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スターオーシャン - (2024/03/22 (金) 16:43:14) のソース

//10月下旬から細々とストーリーの編集を続けている編集者へ。細々とした編集が履歴が流しになり始めている為、以降は出来るだけ一度にまとめて編集するようお願いします。聞き入れずに同様の編集を続ける場合は規制になる場合もあります。
*スターオーシャン
【すたーおーしゃん】
|ジャンル|RPG|CENTER:&image2(starocean_boxfront.jpg,height=250)[[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3658/1899/starocean_boxback.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|48MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|エニックス|~|
|開発元|トライエース|~|
|発売日|1996年7月19日|~|
|定価|8,925円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|3箇所|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|シリーズの礎となる独特のシステムと世界観を確立&br;時代を先取りしたボイスへの拘り、ボイス収集要素まである&br;やりこみゲーとしての側面も初作から見られる&br;バグや明らかな未完成部分・一部の理不尽なバランスが難点|~|
|>|>|CENTER:''[[スターオーシャンシリーズリンク>スターオーシャンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-名作『[[テイルズ オブ ファンタジア]](以下TOP)』を製作したスタッフたちが独立したメーカー、トライエースの記念すべき処女作にして代表作。~
当時は比較的珍しかった宇宙、サイエンスと言ったスペースオペラ的な要素を含んだSFファンタジーRPGである。

**ストーリー
>自然豊かな「未開惑星ローク」の片田舎に暮らす亜人種族フェルプールの若者ラティ、ミリー、ドーンは、~
隣町で発生した「体が石化してしまう謎の伝染病」の対処へと赴くも病に感染してしまったミリーの父を救うため、~
隣町北のメトークス山へ薬草採取に奔走していた。~
道中、密かに感染していたドーンも発症してしまう中、ラティ一行は頂上にたどり着く。
しかし突如、眩い光と共に現れた謎の男女、ロニキスとイリアは、ラティ達を助けるためにここに来たと語りだした。~
彼らが言うには石化に薬草は無意味であり、彼らに同行し協力すれば奇病を治す手立てが見つかるかもしれないが、「未開惑星保護条約」により二度と故郷には帰れなくなるという。~
突然の決断を迫られ困惑するも同行を選択した3人は、彼ら「地球連邦」の宇宙艦に転送される。~
 
>こうして宇宙艦カルナスに招かれたラティ達は、石化病の正体は地球連邦と敵対するレゾニア軍が使用したウイルス兵器であること、石化したローク人が何者かの手で大量に連れ去られていること、ラティ達「惑星ローク人」の血液が物体を不可視化する力を秘めていることを知らされていく…~
~
しかし突如としてレゾニアの宇宙船が休戦交渉のためにカルナスに接近。レゾニア密使は今回の事件のすべては第3勢力の仕業であると弁明。~
さらに石化ウイルスは300年前の惑星ロークに実在した「ある生物」の体組織を採取され造られたものであること、ワクチン製造に不可欠なその「&ruby(ホスト){宿主}」は既にこの世に存在しないことを明かした。~

>打つ手なしかと思われたが、ロニキス艦長は軍法違反を犯し惑星ストリームにある謎の異星文明遺跡の「タイムゲート」使用を決断。~
かくしてラティ、ミリー、イリア、ロニキスの4人は、~
カルナスの医療設備でも手に負えないまま石化し眠りについたドーンと別れ、レゾニア密使から伝えられた「ある生物」からの血液採取を目指し、300年前の惑星ロークへと旅立つのだった。~


**特徴・評価点
***グラフィック
-細かく描かれたドットはSFCのゲームの中でもトップクラスの完成度を誇る。
--町の水路の水面にドットキャラクターが映るなど、細かい部分もぬかりなく作られている。
--街中には階段や段差などの高低差が多く作られており、立体感を感じさせることに加え道が単なる網の目にならないよう工夫されている。

***サウンド
-スーパーファミコンの枠を突き抜けたクオリティのサウンド
--音楽も桜庭統氏が手がけており、ダンジョン・戦闘ともに迫力がある。
---当時は8音しか同時再生が出来ないというハード上の制約があったのだが、サンプリング音を利用してこれを上回るクオリティの高い音楽を再生している。

