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スーパーヒーロー作戦 - (2024/04/20 (土) 20:32:49) のソース

*スーパーヒーロー作戦 
【すーぱーひーろーさくせん】
|ジャンル|RPG|&amazon(B000069TIW,image=https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/2792/948/sh.jpg,width=160)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|日本メディアプログラミング(JAMP)|~|
|発売日|1999年1月28日|~|
|定価|6,800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|版権組織を勝手に腐敗化&br全体的に弱い各種敵キャラ&br''作品・キャラの扱いの格差が目に見えて激しい''&br原作再現度が高い一方で違和感のある場面も|~|
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
|>|>|CENTER:''[[コンパチヒーローシリーズリンク>コンパチヒーローシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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~
#center(){{
 &big(){''「お~っと、君のそのゲーム、日本じゃあ二番目だ」''}
 }}
~
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**概要
『[[ヒーロー戦記>ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス]]』『[[ガイアセイバー>ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]』に続く、コンパチRPG第三弾。~
ウルトラ兄弟、宇宙刑事3人、快傑ズバット、キカイダー兄弟、メタルダー、ガンダムW、Gガンダムが共演し、~
2つの時代を行き来しながら、怪獣・宇宙人・犯罪結社といった様々な悪と戦う。

#region(参戦作品一覧)
|ウルトラシリーズ|ウルトラマン|
|~|ウルトラセブン|
|~|帰ってきたウルトラマン|
|~|ウルトラマンA|
|~|ウルトラマンタロウ|
|~|ウルトラマンレオ|
|メタルヒーローシリーズ|宇宙刑事ギャバン|
|~|宇宙刑事シャリバン|
|~|宇宙刑事シャイダー|
|~|超人機メタルダー|
|ガンダムシリーズ|機動武闘伝Gガンダム|
|~|新機動戦記ガンダムW|
|その他|人造人間キカイダー|
|~|キカイダー01|
|~|快傑ズバット|
|~|バンプレストオリジナル|
#endregion

**システム
-基本はフィールドエンカウント式の一般的なRPG。
--戦闘参加メンバーは最大4人。
--MPが満タンの状態で通常攻撃を行うと「オーバーゲージ」が溜まり、最大になると今使える攻撃を1.5倍にする、もしくは、まだ使えない上位技(次に覚える技)が使用可能になる。
--装備品なども店売り。

-ウルトラマン系は戦闘参加時は戦闘機での参加
--変身コマンドを使用する事でウルトラマンやセブンに変身できる。

-スーパーロボット大戦シリーズ同様、「合体攻撃」システムも搭載。
--同作品キャラをメンバーに入れる事で使えるようになる。

----
**評価点
''CGムービーや基地の小物などの各種演出面''
-原作の名場面をデフォルメ化したうえで忠実に再現したCGムービーなどは見応えがある。

-ウルトラシリーズに登場した各種基地などは、小道具・大道具に至るまで徹底的に再現され作りこまれており、スタッフのこだわりを感じさせる。
--ワンダバシーンのCGは必見で、''わざわざ吊り線まで再現している''ほど。

-ウルトラシリーズの「変身」システムも後述の通り不便なシステムになってしまっているが、「まず戦闘機で出撃して、その後ウルトラマンが出てくるというシリーズテンプレの再現」「お祭りゲーで戦闘機を自キャラとして使える」という要素をキャラゲーとして評価する声も。

-『ヒーロー戦記』『ガイアセイバー』共に、BGMは全てオリジナルだったが、本作では原作で用いたBGMが採用されている。
--GガンダムのイベントBGMに「傷だらけの夢を握り締めて((ただしフルではなく冒頭をループするだけ。))」、ガンダムWの戦闘BGMに「コードネームはヒイロ・ユイ」を採用するなど、当時のスパロボシリーズにはなかった選曲もなかなか。
--特撮側でもウルトラセブンの挿入歌「ULTRA SEVEN」が採用されている等、かなりコアな曲まで採用されている。

''戦闘時の技ムービー''
-戦闘でヒーローが必殺級の大技を使うと派手なムービーが流れる。
--一部のヒーローは必殺技を使うときに専用BGMまで付く豪華さ。
--内容も原作再現に拘っている。
---ギャバンやキカイダーなどのバイク攻撃技は、敵全員を薙ぎ倒した後にわざわざ画面の遥か彼方にまで走り去っていくという演出が入る。
---宇宙刑事の母艦を使う技は、しっかりと召喚ボイス後に変形デモが入る。
---ドモン必殺技は「俺のこの手が(中略)フィンガー!!」と、前口上から入れられている。
//出来は良い、飛ばせないのが問題で分けられるので分割

