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アインハンダー - (2024/01/26 (金) 13:09:30) のソース

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*アインハンダー
【あいんはんだー】
|ジャンル|横スクロールシューティング|&amazon(B00005OVOM)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1997年11月20日|~|
|定価|6,090円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
//|セーブデータ|ブロック使用(最大ファイル保存可)|~|
|レーティング|【配信版】CERO:A(全年齢対象)|~|
|配信|ゲームアーカイブス&br;2008年6月25日/628円(税10%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
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#contents(fromhere)
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&br()&br()
#center(){{
&font(130%){''在りし時''}~
&font(130%){''未だ月と地球が争っていた混沌の世''}~
&font(130%){''月から訪れる異形の戦斗機は''}~
&font(130%){''こう呼ばれ恐れられていた''}~

&font(140%){''アインハンダー''}
}}
&br()&br()
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**ストーリー
22世紀、月面都市と地球間の戦争があった。地球上の人類生存圏を僅か8%にまで減少させたこの戦争は、月と地球それぞれの疲弊によって終結する。~
その後、月面都市は国家「セレーネ」の成立を宣言。一方、地球側の残存国家・諸都市はこれに対抗すべく、人類史上初の世界国家「ゾードム帝国」を樹立する。

それから半世紀後の2235年。復興を完了させつつあるゾードムはセレーネに対して経済封鎖を実行し、月への窒素供給を絶つ。窮地に陥ったセレーネの指導者たちは「聖地・地球の奪回と復興」をスローガンとして軍備を拡張し、「地球奪回軍(リコンカスターズ)」を結成。2242年にゾードムへ宣戦布告した。~
地球奪回軍は始めこそ最新鋭の装備に物を言わせてゾードムを圧倒するが、次第に国力の差が浮き彫りとなり、宣戦布告から1年後には地球から追い出されてしまう。当初の短期決戦構想を放棄したセレーネ指導部は反攻作戦「オペレーション・ジャッジメント」を実行するべく、時間稼ぎ用の「特別戦闘隊」を逐一組織し、新型の戦術戦斗機でゾードムの重要拠点を奇襲させる局地戦を開始した。~
月から舞い降り、自殺行為と紙一重の凄まじい戦斗機動で大戦果を挙げる異形の戦斗機隊。何時しかその「異形の戦斗機」は、武装システムを保持する「腕」を持ったその構造を表して「アインハンダー」と呼ばれるようになる。

2245年11月。無人指令衛星「ヒュペリオン」を進宙させたセレーネは遂にオペレーション・ジャッジメントを発動する。未だ全容が明らかにならないその作戦に疑問を持つ者もいる中、作戦発動1か月後の12月に新たなアインハンダー隊が組織された。~
ヒュペリオンの指揮下で行われる、陽動作戦として計画された「帝都ゾードムの強行偵察」。それが最後のアインハンダー隊に課せられた任務だった。
//↑この文章って公式のものですか?最後の項の所を読むと指令が下った段階で作戦が最後のものだったって感じになる。説明書には「これが最後の任務となった」って感じだから主人公が反逆を起こしてヒュペリオンを倒す伏線にもなってると思った。現在の文章には語弊があると思うのですが。
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**概要
「スクウェアと言えばRPG」。そんなイメージが根強いスクウェアが、コナミから移籍したスタッフを中心として制作したSTG、それが本作『アインハンダー』である。~
キャッチコピーは「撃って、奪って、ぶち壊せ!」。敵の武器を奪って使えるユニークなシステムと、破壊の美学にこだわった演出を持つシューティングゲームという、本作の特徴を端的に現している。

発売当時は、演出を前面に押し出し過ぎてゲーム性が少々犠牲になっていた本作の評価はあまり芳しいものではなかった。~
しかし、時が経つにつれて独特の演出が話題となり、同時に攻略研究が進んだこともあって様々な遊び方が出来る戦略性の高さが再評価されるようになる。~
出荷本数の多さも追い風となり((旧デジキューブからコンビニで体験版が配布されてもいた。))、現在では『[[R-TYPE Δ]]』や『[[レイストーム]]』等と同じく「PSの名作STG」の1つとして語られることも多い。

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**システム
***基本システム
-一撃死・残機制の3D横スクロールSTG。ミス時は特定ポイントから復活するグラディウス方式。難易度は全4段階から選択可能。
-全7面・一周エンド。6面の作戦目標を達成できたか否かでエンディングが2つに分岐する。
-画面の奥行きが存在し、ここから敵機が出現することもある。画面奥・手前の敵にはワスプの誘導弾モード(後述)でしか攻撃できない。
-基本操作は「8方向レバー」と「メインショット発射」「ガンポッド射撃」「腕移動」「加速」「減速」「ガンポッド切り替え(エンディミオンマークIIのみ)」の最大7ボタン(ガンポッド切り替えはシフト方向が2つ存在)。キー配置はオプションで変更できる。
-敵を短い間隔で撃破していくことで得点倍率が上昇するボーナス有。時間経過で倍率は減少していくが、最大の16倍になると一定時間その倍率が持続する。
--更に各ステージに3個ずつ、全21個のシークレットボーナスが設置されている。大抵の場合はステージオブジェクトや赤いカラーリングの敵で、獲得するごとに点数が伸び、隠しルートや隠し武器の解禁条件ともなっている。