***キャラクターボイス
-48MbitROMカートリッジにより、声優陣によるキャラクターの戦闘ボイスが多数収録された。
--さらにOPでは英語によるナレーションが入るという、SFCの容量としては困難なことをやってのけている。
--一度でも聞いた戦闘ボイスは、サウンドプレイヤーから個別に聞くことが可能。特定の仲間や状況によってしか出ないボイスもあるので、収集要素にもなっている。

***システム
-TOPのリニアモーションバトルを応用した、高い戦術性と自由度をもったリアルタイムバトルシステム
--ランダムエンカウント形式で、エンカウントすると敵味方が同一の戦闘フィールドに配置され戦闘を行う((TOPの横並びは仲間と一緒に戦ってる感が薄いので奥行きを加えたとのこと。))。
---後の作品とは違い、十字ボタンで自由な移動はできず、Yボタンを使用し移動先を決定してから移動する形となっており、攻撃を避けるといった用途には使えない。
--奥義や紋章術といった必殺技をキャラクターは持っており、Lボタン・Rボタンに遠距離用と近距離用の2つ、合計4つの技を割り振る形になっている。技はロックした敵との距離で自動的に切り替わる。

-行動の自由度を高めるスキルシステム
--本作はレベルアップ以外にも、町にあるスキルショップでスキルの情報を購入しSP(スキルポイント)を振り分けることでスキルレベルをあげるシステムがある((TOPではクリエーションシステムが一般的なゲームと大差ない出来になってしまった(ルーンボトルでアイテムが変化するだけ)ので次作は掘り下げたいと考えて、スキル、タレント、アイテム数などシステム面を掘り下げたとのこと。))。
--スキルは「通常」「戦闘」「流派」「奥義」の4つに分かれており、通常スキルは更に「知識」「感覚」「技術」の3つの系統に分かれている。

-通常スキル
--もっとも数の多いスキルで、「包丁」や「生物学」など全部で28種類ある。
--スキルレベルを上げればステータスが上昇するもの、また1つから3つのスキルのレベルを上げることで「特技」を習得するものがある。特技に関連するスキルレベルを上げれば特技レベルも上がる。
--例えば「包丁」「レシピ」「目利き」を習得すると下記のアイテムクリエーションにて「料理」という特技コマンドが使えるようになる。
--アイテムクリエーション以外にも、「危険感知」のスキルを習得するとエンカウント率を上下させる「スカウト」が使用可能になる等、プレイが快適になるものもある。

-戦闘スキル
--一定確率で敵の防御力を無視してダメージを与える「衝撃波」や必殺技を繋げることのできる「リンクコンボ」、術師系キャラクターの呪文を唱える時間を短縮する「早口」などがある((術師系は「早口」のみ習得出来る。))。
--習得すれば戦闘が有利になるのはもちろんだが、上記のリンクコンボを用いればオリジナルのコンボを敵に決められるようになり、爽快感も抜群である。
--スキルレベルを上げることで発動率が上昇(リンクコンボのみ、一定レベルに達する毎にコンボ数が最大4まで増加)。

-流派スキル
--スキルショップで購入するものではなく、前衛型のキャラクター全員がはじめから1種類ずつ習得している固有のスキル。
--これは戦闘における各キャラクターの戦い方を表しており、レベルを上げると必殺技の使用時のMPを減少させることができる。また、スキルレベルが高ければ後述する奥義を閃く確率も高くなる。

-奥義スキル
--これも他のスキルと違いSPを振り分けてレベルを上げる必要はない。
--7種類あり、アイテムやイベントなどで習得することになる。術師系のキャラクターは習得できない。
--奥義スキルを習得した状態で戦闘中特定の必殺技を使用すると、一定の確率で強力な超必殺技(奥義)を閃くことがある。流派スキルレベルが高ければ高いほど閃く確率が上がる。
---この奥義を閃くシステムは後の作品にはない今作独自の要素。演出もど派手で爽快感も高く好評だった。

