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ドラゴンボール アルティメットブラスト - (2024/01/10 (水) 20:58:51) のソース

//KOTY系の同年まとめリンク等は載せないルールです
*ドラゴンボール アルティメットブラスト
【どらごんぼーる あるてぃめっとぶらすと】
|ジャンル|3D対戦アクション|CENTER:&amazon(B005IEP968)|&amazon(B005IEPBD4)|
|対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360|~|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|開発元|スパイク|~|~|
|発売日|2011年12月8日|~|~|
|価格|7,330円(税込)|~|~|
|廉価版|PlayStation3 the Best&br;2013年2月21日/3,800円(税込)|~|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|&color(blue){''2011年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点''}&br;''格ゲーの皮を被せたジャンケンゲーム''&br;前作より色々な要素が大幅劣化&br;長すぎる上に同じ光景が続く戦闘&br;主要キャラまでリストラ&br;グラフィックだけは美麗|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールシリーズ]]''|
|>|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
2005年に発売された『[[ドラゴンボールZ Sparking!]]』に端を発する、スパイク製DBシリーズの流れを汲む作品。システムもほぼ同じ。~
同シリーズはバトルシステムの自由度に加え、原作で戦闘描写があまりなかったキャラも含め大量のキャラクターが登場することによるアニメの追体験が特徴で、~
今作は「最高のDBゲームを作る」との触れ込みで誕生したのだが…。~

通称「アルブラ」「UB」など。''2011年KOTY七つの大罪の一つ''。
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**問題点
-登場キャラが大幅に減っている。
--キュイはいるのに青年悟飯はいないなど人選も微妙。ギニュー特戦隊もなぜか''グルドだけハブられた''。そのせいか公式サイトにキャラ紹介の項目がない。
---ダーブラ、少年トランクスも削除され、ブウ編はブウと魔人ベジータしか敵が出てこない。劇場版の悪役勢もブロリーとメタルクウラコア、ジャネンバ、ヒルデガーンの4人しかいない(ブロリーとスーパージャネンバ以外は操作不可)。ターレスとか、悟空のほぼ色違いなんだが…。
--一応、前身とも言えるレイジングブラストシリーズで登場しなかった超一神龍と超サイヤ人4ゴジータが再登場し、完全新規に追加されたキャラもいる。&br()…が、その新キャラは&b(){悟空とボディーチェンジしたギニュー}と意味不明なチョイス。
--''これらはキャラゲーの核であることは言うまでもない。''
---これまでもキャラ数を売りにしてきたシリーズで、過去作からの流用で良ければ3Dモデリング化されており、同ハードでの開発実績もあるのになぜこんな事態に陥ったのか…。

-ストーリーモードもキャラ大幅削減の影響で端折った内容になってしまった。
--特に青年悟飯がいないせいで魔人ブウ編のシナリオは悲惨なことに。ストーリーモードに力を入れたゲームのはずなのだが…。
--例えば、ベジータが動けなくなったナッパを処刑したシーンでは「ベジータがナッパをぶん投げて光線を放つ→ナッパ無言爆死→悟空が場所を変えるように言い放つ」という凄まじいダイジェスト展開になっている。原作では悟空が「なんて気だ…」と驚いていたし、ナッパも光線で爆殺される直前に「ベジータアアアア~!!」などと叫んでいたはずなのだが。
-いわゆる「前回のあらすじ」に当たる導入部分も、黒いウィンドウにスタッフロール形式で文字が浮かぶ''だけ''。ナレーションもなくダラダラとBGMが流れるだけで、挿絵すらない。
--「暴れ回る大猿悟飯を止めるため、''ピッコロは月を破壊した''」などといった原作のシナリオが、文章でそのまんま流れる様はシュールにも程がある。

