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オトメディウスX - (2023/11/04 (土) 13:54:28) のソース

*オトメディウスX
【おとめでぃうすえくせれんと】
|ジャンル|シューティング|&amazon(B004IPQV38)|
|対応機種|Xbox 360|~|
|発売・開発元|コナミデジタルエンタテインメント|~|
|発売日|2011年4月21日|~|
|定価|7,140円&br()コナミスタイル限定セット:13,251円&br()コナミスタイル豪華限定セット:36,651円|~|
|プレイ人数|1~3人|~|
|レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|
|配信|ゲームオンデマンド:2012年7月17日/2,940円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|コナミシューティングの断末魔&br()前作から劣化した完成度と甘すぎる難易度|~|
|>|>|CENTER:''[[グラディウスシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-グラディウスシリーズ・コナミシューティングの現最新作。
-前作『[[オトメディウス]]』は無印のAC版と、追加要素を加えた家庭用移植『G』が存在したが、本作は家庭用専用タイトルとなっている。

**システム
基本システムは前作を踏襲しているが、様々な点が変更されている。

-前作のAC版相当のモードは無くなった。
--ストーリーモード(『G』のゴージャスモードと同じ形式)と、オンラインCO-OPのみとなっている。

-プレイヤーキャラは前作のメンバーからエモン・5だけ離脱((武者修行の旅に出たという設定。))。そして『[[武装神姫>武装神姫BATTLE RONDO]]』からアーンヴァルとストラーフ、『[[月風魔伝]]』をモチーフにした月士華風魔、『[[悪魔城ドラキュラ]]』をモチーフにしたココロ・ベルモンドの4名が追加された。
--ストラーフとココロはDLCのため、初期から使えるキャラは9名となっている。
--また、隠しキャラとして『[[グラディウス2]]』のメタリオンをモチーフにしたハイパー亜乃亜がいる。

-ウェポンカードの獲得システムが変更。ステージ中に出てくるウェポンカード持ちの雑魚を倒すと取得できるようになった。
--カード持ちの雑魚は持っているウェポンカードと同じ攻撃をしてくるので、容易に見分けることが可能。
--獲得できるウェポンカードは難易度でも違ってくる。

-ストック式のボンバー攻撃も引き続き搭載されているが、本作では「バースト」(前作での「クイックバースト」に相当)に一本化。~
溜め撃ちである「D(ドラマチック)バースト」は「プラトニックブレイク」と名前を変え、独立した攻撃となった。
--「プラトニックブレイク」は前作のような回数制限がなくなり、使用後にオプションが外れなくなった一方で、倒した敵からカプセルを出現させる効果もなくなり、使用後は短い時間だがチャージ出来なくなる。

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**評価点
-前作で批判されたウェポンカード集めの問題が解消。
-グラフィックは『G』のゴージャスモード相当で、なかなか綺麗。背景は前作よりも細かくリアルになっているところも。
--ボス戦前に表示される立ち絵がアニメーションするようになったのもポイントが高い。
-前作でも顕著だったパロディウス感はそのまま。
--今作では『パロディウスシリーズ』おなじみのネコ戦艦を元にした「ネコ船長」や、ひかる&あかねが元ネタのルビー&コバルト、『[[ときめきメモリアル]]』よりラスボスこと藤崎詩織((本人ではない模様。))などが登場する。
--DLCステージではさらに懐かしの[[コナミレディ>コナミワイワイワールド]]や、『[[がんばれゴエモン>がんばれゴエモンシリーズ]]』のヤエちゃんが元ネタのエモン・8、『[[ツインビー>ツインビーシリーズ]]』からパステル''本人''が登場する。
-これまでのようにキャラが喋るだけでなく、『[[グラディウスV]]』のようなセリフ付きのデモシーンも挿入されるようになり、ゲーム中に明確なストーリーが存在している。
-『G』で好評だったCO-OPも健在。
--ただし、『G』では可能だった途中参加ができない点は不評。

**賛否両論点
-難易度がとにかく低い。良く言えばSTG初心者向け。悪く言えば退屈。
--地形接触によるダメージがなくなり、フォースフィールドの耐久力がアップ。全体的にヌルゲー化に拍車がかかっている。
---ステージ中のルート分岐で「地形に注意しろ」と言われる場面があるが接触しても問題はない。しかもその場所は地形自体破壊できてしまうので尚更意味がない。
---高速スクロールシーンで地形にぶつかっても、画面端に挟まれない限りミスにならないため、緊迫感がかなり薄れてしまう。
--とある面では画面を敵機ごと極太レーザーが貫くというシーンがあるのだが、このレーザーに当たり判定がない。当の発射口はボス前に設置されており、ボス戦前にもう一度極太レーザーを発射するが、そのレーザーに触れても発射口内に潜り込んでもやはりダメージは受けない。
---当たり判定があれば確実に初見殺しになるので、あくまで演出としてこれでいいという意見と、初見殺しになってでも当たり判定をつけて緊迫感が欲しいという意見とでこれも意見が分かれる。

