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G-SAVIOUR - (2023/10/15 (日) 00:00:27) のソース

*G-SAVIOUR
【じーせいばー】
|ジャンル|3Dシューティング|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/144000057.jpg,height=200)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売・開発元|サンライズインタラクティブ|~|
|発売日|2000年9月14日|~|
|定価|7,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|PS2初のガンダムゲー&br()映像偏重&br()攻撃は最大の防御なり|~|
|>|>|CENTER:''[[ガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
PS2初のガンダムゲームにして、2000年12月29日に日本とカナダで放送されたテレビドラマ((テレビムービーという表記も見られる。))『G-SAVIOUR((ハリウッドのCG技術を駆使して作られた作品で、ガンダムの映像作品としては現時点では唯一の実写(とCGを組み合わせた)作品。舞台は宇宙世紀0223年で、宇宙世界では最も未来の時代を描いた作品となる。CG映像自体は綺麗なものの、従来のガンダム作品とは違う理解しにくい世界観をはじめ、中盤までの退屈なストーリー展開、一向に起こらない戦闘、ようやく始まったMS同士の戦闘は全体的にスピードが遅くビームサーベルの斬り合いで下半身が動かない等とモッサリ気味で違和感が強く、お世辞にも高品質とは言えない作品に仕上がっている。))』の外伝的位置づけの作品((なお、後述の通りテレビドラマ『G-SAVIOUR』は2000年12月29日放送、本作は上記の通り2000年9月14日発売であるため、本編より先に発売されている。))。
プロモーショントレーラーから始まり、テレビドラマと並行して、本作(ゲーム)や小説、ラジオドラマなどメディアミックス作品の一環として展開された作品であり、テレビドラマ『G-SAVIOUR』で起きた「ガイアの光事件」の1年後を描いている。~

以下、テレビドラマ版については二重かぎ括弧を用いる。

**あらすじ
>宇宙世紀0223年、「ガイアの光事件」から1年。セツルメント国家議会軍のバイス将軍は、地球圏の軍事政権を獲得するための計画「プロジェクト・レイブン」を進めていた。世界の調停者イルミナーティのライトニング部隊に所属するパイロット、リード・フォックスはプロジェクトレイブン阻止のため、MS「G-SAVIOUR」に乗り込み、戦いを繰り広げる。しかし、G-SAVIOURは議会軍の新型MS「レイブン」の圧倒的な力の前に敗北し大破、リードも負傷してしまう。~
数週間後、怪我から回復したリードは、ライトニング部隊指令に量産機J-SAVIOURの予備機で良いから出撃させてほしいと頼む。それに対して指令は、リードの乗機はあくまで「G-SAVIOUR」であるとして、G-SAVIOURを開発したセイバーチームによって修理と徹底的な改修を施された新型MS「G3-SAVIOUR((間違えやすいが、読み方は「ジースリーセイバー」ではなく「ジーサードセイバー」である。))」を与えるのだった。

**特徴

-ジャンルとしてはターゲットを射撃、撃破、進行というオーソドックスなシューティングゲームとなっている。
--雑魚敵は防御されなければ一撃、ボスには耐久値がある。
-アクションとしては歩行や攻撃の他に、下記のゲージを消費して行うホバー移動やシールド操作を行える。
-自機にはアーマーゲージ(耐久値)、ホバーゲージ(ホバー移動可能時間)、シールドゲージ(シールドエネルギー量)が存在する。
--耐久値は回復せず、0になったらゲームオーバー。後者2つはゲージを消費する該当アクション(ホバー、シールド)を止めればゲージが回復し再び行えるようになる。
-通常攻撃は弾数無制限。近接攻撃は歩行状態で敵と一定の距離になった際、自動的に切り替わる。
--スーパーウェポンはG3-SAVIOURにのみ存在し、弾数制限がある武装。各モードによって攻撃内容が異なるが、概して通常攻撃よりも強力。
-「SMA(サーカス・モーション・アタック)」という自動攻撃が存在する。
--ボタンを押すことで、強制的にホバーを開始し周囲に爆発をまといつつライフルを連射する。回数制限はあるものの発動中は無敵であり、シューティングによくあるボムや必殺技のようなものである。
-ステージクリア時に、撃墜率、ヒット数、残りの耐久値でランクが決まる。
--高難易度をクリアしたり、高いランクを得ると隠し要素がアンロックされる。