***機体システム
-自機となる「アインハンダー」は3+隠し2種類からの選択制。隠し機体1機を除いて''「基本武装はメインショットの機銃のみ(弾数無制限)」・「敵の装備(ガンポッド)を奪取・使用できる腕(マニピュレータ)を装備している」''という原則が存在する。

#region(各機体の特徴)
|機体名|ガンポッド最大携行数|ガンポッド最大同時使用数|備考|
|エンディミオンFRSマークII|CENTER:3|CENTER:1|ガンポッド弾数が3分の2。|
|エンディミオンFRSマークIII|CENTER:1|CENTER:1|メインショットが高威力。|
|アストライアーFGAマークI|CENTER:2|CENTER:2|ガンポッド同時使用中はメインショットが使用不可。|
|アストライアーマークII|CENTER:2|CENTER:2|隠し機体。ガンポッド弾数が取得した種類に関わらず''9999発''。ガンポッド同時使用中はメインショットが使用不可。|
|コックローチ|CENTER:0|CENTER:0|隠し機体。ゾードムから鹵獲された雑魚敵。ガンポッドを取ることでメインショットが強化される。取ったガンポッドによって性質の変化するサブショットも同時に発射する。|
初心者には対応力の高いエンディミオンマークIIがおすすめ。マークIIIは操作自体は簡単だがガンポッドが足りないので火力不足に陥りやすく、実はクリア難度が他の機体より高い。アストライアーマークIは慣れれば高スコアを狙えるが、癖はかなり強い。アストライアーマークIIの性能は強烈だが、その解放条件は非常に厳しい。
#endregion

-速度は4段階に切り替え可能。切り替え時のバックファイアにも攻撃判定がある。
-''敵機を破壊、または部位破壊することで敵機のガンポッドがアイテム化し、回収することで自機の武器として扱える''。ガンポッドはある程度の耐久力を持ったバリアとしても機能し、弾が切れるまで、破壊されるまで、もしくは新しいガンポッドを回収して上書きするまで使用できる。
-''ガンポッドの装備位置を変更する(腕移動ボタンを押す)ことで、ガンポッドの発射方向や性質を切り替えることが出来る''(例:射角が「自機正面←→自機背面」に切り替わるスプレッダー、「誘導ミサイル←→無誘導ロケット」に切り替わるワスプ)。

#region(各ガンポッドの特徴)
|バルカン|弾数と連射速度に優れた機関砲。メインショットの強化版と考えてよい。腕移動で射角を変更する。|
|カノン|高弾速の120mm口径滑腔砲。連射があまり効かないが装甲の薄い敵を貫通する。腕移動で機体前方と前面下方に射角を変更する。|
|ワスプ|腕移動で誘導ミサイルと無誘導ロケットに切り替わる多目的推進弾。誘導モードでは画面奥と手前に攻撃できる唯一の手段となる。|
|スプレッダー|扇状に5発の弾を放つ散弾砲。弾以外の性質はカノンと似ている。腕移動で機体前後に射角を変更する。|
|グレネード|放物線を描いて飛ぶ榴弾。非常に高威力だが当てづらい。腕移動で機体前後に射角を変更する。|
|ヘッジホッグ|腕移動により真上、もしくは真下に発射される炸裂弾。起爆後は爆風がしばらくその場に残る。|
|ブレード|レーザーブレード。わかりやすく言えばビームサーベル。発射ボタンを押している間刀身が発生し、FRSタイプならば腕移動ボタンの連打で振り回せる。また、コマンド入力により刀身の射程を瞬間的に大幅に伸ばせる。|
|ライオット|制御機器を破壊する雷撃砲。通常ではブレード並みの射程だが発射ボタンを押し続けることでチャージでき、残弾数と引き換え(最大で7発分)に射程が伸びる。|
この他隠し武器がいくつか存在するが、汎用ガンポッドの上位互換といえる高性能なガンポッドから、どのように活用すればいいのかさっぱり分からないネタのようなものまである。入手するには狙った行動をしなければならず、弾数制限があることも変わらないため、取ったところでゲームバランスが崩れることはない。~
また、隠しガンポッドには条件を満たせば必ず手に入るものとランダム要素が含まれるものがある。プレイ回数に応じて出現確率が増加する。

#region(隠しガンポッド)
|ジュノー|威力と連射速度を両立した重機関砲。強力過ぎてガンポッドの規格外という設定があるが自機は難無く使いこなせる。バルカンの強化版と考えてよいが、弾数は半分しかない。|
|フラッシュ|高初速のレールガン。カノンよりも連射が利き、あらゆる装甲や壁を貫通する。腕移動で機体前方と前面下方に射角を変更する。|
|モスキート|レバー入力に合わせて飛翔方向が変わる「手動誘導ミサイル」。ミサイル自体の火力は非常に高いものの、レバー入力中は当然自機も同時に動くため、零距離連射以外での活用が非常に難しい。|
|パイソン|ワイヤーで接続した5発の爆弾を連続放出するチェーンボム。一発でも敵に接触するか時間経過で連爆する。先頭の爆弾の射出速度が意外に速いので、見た目に反して命中させやすい。|
#endregion