''シナリオ''~
本作独自の設定や、オリジナル設定との絡ませ方には原作ファンから非難の声(後述)もあるが、単独作品をメインとしたシナリオの原作再現度はそれなりに高く、好評。
-ウルトラシリーズはメインが初代マンとセブンだけになってしまっているが、オリジナルの絡まない部分のシナリオの原作再現度はかなり高い。
--細かいネタ要素も多数仕込んであり、ウルトラマン1話に当たるシナリオ中には、新作特撮のタイトルに悩む老人が出てくるのだが…。
---悩んでいるタイトルが「レッドマン、ベムラー((ウルトラマンの企画段階のタイトル))」で、それにハヤタが「『ウルトラマン』というのはどうでしょう?」と答える。ウルトラマンファンならニヤリとするネタである。
---他にも以前は新聞記者をしていた((ウルトラQで同じく桜井浩子氏が演じていた。))と冗談を言うフジ隊員や、アラシ隊員とそっくりと言われるフルハシ隊員((どちらも毒蝮三太夫氏が演じている。))、「あけてくれ!」の事を話す町の人等。

-人造人間キカイダーは、原作の再現、ゲーム中での立ち位置、戦闘時の強さ、どれも力が入っている。
--スタッフの寺田貴信氏がキカイダーのファンであったことも一因だろうか。

-知る人ぞ知る伝説の個性派ヒーロー『快傑ズバット』((当時はまだ系列局が少なかったため、全国ネットではなかった東京12チャンネル(現:テレビ東京)系列で放映されており、一部地域では放送されなかった。))が鳴り物入りで参戦。
--「お前さん、日本じゃあ2番目だ」「ズバッと参上、ズバッと解決!」など強烈すぎる台詞回しで抜群の存在感をアピールし、多くのプレイヤーの心を掴んだ。『ヒーロー戦記』の仮面ライダーV3の元ネタ((変身前を同じ宮内洋氏が演じた事による中の人ネタ。宮内氏はV3やアオレンジャー(秘密戦隊ゴレンジャー)も演じた大物ヒーロー俳優だが、その気障ったらしい演技(誉め言葉)があまりにもマッチしていたため、ファンからはV3やゴレンジャーを差し置いて(マイナー作のはずの)ズバットこそが宮内氏の代表作とまで言われている。))だと知り、その流れでファンになったユーザーも多い。
---ちなみに、ズバットも寺田氏が気に入っているヒーローである。でも、当初は隠しキャラになる予定だったそうである。
--ただしズバットの敵役は一切出ていないソロ参戦である。理由としては「凶悪犯罪者とは言え唯のヤクザ(生身の人間)」だった為と考えられ、他の作品でも常にソロ参戦である。本作での「日本一対決((ぶっちゃけ、ズバットは(自分だけ変身してワンサイドゲームな)戦闘シーンよりも生身でやる日本一対決こそが一番の見所であり、上記の「日本じゃ2番目だ」もその時の台詞である。もっとも、「変身前が一番の見所」なせいで、玩具の売り上げが低迷して打ち切りを喰らったのだが…。))」も他作品の怪人と行っている。

-要所要所ではトップガンダー生存、宇宙刑事3人による必殺技ラッシュ等、ファンには嬉しいイベントも。
--メタルダーの退場シーンは原作で''介錯''を担当したキャラが未登場な上にトップガンダーが嫌がった(ちゃんと理由は当人の口から聞ける)ため、主人公に介錯のお鉢が回ることになるが、自然と納得させられるだけのシチュエーションになっている。
---主人公は激しく拒絶するものの、既に腹を括っていたメタルダーの叱咤激励を受けて覚悟を決め、悲痛な悲鳴を上げながらも介錯役を全うした。
--ギルハカイダーとの決戦時、ジローは自分の弟だった方のハカイダー=サブローを例に挙げてギルハカイダーを痛烈に批判してくれる。因みに本作のギルハカイダーは、石ノ森氏の漫画版同様ギルの意思で動いているという設定。
---その時の台詞は''ほぼ全てのキカイダーファンの心情を見事に代弁してくれている''。ファンの溜飲が下がると同時に、ジローのサブローへの想いを窺うことができる。
---…問題は、本作のギルハカイダーは''それほど卑劣な行動を見せていなため、ジローの批判がいまいち的を射ていない事なのだが''。むしろ、部下をあえて下がらせて1人で挑んで来るなど、変に潔かったりするぐらいである。