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**評価点
-PS2最初期の作品としては綺麗な3Dで表現されている。映像的には中期頃の作品と比べても大きくは遜色ない。
--機体の線はかなり多めだが、よく表現されている。ステージも初期作品としてはオブジェクト等良く作ってある。
--ただし、中後期のものと比べるとジャギーがかなり目立つ。またテクスチャーの色みが若干チープである。CG映画用に作られた線の多い機体を表現するためにアンチエイリアス等を妥協した感じがある。
---とはいえ最初からアンチエイリアスを使っていないゲームもPS2初期作品には多数存在しており、これも同様の可能性がある。また、サンライズインタラクティブは1998年に設立された歴史の浅い会社であるため、省容量で綺麗に見せるノウハウが不足していた可能性はある。
---それでも一部処理落ちが発生する。ただし難易度HARDで敵の数が極端に多く写りこんだ場合くらいであり、問題点となるほどのものではない。

-宇宙世紀に基礎を置いたステージが複数登場。
--宇宙世紀0079年に落着したコロニー、エンジェル・ハイロゥ、キリマンジャロ基地といった、旧作品の遺構がステージとして登場する。
---ファンサービスともいえる一方、原作ではバラバラになったのになぜか原形をとどめているエンジェル・ハイロゥ、150年経過しても崩落していないスペースコロニーに、その内部で一年戦争時代のMSの残骸が見られたりと、突っ込みどころはある。
-音楽は良質。但し透き通った音を多用したものが多いため、戦場を舞台としている本作にマッチしているかは意見が分かれるところではある。サウンドトラックも発売されている。

-登場人物は実写真で、英語によるフルボイスが展開される。

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**問題点

***ゲームコンセプトの問題

-実質的な疑似3Dゲーム。というのも飛行どころか&bold(){ジャンプも出来ず}、移動は前後左右の2次元機動のみ。くるぶし程度の高さのバリケードさえ超えられずに引っかかってしまう。
--ムービーでは自機も味方の増援も敵も普通に飛行していることも違和感を強める原因となっている。
---特にラスボスの「レイブン」はあんまりな仕様となっている。

#region(ラスボスについて)
-「レイブン」は可変MSで、ラスボスは3連戦となる。MS形態を2回撃破後にMA形態で戦闘になる。
--そのMA形態の攻撃はと言えば、「突っ込んでくる」だけ。TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』最終話でのZガンダムのウェイブライダー突撃のような攻撃を延々と仕掛けてくる敵を避けながらチマチマ削るのは、もはやMS戦というより闘牛に近いものになってしまっている。
---もっとも、実際に闘牛のような立ち回りをしてもまともな戦いにはならないので、下記のバグを利用するかSMAでゴリ押しする方が早く終わらせられる。
---MA形態なのに地べたすれすれを飛んで突っ込んでくる姿はかなりシュール。
--この戦闘にはバグが存在しており、戦闘開始直後に右ステップを1回行うとレイブンが自機の周りを延々と周回するだけになる。~
自機が動かない限り永久に回り続け、敵は明後日の方向に弾を撒き散らすだけになるので、あとは撃ち続ければそのうち終わる。
---腐ってもPS2レベルのシューティングでこういった致命的なバグが発見されるのは珍しいが、そもそも開始前からステップを入力して即回避しないと開始直後に撃破されるため、初手がかなり限られている。なので発見されたバグ、もとい攻略方法といえる。
#endregion

-ステージ数は全8戦とやや少なく、内容は薄め。
--ただ敵を倒しながら進んでいくだけの単調なステージしかなく、8つ全てが「最深部に到達してボスを倒す」というタイプのミッションである。その内の2ミッションには時間制限付きという程度の違いしかなく、バリエーションに乏しい。

-自機として使用可能な機体の種類も決して多いとは言えず、ストーリーに登場する4種+隠し機体2種の合計6種だけである。
--量産機のJ-SAVIOURや、『G-SAVIOUR』本編ではわずかな出番しかないG-SAVIOUR地上モードが使えるのは評価できなくはないが、後述の個性のなさもあって選択する意味が薄くなっている。

#region(使用可能機体一覧)
-ストーリーに登場する4種
--G-SAVIOUR宇宙モード
--G3-SAVIOU
--G3-SAVIOUR重攻撃モード
--G3-SAVIOUR強行戦闘モード
-隠し機体2種
--G-SAVIOUR地上モード
--J-SAVIOUR
#endregion