-アイテムクリエーション
--いくつかの素材を組み合わせてアイテムを作るシステム。自分で大半のアイテムは作れてしまう。
---たとえば上記の「料理」の特技コマンドを使用する場合は、町にある「食料品店」で食材を購入して、それを組み合わせて別の食品を作る。
--非常に自由度が高く、序盤から強力なアイテムを作ったりできる。特技レベルが低いと失敗することもある。
--作成したアイテムは全てに解説がつけられており、豆知識的なものもあれば、失敗作には笑いを誘う解説がつけられているなど、うまくいかなくても飽きさせない仕組みになっている。
--特技レベルが高ければ高いほど良く高価なアイテムが生成される確率が上がる。
---そのため高価なアイテムを多数生成して売却するといった稼ぎも可能。
--またキャラクターにはそれぞれ「タレント(才能)」が設定されており、特技に対応するタレントを所持していれば、更に高いアイテムを作成できる。
---最初もっていなくても、特技を使用し続ければタレントが目覚める(才能開花)こともある。

-個性豊かな仲間キャラクター
--冒険の途中で、様々な人物を仲間に加えることができる。その数にして11人(主人公を含み、序盤のみの仲間を除いた人数)。
---同じキャラでも加入条件が複数用意されている場合もあり、中には捕まってしまった人物の汚名を晴らせないまま脱獄させて同行、といったパターンまである。
--しかしながら、パーティーメンバーは最大8人となっているため、必然的に選別する必要が出てくる。主人公を含む4人は固定なので、残り7人から4人を選ぶことになる。中には条件の厳しいいわゆる「隠し」的なキャラクターも。
--エンディングで仲間キャラクターのその後のエピソードが描かれる。特定の4人を仲間にしているときのみ発生する追加イベントもある。序盤から中盤にかけてのストーリー分岐も結構多く仲間にできるタイミングが展開によって異なったりもしていて、面倒臭ささえ感じなければ変化を楽しみつつ長く遊ぶことができる。
--なお、ドーンは最序盤で離脱した後は一切復帰しない。

-プライベートアクション
--町でパーティーを解散し、仲間とのコミュニケーションをとるシステム。
--シナリオ上では表現しづらいキャラクターの個性を表現する手段にもなり、また今まで行った町に戻ることにも意味が出てくるシステムとなっている。
--仲間の数だけキャラクター同士の絡みやパターンがあるため、とても楽しめるものとなっている。

-その他やりこみ要素
--クリア後には隠しダンジョンが解放される。本シリーズに限らずトライエース作品は隠しダンジョンが異様に充実している事でも知られるが、それは原点である本作も例外ではない。
--尚、トライエース作品お馴染みの隠しボス「ガブリエ・セレスタ」と「イセリア・クイーン」は、本作最強の敵「ガブリエル」が分離したものと言う設定である((ちなみに今回のガブリエルは最強ボスではあるものの、隠しダンジョンの奥に鎮座している訳でも、隠しダンジョンをクリアしなければ戦えない訳でもない。条件さえ揃えばいつでも戦える。))。

これらの要素は後のシリーズで更に完成度を上げていくこととなる。 

**賛否両論点
-ワールドマップが存在しない
--本作はワールドマップがなく、町と町、ダンジョンを繋ぐ道もダンジョン内のようにマップを切り替えて進んでいくアクションゲームのような移動方式。
--切り替えるごとに景色が変わっていったり、大体の場合においては分岐には標識があるおかげで道には迷いにくかったり、ワールドマップじゃないからこそマップの中に隠れた宝箱などを探す楽しみがあったりと、このシステム自体は良い点もある。
//「ではない」であって「が無い」ではない。文章直したいならせめて意味を変えないように直してくれ
--一方で、場所によっては似たような道が多いせいで道に迷いやすかったり、世界地図が示されないせいで全体図も把握しにくいという問題も存在する。

-『スターオーシャン』というタイトルを冠しながら、冒険の大部分は主人公の暮らしていた中世風の惑星(しかも300年前の時代)であり、基本的にファンタジー展開が続く。
--機械文明は序盤と終盤に出る程度で、タイトルの割にはSF成分が少ないと言わざるを得ない。
--とはいえ、この作風が人気の一因となりシリーズ化することとなったので、タイトルの違和感はあれど世界観の構築自体は成功している。