-オリジナルシナリオにしても、後述するような原作ファンの反感を買うようなものだったとはいえ、全てにおいてデタラメで稚拙なもの(例:『[[ガイアセイバー>ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦]]』)というわけでもない。
--さまざまなヒーローを同じ舞台に共演させたうえで、根幹となるシナリオに上手く混ぜ込もうとする努力は行われている。
--主人公であるイングラム(ヴィレッタ)は一見近寄りがたい雰囲気を持つが熱い心を持つという正統派ヒーローで、超機大戦SRXの面々とは異なりスパロボファンから高い人気を集めている(特にイングラムは、裏切りポジションである『スパロボα』以降より本作の方が好き、というファンが多い)。


''その他''
-総勢約30人のキャラクターを使用可能。しかも自由に入れ替えができる。主人公のイングラム・ヴィレッタも、固定メンバーではないため、外して戦闘を行う事も可能。
--『ヒーロー戦記』では、主人公の三人は固定制となっており、『ガイアセイバー』ではラストのイベントで入れ替えが可能となっているが、アムロは外せなかった。((前者は、最終パーティーのゲストをシーブック、マサキ、シュウの3人から選択が可能。後者も、ホワイトベースの司令室に行くことでメンバーを選びなおせる。))
--主人公達以外にも仲間になるキャラは多く、ビジンダーやトップガンダー、ガンダムエピオンまで加入する。

-渡辺宙明氏が作曲、水木一郎・堀江美都子の両氏が歌うイメージソングは2曲とも熱い。
--スタート画面でわずかしか流れないのが本当に惜しい。現在では、各種通信カラオケでも配信されている。

-攻撃の命中率が上昇
--『ヒーロー戦記』や、『ガイアセイバー』では、味方の攻撃がかなりの確率で回避されることがあり、イライラさせられることが多かった。
---本作は、基本的に敵も味方も攻撃が命中しやすく、ダメージ計算をしやすくなった。

**賛否両論点
''やたら隠し宝箱が多い''
-背景の陰に隠れた宝箱が非常に多い。
--宝箱の角が見えているのはまだ簡単な方で、傍目には一切見えなくなっている物も多い。
---中身はおまけ要素のトレーディングカード(後述)や、隠されている相応に強力なアイテム等なので探す楽しみもあるが、一度しか行けないダンジョンが多い本作とは相性は良くない。全く宝箱のない『ガイアセイバー』よりはマシだが、きちんとわかりやすい場所に配置して欲しかったという声も大きい。

''全体的に難易度が非常に低い''
-基本的に主人公機であるアールガンがバルカンさえ使っておけばそれでいい。
--装備品で強化するとさらに楽になる。雑魚戦で苦労することはまずない。
--一部はしっかり回復も必要だが、ボス戦も基本的に最強技の連発で倒せる。さすがにラスボスだけはそれなりに歯ごたえがあるが、それくらいである。
--ヌルい事自体はキャラゲーにおいて必ずしも難点となる部分ではなく、実際、本作は戦闘シーンのムービー等、演出面の評価が高い為、それらを気軽に楽しめる点では好評だった。また、前作の主人公機「ガンダムキラー」は非常に弱いことで知られていたため、「弱いよりは強い方がマシ」という意見もある。


**問題点
***戦闘システム関係
-全体的に低い難易度の中、メタルダーの初戦とタロウVSメフィラス星人の一騎打ちだけはやたら難易度が高い。
--この2戦だけ敵のステータスが高く、加えて''アイテムの装備もできない''。
--メタルダーの相手は只の戦闘員4人なのに、その時点で使える最強技を2発当ててもまだ倒せない。さらに一定確率で麻痺の追加効果があるため、運が悪いと手も足も出せずに嬲り殺しにされかねない。
--他にも偽ウルトラマン戦も高難度として挙げられる。こちらも偽ウルトラマンと本物の初代ウルトラマンの一騎打ちだが、偽ウルトラマン自体がそこそこ強い上に攻撃に混乱の追加効果があるため、やはり運が悪いと見ているだけになってしまう。
---ただし、こちらは事前に装備で強化、対策が施せるため上記2戦よりは遙かにマシ。

-合体攻撃の使い勝手が悪い。
--当然ながら、合体攻撃の方が単発の威力自体は高いが、合体攻撃要員がそれぞれ最強の必殺技を繰り出した方が、燃費がよくダメージの合計値も高い。そのため、合体攻撃はほぼ趣味以外で使う意味がない。