-移動と視点変更については、左スティックで移動と旋回、右スティックで視点移動、と現代のTPSに近いものとなっている。
--しかしゲーム画面には照準がなく、レティクルも存在しないため、実際のところ細かい照準をつける意味はなく、画面内に収まると勝手にターゲットロックが働くという、シューティングとしては微妙な仕様である。
--左スティック左右の入力は、歩行時は旋回、ホバー時は横移動となっているため、歩行時は横移動ができず、反対にホバー時には旋回できない。だが、障害物に当たると勝手に旋回してしまう。
---なお、歩行時は横移動の代わりにステップ移動があるが、方向キー+L2というキー設定であり、人によっては微妙に感じるものとなっている。
--キーコンフィグは3種類存在する。設定2、3ではライフルの上下という動作があるが、これはライフルを上下に撃つことができ、ロックオンキーを押すまで自動ロックが働かなくなるというもの。しかし前述の通り照準となるものがないため、ロックしなければ結局当たらないので、ほぼ使用する機会が無い操作になってしまっている。

***ゲームバランスの問題点

-雑魚敵が防御されなければ一撃なのは好悪あるとして、ボスは硬いだけで単調な敵が多い。
--敵のAIが貧弱で、ただ弾をまきちらすだけの敵が殆ど。ボスも同様である。自分も敵も、立ち止まれば当たるが平行に動いていれば当たらず、偏差射撃といったテクニックは存在しない。
---難易度が上がっても同様で、敵の数と撒き散らされる弾が増えるだけ。
-雑魚敵の攻撃でも2、3発食らえば撃破されてしまう。一方でシールドさえ構えていれば前方からのダメージは0になる。
--シールドなしで攻撃を食らうとかなり大きな隙が生じる。無敵時間も短いため、1発当たったら2発3発と立て続けに攻撃を受けて、一瞬でゲームオーバーになる事もしばしばある。
---この仕様上、「ホバーしながらシールドを貼り続けて削れたら後ろに引いて回復し、敵を1体ずつ倒してから進む」という戦法をとらないとあっさりと撃破されてしまう。
---高ランクを取るには1発の被弾も許されない。どんなにヒット数を上げて撃破率を高めても、一発食らえば全て水泡に帰す、シビアというより理不尽。
--実は本作で一番怖いのは敵MSではなく&bold(){榴弾砲}である。一度に複数発飛んでくる上、爆風でダメージ範囲が広いため回避が難しく、食らった場合シールドを貫通するほどの威力を持つためである。
---HARDモードは、実質的にこの榴弾砲の位置を覚えるゲームとなる。
-機体はどれもこれも没個性気味。スーパーウェポンはG3-SAVIOURの3種類にしかなく、ほか3機はただのパラメーター差があるだけ。耐久は前述の通りなので意味をなさず、足の速さも接地していたらカニ歩きできないため意味がなく、機体性能の強さはホバーの長さが全てという状況。
--スーパーウェポンもそれぞれに個性を見いだせたとは言い難い仕様である。
--その中でもG3-SAVIOUR強行戦闘モードがホバー無制限等で強すぎるため、他の機体を必要としない状況になっている。隠し要素も機体レベルで関与するのは、G-SAVIOUR宇宙モードでHARDモードをクリアをすると出現する、G-SAVIOUR地上モードだけである。
---ちなみにそれ以外の隠し要素はCGが見れるようになるだけである。

-近接攻撃は以下の仕様上、ほとんど使えないものとなっている。
--歩行状態で敵と一定の距離になると勝手に切り替わる仕様は前述の通りだが、周りに他の敵がいようが、&bold(){相手が機雷}だろうが関係なく切り替わるのが問題。
---ホバー時には近接攻撃は出ないため、敵に近付くときはホバーにして近接攻撃を封印した方が有効である。
--繰り出しも遅く、&bold(){命綱のシールドは近接攻撃時には消えてしまう}。
---そもそも、&bold(){射撃だろうと格闘だろうと雑魚は一撃}なのでリスクのある近接攻撃を振る意味がなくなっている。一方でボスに対しては威力不足で、倒すにはかなりの回数を当てる必要があるため活用しにくい。
---こちらが敵の近接攻撃を食らえば一瞬で死ぬので、ハイリスクローリターンである。
-SMAも使いづらい仕様である。
--弾を撒き散らしながら突進するのだが両脇の攻撃範囲が狭く、雑魚相手だと取りこぼしが出る場合が多い。そのため、無敵が切れた途端後ろから撃たれて…というケースが多々ある。
--一応、前述のラスボス戦でバグを使わない場合ならばそれなり役に立ち、うまく壁際にはめて3連発すればそのまま撃破できる。