-特技「オラクル」
--「創造神トライアからありがたいメッセージがもらえます」と説明があるのだが、オラクルを実行しても「何かの気配を感じたがしかし何も起こりませんでした」と表示されて機能しない。
---オラクルの特技レベルが足りないのか、なにかタレントが必要なのか、などいろいろ考えられるがその答えは特技「しっぴつ」で稀に失敗して作成されるハズレアイテム「よげんしょ」で得られる。「よげんしょ1」から「よげんしょ6」まで6種類集めて説明を縦読みすると「オラクルはゲームクリア後にイミがでてくるものだよ」になる。そう、クリア前には意味のない罠特技なのである。
---一度クリアしてセーブデータに★がついてから実行するとオラクルルーム(スタッフルーム)にワープできるようになる。そしてそこにいる創造神トライア(開発スタッフ)たちに話かけることでありがたいメッセージを貰えるという仕掛けであった。
---判り難いためか、次回作以降は使用する事でいろんなメッセージを受信できると言う、クリア前でも一応イミがある特技に変更された。本作のPSPリメイク版でも同様の効果となっている。また、オラクルルームにはクリアデータで開放されるマップから直接行くようになった。
--特技「オラクル」は「ピエティ」「電波」「遊び心」という3種類のスキルを上げることで覚える。スキル自体はピエティにINT上昇効果があるものの、電波と遊び心には何の効果もない。特に電波は必要なSPが結構多くオラクルの特技レベルを上げるとSPの負担は大きい。
---こちらも『2』では電波や遊び心を上げたときにお金やアイテムを入手できる効果が追加され、本作PSPリメイク版もそれに倣っている。

-ある仲間キャラの境遇
--仲間キャラの一人マーヴェル(及び関係者一人)の境遇については賛否両論。

#region(キャラの核心についてネタバレあり)
-仲間にできるキャラの1人であるマーヴェルは本名をエリスと言い、殺された兄ヨシュアの復讐のために古代ローク人の体を借りて戦っている。
--しかし実はヨシュアは生きており、兄も妹の復讐のために旅を続けている。体を借りる際の制約で正体を明かす事も出来ず、この兄妹のすれ違いを綺麗に解決する方法はゲーム中に用意されていない。一番マシなEDでも、ヨシュアがエリスを探し続ける旅にマーヴェルが同行して、ヨシュアがマーヴェルにふと妹の面影を感じることがあると告白する形。
---マーヴェルの本来の姿が氷に封印されている場所も訪れる事が出来、氷の中の少女を助け出そうという流れになる。マーヴェルが仲間にいると戦ってでも止めると言われて釈然としないまま立ち去ることになるが、ヨシュアも仲間にいるとマーヴェルの制止を振り切って氷柱に触れてエリスもマーヴェルも消滅する強制離脱イベント発生となる。
--その境遇や解決策がない事も含めて後戻りのできないキャラとして「あえて触れずにそっとしておくのが幸せ」というEDを良しとするファンもいるが、やはり綺麗な解決策を用意してほしいという声も多かった。
---やはり幸せになって欲しいという声が多かったのか、リメイク版ではこれを解決するイベントが追加された。
--マーヴェルが仲間にならないルート進行の場合、ロニキスがマーヴェル本人から制約内で話せる限界まで大よその話を聞いていて、「1つだけお願いがある。どこかで本当の体を見つけても決して触れないように」と言われて「わかった覚えておく」と答えているにもかかわらず、ロニキスがマーヴェルに代わってラティを止めようとするようなイベントもない。
---止める者がいないため、本体が封印されている場所で助け出す選択肢を選ぶと、そのまま氷柱に斬りかかりエリス消滅、一人で旅をしていたマーヴェルも本体消滅により泣きながら消滅していくシーンが挿入されるという、プレイヤーが唯一詳しい事情を知ることができるルートな上に任意で選択肢を実行するぶん余計に後味が悪いイベントになる。

#endregion()


**問題点
***シナリオ面の問題点
-伏線放置や唐突な急展開などが目立つ。
--特にSF展開の最中に突然「魔王討伐」といったファンタジー展開が来る辺りで面食らった人もいた。
---具体的には序盤に「ウイルス宿主である300年前の生物の体組織が必要」と説明され、そのために過去に戻る。その後、その生物の正体に関しての言及はないのだが、ロニキス合流時の会話では「その生物は魔王アスモデウスであり、自分達はその捕獲をするために旅をしている」ということになっている。
---合流時に初めてアスモデウスの名が出るにもかかわらず、最初からそうだったかのような話の流れと、リメイク版では序盤の説明で宿主がアスモデウスと明かされていることから、容量削減のためのテキストカットが原因で展開に齟齬が生じたと思われる。また、このシーンの会話自体も所々削ったかのような不自然さがある。
--時空転移も「未知の文明が残した謎の機械があるので、それを使おう」と提案され、実際にそれで過去に飛ぶというSF作品にしては少々強引な流れであり、この機械についての説明も何も無い((『テイルズ オブ ファンタジア』でも遺跡に残された機械で時空転移するという展開があったがあちらはほぼ純粋なファンタジー作品であり、また、その遺跡についてもある程度の説明付けがされていた。))。
---その機械の正体は『3』で語られるが、本作では都合の良い謎の遺跡に過ぎない。