-戦闘のテンポが悪い
--戦闘開始時にカメラが画面全体を見渡してから戦闘する地点にフォーカスし、敵と主人公パーティの各キャラが配置される、という7秒程の演出が入り、これが飛ばせない。当時のPSソフトで良く用いられた読み込みをごまかす為の演出と思われる。
--戦闘中も敵味方とも、攻撃時に「ATTACKER→」というアイコンが2秒ほど表示される。そのくせ通常攻撃や弱い必殺技は演出も簡素なので一々躓いたような感覚になる。
---『ヒーロー戦記』とは違いダメージがすぐに出るわけでなく、攻撃したキャラが元の位置に戻ってからダメージが出るため、これまたテンポを阻害している。
---敵の撃破も、基本はそのグラフィックがフェードアウトしながら消滅するだけなので、倒した時の迫力に欠ける。
--戦闘時のムービーが飛ばせない。
---評価点にもある通り凝った出来だが、そのせいで時間的にはまるで優しくない。見るのが好きな人には良いが、ゲームテンポは落としてしまっている為、サクサク進めたい場合には気軽にザコ退治にも使えないし、ムービーが流れる必殺技等は使っていられない。
---全体攻撃技の中で、オリジナルキャラとガンダム系が使える「バルカン」だけは、ムービーが無いので気軽に使える。威力は低いが使える者が多いので、ますます[[バルカンゲー>GUNDAM 0079 The War For Earth]]に拍車がかかる。
//---ただ、戦闘中のBGMと2曲重なってしまうのが少々煩わしい。
//ちゃんと必殺技ムービー中は戦闘BGMは止まるぞ
//止まらないぞ?ゴッドガンダムの天驚拳とか。

-攻撃技ではない特殊能力はゲーム中に説明が表示されない。
--実際に使用しても「能力値が上がった(下がった)」等の表示もないため、敵味方どちらも攻撃技以外は攻略本を読まなければ効果が分からない。

-戦闘時、敵キャラの名前が表示されない。
--その為、会話で名前の出るイベント敵はともかく、雑魚敵に関しては原作を知らないと完全に「謎の敵」である。例えば『ウルトラマン』に登場した吸血植物スフランがたまに雑魚敵で出てくるが、グラフィックが粗いため仮に原作を知っていてもただの汚らしいツタにしか見えない。
--加えて、原作があるものはまだ原作情報で調べられるが、原作のないオリジナルも同様。
---オリジナル組織の戦闘員に至っては紹介もセリフもない為、完全に「雑魚A」である。
---オリジナルの敵名称が表示されない結果、変身後のラスボスの名前は攻略本を見ないと分からない始末。

-ウルトラシリーズのキャラだけ戦闘面で不遇
--まずウルトラシリーズの変身システムが使いづらい
---雑魚戦の難易度が低い為、1ターン余計にかかるだけで活躍の機会が減る。その為、他に選択肢のある場面では、好きでもないと使わないプレイヤーの方が多かった。
--また、他のヒーロー達に比べて強力な装備品が手に入りづらく、''全体攻撃技を持っている者が殆どいない''のも少し不便。
--とはいえ序盤から仲間になる初代マンとセブンだけは育てておかないと終盤のゴルゴダ星で詰む。
***その他システム面全般
''不便な各種UI''
-ダンジョンの移動がしづらく、道に迷いやすい。
--通路や部屋といったパーツ単位で構成された画面切り替え式なのだが、地形パーツのバリエーションが少ないため迷いやすい。
---無人かつアイテムも置かれていない無駄な部屋も多い(『ヒーロー戦記』『ガイアセイバー』でも同じ欠点を抱えていた)。
--通路などは画面上では斜めに繋がっている箇所も多いが、斜め移動は出来ない。
--また、画面切り替え時にフリーズする事も。

-戦闘に参加できるのは4人までで、メニュー画面で控えのメンバーと入れ替えは可能なのだが、ストーリーが進むと主人公以外のメンバーが何の説明もなく全員控えに入っていることが度々ある。

-スペースコロニーから他のコロニーに移動する際、現在地も選択可能。
--それを選ぶと、主人公の乗ったロボは、いま現在いるはずのコロニーに向かって宇宙を飛んでいく。
---この画面は一度入るとキャンセルが効かないので、移動したくなければ「いま現在いる場所」を選択する必要があるが、スキップ不能の移動ムービーが入るためやはり煩わしい。

-主人公の名前を変更可能だが、デフォルト名である「イングラム(ヴィレッタ)=プリスケン」と同じく5文字ずつの名前をつけないと、余った部分が空欄として表示される。
--例えば、「アムロ=レイ」という名前を付けた場合、「俺はアムロ  =レイ   。」と表示されてしまう。