#endregion

-一度取得したガンポッドは記録され、次回以降のプレイにおいて初期携行品として選択できる(隠しガンポッドも選択可能)。
-なお、ガンポッドを装備しないマニピュレーター(腕)自体にも攻撃判定と弾消し判定が存在する。その気になれば''STGなのに弾を一切撃たない「パンチプレイ」''だってできる。

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**評価点
''徹底した硬派な作風''
-物語は戦争で荒廃した地球を主な舞台として繰り広げられる。アングラ臭のキツイ帝都ゾードムから少し離れたところに広がる一面の高野、武骨な装甲列車に軍事基地と、作中は一貫して退廃的な香りが強く漂っている。ヒロイックなんて皆無の陰鬱とした雰囲気が魅力。
--アインハンダー隊自体が捨て駒と同義の存在でしかなく、志願する者は恩赦目的の罪人や延命を望む改造兵士などの訳ありで主人公も例外ではない((その様な人物なのだが恋人が居る事が示唆されている。))と、シナリオも暗い。それだけに5面の朝焼けから始まる6面以降の急展開、そしてグッドエンディングのカタルシスが際立つ。
-少年の心をくすぐるのが上手かったスクウェアらしく、随所にケレン味が仕込まれている。
--セレーネ側は英語、ゾードム側はドイツ語が公用語。「シュトルムカノーネ」だの「パルツィファル」だの「シュヴァルツガイスト」だの、ゾードムメカの名前(とビジュアル)は渋くかっこいい。ゾードム側からの自機の呼称「アインハンダー」はドイツ語で”一本腕”の意味をもつ。
--ボス敵だけでなく、雑魚敵にも細かな設定が攻略本で説明されている。
---「機体のコンセプト自体が必要とされず、地方の警備に回されていたが、新開発の光学兵器の搭載要件をクリアする機体として注目を浴び戦線に返り咲いた」「鉱山で使用されていたものを接収して改修した」「在り合わせのパーツで試作したが予想以上に性能が良かった為量産化に至った」「圧倒的な強さ故に発注が殺到したが、高価なプラズマ兵器が災いして配備は少数に止まった」「居住性が劣悪なため、搭乗者のサイボーグ化が行われた」等、設定マニアにはたまらない。
---ボス敵の台詞や背景の看板なども当然ドイツ語で、味方からの通信は英語。世界観についての演出は徹底されている。
--機体名のほとんどは神話関係からの引用。それを利用した暗喩も多い。
---設定はとにかく徹底的に作りこまれている。最盛期のスクウェアだからこそ出来た、贅沢な作品である

#co(){
#region(以下はそのストーリーの詳細。(''※非常に長い''ため、閲覧は興味のある方のみにお勧めする))
 21世紀最初の年である2001年、世界では限界に差し掛かっていた地球上における人口と資源の問題を解決すべく、宇宙開発の活性化を全世界に呼びかけるものとしてフロンティア2001共同宣言が特別サミットにて発表された。
 その後20年以上の歳月を経て、2022年に宇宙船新アポロ4号が月面着陸に成功する。1972年のアポロ17号月面着陸以来、実に半世紀振りとなる人類の月への帰還である。
 
 その後も月面開発は加速度的に進行し、月面帰還から今度は20年足らずの2041年には月面の南極にアルテミス基地を建造する。
 更にそれから4半世紀経った2066年、先に建造されていた月面都市において1号モジュールが完成すると地球から月への第一次入植が開始され、人類はアームストロングが月へ一歩を踏み出してから1世紀を待たず、地球外の場所での生活を開始した。
 
 月面都市は順調に地球からの入植が進み、1世紀後の2169年には国連から「月自治区」としての行政承認を受けるまでとなった。
 このまま更に繁栄を続けるかと思われた月であったが、3年後に状況は一変する。月自治区が月に存在する地球のいち「自治区」から地球と肩を並べる「国家」としての独立を提案したのである。
 しかし宇宙における自らの権益が失われることを恐れた地球側の諸国は、これを国連総会にて否決する。
 これに反発した月側との間で紛争が発生する。
 
 初めはあくまで宇宙空間における月と地球という分かり易い小競り合いでしか無かったが、やがて地球側から月の独立を支援する国家が現れると戦場の舞台は瞬く間に地球へと移り、2184年、遂に3度目にして惑星と衛星の星間戦争という人類史上類を見ない大戦へと発展する。
 「第一次月戦争」の勃発である。
 
 互いに独立と権益を賭けた熾烈な争いは、地球の生存圏が僅か8%にまで減少する程に焦土と化すまで続いた。
 しかし、結局は両軍の疲弊により決着をみないまま終結した。そして戦後の2187年、月面都市は「セレーネ」を称して国家としての独立を宣言する。
 その4年後には地球側の残存国家諸都市がこれに対抗すべく連合して、人類の歴史上初の世界国家となる「ゾードム帝国」を建国した。
 これにより人類の枠組みは単純かつ明確に、またこれまでで最も大きな範囲で二極化し、両者は最悪の形で袂を分かつ。
 