-イベントの手抜き臭
--中途半端に終わっているのが素人目にもわかるサブイベントや、どうやっても入れないダンジョン内の部屋がある。
--特に酷いのが、中盤で上述のマーヴェルが宿敵と街中で対峙し、一触即発になるイベント。''[[素人が演出を入れ忘れたのかと疑うレベル>ツクールシリーズ]]の手抜き''である。
---簡単に説明すると、マーヴェルが宿敵に戦いを挑むも敵わず、その宿敵がマーヴェルに対して「女。命は大切にするんだな。」と言って横を通り過ぎて立ち去っていく。…というもので、イベント自体はおかしくない。~
しかしその実態は、両者が対峙して一触即発→戦闘画面及び戦闘のような演出なしで''急にマーヴェルが「くっ、まだまだ!」と言い出す''、と言うものであるため、傍目には''両者が棒立ちしてボーッとしてたら、片方が唐突に呻き出し、もう片方がそのまま通り過ぎて行った''ように見える。「戦いを挑むも」とは書いたが、実際はマーヴェルのセリフから「描写は無いがどうやら戦ったっぽい」事が読み取れるだけである。
---おまけに''[[街のBGMのまま>ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]''であるため、内容と演出が釣り合っていない。
--ラスボスであるジエ・リヴォースは1度目の戦闘に勝つと一旦イベントに入り、「今度は手を抜かんぞ」のセリフと共にネオ・リヴォースとのラストバトルが始まる。~
しかし会話以外の演出が一切無いままいきなり[[ズゴック>https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=8&ved=0ahUKEwiBxaa9l_LZAhXGqJQKHZDeCsEQFgg5MAc&url=https%3A%2F%2Fja.wikipedia.org%2Fwiki%2F%25E3%2582%25BA%25E3%2582%25B4%25E3%2583%2583%25E3%2582%25AF&usg=AOvVaw2czRRThd2y6lJqr90Rqvs2]]の上半身みたいなメカが現れるため、後述するようにラスボス自体が非常に弱い事も相俟ってシュールさを醸し出している。
---名前に「ネオ」が付いただけで説明や演出が無いので「ジエが乗ったメカ」なのか「メカに変身したジエ」なのかも判然としない。せめて戦闘間の会話で状況を説明する台詞でもあれば良かったのだが((漫画版ではメカに乗ったと描写されている。PSP版では見た目が全くの別物になったが、こちらは変身する様子が描かれている。))。

