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サイレントボマー - (2022/08/18 (木) 17:52:52) のソース

*サイレントボマー
【さいれんとぼまー】
|ジャンル|アクション|#amazon(B00005OVJJ)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|バンダイ|~|
|開発元|サイバーコネクト|~|
|発売日|1999年10月28日|~|
|定価|5,800円(税抜)|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2006年11月22日/600円(税込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[テイルコンチェルト]]』に続くサイバーコネクト(現サイバーコネクトツー)開発ゲームの第二弾であり、~
爆弾で敵を倒してステージをクリアしていく見下ろし型アクションゲーム。~
基本的なシステムはアクションであるが、シューティング的な要素も持ち合わせている。~
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**ストーリー
>宇宙入植計画の開始から1000年。200以上の入植地の約半数が独自の自治権を獲得し、母星・地球との関係は希薄となっていた。~
幾度かの戦争の後、地球圏は圧倒的武力と経済力を持つ企業「オルガネラ」が覇権を握る。~
彼らは「宇宙に散らばった人類を管理・統合する」という名目で、自治権を持つ惑星を「司法惑星同盟」へと強引に加盟させていった。~
そんな中、数百年の歴史を経て共和国家を樹立した惑星「ホーネット」にも司法惑星同盟の魔の手が迫っていた。~
同盟側の突き付けた一方的な同盟条約に対し、ホーネットの大統領は徹底抗戦を宣言。敵を迎え撃つべく2000隻の防衛戦艦を配備する。~
対して同盟側は超弩級戦艦「DANTE(ダンテ)」を発進させ、~
同盟を受け入れなければ、約300万kmの射程距離を持つ主砲「フェルミオン」によってホーネットを惑星ごと消滅させると宣告する。~
ホーネット側は、刑期の全免除を成功報酬として重犯罪者達を実行メンバーに投入したDANTE中枢施設破壊作戦「トロイ作戦」を決行。~
その中には、かつての戦争で価値観と感情を失った男「ユタ・フェイト」もいた。

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**特徴・評価点
-爆弾を設置して爆破することで敵を倒し、ミッションをクリアしていく。敵はもちろんのこと、マップに点在するコンピュータ端末やコンテナ、果ては''建物''に至るまで、破壊可能なオブジェクトもかなり多い。アイテムが入手できることもあり、何より''爆破のカタルシスと爽快感がハンパではない''。
--文字通りの破壊工作、捕虜の救出、味方の護衛と、ミッションの内容も多彩。

-主人公・ユタの武器は爆弾のみ。爆弾は時限式や接触式ではなく、プレイヤーが任意のタイミングで起爆できる。
--爆弾の設置方法は2種類あり、その場に設置する方法とロックオンカーソルを出してカーソル内に捉えた敵などに向かって爆弾を飛ばす方法がある。なお、当然ながら爆風や敵の誘爆に巻き込まれるとダメージを受ける。ロックしたからといって焦って起爆すると文字通り自爆になるので、冷静かつ的確な設置・起爆操作が要求される。
--ロックして設置する場合はカーソルに捉えればほぼ確実に敵にセットできるが、ある程度近づく必要があるのでダメージを受けやすい。逆にその場に設置する場合は安全に起爆できるが敵の動きを読まないと当たらない…と一長一短。また、ロックできない敵もいればロックしないとダメージを与えられない敵もいるので、状況や敵による使い分けが非常に重要。
--どちらの方法でも「スタック」という多重設置のテクニックができ、爆発の範囲が拡大し威力を大幅に上げられる。
--また「チェーン」というテクニックもあり、複数の場所に爆弾を設置、起爆することで一度に複数の敵を破壊したり弾幕を張るような使い方をすることができる。
--爆弾は通常の爆弾のほか、マテリアルリキッドというアイテムを使って特殊効果を付与できる。ダメージを与えるほかに特定の敵の動きを止める効果を持つので、敵によって使い分けることで攻略がかなり楽になる。当然スタック・チェーンが可能だが、ロックオンで飛ばすことはできない。アイテムも有限なので、無駄遣いは厳禁。わりかし簡単に補充されるのが救いではあるが。
--ステージ中で手に入るEチップで爆弾の設置可能数やロックオン範囲、防御力をカスタマイズできる。また、パラメータの調整は所持しているEチップの範囲であればいつでも自由に行える。
--武器が爆弾のみと、ある意味[[ボンバーマン>ボンバーマンシリーズ]]ではあるが、本作はこの通り取れる戦術が多彩且つ主人公はスピーディーにフィールドを駆け回るため、言ってしまえば''スタイリッシュボンバーマン''である。