 2235年に入り、ゾードムはセレーネに対して経済封鎖を開始。
 特に生命が生存するために欠かせない要素である窒素の供給を絶つ事で、月側が音を上げるのを狙った。
 これによりセレーネは自国民への窒素供給の直接的手段を絶たれ、国家存亡の危機的な状況を迎える。
 地球側の目論見通り月での窒素の供給は数年で限界を迎えるため、月はこのまま地球の軍門に降るかと思われた。
 ところがセレーネ上層部は国民の不満をこの問題から逸らすために、2240年に打開策として「聖地・地球の奪回と復興」をスローガンに掲げ、防衛軍内において主戦場を地球に想定した攻撃用軍隊「地球奪回軍」(リコンカスターズ)を創設、国民の機運を高めてゆく。
 
 2242年2月、セレーネがゾードムに対して宣戦布告。ゾードムも月との決着をつけるべく軍備を整え始め、「第二次月戦争」として二度目の星間戦争が始まる。
 6月、奪回軍は地球侵攻作戦を開始し、衛星軌道上から編成した地上部隊を降下させ、本格的な戦争の火蓋を切った。
 第一次月戦争以来からの旧式兵器に頼って編成されていたゾードム軍に対して、大戦後も高度な軍事技術を保持し続けて来たセレーネという大きな差があったのか、開戦当初の間はゾードム軍は奪回軍の敵ではなく、月側の大攻勢によってゾードムの諸都市は次々と陥落、僅か2か月で帝国13都市の内、9つまでを制圧するという快進撃を見せる。
 
 だが、月の直径の4倍程もある地球上にて、降下させた勢力のみで攻勢を続けるには戦線が拡大し過ぎていた。
 奪回軍の勢いにも陰りが見え始めてきた10月頃、それまで劣勢であったとはいえ元々兵力と物量に決定的に優れるゾードム軍は全戦線にわたって同時反攻作戦を開始、奪回軍の補給線を各地で寸断するなど反撃に転ずる。
 少ない戦力で決着を急ぎすぎたセレーネ側はこれ以降守勢に回り、圧倒的な戦力差を前にして逆に追い込まれた奪回軍は各地で惨敗を喫する。
 そして4か月後の2243年2月、遂に奪回軍の地上部隊は壊滅し、セレーネは地球からの撤退を余儀なくされる。
 
 セレーネ上層部はこの状況に至り、9月には当初の短期決戦方針を破棄、現在の方針を転換し今後の戦略に大幅な変更を加える事を決定した。
 その前準備ともいえる時間稼ぎとして、新開発した戦術戦斗機によるゾードム軍拠点への奇襲降下作戦を目的とした「特別機動隊」と称される決死隊の編成を開始する。
 12月、特別機動隊は初陣となった降下攻撃作戦において、ゾードム陸軍の一個機甲師団をたった3機で殲滅させるという衝撃的な戦果を挙げた。
 その後2年にわたって繰り返し実施された同様の奇襲作戦は、局地的にだが多大な戦果を上げていく。
 特に月から降下してくる腕を持った戦術戦斗機の降下部隊による、自殺行為としか思えない勇猛な戦斗機動はゾードム軍の将兵に多大な心理的動揺を与えた。
 いつしかそのコードネーム『アインハンダー』は、戦えば必ず殺される死神の代名詞とされ、特別機動隊は「アインハンダー隊」と俗称されるようになった。
 
 2244年10月、作戦の次段階として月のセレーネ本国から奪回軍を指揮するため、無人指令衛星のヒュペリオンが進宙、地球静止軌道への移動後に本国から地上作戦の全権を委任される。
 
 1年後の翌2245年11月に奪回軍は作戦の全容として、ゾードム帝国壊滅作戦「オペレーション・ジャッジメント」を発動させる。
 国力でゾードムに対してはるかに劣るセレーネが一体いかなる方法でかの国を「壊滅」させるのかという疑問もある中、作戦発動後の12月12日、奪回軍はオペレーション・ジャッジメントの陽動のために特別機動隊(アインハンダー隊)を再び編成、「帝都ゾードムの強行偵察」を初期作戦目標として3機の戦術偵察機をいつも通り地球に降下させた。
 
 それが、アインハンダーによる最後の降下作戦となった。
//興味のある方は一度[[Wikipediaの該当ページ>http://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%bc]]をご覧頂きたい。
//↑Wikipediaに関しては不要と運営議論スレで言われていますのでCOしました。意見があれば運営議論スレまで。
#endregion
}
//↑ストーリー概要は既にある点と、あまりに長すぎて『ゲーム紹介Wiki』に記述する範疇を超えている点から、丸ごとcoしました。