***ゲーム面の問題点
-ゲームバランス
--ストーリーの節目で急に強くなる雑魚敵、石化の凶悪さといった調整面の課題がある。
---本作において唯一のステータス異常防御手段であるアクセサリ、「○○チェック」シリーズは「''無効化確率が100%でない上に、効果を発揮すると確率で壊れてしまう''」と性能が良くない。特に、最重要である石化(戦闘不能扱い)を防ぐ「ストーンチェック」は「無効化率70%、破壊率10%」という正直だいぶ不安の残る性能。
---特に凶悪なものとして有名なのが、隠しダンジョンに生息する「メデューサ・アイ」という大きな目玉型のモンスター。その名の通り高確率の石化効果を持っている上「攻撃範囲が自分の360度周囲」「多段ヒット」「攻撃予備モーションがない」という性質から、''近づくと石化の多段攻撃を喰らい速攻で石化される''。遠距離攻撃を中心にして倒すほかないが、位置は固定ではなく普通にこっちに向かってくる上、複数で出現することもあるため「皇竜奥義」(すぐ発動して敵全体にダメージ)を覚えるルート以外では戦法で完封することは困難。事前に闘技場で同型モンスター「ドラゴン・アイ」から石化攻撃の脅威を嫌という程味わう筈なので雑魚として複数現れたときプレイヤーが感じる脅威も半端ない。
--中盤前後で以降のバランスを破壊してしまうほどの強力なアイテムや特技が習得できる。
---アイテムに関してはその時点では強力なモンスターの出るダンジョンに置いてあり、そこのモンスターと普通に戦えるレベルに育っていれば、バランスを崩すほどの性能ではない。ただ、それ以前でも逃げ回りながらアイテムだけ回収する事は可能で、ボスに守られた宝箱以外は回収して逃げ帰る事が出来る。
---強力な特技は闘技場をクリアする必要はあるが、普通に進めていれば終盤までには習得でき、習得後は(MP消費の問題はあれ)これさえ使っていれば勝てる性能。
---複雑な手順が必要だが、さらに強力な必殺技も存在する。こちらを習得すると隠しダンジョンも楽々(但し相応の能力が必要なので熟練したプレイヤーでないと獲得は難しい)。
//↑アイテムはドワーブン系や闘技場の楽器(トランペットの売却)、特技は七星奥義→七星双破斬。後者はMPの都合で微妙な所ですが。
--これらに比してストーリー上のボスが余りにも弱く、どの中ボスもボタン連打してるだけで''秒殺''。数の多さや当たり判定上、道中の雑魚敵の方がよっぽど苦戦させられる。
---その延長上でラスボスが、''全RPG中でもトップクラスの弱さ''を誇る。
---''よそ見しながら適当に攻撃ボタン押してるだけで開始数秒で終わる・スターガード付けてたらこっちが何もしてないのに死ぬ・ラストダンジョンの雑魚の方がよっぽど強い''…誇張でもなんでもない。
---ラスボスの攻撃手段にロケットパンチがあるのだが、まれに飛んで行った腕が戻らないまま''ラスボスが無防備のまま永久に硬直する''ことがある。バグか設定ミスと思われるが、いくらなんでも悲しい。

-遠距離の移動が面倒
--別大陸へは船で行き来でき、一番広い大陸は両端に港があるため、ある程度の配慮はされているが、それでも港から離れた町への移動はかなり面倒。
---特に面倒なのが、必須イベントで遠距離を遡るイベント。大体の人がここで遠距離の移動に面倒さを感じる。
--一応、他にも配慮がないわけではなく、特技によるエンカウント回避は可能となっているし、隠しキャラを仲間にし隠しイベントを起こすとエンカウントなしの高速ダッシュできる乗り物を使えるようにもなっている。
---またクリア後要素ではあるが、オラクルを使えるようになれば帰りはどこからでもタトローイに転移できる。

-「めくり」スキルが一種の罠と化している。
--一瞬で敵のバックを突くという内容のスキルなのだが、回りこむ動作が''普通に走って''敵の後ろ側に移動するだけ(''無敵時間なし'')なので、その間はスキだらけになる。
---全身攻撃判定のある攻撃を出されでもしたら確実に攻撃を食らううえに、それが連続ヒットするものなら、まず助からない。典型例が前述の目玉系モンスターである。
---そのスキルを1でも上げてしまうと確率で勝手に発動するようになってしまい、元に戻せなくなる。知らずに上げてしまいセーブまでしてしまったら残念である。続編では戦闘スキルのON・OFFの切り替えが可能になっている。
---逆にこのスキルを上げなければ普通に快適な戦闘を楽しめる。

-サウンドプレイヤー(一度でも聞いた曲やボイスを再生可能)に、解除不可能なナンバーが結構ある。
--データは存在しているので、ちょっとした小技((ボタンを押した直後に十字ボタンでずらすと聞く対象がずれる。))で再生は可能。また、解除不可能な曲の一部はトライエースのホームページ上で公開されていた時期があった。
---ちなみに三味線は次回作やリメイクで「幻の三味線」としてボツ要素だったことを自らネタにしている。

-バグ
--多さは後続作品のものと合わせてトライエースの代名詞になった。
--テキストデータの誤字や脱字等些細なものや、フリーズする致命的なものまでさまざま。
--フリーズの例としては、演奏中タレント開花の確率が上昇する「音楽」があるが、それを利用してタレントが開花すると、ほぼ確実にフリーズしてしまう。
---居る場所、開花時の効果音を最後まで聞いたか飛ばしたか、なども影響する。それら組み合わせ次第でフリーズ回避も可能となるが自然と揃う条件ではない。

