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ニンジャコンバット - (2024/01/30 (火) 21:42:39) のソース

*ニンジャコンバット
【にんじゃこんばっと】
|ジャンル|ベルトアクション|&amazon(B00014B0K4)|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|
|発売・開発元|アルファ電子|~|
|稼働開始日|1990年|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|連射スキル必須&br()即死しまくりやすい&br()まかせてちょうだい!!|~|
|>|>|CENTER:''ADKニンジャシリーズ''&br;''ニンジャコンバット'' / [[ニンジャコマンドー]] / [[NINJA MASTER'S>NINJA MASTER'S ~覇王忍法帖~]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
オーソドックスなベルトスクロールアクションゲーム。全7面。~
本作は『ニンジャコマンドー』及び『ワールドヒーローズ』シリーズと並んでADK=忍者のイメージを確立した作品と言われる。~
ADKの作品においては、MVS(ネオジオ)のローンチであった『マジシャンロード』の次に出たのが本作である。


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**ストーリー
>19XX年、ネオ・ニンジャシティは悪の忍者「幻妖斎」率いる影一族に襲われた。~
忍一族の生き残り・ジョー(本名:三雲 淨)とハヤブサ(本名:多喜隼人)の二人が、「NINJAタワー」へ向かう。

**特徴
8方向レバー+3ボタン(攻撃、ジャンプ、特殊攻撃)で操作。

攻撃ボタンを押しっぱなしにしてから離すと、体力ゲージ1メモリを消費してキャラごとに異なる必殺技を繰り出す。また、ステージ内にあるドラム缶を破壊すると攻撃力アップ、移動速度アップ(両方とも2段階までアップ)、武器アイテム、体力回復アイテムが出現する。

1面、2面、3面にはそれぞれ「ムサシ」「カゲロウ」「ゲンブ」が中ボスとして登場し、それぞれの面をクリアするごとに仲間に加わり、ステージ冒頭の使用キャラ選択画面で選べるようになる。~
ただし武器アイテムを拾って使用できるのは初期キャラのジョー、ハヤブサのみの制約がある。

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**バカゲー要素・評価点
本作はアルファテイストがこれでもかと出ている。
-主人公のジョー、ハヤブサはそれぞれ派手な赤、青の忍者装束を着ている。''忍者なのに全然忍んでないというのはもはやお約束である。''
--''背中に刀を背負ってはいるのだが、ゲーム中一切使用することはない。''
--ハヤブサの必殺技は「雷神の術」だが、''異様なテンションの低さ&震えたような声質''は社員が担当しているとしか思えない。あまりに脱力モノなのである意味必聴である。
--当たり前だが、''[[ジョウ・ハヤブサ>忍者龍剣伝]]とは無関係''。%%続編には[[リューという忍者>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]も登場するが勿論関係ない。%%
-ジョーとハヤブサの特殊攻撃は通称「えびぞりアタック」。異様な程に背中を反り返らせた状態で突っ込んでいく。
--仲間になるキャラのうちの一人「ゲンブ」の縮尺が明らかに狂っていて、''腕が身体の大きさの半分ぐらいある。''
--効果音の音量がやたらと大きく、手裏剣を投げる音の「シュバ」、敵に攻撃がヒットした時の「ズバッ」、敵が爆発したときの「ドバーン」、ミスした時の断末魔「あー!」が響き渡る。
-敵キャラも変な奴が多い。''両腕に鉄球を装備したデブ、頭巾を被って金棒を持ったデカいザコ、両腕にトゲ付き鉄球を装備し、こっちに飛ばしてくるボス、素手で電車を止めてからこっちに向かってくる全身トゲ尽くめのボス、巨大なミサイルを手に殴りかかってくる二人羽織のおかめのボス''、などなど。
--しかもボスの名前は「鉄球忍者イタイゾー」や「機動忍者ガンデム」等とどれも変な名前ばかり。
-さらには、「あれが''NINJA''タワーか!」→「俺にはちっちゃな小屋にしか見えないがね!」や「まかせてちょうだい!!」といった独特の台詞回しも本作を彩る。
--なお、この独特の台詞回しについて、本作の企画/ディレクターを担当した丸山勉氏は「真面目に考えたものである」旨を[[氏のTwitter>https://twitter.com/marutom1/status/1115675340850860033]]にて述べている。

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**問題点
難点はとにかく破綻しまくったゲームバランスにある。
-プレイヤーには体力ゲージが4メモリ用意されているが、敵の中には''1撃で2メモリ以上奪う''ものもいる。