-ギャラリーモードでは自機体やガンポッド、敵などの様々な一枚絵が閲覧できる。プレイに応じて絵が増えていく為、やりこみ要素の一つにもなっている。

''ダイナミックな演出と音楽''
-ビジュアル面のクオリティは、流石スクウェアと言ったところか、かなり高い。緻密な作りこみのポリゴン背景は見どころの一つ。要所で挿入されるムービーパートの出来も素晴らしい。
-STGとは思えないほどダイナミックに動くカメラアングルは、スケールの壮大さや攻撃のド派手さを強調するのに一役買っている。
--「画面を横方向に傾ける」ハーフサイドビュー演出が多用されており、疾走感や敵の重圧を強く感じさせる迫力満点のポイントが数多い。カメラが大きく動くのはあまり自機が動かないタイミングであり、敵の攻撃もある程度控えめとなるのですぐに慣れることが出来るだろう。
--最終面のカメラ演出は最早伝説。宇宙空間を舞台とする壮絶な格闘戦を鮮やかに彩る。
-雑魚・ボスキャラは動きが凝りに凝っている。部位破壊要素も豊富で、破壊された後も爆発したり画面外に吹っ飛んだりと様々な反応を見ることができる。
-やはりと言うべきか、自機、ボスキャラからどんな雑魚に至るまでもしっかりと設定が用意されている。ガンポッド自体にも詳細な設定が用意されている。
--どこぞの汎用ヒト型決戦兵器のようにグリグリ動く([[STGでサマーソルトキック>レイディアントシルバーガン]]とはこれいかに)5面中ボス「ゲシュテル」はその筆頭。他にもエビのごとく飛び跳ねる2面中ボス「ガルネーレ」、初心者キラーの難敵3面ボス(だが攻略方法によってはマヌケな側面も見せる)「グスタフ」、マヌケな死に様で人気の4面中ボス「ザラマンダー」、戦闘中に分離、合体というロマン溢れるマニューバを行う「シュトゥルムフォーゲル」鳥肌もののBGMと演出が非常に印象的な6面ボス「シュヴァルツガイスト」などなど、個性的かつ魅力的(そして強い)なボスばかり。
--戦闘開始時に敵が発する台詞も個性的。ドイツ語で字幕もないのでわかりづらいが、「警告する、ただちに武装解除せよ!」「フォーメーションD、各機関部A級戦闘配置!」等いかにも軍隊らしい台詞の他、「ようこそ、ここが君の墓場だ」とキザなものもあれば、「ぶっ殺してやる、腰抜け!」「俺が仕留める、邪魔するなよ!」など血気盛んなものまで。
--最終ボス以外のボス敵との戦闘で時間切れになると敵は逃走するか、もしくは友軍の攻撃で強制的に撃墜されるのだが、ここもボスごとに(一部は無駄に凝った演出で)作りわけられている。中でも5面ボス「デューラー」の逃走は一見の価値あり。
-ノンブレイク・シューティングの名の通り、プレイ中には一切ロードが入らない。実際にはステージ間のロードは発生しているのだが、自軍からの指令入電を交えたリザルトをシームレスで挟む事により、それを全く意識させない素晴らしい構成となっている。

-福井健一郎氏((コナミ在籍時は『G.I.JOE』や『リーサルエンフォーサーズ』、『バイオレントストーム』の楽曲を手掛けている。))によるテクノサウンドは各シーンに絶妙にマッチしたものとなっており、高い評価を得た。『[[フロントミッションオルタナティヴ]]』と並ぶ「スクウェア2大テクノ」と評する声も。
--STGでは異例とも言える程の多数の楽曲を組み合わせ、場面の切り替わりと曲調変化や音楽の切り替わりも完璧にタイミング調整されている。画面と音楽の相乗効果はタイトーの『ダライアス』シリーズに勝るとも劣らない。
---例えば1面道中BGMはなんと5曲も用意され、摩天楼の合間を縫う空中戦、退廃的近未来SFのようなネオン街、街路で中ボスとの格闘戦、星間ミサイルの不発弾が刺さった地下街廃墟、アウトバーンでの高速戦闘と、次々変化する場面に合わせてスムーズにBGMが切り替わってプレイヤーの気分を盛り立ててくれる。
--6面のボスBGM「熱圏(THERMOSPHIERE)」は本作を代表するBGMとして愛されている。サウンドトラックは旧デジキューブからの発売だったため入手困難だったが、現在は再販が行われている。

''多彩な攻略パターン''
-多彩な武装を取捨選択し、更にその2通りの性質を使い分ける。これだけでも遊びの幅が広いことがわかるだろう。
--状況に応じたガンポッドを装備する事によって有利に戦えるため、攻略法を見つけ出す楽しみがある。無論、自分の好きなガンポッドのみで勝負するのも面白い。
--流石はSTG黄金期を築いたコナミの元スタッフが制作にかかわっているだけあり、敵の攻撃バランスや配置タイミングも考えられている。だれる場面は少ない。
--その戦略性の高さゆえにプレイヤーにもそれなりのスキルが求められるため、難易度は高い。覚えゲーではあるが、単純な暗記ゲーにはなっていないのも評価できる。
-ボス戦闘も相手がとにかく多彩な攻撃を繰り出してくるため、どう対応するかを考え、見出す楽しさがある。ランダム性もあって慣れていても不覚を取りかねないため、何十回とプレイしていても気が抜けない緊張感のある戦いを堪能できる。中には巧妙なフェイント(どうやら敵機にも残弾設定があるらしく、弾切れになると「攻撃モーションに入る→弾切れなのでキャンセルする→別の攻撃」と行動するため、結果的にフェイントになる)を入れてくる敵までいる。
--ボスにはいたる所に破壊可能ポイントが設けられており、敵機の武装や装甲を次々剥いでいく爽快感がある。スコア稼ぎの楽しみも大きい。最大倍率で倒す事が出来れば莫大なスコアを稼げる。
-隠し武器や隠しルートを探したり、2つの隠し機体を使用する事でさらに遊べる。中でもコックローチは完全な別ゲーとなる。

