプロジェクトTD勢の登場は好評をもって迎えられた。
--ちなみに、プロジェクトTD勢は『第2次α』以前の設定で登場しており、『第2次α』では既に故人だった関係者も登場している。

-『α』におけるリアル・スーパー両方の後継機であるヒュッケバインMk-IIIと龍虎王の登場。ならびに『α』の主人公8名の中で唯一登場していなかったユウキ・ジェグナン&リルカーラ・ボーグナイン両名の登場。
--2人の登場も一応伏せられていた…のだが、事前に公開されたゲーム画面の中に''カーラの名前が見切れて写っているものがあった''ため、サプライズになっていなかった。

-『スーパーロボット大戦α外伝』の敵勢力も一部設定を改変された上で登場。これにより''ゼンガーVSゼンガーという恐ろしく濃い組み合わせ''が実現した。
--なお、当のゼンガーがダイゼンガーに乗り換えるステージもまた、&bold(){気合の入った習字(のような書き方)で『武神装攻ダイゼンガー』と、ステージタイトルがでかでかと画面に表示される}という凝り様である。実際にプレイするとわかるがとてもアツい。

-魅力的な新キャラと新メカ
--本作初登場となるオウカ・ナギサはビジュアルと設定、作中の性格から現在も人気が高いキャラである。
---専用BGM「桜花幻影」も幻想的で悲壮感に満ちた曲調と、本作のBGMの中では飛び抜けて頑張った音質から意外と評価が高い。
--本作で初めてその姿を見せた、レーツェル専用機「アウセンザイター」はそのビジュアルと衝撃の変形で、多くのプレイヤーのハートと喝采をモノにしており、作中でのある会話から一部で「ダイトロンべ」の愛称で親しまれている。

''システム面''
-難易度の高さからSRPGとしての戦略性が他のスパロボと比べると非常に楽しめる。難易度は前作を上回る。
--基本的に近年のスパロボで可能だった単騎のみを改造して無双プレイというのはかなりほぼ不可能になっており、戦略性が問われる作りになっている。
-さらにクリア後は、『EXハードモード』という高難度モードで遊べる。武器改造不可、敵能力の向上、PP育成に倍の量を使用する…という熟練プレイヤーも唸らせる仕様があり、やりこみ要素も抜群。
--EXハードをクリアすると、『スペシャルモード』(所謂イージーモード)が追加される。こちらは全てのユニットのパラメータを10段階改造可能になり、選択武器と強化パーツ全種(修理・補給装置を除く)を1面クリア時に支給される。
--製作側もやり込みを意識しているのか、ある圧倒的に不利な状況で始まるステージでインスペクター四天王を撃墜すると、四天王のメキボスがプレイヤーにやり込みを称えるような発言をして強力なパーツや換装武器をよこしてくるというメタな展開もある。

-グラフィックは前作OGよりもさらに向上、カットイン演出も大幅に増えている。
--戦闘アニメーションも前作OGやDから格段に進化を遂げており、非常に滑らかに動く。

-戦闘時のBGMの変更が可能になった。
--本作の時点ではパイロットと機体にそれぞれ設定された3~5曲の中から選ぶようになっている。
--同年発売の『第3次α』で作品の枠を越えて自由に設定できるようになった。

-サウンドテストがこっそり実装されている。方法はクリア後にオプション画面のシステムの項目で↓↑←→LRと入力してから決定ボタンを押すというもの。
--実はこのコマンド、かつて『スーパーロボット大戦EX』でネオグランゾンを出現させるためのコマンドと同一。コマンド自体が過去作のプレイ経験者に対するファンサービスとなっている。
--ちなみに、任天堂携帯機で発売された本家スパロボでサウンド鑑賞モードが実装されているのは今のところ本作と『魔装機神LOE(DS版)』だけである((本家スパロボに限らなければ『無限のフロンティア』シリーズにも実装されている。))。