-仲間キャラで唯一ドーンのみ扱いが不遇
--初期メンバーであり初期にイベントで離脱してしまうのだが、そのままクリアまで再加入は不可能。
---性能面も明らかに一時加入キャラとして設定されており、MPはレベルが上がっても0のままで、必殺技も何も覚えない。
---パーティメンバーである彼を助ける事も旅の目的の一つなのだが、無事助けた後も加入できずそれ以降も出番が無い事には残念な声もあった。
--漫画版では「自分も行くと言って聞かなかったが、ずっと石化していて満足に動けないので無理矢理置いてきた」という事になっており、しかも''ベッドに縛り付ける様子''まで描かれている。

-俳優によるボイス収録
--一部のキャラは声優活動を本業としていない俳優が声を当てているため、若干棒読み。

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**総評
重大な欠点もあるが、それを気にさせないほどの魅力、斬新かつ挑戦的なシステムで、当時のプレイヤーから支持された。~
良いところも悪いところも現在まで続くトライエース作品の特徴を顕著に表した作品といえる。~

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**リメイク
-後に『[[スターオーシャン1 First Departure]]』のタイトルでPSPにリメイクされた。
--ボリューム以外の問題点は概ね改善されており、特にシナリオ面は大幅に補完がなされた。詳細は当該記事を参照されたし。
--2019年12月5日にはこのリメイク版のHDリマスター版『スターオーシャン1 First Departure R』が発売された。対応機種はPS4/Switch。

**余談
-シナリオの出来に関しては自覚があったらしく、オラクルルームに行くとその旨が聞ける。原案の五反田義治氏(オラクルルームでの名義は「すとれと」((五反田氏は「STRAIGHT」の名で音楽活動をしていた時期があり、SOシリーズでも度々「ストレート」と言う単語が出る。)))によるとシナリオに関しては「ちょっと失敗したかも」との事。
--当初は通常戦闘とは違うシステムで艦隊戦を行うことができるという構想もあったが、やはり規模的に無理があったためかボツになった模様。
--シリーズの20周年ファンブック等では、その他にも「20人以上の仲間が自由にストーリー内で入れ替えられるシステム」「フィールド上でのスキル発動による謎解き」などが企画としてあったことが語られているが、やはりSFCの容量では無謀な話であり、多くが構想のままで終わっている。

-本作のファンタジー色が強くなった事については、後に五反田氏がその経緯を述べている。最初は純粋なSF作品を作りたかったが、当時は「RPGはファンタジーでなければ売れない」という風潮があり、エニックス側からの指摘もあってこのようなバランスになったことが後年のインタビュー等で明かされている。
--また、企画段階から「SFとファンタジーの融合」がテーマになっていたことが明かされており、ある程度は意図的なものだったと思われる。
--ちなみに本作の開発コードネームは『エターナルスフィア』であり、スタッフ全員に「判り難い」と言われたために代わりに判り易く『スターオーシャン』と付けたらしい。タイトルと内容が若干ズレているのはこのためでもあるのだろう。
---『エターナルスフィア』自体は五反田氏も思い入れがあるらしく、以降も最強クラスの武器や重要単語として登場したり、シリーズポータルサイト名に使用されたりしている。
--尚、後年の五反田氏曰く本作のSFとファンタジーの比率は1:9との事。つまり本作はまだファンタジー世界にSFが少し入り込んできた程度のバランスに留められている。
---以降のシリーズは作品を重ねる毎にファンタジー要素に反比例してSF要素が増えていく事になり、『[[4>スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-]]』でSF要素が最大となった。しかし『[[5>スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-]]』は再びファンタジー色の強い作品に、そして『6』ではまたSF要素が強まるなど、作品によってバランスが異なっている。

-賛否両論点で上述した通り、特技「オラクル」はクリア済みデータで使用することでオラクルルームに行けるのだが、そのオラクルルームからはラストダンジョンにも行ける。
--そして本作でクリア済みデータをセーブする際には、クリアフラグが立つだけでゲームの進行状況はセーブされない。
--つまりLV3スキルを購入した時点でセーブして、そのセーブデータで以降はノーセーブプレイでクリアすると、(実用的ではないが)かなり早い段階のパーティー編成でラストダンジョンに行くことも不可能ではない。

