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64番街 - (2024/01/06 (土) 06:10:25) のソース

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*64番街
【ろくじゅうよんばんがい】
|ジャンル|ベルトスクロールアクション|~|
|対応機種|アーケード|~|
|販売元|ジャレコ|~|
|開発元|シーピーブレイン|~|
|稼働開始日|1991年|~|
|配信|アーケードアーカイブス&br;2020年10月29日/838円((PS4版はSwitch版より1円安い。))|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|妙な世界観の探偵アクション&br;良くも悪くも佳作止まり|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
時は1930年代末、64番街に探偵事務所を開くリックと助手のアレンが社長令嬢誘拐事件を解決するべく立ち上がる、という設定のベルトスクロールアクションゲーム。全6面。開発は同じジャレコの『ファンタズム』(AC版)を手掛けたシーピーブレインが担当。

8方向レバー+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。基本的な操作法はカプコン『[[ファイナルファイト]]』に準ずる。

本作は当時多数リリースされていた「『ファイナルファイト』の亜種」である。

ゲーム開始時にリックとアレンのどちらか一人を選ぶのだが、リックは『ファイナルファイト』のハガーを意識した薄い口髭を生やした中年で、アレンもやはり同作のコーディーに雰囲気がどことなく似ている若者である。リックは''得意武器が鉄パイプ''という所まで一緒である。
-リックはパワータイプ。武器攻撃・投げ技のダメージがアレンより明らかに高く、殴り・強攻撃(左右方向と同時に攻撃ボタン)も威力が高いが若干スキがある。
-アレンはスピードタイプ。殴りの隙は少ないものの威力面では劣る。武器攻撃・投げの威力もリックより低い。強攻撃が素早いタックルとなっており、この技を使いこなすことが鍵。

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**評価点
-「探偵が主役のベルトスクロールアクションゲーム」は、これはこれで斬新な設定といえる。
--[[探偵が主に暴力で捜査を進めるゲーム>シャーロック・ホームズ 伯爵令嬢誘拐事件]]は以前にも例があったが、下手に推理要素を混ぜ込まず純粋に暴力のみで解決するゲームにしたのは正しい判断だったかも知れない。

-壁投げの存在
--本作は「掴んだ敵を画面奥方向に投げ飛ばす」事が出来る。背景の壁などに敵を投げ飛ばすと、壁が壊れ、ランダムでアイテムが出現する。また、背景の奥が海か線路下になっているシーンでは、敵を奥に投げ飛ばすとライフの残量に関わらず一撃で倒せる。基本的に横に投げるより奥に投げたほうがダメージも高いため何かと得をする場面が多く、独自のシステムをきっちり使わせるという点ではそこそこ考えられている。
--もっとも、「壁投げ」が実装されているベルトスクロールアクション自体非常に少なく、本作の他にはコナミのSFC作品『バットマンリターンズ』くらいしかない。

-演出関連
--キャラデザこそ奇妙(後述)だが、基となった『ファイナルファイト』同様キャラクターサイズが大きく迫力があり、画面内の敵の出現数も最大で5体以上と多い。
---これら雑魚敵を非常に攻撃力の高い鉄パイプ攻撃でまとめてなぎ倒す様は爽快と言わざるを得ないだろう。
--ジャズ中心で構成されたBGMもノリが良い物が多く全体的に高評価。

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**変な点
登場する敵キャラクターはどことなく変。
-ザコキャラクターは「ヤケに背の高いバンダナ男」はまだしも、「カギ爪で攻撃してくる猫背でアイパッチをしたジジイ」と「辮髪頭の拳法家風の男」は色物としか言いようがない。
-ボスキャラクターはさらに変であり、正直まともな奴はいない。
--1面ボスは''巨大な木槌を持ったモヒカンの男''。木槌で地面を叩く度に地震を起こす。
--2面ボスは''左手がフック、右足が義足になっており、片足で常時回転しているフック船長風の男''。
--3面ボスは2人おり、それぞれ''赤紫、黄緑色のやたらケバい色使いのタイツに身を包んだプロレスラー風の男''。
--4面ボスは軍用ロボットだが、''外見は昭和中期のブリキのロボット''のような古臭さである。
--5面ボスは異常に背の高いホテルマンが、''何の説明も無く歌舞伎風の男に変身する''というもの。
--最終ボスは普通の髭を生やした中年男。だが、持っている杖の攻撃判定が異様に強く、理不尽に強い。

また、ステージクリアする度に、ストーリーが語られるが、何もかもが唐突である。
-1面クリア後:刺客が二人を襲った。二人は自らのカンを確信し捜査を始めた。
-2面クリア後:ブツは列車で運ばれていると船長は言った。二人は手がかりを求め港を後にした。
-3面クリア後:列車にはレガシィ社のマークがついていた。二人はレガシィ社の工場へ向かった。
-4面クリア後:求人広告で集められた犯罪者は軍用ロボットにされていた。二人はレガシィ社へ向かった。
-5面クリア後:「連中飛行船で逃げるつもりだ!」
-クリア後は救出した社長令嬢と共に「しばらく空中散歩といこう」と飛行船で景色を楽しむ。''「ブツ」「犯罪ロボット」「連中」の事については何も語られない。''

次の場面に移るたびに、アニメ版『北斗の拳』風の稲妻演出と「&bold(){テレレレーン♪}」というやたら軽い効果音が入る。
あまりにも唐突すぎて遊んでいると少し驚く。

また、前述の壁投げで壁から食べ物が出てくるのもツッコミどころ。割れたショーケースからならともかく壁から直にである。というか''インストカードのイラストで壁から肉が出てきている。''

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**問題点
ゲームの難易度はやけに高い。
-プレイヤーの攻撃判定がザコの攻撃判定よりも弱いので、パンチを当てるのも掴みに行くのも慎重にやる必要がある。
-またプレイヤーの起き上がり後の無敵時間が存在しない(本作は同時押しの緊急回避技もあるにはあるが、出にくい上に体力消費量が多めで、しかも完全無敵技ではない)ので、一部のボス戦で1度ダウンさせられると、そのままハメ殺される場合もある。
-そのくせザコやボスの中でも一部の敵は起き上がり無敵攻撃をしてくるため、気が抜けない。隙はそれなりにあるので、わざとそれを誘いパターンに嵌めることも可能ではあるが。
-全体的に敵の攻撃力が高め。カギ爪で攻撃してくるジジイの起き上がり攻撃で(難易度設定にもよるが)だいたい体力の6割を持っていかれるほど。

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**総評
それほど完成度が高い作品とは言えない作品。
「画面奥に敵を投げ飛ばせる」という要素はあったものの、それ以外はこれといった見どころに乏しく、出回りもそれほど良くはなかった。

発売元のジャレコが本作稼働の翌年の1992年より同じく『ファイナルファイト』に寄せた『[[ラッシング・ビート]]』シリーズを家庭用機で展開した事もあってか、本作は長らく家庭用ハードに移植されていなかった。
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**余談
本作の開発者曰く「[[64番街はファイナルファイトの亜流ではなくベアナックル1のオマージュである>https://twitter.com/Chimerabeast/status/1325468157235011585]]」との事。((更に「”ファイナルファイトのパクリ”だと誹りを受けるのは元ネタに対して失礼なので、その誤解を解くために言及する必要があった」旨を述べている))
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**家庭用移植
-Switch/PS4版(2020年10月29日配信開始、ハムスター)
--家庭用ハード初移植。