-牧歌的な『テイルコンチェルト』とは打って変わってハードで熱いストーリー。ミッションの合間にはムービーが挿入されるので、感情移入もしやすい。
--「全長200Kmの超弩級宇宙戦艦を舞台に繰り広げる戦い」というSFな世界観に合わせ、敵も自律行動型の防衛マシン、パワードスーツを着込んだ兵士、ミュータントらしき生体兵器、さらには人間が乗った人型機動兵器まで登場する。そんな敵を相手に''生身&爆弾一丁で立ち向かう''ユタという、冷静に見るととんでもない構図の戦闘が繰り広げられる。
--過去のトラウマから冷徹なマシンの如き任務人間と化したユタが、徐々に戦う意味を見出して本来の熱い性格を取り戻し、最後は過去の因縁に決着を付けるべくラスボスの元へと向かう。正に王道で熱い展開になっている。
--ムービーやミッション中の会話もフルボイス。
---声優陣も豪華。主人公のユタを森川智之氏、ヒロインのアンリを氷上恭子氏、ライバルのベノワを塩沢兼人氏が演じ、ストーリーを大いに盛り上げてくれる。また、サブキャラは中村大樹氏や柚木涼香氏、山口勝平氏といったベテランが担当する。
//ビーストウォーズとは何の関係もないので削除

-ステージクリア後は、クリア時のライフ残量((ノーダメージクリアだと得点に50,000点が加算される。))、獲得した得点、クリアタイムによってランク付けされる。
--何も考えずにクリアするだけでは高ランクの取得は難しい。本作では、チェーンによって連続で敵を倒していくとボーナスが入るほか、爆風で敵の弾を消すことでも点が入る。そのためいかに敵をまとめて撃破できるか、どうやって爆風を当てれば敵の弾をうまく消せるかを考えながら進む必要があり、スコアアタックも非常に熱い。

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**問題点
-視点が見下ろしで固定されているため画面下方が死角になりやすく、この方向から接近してくる敵や攻撃が避けにくい。出会い頭に攻撃されてダメージを受けるのもザラ。
--それ以外でも爆炎に遮られてたまに敵を見失うこともある。

-操作面でも設置、回避、起爆をほとんど同時に行うことになるため、とにかく忙しい。後半になると敵の攻撃も激しくなるため、大混乱に陥ることも。どんな状況でも冷静に行動できてこそプロ、ということだろうか。

-ハードな世界観やストーリーに合わせ、難易度もやや高め。
--それでいて決して理不尽ではないバランスに仕上がっている。コンティニューも無制限なので何回も挑戦してパターンや攻略法を掴めば必ずクリアできる難易度になっている。
--しかしラスボスも例外ではなく非常に強い。戦い方がトリッキーなので何度も挑んでしっかり対策を見出し、且つ能力の振り分けも考えなければいけない。
---背景もDANTEが惑星に突入する映像が映し出されるため、視認性も悪く余計に敵の動きを捉え難い。演出としては盛り上がるのだが…。
---また、特殊な前哨戦からの連戦なので「何度も挑む」事自体も結構大変である。初見では前哨戦で疲弊したまま戦う羽目になり、何もできないまま敗北する可能性も高い。

-一度クリアしたステージには戻れない。そのため、アイテムを取りこぼせばその分だけ不利になり、最悪の場合詰む可能性がある。
--一度最後までクリアすれば好きなステージを選んでプレイできるアドバンスモードが選択できるようになるのだが、そもそも最後までクリアすることが難しい。

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**総評
ハードで熱いストーリーの他にも爆破による爽快感、パズル的なスコアアタックと、普通のアクションとは一味違う面白さを持つ。~
また、爆破によって建物や敵と一緒に''ストレスも消し飛ぶ''ので、ストレスが溜まりやすい方は発散の為にプレイして頂きたい。

**余談
-同社開発の『[[.hack>.hack/感染拡大 Vol.1]]』には『テイルコンチェルト』と共に本作のキャラの名を冠したPCが登場する。
--また、『テイルコンチェルト』同様にラストバトル付近には後に『.hack』でも使用されるSEがある。更に本作ラスボス前哨戦のBGMは『.hack』のラスボス曲に似ており、本作も影響を与えている事が窺える。