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ビジランテ - (2023/11/16 (木) 14:26:08) のソース

*ビジランテ
【びじらんて】
|ジャンル|アクション|&amazon(B0000ZPP3M)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|アイレム|~|
|稼動開始日|1988年3月|~|
|プレイ人数|1~2人(交互プレイ)|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※バーチャルコンソール版|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2007年2月6日/600Wiiポイント(2019年1月31日配信終了)&br;【WiiU】2015年2月10日/617円(税込)(2020年6月30日配信終了)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|スパルタンXの後継作&br()やたらとしぶといボス&br()お手軽永久パターンあり|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-1988年にアイレムからリリースされた横スクロールアクションゲーム。タイトルの意味は「自警団」。~
同社の有名作『[[スパルタンX]]』の後継作((勘違いされることも多いが、そもそも本作とはストーリーなどの繋がりはなくあくまでシステムを継承しているだけで、続編ではない。))であり、非常にシステムが似通っており、プレイ感覚が近いものとなっている。
--抱きつき雑魚、棒で殴打する雑魚(あちらの一階ボスに相当)、銃を撃つ雑魚(あちらのナイフ投げに相当)など、性能に共通した敵が多い。但し、あちらに登場した子供や蛇などの小型敵は存在せず、原則として主人公と頭身が近い敵のみで構成されている。

-さらわれたヒロイン「MADONNA」を救う為、主人公がニューヨークの裏通りでバトルを繰り広げるというストーリー設定。
--ヒロインがさらわれて単独で主人公が敵地に乗り込むという展開も『スパルタンX』譲りである。

-1~2人交互プレイ可能、全5ステージ構成。

**主なルール
-レバー左右で主人公の移動、下でしゃがみ、上でジャンプ、斜め上で斜めジャンプ。攻撃を行うボタンは二つあり、それぞれがパンチとキックに対応している。
--パンチ、キックはレバーの組み合わせによって攻撃が変化する場合がある。

-途中道に落ちている武器「ヌンチャク」があり、それに近づいてレバー下で拾う事が可能。
--ヌンチャク入手後はパンチボタンがリーチの長いヌンチャク攻撃となり、敵を倒しやすくなる。また、敵の銃弾をヌンチャクで跳ね返す事も可能。
--ヌンチャク入手時に敵の攻撃を喰らうと、ヌンチャクを落とし消えてしまうペナルティがある。また、ステージクリア時にヌンチャクを持っていると、次のステージにも所持が引き継げる。

-敵の中には主人公に抱きついて(?)少しずつダメージを奪ってしまう雑魚敵が頻繁に登場する。
--この敵に掴まれた状態でレバガチャとボタン連打を行うと、振り切ってダメージを最小限に抑える事が可能。
--なお、この敵の抱きつきでヌンチャクを落とすことが無いのも救いと言える。

-ステージクリア条件は、一応は道を進んだ奥に待ち構えるボスを倒す事なのだが、厳密にはボス撃破の後に先のゴール地点まで進む必要がある。
--初回プレイにて、ボスを倒したのにステージクリアにならずバグを疑うプレイヤーもいるかもしれないが、それはれっきとした仕様である。

-ライフ+残機制で途中復活(二人交互プレイではミス時にプレイヤー交代)。ミス条件はライフがなくなるか、制限時間が0になるかのどちらかで、残機、及びライフが全部なくなるとゲームオーバー。

**評価点
-シンプルかつ爽快感のある内容
--基本操作やゲームのルール自体は 『スパルタンX』と同様なので、既知のプレイヤーであればすんなりとゲームに溶け込む事が出来る。
--加えて、本作では新たに武器としてヌンチャクを装備する事が出来るので、より爽快感のあるプレーも可能になった。

-順当に進化した演出面
--『スパルタンX』ではステージ毎の仕掛けこそ多かったものの、代り映えのしない背景が続いていたが、本作はスラム街、橋、工事現場と様々な場所を転々とする形になり、各種ステージ背景も店やビルの看板など良く書き込まれている。
--BGMも当時のアイレム節ならではの重厚な音楽が中心で、危ない街の雰囲気を引き立てている。
---特に最終ステージは『スパルタンX』のメインBGMがバックで使用されている点等で、ストリートギャングの親玉との最終決戦を盛り上げている。