-全体的に演出が貧弱。質はそこまで悪くないのだが、バリエーションに乏しく残念な仕様となってしまっている。
--攻撃が命中した雑魚敵は凍りついたようにピタリと固まる。爆風で倒そうがビームで貫こうが一切変わらず、倒れたりといったモーションもなくただ爆発する。
--近接攻撃の場合、演出的には胴から敵を真っ二つにする。雑魚の場合上半身がちゃんと崩れる等演出は細かいのだが、この1種類しかない。
--自機とボスがダメージを受けた場合も、モーションはのけぞるだけである。ダウン等は一切なく、のけぞり姿勢も方向で若干差があるだけである。
---なお、序盤のボスはのけぞり時の隙が大きく、適当な距離から撃ちまくれば相手はのけぞり続けてそのまま勝てるというものになっている。

***ストーリー関連の問題点

-本作のストーリーは、『G-SAVIOUR』本編の世界観を下敷きにしているのだが、その親作品の評価が良くない上、本作も本編に引っ張られているのかあまり評価の良くないシナリオになってしまっている。~
単体作品としても見ても全体的な構成が良いとは言えず、矛盾点や突っ込みどころも多い。~
特に、物語の根幹である「プロジェクト・レイブン」の詳細がわかっていないことなどが挙げられる。

#region(以下ネタバレ)
-最終戦にて、レイブンはMW(モビルウェポン、無人MS)であり、それを動かしていた「ライシス」はレイスの人格をコピーしたAIらしいことが判明する。
--レイスは主人公リードの教官時代の教え子((リードは元議会軍のMSパイロット教官))で、友と呼べる存在であったとリードは劇中で言う。またMWの可能性にも言及していた、ともリードは述べている。
--MWの実用化は『G-SAVIOUR』本編時点で既に完了している((もっとも、味方であるガーノー提督を敵と誤認して撃ち落としているが…。))。プロジェクト・レイブンの目的が「自我に近い物を持つ完全自立式のMWの開発」であったとしても、そのあたりは一切語られないために想像するしかない。
--そもそもプロジェクト・レイブンの実態や目標を把握せずに阻止に動いていたとしたら、イルミナーティは組織としていかがなものかとも思うが、どうやらベン(ライトニング部隊司令)も把握していない様子であった。
-レイスの位置づけも完全には謎のままである。「自発的にコピーを開発したのち不審な死を遂げた」のか「自発的にコピーしたうえ、記録上死んだことにして雲隠れした」のか「勝手に人格を使われた挙句消された」のかではそれぞれ大きな差があるのだが、どれとでも取れる状態になっている。
--少なくともリードは1つ目と取っている節がある。しかし最終ステージ前のベンとアサカ(ライトニング部隊オペレーター)のやり取りからはそれ以外の可能性も強く疑わせるものになっている。
-ライシス率いる「グレムリーシープ」の副隊長リチャード・ライト(チャプター7ボス)の言動も不可解である。ライシスがただの機械であるとしたら、その地位を狙ったり実力を認めたうえで「あの方」とまで言うのは理解しがたい。かといって、立場を考えればライシスの正体を知らないと言うのもあまりに不自然。
--もっとも妥当なのは、ライト含め「グレムリーシープ」全体がMWであるということだが、劇中では一切語られない以上真相は不明である。
-最後の「Gセイバー((ゲーム本編でG-SAVIOURはチャプター2で破壊されるが、G3-SAVIOURに改修後も発進時などは引き続き「Gセイバー」と呼ばれており、改修前の機体そのものを指している訳ではない。))の物語は終わらない」というメッセージも含めて、続編の構想が窺われる。だが、後述の通り『G-SAVIOUR』メディアミックス全体での評価は低く、続編が作られることはなかった。
#endregion