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**賛否両論点
-「難易度が高い」と前述した通り、パターン構築とアドリブの両方が要求され、全面クリアはEASYでも難しい部類に入る。
--敵が全体的に硬く、緊急回避手段(ボム)もなく、戻り復活の上にコンティニュー回数は有限((スコアが記録されないfreeならば無限にコンティニュー可能))。戻り復活タイプの例に漏れず、一度やられるとそのままゲームオーバーになる事も少なくない。敵の出現位置、ボスのパターン、ガンポッドの特徴と出現位置の把握は必須。他のSTGよりも「覚えゲー」の性質はかなり強い。
--さらに問題なのは''覚えゲーの割に敵の行動が極めて広範に派生する''という点で、自機ショットの細かい命中の仕方でもまるで別物のようなパターンに変わるため、攻略手順の構築には誇張抜きで多大な手間がかかる。
---ボス・中ボスの多くは攻撃パターンがランダムであり、にもかかわらずホーミングミサイルや設置系の攻撃が次のパターンまで残り続ける事も多く、こうなると覚えなければならないパターンは指数関数的に増えていく。
---前述の通り被弾箇所で敵の行動が変化するが、ワスプやカノンなどのノックバック、ライオットの電撃など攻撃の属性が加わるとさらに派生する。大破しないまま画面奥や画面手前に吹っ飛んで視界を邪魔したり、画面手前に向かって弾を撃ったり、機銃掃射の照準がブレて連射が弾幕に変化したり…等、とにかく様々なものが予測不可能な動きに変わる。
---加えてランク制も導入されているので、覚えゲーであると共に非常に高度なアドリブ避けのスキルが要求される。多数のボタンを使う操作(特にスピード変更と武器変更は慣れないと厳しい)も難易度の上昇に拍車をかけている。
--こうした特徴からSTGとしては本格的とも言えるが、シューター以外のプレイヤーは同じ地点で延々とリスタートを繰り返す事になり、スクウェア発という事で家庭用のカジュアル的な楽しみ方を期待する層の多かった当時は「爽快感に欠ける」「面白くない」等の低評価が付けられる事も多かった。
---よく言えば覚えゲーのような「記憶力だけがすべて」でもないし、アドリブ避けだけで何とかなるような「反射神経だけがすべて」でもない。絶妙なバランスともいえるが、それ故にどちらを得意とするユーザーからも妙にとっつきにくい部分が出来てしまった。

-キャッチコピーの「撃って、奪って、ぶち壊せ」とは裏腹に、ガンポッド依存の綿密な火力運用が''極めてシビアに''求められる。
--ガンポッドの個性と有利不利の大きさは確かな評価点だが、持ち運べる数が1~3つしかない点が非常に痛く、弾数にも余裕がない。1度でもミスすれば初期装備以外全てが失われてしまうので、良く言えば適切な場面で使い分けてこそ、悪く言えば非常に窮屈な運用を迫られる。
--また、ガンポッドは火力を補ってくれるが、攻撃範囲に関してはどれを装備しても上方向に対する面制圧力に欠ける((使えそうな中でもスプレッドは真上と近距離が、ヘッジホッグは真上以外がそれぞれ死角))。見た目とは異なり正面でさえ一部のガンポッドでない限り攻撃範囲に隙が生じるほどで、物量で押し込まれると「ぶち壊す」どころか「奪う」事さえままならず一気に追い詰められてしまう。
--ガンポッドのシステムにも癖がある。
---ガンポッドは接触すると自動的に装備されるが、この時空きのスロットがない場合は上書きされるため、下手にいらないガンポッドを取得してしまい、使いたいガンポッドに上書きしてしまう事態も多々ある((状況次第では狭い通路などで避けようが無いケースも発生する。))。例えば同じガンポッドを予備に持っていた場合、そのガンポッドの弾数を増強した上で強制的に切り替わるため、複数のガンポッドが漂っている時は「予備ガンポッドの弾数が増えた瞬間それが別のガンポッドに上書きされる」というケースが少なくない頻度で発生する。
---取得したガンポッドは自主的に捨てる事も出来ない((前述の通り他のガンポッドで上書きするか、弾を撃ち尽くすか、敵の攻撃や地形に接触させて強引に壊すしかない))。欲しくないガンポッドを取得しないようにあらかじめ破壊する等の戦略性にもなっているが、馴れないうちは煩わしく感じる。
--ガンポッドのドロップも練られているとは言い難く、爆発の衝撃で後ろに飛んで行ったり、逆に前に跳ねてきたり、(ワスプ以外の)同軸線上の弾で破壊しても画面手前または奥に落ちて拾えない、斜め上のビューなどで位置が掴めず取り損ねるといった事態が珍しくない。
---出現する密度にも相当な偏りがあり、特定地点では過剰に出現する一方、足りない地点では本当に出てこない。前者は同ガンポッドの弾数増強に使いたい所だが、悪い事にどれも復活地点の直前でありミス時のリカバリーには使えない。一度通過してしまえばそれっきりである。
---大量に出現する地点でも、そもそもまず敵から奪うために打撃を与えなければならない上、厄介な事にガンポッド持ちの敵は大半が耐久力を持つため、初期機銃だけでは入手困難という有り様。
--機体には弾数無限の初期機銃が標準装備されているが、弾速が遅い・火力が低い・当たり判定が極めて小さい、と非常に使い難く設定されており、熟練したプレイヤーでもガンポッドの火力に頼らずには攻略できない。
---このため、機体解説でも初心者向けとの触れ込みがされている『エンディミオンFRSマークIII』はガンポッドの搭載可能数がそのまま総火力不足に直結しており、機体自体が地雷という状態。特に泣きを見るのがボス戦で、相当な上級者でもない限り初期機銃しか残らない。
---関連して、プレイしたガンポッドを初期装備として選ぶ事ができ復活時に再装備されるが、これを前提としているかのような調整がなされている。特に初めてプレイする場合は''初期ガンポッドがない''、つまり復活時も初期機銃のみなので、初見殺しと相まって難易度がEASYでも2~3面でコンティニューを使い切る事が普通に有り得る無茶苦茶な難易度と化す。
---復活ポイントにはほぼ必ずガンポッドを持つ雑魚敵が配置されているが、種類は大半がランダムな上に数が少なく、当然敵もガンポッドを使ってくるので初期機銃では撃破しにくいケースも珍しくない。一度ゲームオーバーになって初期ガンポッドを決めろと言わんばかりである。
--とはいえ、過去の面からパワーアップを蓄積していく必要があるタイプのSTGと比べ、適切なガンポッドの取得のみで済む本作は立て直しがしやすいのは事実。前述の問題点は「ガンポッド取得への慣れ」で解決出来ることを考えると、一概に問題点とは言い切れない。