**賛否両論点
-作風の変化
--『スパルタンX』は妖怪や妖術といったオカルト要素も盛り込まれていてゲームの雰囲気に貢献していたが、本作はこれがバッサリと削除されてしまい、一気に現実劇な作風のゲームに変貌を遂げていた点は評価が分かれやすい。

**問題点
-ボス敵のみに存在する性能として、主人公からダメージをもらっても徐々にダメージが回復するという能力がある。
--これにより、連続でボスにダメージをあたえないと、攻撃してもボスのライフ回復とのいたちごっこが続き、その結果時間制限オーバーによるミスを招きやすい。よって倒し方が分からないと確実に長期戦となり、プレイがだれやすい問題がある。

-上記ルールの通り、ヌンチャクは高性能ではあるが、敵の攻撃をもらっただけで消えてしまう。よってボス戦までヌンチャクを持っていく事が困難となり、変に難易度を高める要因となってしまっている。

-銃を撃つ雑魚とバイクで特攻する雑魚の攻撃力が「主人公の全体力の半分」という極悪な仕様。よって、この雑魚たちからダメージを喰らわないようにプレイしなければならない。
--しかもバイクで特攻する雑魚は飛び蹴りでしか倒せない上に、倒れたバイクが爆発して主人公にダメージを与えるという厄介な特性がある。

-抱き着き雑魚とバイクで特攻する雑魚以外の雑魚敵は「どの攻撃でも4発当てないと倒せない」という微妙に厄介な仕様。
--せめて「雑魚に対するヌンチャク攻撃の威力はパンチやキックの2発分」とか「殴りかかり雑魚と銃を撃つ雑魚は2発で倒せる」くらいの難易度調整はするべきでは…。

-「時間制限0でしゃがみ状態のままだと、一切ミスにはならない」というバグがある。これを利用すれば永久パターンが成立してしまう。
--それ故、店舗側から『永パ禁止』の注意書き等の措置をとられる事も。

**総評
当時のアーケード作の中では、特にこれといったセールスポイントもなかった為なのか、『スパルタンX』程の人気は得られなかった。前述のバグによる永久パターンもそれに拍車をかけていると言える。~
もっとも、アイレム製のゲーム全般が人を選ぶ事が多いのも要因の一つかもしれないが…。

ゲーム自体はボリューム不足でステージの変化がやや乏しかったり、ボスが無駄にしぶとい部分はあれど、それなりに作られた一作であり、完成度は決して低くはない。

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**家庭用移植
-PCエンジン Huカード版(1989年1月14日、アイレム)
--国内では唯一の家庭用移植((海外ではマスターシステムやMSXやAmiga等に移植されている。))であり、アイレムのPCエンジン発売参入一作目でもある(PCEキラーソフトである『R-TYPE I&II』はハドソン発売)。
--グラフィックの再現度など移植そのものの出来は良好だが、ヌンチャクを取ると異常に難易度が下がるなど難易度調整でやや失敗した面もある。~
もっとも歯ごたえが欲しい人は武器を拾わなければ済む話であるし、難易度が異常に高すぎるよりは嬉しい配慮とも言える。
---また発売もファミコンディスクソフト『[[ハレーウォーズ>ハレーズコメット]]』(タイトー)と並んで平成になって発売された初のゲームソフトという歴史的ソフトでもある。~
当時人気の花形はタイトル的にはまだまだ少なかったもののRPGで、平成期はRPGの時代となることを誰もが予期していた中で、そのスタートを切ったのは前世代の主役アクションとシューティングであった。
---しかしそんな歴史的なソフトなのに「平成」という言葉にまだネームバリューがないせいか全然触れられていないという不憫な栄誉である。
--Wii/WiiUのバーチャルコンソールで配信された(現在、どちらも配信を終了している)。

-アーケードアーカイブス(Switch/PS4)(2019年9月5日、ハムスター)
--アーケード版の移植。