***そのほか細かい問題点

-ゲーム内も説明書も全体の校正が不十分。
--説明書の機体紹介で、他は「である調」なのに対してJ-SAVIOURの項だけ「ですます調」になっている。
---操作等も「ですます調」なので、機体紹介だけ「である調」と見るのが妥当か。
--「宇宙世紀」について、ゲームのオープニング映像では“Space Century(S.C.)”になっているが、ゲーム本編のボイスや映像特典では“Universal Century(U.C.)”((ガンダムシリーズにおける「宇宙世紀」の公式な表記はこちら))となっており統一されていない。
---加えて、オープニングムービーにのみ“Space Century- year 224”(宇宙世紀0224年)と表記されるが、ゲーム本編中の字幕では宇宙世紀0223年表記になっている。もっとも、本作は宇宙世紀0223年が舞台である『G-SAVIOUR』本編から1年後という設定なので、宇宙世紀0224年というオープニングにおける表記が正しい可能性も否めない。
--G-SAVIOURの“SPACE MODE”/“TERRAIN MODE”の訳語が一定していない。下記のように表記がバラバラ。
---“SPACE MODE”:ゲーム内字幕では「宇宙モード」、説明書では「宇宙用モード」。~
ちなみにガンプラでは「無重力戦仕様」。
---“TERRAIN MODE”:ゲーム内では「地上モード」だが「重力下モード」などの訳も存在。~
ちなみにガンプラでは「重力戦仕様」あるいは「陸戦仕様」。
--SMAについて、ゲーム内のコンフィグなどは英語のままなので“C.M.A(Circus motion attack)”なのだが、説明書などでは“SMA”が使われている。全箇所そうなっていることから校正ミスというより、“sa-kasu”のSを使用していると思われる。

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**総評

PS2最初期のゲームであること、そしてPS2最初のガンダムゲームであることを差し引いても、PS2のグラフィックス性能とCGの質に頼り切った作品である。~
薄いシナリオやゲーム内容である反面、高い難易度を誇っているなど、全体的にまとまらず残念な出来になってしまっている。~
バグ等はほぼなく仕様通りに完成しているにもかかわらずのこの出来であるため、ゲームデザインレベルで失敗しているとも言える。

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**『G-SAVIOUR』のその後の展開
-当初『G-SAVIOUR』は従来の宇宙世紀シリーズとは別世界の作品という設定だったが、後に宇宙世紀の一作品に組み込まれたという経緯がある。先述の「宇宙世紀」の表記揺れは、この辺りの事情が絡んでいそうである。
--だがそれでいて宇宙世紀の公式年表からは省かれているというあんまりな扱いをされている。

-販売されたガンプラはHG((HG G-SAVIOUR表記。HGUCシリーズではない。))「G-SAVIOUR 無重力戦仕様」だけであった。
--一応、他のバリエーションも出すつもりで設計はなされていたようである((キット分割で素体と無重力戦仕様のパーツがある程度別ランナーに配置され、加えて脚部やリアスカートには明らかに重力戦仕様向けと思しきハードポイントがある。))。
--キット自体は腰部スラスターなど大型部品の保持力が若干弱い以外は良好な出来。数年来再販がかかっていないため新品は入手困難であったが、下記の『ガンダムビルドファイターズ』に合わせてか2013年11月に再販が行われていた。

-長らく他のガンダム作品やメディアでの展開が一切なく、「存在を抹消されたのでは」と言われていたが、2013年、TVアニメ『ガンダムビルドファイターズ』にガンプラという形ではあるが、''13年ぶりに''(かつ初の2Dアニメで)テレビ出演を果たした。
--以降はTCGの『ガンダムウォー ネグザ』でカード化したり((ただし、「映画『G-SAVIOUR』のMS」ではなく「『ビルドファイターズ』に登場したガンプラ」という扱いでのカード化。))、ガンダム関連の雑誌やイベントでも紹介されるようになったりと、徐々に日の目を見るようになってきている。
--しかし、宇宙世紀における外伝人気は一年戦争(ファースト)~第二次ネオ・ジオン抗争(逆シャア)の時代に集中しており、それ以降の『F91』や『V』ですらほとんど外伝が無い状態なので、それらよりさらに先の時代である本作がこれ以上日の目を見る可能性は低いと言える。

-ガンダムシリーズの実写化は本作以降長らく行われなかったが、2018年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督による映画『レディ・プレイヤー1』にてゲスト出演の形ではあるが久々にガンダム自体が実写映画に登場する事になった。
--一応『レディ・プレイヤー1』より前に公開された『パシフィック・リム: アップライジング』でもユニコーンらしきガンダムがカメオ出演している。EDロールでもサンライズがスペシャルサンクスとして名を連ねている。