-対戦における致命的な問題点として、HPが5~6桁もあるためとにかく一度の戦闘がやたらダラダラと長い上、攻撃、回避、必殺技…などといった''殆どの行動でQTE''が発動する。
--QTEとは「クイックタイムイベント」の略で、コマンド入力を求められるムービーのことだが、本作では大半が弱攻撃か強攻撃の2択入力で成立するあいこなしのジャンケン。要するにプレイヤーの介入できる部分が極端に少ない。
---過去シリーズ経験者向けに説明するなら、『[[ドラゴンボールZ3>ドラゴンボールZシリーズ#id_09a73989]]』をドラゴンラッシュ''だけ''で戦うゲームにしたようなもの。
---このQTEが頻繁に入るためテンポが非常に悪い。''アルティメットジャンケン''などと揶揄されることも。
--大型ボス戦においてもムービー中にQTEが挿入されることがあるが、ボタン連打や制限時間内に特定順にボタン入力など、ただのジャンケンよりはバリエーションが多い。
---ただしボスを倒すためには基本的にQTEの成功が必須であり、わずかなコマンドミスで長ったらしい戦いをやり直すハメになるので、ストレスが溜まりやすい。
--この様なゲーム設計にした意図は「ゲームの敷居を下げて初心者でも真っ当に戦えるように」と配慮したとのことだが…。
---腕を磨こうにも''ジャンケンに必勝法はない''((現実のジャンケンならジャンケン前やあいこになった直後などで駆け引きのしようがあるが、本作ではそのような余地すらなく傾向を読むしかない。))ためにすぐ頭打ちになる。そのため「初心者でも上級者に勝ちやすい」ではなく、「努力の''しようがない''」設計になっている。
---初心者に配慮した結果、従来のやり込みプレイヤーは元より''その初心者もすぐに飽きやすい''という結果に。~
純粋なジャンケンゲームとして見てもテンポが悪すぎて微妙。
---格ゲーに組み込まれた初心者向けのジャンケンシステムとしては後の『[[ソウルキャリバーVI]]』のリバーサルエッジの方がよほど洗練されている。

-キャラゲーで一番大事な「キャラの個性」が感じられない。
--パンチやキックなどの細かいモーションは再現度が高いものの、最も印象的なQTEに入ってしまうと悟空だろうがベジータだろうがサイバイマンだろうが''全キャラ共通の演出''なので見ていて飽きる。

-オンライン対戦もチーム戦が削除され、シングル対戦しかできなくなった。
--さらにエラーが頻発し、''まともに対戦できない''。

-会話スキップも中途半端で、一々メニューを開いてスキップを押さなければいけないため面倒くさい。

-メタルクウラやブロリーなどの出る劇場版のストーリーにアニメムービーがない。
--本編ストーリー再現の御粗末さもあいまって、本作の資料的価値も非常に微妙になってしまっている。

**評価点
-グラフィックやムービー演出自体は高評価。
--特に、フリーザやブウといった強敵とZ戦士が激戦を繰り広げるOP映像は凄まじい出来。
--アニメーションムービーはTVアニメなどの構図を流用してはいるものの、すべて新規作画されておりファンには嬉しい演出。
--しかし戦闘におけるアニメーションに関しては演出時間が長く、しかも1試合中に何度も同じものを見せられるのでダレる。

-大型ボスとの戦闘は一筋縄ではいかずなかなか歯ごたえがある。
--だがムービーでのQTEの存在もあり、攻略法を見つけるまでは敵が有利すぎるためやや初見殺しの側面が強い。

-やたらと多いロード時間の間には、宙に浮かぶホイポイカプセルを射的するというそれなりに楽しいミニゲームが付いている。~
''そんなもんを付ける暇が有ったらロードを削減する努力をしろ''とも言えるものの評価点には違いない。

//-シリーズ初の重量級のキャラクターが登場する。
//過去作の大猿やジャネンバとの違いを説明しないと読む側に基準が伝わりにくい記述だと思います。

**賛否両論点
-キャラメイクでオリジナルのキャラクターを作成できる。
--これ自体は良いのだが、肝心のパーツが少ないせいでどこかで見たようなキャラしか作れないのでオリジナリティは出しにくい。
---未登場キャラを再現して、代替するということも出来ないので中途半端。
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**総評
対戦システムの核がとにかく徹頭徹尾QTEなので、どんなにやり込んでもプレイヤーが強くならないという、『友情・努力・勝利』を完全否定した''&color(red){年末の魔物}''。~
「格闘ゲームとは何か」という哲学の域に達している。グラフィックは本当に美麗だが、言うなればそれしか褒める場所がなく、~
''『ドラゴンボール・対戦格闘ゲームの皮を被せた出来の悪いジャンケンゲーム』''と言えるだろう。~

残念というか当然というか、クソゲーオブザイヤー2011の次点にも選ばれてしまい、''『引き伸ばしまでアニメ版ドラゴンボールZをリアルに完全再現』''『殴り合ってビームを撃つだけの漫画と揶揄されることも多いDBだが、なぜ''本当にその通りに作ってしまったのか''』と選評で嘆かれる結果となった。

一応ジャンケンツールとして機能する分だけ大賞には届かないものが認められるといったところか。

//簡単な操作を求めた挙句、実質的にジャンケンマンに原点回帰してしまったと言える。
//皮肉のつもりだろうが、格闘ゲームの原点がジャンケンマンという表現は誤解を生むので不要と思われる。
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