-アイテム関連
--戦闘中、アイテムの説明が一切出ない。何度かプレイしていれば、だいたい把握できるが、戦闘中に効果を忘れると非常に面倒になる。
---しかも名前がわかりやすければいいのだが、独自の名称ばかりなので、状態変化系の使い分けは特に困難である。
--同じキャラが装備できるアイテムなのに、同性能の武器が違う値段で売られていたり、上位互換武器が同じ値段で売っていたりする。
--武器を装備すると数値上の攻撃力が上がるのだが、実際は格闘、射撃、ビーム&火炎に分かれており、対応するものを装備しないと与ダメージは上がらない。こちらも攻略本を読まないと分からないようになっている。
---買い物時に数値の増減も確認できない。
---アイテムを売る時は、その店で売られているアイテムと同じ物しか売却できない。それに意味があるようなシステムにもなっておらず、単純に物を売りづらいだけになっている。
--アイテムのソート機能もない。
---戦闘中は使用できるアイテムしか表示されないため、まともなほうだが、移動中は入手した順に並んでいるため、検索性が悪い。
---ごく初期に登場するイベントアイテムまで、イベントが終わっても消えずに律義に残っている有様。

-サウンドテストやデモ鑑賞モードがない。
--せっかくの売りであるデモムービーやBGMを落ち着いて鑑賞できないのはやはり残念。

-ゲーム中のおまけ要素の不便な仕様
--アイテムの中にはトレーディングカードというものがあり、これを集めて「Mrカーダー」というキャラに見せるとオリジナルCGを鑑賞できるのだが、集めづらいうえにわかりづらいので、かなり不便なことになっている。
---取り逃したら二度と取れないケースも多いのに、分かりづらい所に隠されているものが多い。その結果、中途半端に集まったカードには使い道がない。
--最初の基地から格納庫の機体の陰に隠れて宝箱が置いてあるが、入手時の表示が「''ガンダムデスサイズを手に入れた''」((正確に言うと「ガンダムデスサイズが描かれたカードが手に入った」という意味。))であるため、驚いたプレイヤーも多い。
---ちなみに説明書には、これらカードに関することは一切書かれていない。

//シナリオ面はクロスオーバーゲーで言い出したらキリがない点については省略しました。
***シナリオ面
前述の通りシナリオ自体はきちんと練られており、その根幹自体は評価されているのだが、やたらとオリジナル勢がプッシュされ、原作からの一部の変更点も各原作ファンから非難されるなど、問題となる点も多い。

#region(オリジナル関係)
-とにかくオリジナルキャラがイベントの締めに出しゃばる。
--「ゼットンやパンドンにとどめを刺す」、「デビルガンダムに原作通りラブラブ天驚拳を撃った後に、ウイングゼロ&ヘビーアームズと一緒にとどめを刺す」など。
---原作の展開を完全に無視しているわけではなく((ゼットン戦は原作通りウルトラマンがやられた後の科特隊の役割を担っている。))、コンパチRPGシリーズでオリジナル主人公がいるのは本作だけという事情もある。((『ガイアセイバー』では最終的にオリジナル機体のガンダムキラーが主人公機になるが、パイロットはあくまでアムロなので、あまりオリジナルと感じづらい。))また、クロスオーバー系のゲームで原作の役割が別作品に変わるのは仕方ない面もあるが、要所要所で出張ってくるためどうしても悪目立ちしてしまっている。
//イングラム以外の加入はかなり遅いし、言うほど出しゃばってる印象はないので記述を変更。
//クロスオーバーゲームで原作で別キャラが担当してた部分を他作品が担当するのに必然性はなきゃいけないもんではないでしょ。それにゲーム中の性能が、とか言い出したらウルトラマンが使いづらいこのゲームでウルトラマンが活躍するシーン全般も「こいつが出てきてもなぁ」でしかない。それこそゼットンやパンドンにとどめを刺せないのもウルトラマンが弱いからで理由付けが出来ちゃう。それにオリジナル主人公がこういうとこで手伝う形で目立つのはスパロボシリーズでもよくある事だし、オリジナルがやっちゃいけない事でもない。

-SRXチームの描写は、悪い意味で話題になった『新』とあまり変わっていない。
--特にライは、『メタルダー』登場の敵幹部、バルスキーを芝居であしらうといった場面が存在。正々堂々とした戦いを仕掛けると思いきや、時間稼ぎに終始し、それが発覚すると相手を馬鹿にするなど、後の作品の彼からは想像できない性格の悪さを露呈する。
--逆にリュウセイは、子供そのものであった『新』に比べて、やや性格が改善されている。