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**問題点
-画面に対して自機・敵機のサイズが大きく、回避自体の難度も高い。腕やガンポッドで敵弾を消すテクニックを覚えるまでは大変。
--画面スクロールの関係で突如でてくる雑魚敵の他、全体的に敵との距離が近いのにガンガン弾を撃ってくるので相当な反射神経を求められる。大半は敵の性質を全て覚えて近付かない事を心掛けるしかないが、それでも近距離に接近するまで判定を持たない敵などもおり限界がある。
--ほとんどのボス戦・中ボス戦では「不自然に接近戦を挑んでいるように見える」という指摘があるほどに画面が窮屈。その割にボスの巨体は見た目からは想像できないほど急激に動くため、体当たりで沈められる事も多い。有り得ない方向にノックバックして巻き込まれたり、自身の撃った弾より早い事もザラで、さすがに違和感を覚える。
--難関としては4面前半と5面後半は多くのプレイヤーが音を上げた事で有名。自機の攻撃密度に難があるというのに、あらゆる方向から敵が押し寄せ、画面を敵機と敵弾が埋め尽くす。1ミスで復活ポイントまで戻され、その度にランダム性の高いアルゴリズムと圧倒的な物量が合わさり、難易度によっては最早「理不尽」と言ってもよいレベル。
---後半のボス戦も同じ程度には凶悪な難易度だが、火力に優れるガンポッドでの速攻やごり押しが有効なため上記道中よりは問題になりにくい。それでも5面ボス「デューラー」の拡散プラズマカノン((照射音の後プレイヤーのいた位置を囲むように4つの光弾を設置し、それらが自機狙いの3~5WAY弾に分裂))や6面「ガイアー」の散布機雷など、時間差で他のパターンと重なると回避不可能になる理不尽な場面はある。
//ザコ敵の動きは自機位置依存でランダム要素は無いと思うのだが
//撃ってくる敵弾にはランダム要素が含まれるのでは?いくら自機位置依存でもあの大軍を完全にパターン化するのは相当のやり込みと神業といえるテクニックとが必要になると思う。

-画面が自機に合わせてスクロールするエリアでは''画面端にかなり接近しないと画面が追従しない''。
--事故率を高めている主な要因。2面の復活砲台エリアや6面のブースター撃墜等では自分で上下だけでなく前後移動もする必要があり、いきなり出てきた敵に体当たりされたり、目の前に砲台が現れた瞬間撃たれる等のケースが多発する。
--終盤の宙域ではスクロールの画面追従にもクセがあり、例えば一方向にスクロール移動すると、敵弾は沿って動いていくが敵は画面からあまり動かないといった違和感のある動作をする。スクロールには慣性がある他、レバーを離すと押し戻される性質もあり、尚の事操作しづらい。
--ラスボス戦では特にスクロールのクセに苦しめられやすい。ボスが放つ誘導弾から逃れようとするとボス本体との相対位置がおかしくなる(ボス自体は攻撃中に動かないにもかかわらず画面から離れないが、敵弾は自機のスクロール移動の影響を受ける)。逆方向に切り返した時などが特に顕著。