-その上プレイヤーには''攻撃を喰らったあとの無敵時間が存在しない。''そのため、1度に複数の敵に攻撃されると''「ズバズバズバあー!」という感じで即死一直線。''
--一応ミス直後には無敵時間はあるものの、''位置取りを間違えると無敵時間が解けた直後に敵にタコ殴りにされて5秒でもう1機失ったりすることも当然ながら起こりうる。''
--''回復アイテムが出るのはゲーム中2箇所のみ。しかもそのうちの1つはゲーム冒頭とほぼ無意味。''
--必殺技を使うと体力が1メモリ減るので、本来なら気軽に使えるものではないが、本作のゲームバランスでは体力メモリは''「あと何回必殺技が使えるか」と割り切ったほうがいいくらいである。''

-武器アイテムとして棍棒、ヌンチャク、ハルバード、刀、斧が出てくるが、''通常攻撃の連射の方がリーチ、威力ともに有利なのではっきり言って拾う意味はない。''特に斧はリーチが極端に短く、うっかり拾ってしまうと一気に死亡率が上がる。

-多くの敵はこちらの攻撃を喰らっても、のけぞり動作がない。よって、''敵が死ぬまで必死に攻撃ボタンを連射しないと敵に押し込まれてこっちが死ぬ。''特に上述の両腕に鉄球を装備したデブや、斧を持った巨大なデブは耐久力が高く、出現場所の把握はもちろん、プレイヤーの連射スキル及び手首のスタミナが要求されるところである。

-上述の通り、使用できるようになるキャラは最終的にジョー、ハヤブサ、ムサシ、カゲロウ、ゲンブの5人になるが、リーチ、攻撃判定が優秀で、攻撃に連射も利き、必殺技の使い勝手も良いムサシが圧倒的に有利。カゲロウ、ゲンブはそれぞれ攻撃力の低さ、リーチの短さ及び喰らい判定の大きさが理由で、どうしても不利になる。

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**総評
次々とやってくる敵を手裏剣の嵐でなぎ倒すシーンは一見爽快であるが、大味どころか完全に崩壊しているゲームバランスのせいでまともに遊ぶには辛い。~
一方アルファ電子テイスト全開の演出のおかげでネタと割り切って遊ぶ分には割と笑える。

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**海外版
-本作の海外版では中間デモがフルボイスで展開される仕様に変更されている。
--のだが、ゲンブがゴツい容姿とはかけ離れた妙に甲高いボイスで喋ったり、途中の中間デモからラストまでほぼボイスがカットされてしまっている((但し、エンディングでムサシ、カゲロウ、ゲンブがそれぞれ去っていくシーンでは何故かボイス有り。))のにも拘らず、エンディング後の「戦いは終わった」が「日本語表記のままの英語ボイス付き」になっていたりと、国内版以上にカオスな味付けになっているので、是非YouTube等で挙げられている動画やアケアカNEOGEOでプレイして拝見して欲しい。

**家庭用移植
-家庭用ネオジオ版(1990年7月24日発売、28,000円)
--業務用の移植であり家庭用ネオジオ初期タイトルでもある。
---ネオジオ版はカップリングソフト『ADK魂』やバーチャルコンソールでプレイすることもできる。

-ネオジオCD版(1994年10月15日発売、4,800円)
--ネオジオ初期タイトルであるためか本作の容量は46Mbitにすぎず、ネオジオCDでは初回にロードが行われるだけでオンメモリで動作する。ロードは問題にならない。

-アケアカNEOGEO(2018年05月31日(Switch/PS4/XboxOne)、2019年02月02日(Windows 10))
--『ADK魂』やVC移植版とは異なりこちらはMVS版ベースでの移植。海外版も収録しており、前述のボイスを聞いてみたい人はこちらを推奨。

**余談・その後の展開
-元々は同社のベルトスクロールアクション『ギャングウォーズ』の流れを組む作品として制作され、当初の仮題は『ギャングウォーズ2』であった。
--『ギャングウォーズ』は本作の企画/ディレクターである丸山勉氏が製作に関わっており、ツッコミどころ満載な演出、珍妙な台詞回しと共通点が見られる。
-2008年にSNKプレイモアから発売された『どきどき魔女神判!2 DUO』では''今作がアニメ化もしている超人気作品''という設定になっており、本編中も非常にマニアックなネタが満載されている。今作のファン(+どき魔女に抵抗がない人)なら一度プレイしてみる価値はあるかもしれない。
-続編として『[[ニンジャコマンドー]]』が発売されたが、本作以上のカオスゲーとなっている。