-『[[スーパーロボット大戦α]]』シリーズへ繋がる要素として、α主人公の内4人(クスハ、レオナ、リョウト、ブリット)をセーブ係兼恋人候補として配置しているが、心理描写を見せるような場面が無いので後半好意を寄せてくるのに唐突な感じが否めない。
--特に気にせず単純に入口近くにいるレオナかリョウト相手にセーブして、彼らが恋人に選ばれた人も多い。

-スパロボと異なり、主人公の性別選択がほぼ生かされていない。機体性能は全く変わらず女にしても一人称が「私」になるだけで、テキストは一部を除いてほぼ同じ(自分自身の台詞も、他のキャラクターの台詞も)。
--男主人公に対する「''彼''ってその人の事かい?」というイデ隊員の台詞もそのままである。

#endregion

#region(ウルトラ兄弟関係)
-主役級の扱いを受けているのは初代マンとセブンのみで、それ以外はほぼ空気参戦。
--ジャック・エース・レオの原作再現はほぼ終盤だけであり、せいぜい各作品1~2話程。タロウに至っては原作再現ゼロであり、下手をするとパーティーに加えることなく終わってしまうほど。
//---タロウ原作で一二を争う知名度を持つ暴君怪獣タイラントも、マグマ星人のペットとして出るだけ出たという形。扱いの悪さからいっそ出なかった方がマシという声も。
//前作、前々作とザコキャラだったし、それに比べればまだマシかと

-本作の設定では、「ウルトラ族は銀河連邦人よりも格上の生命体で、銀河連邦側はウルトラ族が宇宙警備隊という組織を形成していることも把握できていない」という「神話の神々」のような存在で、ラスボスもウルトラマンの力をコピーした悪のウルトラマンのような存在である。
--そのため、シナリオ上の扱いは非常に優れているのだが、その流れで''ラスボスの力を抑え込むためにウルトラマンたちの全ての力を振り絞る''展開にしてしまい、ウルトラ兄弟は''ラスボス戦に参加できない''。
---シナリオ上の意味はあっても、キャラゲーでラスボス戦にシリーズまとめて強制不参加というのはさすがにあんまりである。

-ゲーム内設定でも矛盾しているようなシーンや設定ミスらしきシーンがある。
--本作のレオは明らかにセブンと初対面なのだが、後に登場するエースとタロウは「''レオを含めた自分たちはウルトラ兄弟と呼ばれている''」と言い出す。
--『A』のイベント・エースキラー編では原作と異なり初代マン・セブン・ジャック・レオが人質に取られるが、戦闘シーンの背景ではレオではなく原作通り''その場にいないはずの''ゾフィーが捕まっている。

-イベントシーンの使いまわしも気になる点。
--上記エースキラー編のエースの技・スペースQはこのイベント内でしか使われないのだが、技のグラフィックがメタリウム光線の使いまわし。
--ゾフィーはイベント戦闘で1回だけ姿を見せてくれるが、グラフィックはジャックの使いまわしである((『ガイアセイバー』でも、同様のミスが見られている。))。
#endregion


#region(版権作品の所属組織関係)
-宇宙刑事の所属する銀河連邦警察が、「お役所仕事的・独善的な面を持つ」という設定になっている。
--悪評から地球を見捨てて宇宙犯罪者の牢獄にしようと画策し、他の星をスペースカノン(惑星破壊兵器)で脅して自分たちの正義を押し付けようとする。
---元宇宙刑事のハンターキラーはそれが原因で裏切ったことになった。この点だけは納得がいく変更だが、そもそもその変更自体が原作ファンからすれば納得できるものではない。

-ウルトラ警備隊を包括している組織TDFも同様。
--「スペースノイドを弾圧するようになったTDFに様々な勢力が反発を覚えた」のが諸々の原因になっている。
---本作は二つの時代を舞台にしており、過去のTDFはウルトラマンベースの設定、現代のTDFはガンダムWの地球圏統一連合ベースの設定になっているため。OZも当初は現代のTDF所属である。

-「本来なら正義のために作られたはずの組織でも、一歩間違えば腐敗・堕落してしまう」ということを物語のテーマにしたかったのはわかるが、版権作品の根本に関わる設定、しかも正義の組織をろくでもない組織に変えてしまったことは原作ファンから非難された。
--反TDF組織の行動の多くもTDFの横暴だけが原因でなくラスボスの差し金もあるので、「結局はラスボスが悪い」という形にはしているが、それでも原作ファンからすれば納得しかねる設定変更である。
---似たような例だが、後の映画『スーパーヒーロー大戦Z』で地球を犠牲にしようとする銀河連邦警察が描かれた際も、ギャバンにその役をあてがったせいで、原作ファンの非難の的になった。