**賛否両論点
-高い難易度。(シリーズを既にプレイしている人にはちょうど良く、シリーズ初プレイには厳し目な程度)
--序盤からHPが高めの指揮官機が登場し、中盤からは雑魚の能力も向上するため、育成や改造を適当にやっているとてこずる場面が多くなる。
---味方の命中、回避率が低く感じられる主な原因は味方の機体、パイロットの地形適応にAが多い為。本作では地形適応の補正が高く、AとSでは命中、回避率に30%近い差が出る。
---逆に言えば、避けがメインのリアル系は地形適応を良くするだけで一気に回避率が上がる為、優先的に強化してやると良い。
--味方が不利な状況に置かれる展開も多め。
---とはいっても、序盤~中盤の顔見せ場面に多く、逆に言えば「未改造でもクリア出来る」ように作られているので、精神コマンド等をきちんと使用すれば然程苦労せずにクリア出来る場面も多い。
--後半のボスはHPが10万を超えるバケモノユニットが揃い踏み(おまけに大半がHP回復持ち)。しかも、終盤のマップはそんな奴らが同一マップで3・4回に渡って襲い掛かってくるという仕様。
---ボスの攻撃力が恐ろしいほど高く、いくらHPや装甲が高いユニットであっても最強攻撃一発で落とされてしまう事が多い。そのため「ひらめき」などの精神コマンドを多用する局面が多く、PP育成で覚えられるスキル「SP回復(ターン毎に精神ポイントが10回復)」が無いと苦しい。
---熟練度"難"で戦うことが出来る真のラスボスに至ってはHP55万というこの時点でのスパロボでは最高値を誇る。はっきり言ってインフレさせすぎではないかという声も。
--しかし、この点はこちらも攻撃力がインフレ傾向にあるためにHPの高さでバランスをとっているという意見もある。
---参考までに乱発できる武器で2000~3000、条件付武器で4000~6000、最高クラスが10000前後で、改造で数千上がり、相手の防御を下げて更に数千上がり、特殊能力で1.2倍や他の補正が足され、「熱血」の精神コマンドで更に2倍になり、プラス通常よりも一回り火力を下げた攻撃(熱血非適用)を援護につけられる。
---最終的にパイロット養成を無理にせず、無改造でも最高の一撃+援護で、後半では45000程度のダメージをボス相手にはじき出せる。
--熟練度の獲得条件が厳しく、全て取るプレイをするとゲーム難易度が非常に高くなる。
---ただし熟練度を獲得しなければ逆に難易度が下がっていくので、わざと熟練度を落とせば比較的低い難易度でゲームを進めることができる。熟練度を多く獲得しても隠しステージに行けるくらいのメリットしかないため、熟練度の少ないプレイヤーが損することはあまり無い。
--仕様かバグかは不明だが、周回プレイの場合に引き継がれる資金・PPは「直前の周回のみ」が参考にされる。これによって何周しても難易度が大幅に低下するという事がない。
--上記の難易度から、システムや定石を理解していないライトユーザーからは理不尽と受け取られる事もあるものの、大抵はゲームシステムを理解すれば自然と解決していき、前述した評価点へとつながる。

-バランスブレイカーの隠しユニット
--隠しユニットの一つの固定武装に「スタンショック」という武装があるのだが、効果は「行動不能」で問答無用で敵を1ターン何もさせない事ができる。
---ボスユニットには「特殊効果無効」という無効化能力が付いている物が多いが、精神コマンド「直撃」と合わせて使用する事で、ラスボスですら封殺可能。
---強力な隠しユニットはシリーズでもいくつか存在するが、敵に何もさせないのはやりすぎとの声も。
---ただしその分、入手条件は非常に複雑。前情報未入手の初プレイではまず気づかないレベル(ヴァイサーガほどではないが)。

**問題点
-『スパロボA』の男主人公兼ライバルであるアクセルの扱い
--『A』のストーリーは、それぞれアクセル編とラミア編があり、選ばなかった方が敵として登場して最期を遂げる。今作では『A』のラミア編がベースとなっているため、アクセルの扱いはおおよそ原作の敵バージョン準拠となっている。
---『A』におけるアクセルの性格は敵か味方かによって激変し、敵の場合は一貫して冷徹な性格で描かれる((通称「悪セル」))のに対し、味方の場合は記憶喪失の影響でシリアスさよりギャグ的な面が強い三枚目な性格となっている((通称「アホセル」))。『A』経験者に取ってアクセルは後者のイメージが強いため、本作のアクセルは違和感が大きくなっている。
--敵としての出番にも問題がある。今作でのクロスオーバー要素として『IMPACT』(『COMPACT2』)の主人公であるキョウスケ・ナンブとライバル関係になる……のだが、作中では自分の私情だけでキョウスケの前に現れては喧嘩をふっかけてくるチンピラ並の扱い。しかも戦闘隊長としての任務よりもキョウスケを討つ事を優先させるような言動を取るため非常に自分勝手なキャラに映る。
---そもそも、キョウスケを付け狙う理由は自分がいた「平行世界でのキョウスケ」との因縁から。つまり「本作におけるキョウスケ」からしてみればまったく身に覚えのない因縁をふっかけられている。彼がやってることは第二者、第三者から見れば完全な八つ当たり。キョウスケ自身は作中で殆どアクセルの事をライバルというよりは排除すべき敵の一人としか見ていない。とんだライバルである。敵側のストーリーを再現するにしても、これはやりすぎという声が多かった。