-本作のボスの弱さは公式でも問題視されたようで・・・。
--[[続編>スターオーシャン セカンドストーリー]]のボスが真ラスボスを筆頭に過剰なまでに強く設定された。
--[[PSP版>スターオーシャン1 First Departure]]ではラスボスの見た目も全くの別物になり、大幅に強化された。
---本作では急にメカが登場した訳だが、PSP版では一度倒れた後に天使のような姿に変身する様子がアニメシーンで描かれた。名前は「ネオ・リヴォース」のまま。それに伴い、『2』のPSP版のオープニングでもこのシーンはそのまま差し替えられている((PS版ではメカのネオ・リヴォースを倒す様子がムービーで流れたが、PSP版では人間体のジエ・リヴォースが倒れるアニメが流用されている。))。
---ただ、それでもラスボスとしては少々歯ごたえ(具体的に言えばしぶとさ((HPももちろん強化されているのだがそれでも10万弱程度で、第一形態と含めても15万ジャスト。ほぼ同様の戦闘システムであるSO2のラスボスでHPは50万なので、明らかに少ない。)))が足りないと言う声もある。

-奇しくも本作発売の翌年、「ネオの名を冠する」「二戦目が始まるといきなり姿が変わっている」「RPG史上トップクラスの弱さ」「リメイク版で別物になった」という共通点を持つラスボスが[[本作の源流たるシリーズの新作>テイルズ オブ デスティニー]]に登場している。

-スマホアプリ『スターオーシャン アナムネシス』や『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』にSFC版メカのほうのラスボスが登場。名前はネオ・リヴォースではなく中の人であるジエ・リヴォース名義。なぜかモノアイリール上下2つで胸部が出っ張らない少し[[サクラ大戦>サクラ大戦シリーズ]]の光武っぽいデザインに変更されている。

-月刊少年ガンガンにて漫画版(著:かぢばあたる)も連載された。
--次回作以降のコミカライズと違って単行本1巻分の短期連載だったため、メインの冒険の舞台となる300年前のロークはほぼダイジェストで大胆にカット。序盤と終盤のみを描いている。
--メンバーも必須の4人だけだが、他の仲間に関しては作者としても描きたかったらしく、単行本のカバー裏の表紙やおまけ漫画に描かれている。
---かぢば氏は作中の「ラティがアシュレイから皇竜奥義を伝授される」PAがあっさり過ぎるのが不満だったとの事で、おまけ漫画では「アシュレイが実際に放つ奥義を受けて体得する。''失敗すれば死あるのみ''」という無駄に熱い展開に書き替えている。カバーをめくるとこのシーンだけがいきなり飛び出すのだから爆笑ものである。

-CMでは「スーパーファミコン最後のオリジナルRPG」と告知されているが、あくまで宣伝文句であり、本作の後も僅かながらオリジナルRPGは[[発売され>エナジーブレイカー]][[ている>G.O.D ~目覚めよと呼ぶ声が聴こえ~]]。

-世界観がアメリカのSFドラマシリーズ『スタートレック』ほとんどそのまま。これは五反田氏が同シリーズの熱烈なファンであったため。
--ロニキス艦長は地球人なのになぜか尖り耳。これもミスター・スポックをモデルにしているため。
---スタートレックシリーズにはスポックと同じバルカン人に弓の名手なキャラも居るが、尖り耳で紋章術使いで弓使いなので、バルカン人の弓の名手というよりエルフっぽさがある。

-リメイク版では上述したマーヴェル(エリス)に関しては救済イベントが用意され、本格的な仲間としても追加される凝りようであった。
--しかしその一方、唯一一時加入である''ドーンの運命は変わらなかった''。
--この不遇っぷりはファンから、リメイク版発売時には&bold(){『Q.ドーンは仲間になりますか? A.ド━━━━('A`)━━━━ン!!!』}とネタにされるほどだった。

-本作で曖昧だった点は後作で拾われている
--ゲーム冒頭の謎の遺跡や、300年前に遺された刃のない剣等。
---伏線回収というよりは後付け設定だと思われるが。

-オリジナルのSFCは一度も復刻・配信はされていない。
--リメイク版『First Departure』が発売され、そちらは後にリマスター化もされている一方、SFC版は復刻された事もプロジェクトEGG、バーチャルコンソール、Nintendo Switch Onlineなどと言ったサービスで配信された事もないため、現在ではプレイのハードルが非常に高い。

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