-ウルトラ系防衛チームの扱い
--メインメンバーが全員登場しているのは、科学特捜隊とウルトラ警備隊のみ。
--『帰マン』のMATは主人公の郷秀樹と岸田隊員((岸田隊員役を演じた西田健氏は、『ギャバン』の後半で登場したマクーの首領、ドン・ホラーの息子であるサン・ドルバ役を演じていたが、本作にはドン・ホラーもサン・ドルバも未登場である。そのため、いわゆる中の人ネタはない。))のみしか登場せず、『A』のTAC以降のチームは登場していない。

#endregion

#region(ガンダム関係)
-Gガンダムは、デビルガンダムがやたらと目立つ一方、登場人物はかなり絞られており、最終的に仲間として使えるのはドモン(シャイニングガンダム→ゴッドガンダム)とアレンビー(ノーベルガンダム)のみ。
---他は途中離脱するレイン(ライジングガンダム)と、イベントでしか使えないシュバルツ(ガンダムシュピーゲル)のみで、当時のスパロボ同様、シャッフル同盟は一切出ない。
---敵側も人物が少なく、デビルガンダム四天王すら登場しないため、黒幕であるウルベがDG細胞で複製したマスターガンダムに乗ってくる展開になっている。
--また、ゴッドガンダムの最強技「石破天驚拳」を使うと毎度毎度初代キング・オブ・ハートが現れるが、これは原作最終回の「石破ラブラブ天驚拳」の演出である。最強技として演出を豪華な物にしたかったのかもしれないが、原作ファンからすると違和感のある演出である。
#endregion

#region(その他版権関係)
-一条寺烈(ギャバン)が三枚目要素の強いキャラに
--原作とは違い、本作では陽気な性格で場を盛り上げる三枚目風のキャラクターとして描かれており、不謹慎なセリフを言ってカトルに怒られる。
--過去作でも『ヒーロー戦記』の南光太郎(仮面ライダーBLACK)が三枚目キャラとしてアレンジされていたが、『ヒーロー戦記』はアレンジ色の強いシナリオだった。原作再現寄りの本作ではそれ以上に気になる変更である((ギャバンの演者である大葉健二氏が、過去にスーパー戦隊シリーズで演じていた『バトルフィーバーJ』のバトルケニア/曙四郎や『電子戦隊デンジマン』のデンジブルー/青梅大五郎が明るい性格だったため、そちらのイメージに引っ張られてしまったのかもしれない。))。

-宇宙刑事シリーズの女性キャラのうち、ギャバンのミミーとシャイダーのアニーは登場するが、シャリバンのヒロインであるリリィとベル・ヘレンは未登場である。

//-驚異的な技術進化
//--作中でメタルダー((原作のメタルダーは太平洋戦争を早期に終結させるべく作られたロボット。))がウルトラ警備隊の基地で「こんな戦闘機を見たのは初めてだ。僕にはゼロ戦の知識までしかない」と発言する場面がある。
//---原作を考慮した台詞なのはわかるが、宇宙刑事とガンダムシリーズを内包した本作品では、40年ほど昔に「まだそれしか技術がなかった」ことの方が逆に気になる。

#endregion

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**総評
シナリオ面では本作独自に練られたシナリオの基礎は良いものの、版権作品とのクロスオーバーの仕方には強い非難の声も出てしまった。~
オリジナルキャラにしても主人公の人気が高い一方で、やたらとでしゃばるSRXチームは悪目立ちしてしまった。~
また、ゲーム部分においても色々と不便な点が目立ってしまっており、PS中期の純粋なRPGとして見ると、到底出来の良い作品とは言えない。

とはいえ、戦闘演出や原作再現要素等はそれなりに良くできており、原作ファンに「ここまでやるか」と唸らせる要素も多い。~
特に「『ガンダム』目当てで本作を買った少年達に特撮ヒーロー((特に『快傑ズバット』は本作で知名度が上がった部分が少なからずある。))の魅力を伝える」という意味で貢献したのも確かである。~
悪い点も目立つが、総合的に見ればキャラゲーとしてはまずまずのゲームといった所だろう。