//-いくつかの部分で原典からそっくりそのままテキストを流用している部分がある。
//--たとえば、アラドとゼオラの初登場シーン。『第2次α』における二人の登場シーンと完全に同一。ヤザンの台詞はオリキャラが発しているが、その内容もほぼ変更されていない。
//これだけなら別に問題でもないだろう

-BGMの問題
--容量ギリギリに詰め込むために音数を1つ減らしたため、BGMの音質が前作と比べ劣化している。
--曲数自体も減少。特にビルトビルガー・ビルトファルケン(乗り換え後の専用機)の専用BGM「WILD FLUG」は曲自体の人気もあり、この曲がないという事態に驚いたプレイヤーも多かった。
---そもそも『OGシリーズ』のアラドは、敢えてプレイヤー側で乗り換えさせない限りヒュッケバインMk-IIIに乗らないのだから、「ACE ATTACKER(Ver.W)((アラドの初出作品である『第2次α』で、ヒュッケバインMk-III搭乗時に使われていた曲。))」を削った方がまだ違和感は少なかっただろう。
---「WLD FLUG」の復活は結局『OGs』に持ち越しとなってしまう。

-分岐時の搭乗機体がほぼ固定されている。
--分岐から合流した際に、ほとんどのパイロットが初期搭乗機体に乗せ換えられる。ついでに換装パーツまで初期化される。
--初期ユニット重視で乗せているならさほど困らないが、OGシリーズは元々乗せ換えがかなり自由であるため、あれこれいじっていると戻すのが面倒。

-入手が難しすぎる一部の隠し要素
--一部の隠しユニットの入手が普通にプレイしていてはまず気づけない難しすぎる物になっている。中には「特定のタイミングで特定の座標に移動する必要があるが、移動後に何も反応がない」という条件と気づけない条件も。
---上記の通り、それで入手できるユニットが相応に強力過ぎる性能なので、あくまでおまけという事なのかもしれない。

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**総評
ストーリー、システム双方に、前作の長所を継承しつつ、さらなるブラッシュアップが図られており、バンプレストオリジナルの作品にとどまらず、スパロボシリーズとしても評価の高い一作。~
『第3次』や、扱いこそ批判を生んだが『A』の参戦自体は歓迎されており、αシリーズとコンパクト2以外の作品も今後は期待できるとした今作の功績は大きい。

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**その後の展開
-2007年、PS2に『OG』と今作を移植リメイクした『[[スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS]]』が発売。
--今作での批判が響いたのか、OG2シナリオではアクセルのキャラクターとその周りの設定が大幅に改編され、性格に関してはほぼ別人になっており、この件は概ね好意的に受け止められている模様。

-2010年には今作をベースにしたテレビアニメ『スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター-』が放映された。
--一話から原作を知らない人を一気に振るいにかけて落とすようなスタートを切ったが、最後までその姿勢を貫き通した結果、毎回見せ場の溢れたゲーム同様の展開をアニメでしかできない展開、表現を加えて昇華させ、原作ファンを大いに沸かせた。
--特に「向こう側の世界」のキョウスケの文字通り怪物化を見せ付け、アクセルがキョウスケを危険視する意味を重いものにする、一般人、大ボスが怪物化など、アインストの脅威は原作以上に大きく描写された。
---因みにこのときアインスト化したゲシュペンストMk-IIIの攻撃が、キョウスケの担当声優である森川智之氏が主演を務めたアニメ『宇宙の騎士テッカマンブレード』の主人公の必殺技に酷似しており、しかも怪物化したMk-IIIの容姿がその主人公のライバルキャラに酷似していたため、中の人ネタで「ボルテッカ」「ブラスター化」等と言われた。

**余談
-『A』に登場する主人公機は、元をたどれば『[[スーパーロボット大戦64]]』の主人公機をモチーフとしており、いずれも名前も見た目も非常に似ている。しかし『64』のオリジナルはスパロボ側が権利を完全には所持していないため『OG』シリーズへの参戦ができず、寺田Pも「Aの機体は64の機体をモチーフにしているだけで、設定上で直接の関連性はない」ことを明言している。
--作中において『64』主人公機の名称こそ登場しないものの、リアル系後継機を開発した軍事企業である「FI」(フレモント・インダストリー)と「Z&R社」の名前が明確に登場しファンを驚かせた。&br()本当に出られないのであれば、こういった固有名詞さえ使用不可能のはずで、リメイク版である『OGs』でも同場面のテキストは修正されなかったことから『64』のオリジナル勢がいつか『OG』に参戦するのではないか? という一筋の光明を見出したファンも多かったが、固有名詞の使用に関してはこの制限は適用されていないだけと思われる。