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あかずの間 - (2023/01/17 (火) 19:32:52) のソース

*あかずの間
【あかずのま】 
|ジャンル|サウンドノベル|&amazon(B00005OV0U)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ヴィジット|~|
|発売日|1997年5月9日|~|
|定価|5,800円|~|
//|廉価版| : 年 月 日/, 円|~|
//調べてみたところ一応廉価版が出ている模様
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|あんまりな話の薄さ&br()豊富なバッドエンド|~|
|>|>|CENTER:''[[ヴィジットサウンドノベルシリーズ>ヴィジットサウンドノベルシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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#center(){{
 &big(){''仕組まれた偶然に潜むのは、恍惚か? 恐怖か?''}
 }}
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**概要
大阪のメーカーであるヴィジットが世に出した8本のPS用ノベルゲームの第1弾で、同社が展開していた『ハイパーノベル』シリーズの第1作。~
シナリオはアニメ映画『パーフェクトブルー』の原作で知られる竹内義和氏が担当した。

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**特徴
-「スペースコロニー開発に向けての実験場」という、特殊な閉鎖空間を舞台としたノベルゲーム。
--主人公は女性の精神科医。他の登場人物の職業も政治家・''自称''エスパー・''AV女優''など、個性的である。

-ストーリーは、「主人公のサイコセラピスト・綾川恵美(アヤカワ メグミ)が、最新鋭のマンション「ベイサイドラビリンス」にて、様々な立場の被験者達と共に90日間の閉鎖実験を行い、その間に起こる人間の心理変化や健康状態などを調査する…、はずだったが、その中で事件が発生する」というもの。

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**問題点
-内容が薄く、肝心のシナリオは実質2本のみで結末もバッドエンドを除くと3種類しかなく、すぐに遊び尽くせてしまう。隠しシナリオやサウンドテストなども無い。
--しかもそのグッドエンド3種類にしても、どれもハッピーエンドとは言い切れない内容。その上ミステリーものとしては禁じ手とも言える事をするキャラまで出てくる。
--設定も登場人物もユニークではあるが、シナリオ自体が少ないので活かしきれていない。

-主人公を始め、登場人物の言動がおかしい点も散見される。
--ついさっきプロポーズされたばかりなのに「彼氏ができない」「誰か口説いて」とぼやく主人公。''重要な実験に参加する精神科医がボケていてどうする。''
--冒頭で主人公を悪魔呼ばわりしたと思いきやその後しばらく登場せず、ラスト近くで「あんたは優しい人だ」と言い出す脇役。''悪魔呼ばわりしたのはお前だろう。''というかしばらく会ってなかったのに、なぜ優しい人だとわかるのか。

-グラフィックが背景のみなのでキャラや状況が分かりづらい。
--地の分でキャラの見た目や状況は説明されるものの、せっかくのゲーム媒体なのにグラフィックは背景を映すのみにとどまっている。

-セーブシステムが不便
--セーブシステム自体は存在するものの、非常に不便な形式。ロードすると(正確には章表示があるわけではないが)既に通過した各章開始時点のどれから始めるかが選べるのみで、やめた場所から再開できるわけではない。
---このせいで選択肢の直前でセーブしておいて、バッドエンドなら選択肢を変更という手順が非常に面倒。
---単純に今日はここまでにしておこうという場合にも、再開してみたら昨日の場所に戻すまでまた進めるのが面倒という事になりがち。

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**評価点
-グラフィックはフルCGで、そのレベルは高い。

-脇道のバッドエンドはそれなりに多く、すっきりしないメインシナリオのグッドエンドよりもそちらの方がまだ評価が高かったりする。

-ムービースキップはできないものの、「ムービー進行とテキスト表示を同時に行う」という、他に類を見ないことをやっている。

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**総評
シナリオが薄い上に内容がお世辞にも良いとはいえず、加えてユーザビリティも整っていない。~
既にこのジャンルが多数存在する中で出てきたにしては目新しい点もほぼない。一応グラフィック面は評価できるが、肝心のゲーム内容に問題がありすぎるのが難点である。~
「サウンドノベルを超えるもの」としてハイパーノベルという名を付けたようだが、名前負けするかのように内容が足りなさ過ぎるものになってしまっている。

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**余談
-もともと本作はSFCで発売される予定であった。
--それを考えても話の薄さは擁護できないが…。

-小説化もされている。

-登場人物の1人であるアイドルの歌「私の彼はサイコパス」が、ゲーム中にボーカル入りで実際に流れるシーンがあるが、作詞・作曲・歌い手などは、スタッフロールにも一切載っていない。
--歌詞は判別不能の箇所がある。メロディは「赤いスイートピー」似である。

-登場人物のうち、建物の責任者であるオペレーターの加藤夫妻の名前(公平・奈美子)は、同じくサウンドノベルであるチュンソフトの『[[弟切草]]』の主人公とヒロインの名前(公平・奈美)に似ている。しかも、この夫妻は全ての展開で悲惨な事態に見舞われている。
--ただし、『弟切草』の主人公「公平」がデフォルトネームに設定されたのは1999年発売のリメイク版『[[弟切草 蘇生篇]]』からで、1992年発売のSFC版にはデフォルトネームは存在しないため、この名前に関しては単なる偶然と思われる。このゲームでは図らずも『弟切草』の主人公の名前を予言した形になった。

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**その後の展開
-ハイパーノベルシリーズはその後も続き『[[最終電車]]』『[[19時03分 上野発夜光列車>最終電車#id_a1619f75]]』『[[閉鎖病院]]』と続いていく。ただし、本作とはストーリーの繋がりはない。
--一応、シリーズが進むにつれてシナリオもシステムも徐々に洗練されていくのだが…。