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**その後の展開
-翌年に続編の『[[スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望]]』が発売された。
--開発側も本作のシナリオへの批判は気にしていたようで、説明書に「誰もが納得のいくシナリオ」と明記されていた。が、こちらも誰もが納得のいくシナリオかと言えば…。

-前述の通り、本作のオリジナル勢はスパロボαシリーズとOGシリーズにも登場している。
--『α』におけるSRXチーム関係のシナリオは本作から直接つながる形となっており((一部を除いて本作を知らなくても問題ない形にはなっている。))、イングラム、ヴィレッタ共に別のキャラとして存在している。(二人に関係はきちんとある。)
---主に本作に引き続くユーゼスとの因縁をイングラムが担い、初期((初期のみイングラム))を除きチームの先導役兼R-GUNのパイロット役はヴィレッタが担っている。
---本作EDでの主人公と皆の別れはαの隠し要素でイングラム視点で再開が描かれる形となった。
---しかし、あくまで隠し要素であり、以降のαシリーズではこの再会はなかった形でのシナリオとなった。以下のOGシリーズでは現状その隠し要素も拾われていないため、本作EDから続くイングラムとリュウセイ達の再会は現状『α』の隠し要素のみとなっている。
---本作主人公イングラムのスパロボαでのテーマ曲「TIME DIVER」に歌詞を乗せたキャラソンがあるのだが、宇宙刑事シリーズの主題歌などを歌った串田アキラ氏が担当している。通称・串ダイバー。
--OGシリーズでもαシリーズを元にしたシナリオが展開され、イングラム、ヴィレッタ共に登場している。
---ユーゼス関連の扱いが非常に大きくなったこともあり、それに連なるイングラムの存在も大きくなっており、易々と救済はできない立場となってしまった…。合掌。
---『[[第2次スーパーロボット大戦OG]]』には本作絡みのあるサプライズ要素が入っている。気になる人はプレイするべし。
--本作は『α』と同時期に開発していた作品であるため、オリジナルキャラ関連の設定には若干の齟齬がある。細かい点で言えば本作の主人公機は「アールガンPOWERD」という表記だが、αシリーズ以降は「R-GUNパワード」となっている。ただし、本作の中でアールガンを「R-GUN」と呼んでいるシーンはある。
//SRX組のキャラソンで担当声優が歌っている曲は一つもない
-なお、コンパチRPGシリーズでバンプレストオリジナルキャラが加入するのは本作が最後。『ダイダルの野望』や『ロストヒーローズ』シリーズでは一切加入しない。

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**余談
-CMには、宮内洋氏が快傑ズバットの早川健として出演した。
--CM中の「おっと、君のそのゲーム、日本じゃあ二番目だ」という劇中をモチーフにした口上は、ズバットのことを知らないプレイヤーにも作品のノリを伝えつつ、登場を楽しみにさせられるレベルに完成度が高かった。
--もっとも、ゲームとしてはおろか、キャラゲーとしても日本一と薦められるほどのゲームにはなれなかったが。

-本ソフトの発売前に配布されたチラシには、「経験値によるレベルアップのほか、ウルトラホークなどのメカは、スパロボ同様に改造でパワーアップできる」と記述されていたが、実際は味方全てが経験値によるレベルアップ式で、改造という要素は一切採用されなかった。
--この「メカは改造で強化、その他は経験値制」という要素は、2年後の『[[スーパー特撮大戦2001]]』において実現するのだが、本作の没要素を意識したのかどうかは不明である。

-『快傑ズバット』を本作で知ったプレイヤーは、後で原作について調べて作品コンセプトに驚いたプレイヤーも多かったそうである。
--本作では主に怪人たちと技勝負するため、原作でも怪人と対決するものだと考えていた人が多かった。実際には超人的な技こそ使うが、基本的にズバットが相手をするのは改造等を施されていない人間である。

-実は当然ながら仮面ライダーの参戦も検討されていたのだが、スタッフ的には設定やステータスといった面で''「強力過ぎる」''感じがしたらしく、残念ながら参戦は次回作に持ち越しとなった。

-後年、東映から特撮ヒーロー映画『''スーパーヒーロー大戦''』シリーズが公開されている。
--タイトルが似ているためか、本作及びスパロボを彷彿とした人も少なくない。ただし、こちらは基本的に[[スーパー戦隊シリーズ]]と[[仮面ライダーシリーズ]]の共演がメインである。

-スタッフからも問題が多かったと自認されており、寺田氏は[[ツイッター>https://twitter.com/TakanobuTerada/status/1496838011619004423]]上で、「シナリオライターとプロデューサーを説教してやりたい。自分のことだけれども」と自虐ネタをツイートしている。