-ビジュアル優先の弊害として、演出面で多大な貢献を果たしている本作のカメラ演出だが、そもそもSTGにおいて「動く視点」というものはマイナスに働きがち。慣れないうちはアングル変化で体感速度と奥行きを見誤ることも多い。
--宇宙空間で戦う最終ステージは画面酔いしやすい。気にしない人や慣れる人もいる一方で、『[[機動戦士ガンダム 戦場の絆]]』でも触れられているようにダメな人は本当にダメのようである。
--画としての美しさを優先したためか、敵弾の視認性が悪い場面が多々見られる(朝焼けの背景にばら撒かれるオレンジや青の小さい弾丸や、夜景に同化するような青白い弾など)。
--手前と奥という空間にある性質上、当たり判定が判り難いボスもいる。例を挙げるとザラマンダーのアーム部分、ゲシュテルの体全体、シュヴァルツガイストのソーラーパネルなどで、「明らかに接触しているのにすり抜ける事が出来る」または「避けた筈なのに接触してしまう」という現象が起きる。一度判ればそれまでだが、判定を覚えるには撃墜覚悟で試してみるしかない。
//賛の要素が書かれていないので問題点に移動。

-バグ
--いくつか確認されている。有名なものが特定ガンポッドの火力が異常上昇するもので、ボスも一瞬で沈める超火力となってしまう。再現性も低いとは言えない。
--雑魚敵が画面に張りついたかのように固まってスクロールについてくるバグもある。こちらは少し経つと消えるので大した問題ではない。

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**総評
緻密な設定や大胆かつドラマチックな演出、秀逸なBGM、高い戦略性といった様々な面に惹きこまれたコアなファンは多い。~
その一方で、システムのとっつきにくさから「STGとしてはイマイチ」と難色を示すプレイヤーも多く、事実発売当時の評価は芳しくなかった。~
とはいえ、スクウェアらしい一線を画した演出と突き詰めた時の爽快感、野心的なシステムの融合といった面での批判はほとんどなく、作り込まれた良作であることは間違いない。~
面白さを実感するには相応の修練が必要なものの、その魅力は現在でも色褪せていない。~
古き良きシューティングを思わせる骨太さと、スタイリッシュなディテールの融合こそが本作の本懐と言える。~

現在ではゲームアーカイブスでも安価で配信されているため、興味が湧いたら是非とも「手に取って」みてほしい。~
「月の異形の戦斗機」は簡単に扱いきれるものではないが、その作風はきっとあなたを魅了するはずだ。

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**余談
-北米版ではバランス調整やバグ修正等がなされ、ギャラリーの仕様が変更された(収録内容の他((北米版でしか見られない絵もあれば、通常版でしか見られない絵もある。))システムが改善され、絵が見やすい)。パッケージ絵も無難なものになっている。

-上記の画像の通り、本作のパッケージ絵は「手のレントゲン写真」と、ゲームシステムの根幹たる「腕」をストレートに表した非常にインパクトのあるものになっている。
--これを見ただけでどんなゲームなのか分かった人はそうはいないだろう(ちなみに裏面はしっかりとSTGの紹介をしている)。

-ステージセレクトも条件を満たせば使用することができる。
--難易度はfreeのみだが演出やムービーやエンディングが見たい際には便利。

-『[[チョコボの不思議なダンジョン]]』に付属している「不思議なデータディスク」を使うことで全ての隠し要素を解放することができる。
--隠し機体のアストライアーマークIIを解放するための正規条件は''「難易度HARDをコンティニュー3回以内でクリア」''とシビアなのでこれを頼るのもよし。
---通常の機体でプレイするよりも大幅に楽になるので、「不思議なデータディスク」があればなかなか全クリできないプレイヤーの入門用機体としても機能する。

-スクエニのゲームでは本作をモチーフにした要素が出る事もある。
--『[[Parasite Eve II]]』の作中、とある酒場にて『アインハンダー』をあしらったピンボール盤が登場する。
--『[[ワールド オブ ファイナルファンタジー]]』に『アインハンダー』と『アストライアー』が登場した。実に19年ぶりに3Dモデル化されたことになる。ギミックの数々も再現されている。
--『[[キングダム ハーツIII]]』には本作のスタッフが参加しており、その縁でミニゲームであるSTG「グミシップ」に自機「エンディミオン」とボス「シュヴァルツガイスト」がゲスト出演している。

-本作を語る上でスクウェアの''宣伝の失敗''は外せない。
--「スクウェアがもう一度STGを熱くする」だの「僕らはただスカッとしたいだけなんだ」だの「超難しい照準合わせなんかしたくない」だのといった、他のSTGを暗に批判しているととられても仕方のない宣伝文句が使われていた。折しもスタッフ引き抜き騒動に端を発したスクウェア・バッシングの真っ只中であったという時勢も手伝い、コアユーザーであるシューター層の神経を逆撫ですることとなった。
--スクウェアとしてはSTGの難しいイメージに尻込みしていた初心者層を取り込む狙いがあったのだろうが(実際、当時の家庭用STGとしてはかなり売れた)、蓋を開けてみればガチガチの覚えゲーかつ高難度。売り文句には程遠い内容であったためにメインターゲットであるはずの初心者にも面白さは伝わらず、逆に「やっぱりSTGは難しい」というイメージを強めてしまった感もある。
---「ガチのSTG」として勝負したかった開発陣と、初心者への売り込みを狙った広報陣の意図のズレが、STGをプレイする上で重要な「入り込みやすさ」を失わせてしまっていると言える。

-スクウェアから『ザウバー』というSTGが本作より数ヶ月早く発表されていたが、本作発表と同時に発売予定表から消えた。