-過去作の流用が目立つギミック
--過去作ギミックの再現や過去のシリーズから再登場するボスも多い。これについては懐かしさと取るか流用でつまらないと取るかは意見の分かれるところ。
---ただし、上記のような難易度設定もあり著しく弱体化している。過去作をやりこんだシューターとしては物足りない。
---ステージ2の道中で登場する『[[沙羅曼蛇]]』の人気ボス「テトラン」は、長々と対決した挙句、結局倒すことが出来ない。シャッターを破壊するとボーナスが入るが……。

**問題点
-発売を延期したのにバグの嵐。
--特定の場面で効果音の音量が大きくなる、経験値バグなど多数。
--延期理由は東日本大震災の影響。すでにマスターアップ後だったため、修正は出来なかったのであろう。
--現在は修正パッチであらかた修正されている。

-キャラは増えたが、前作のような個別のオープニングやエンディングの会話はなくなり、それぞれの掘り下げはほとんど為されていない。

-キャラによる強弱の格差が広い。
--ラウンドレーザー、グラビティバレットといった一部の武装が非常に強く、これらを使えないキャラは弱いという格差がある。
--特に批判に上げられるのは新キャラの華風魔。敵弾を消すという専用ウェポンを持っているのだが、オプションを装備できないため攻撃力不足に陥りやすい。後半の高速スクロールシーンや高耐久のボス戦で顕著。火力を他PCに任せられるCO-OPではまだサポート役をこなせるが、単独プレイにおいては上級者向けというよりもはや縛りプレイ向けキャラである。
--一方、プラトニックブレイクだけ撃っていればクリアできるようなキャラもいる。
--現在は修正パッチである程度解消されているが、それでも格差は広い。DLCキャラやステージの配信が遅かった点も不評だった。

-テンポも悪い。
--雑魚の早回しがないため、早々となぎ倒してしまい手持ち無沙汰になるシーンがチラホラ。単調な背景と合わせて非常に退屈。
--ボスの登場時などの演出が冗長。
---特に顕著なのが2面ボス。画面奥のビルが倒壊してボスが走ってくるのだが、この演出がやたら長く雑魚もあまり出ないので暇を持て余す。

-亜乃亜の難易度エキスパートに待ち受ける罠。
--エキスパートでは真ボスと戦うステージが追加されるのだが、亜乃亜のみステージ突入時にハイパー亜乃亜にパワーアップするイベントがある。
---……のはいいのだが、パワーアップと同時に''装備していたウェポンが全て没収されてしまう。''これではパワーアップではなくパワーダウンである。
---再度パワーアップしようにも、当のハイパー亜乃亜は『グラディウス2』の仕様を再現しているため、メーターの数が9つもありパワーアップしにくい。おまけにこのステージは雑魚がほとんど出現しない。

**総評
あまりにも低い難易度、完成度の低さから前作ファンのみならず多数のプレイヤーに酷評され、「もはやコナミはSTGを作る気がないのでは?」などという『[[グラディウスIV -復活-]]』以来の嘆きを言われる始末である。~
実際、本作以降コナミは現在までに1作品もSTGを出しておらず、この嘆きは現実味を帯びたものとなりつつある。

本作の発売前後はSTGタイトルラッシュの真っ最中であり((2月『怒首領蜂 大復活ブラックレーベル』3月『星霜鋼機ストラニア』4月『エスカトス』5月『赤い刀 真』など計10本近くが発売されている。))、そのどれもが佳作/良作評価を得ていたため本作の評価はさらに下がってしまう事となった。タイミングが悪かったとしか言いようがない。~

ただし、STGとしての体は為しているので、普段STGをプレイしないカジュアルプレイヤーならそこそこ楽しめると思われる。開発側も初心者向けの難易度を目指したようなので、ある意味間違ってはいないかもしれない。~
問題自体はあるものの萌え絵柄で新規をシューティングの世界に引き込むと言う意味では、のちの『ゴシックは魔法乙女』『アリス・ギア・アイギス』等スマホの萌えSTGにも繋がっているだろう。


**余談
-コナミの経営するオンラインショップ「コナミスタイル」にて限定版が販売された。
--限定版と豪華限定版の2種類が用意され、設定資料集、抱き枕シーツなどが付属したのだが、豪華限定版にはさらに''ボディソニック搭載のゲームチェア''がセットされ話題となった。
--この設定資料集の設定画によると、ココロは『[[暁月>キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲]]』『[[蒼月>悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架]]』に登場するユリウスの妹または娘という設定らしい。
--ちなみに通常版と共通の予約特典は『[[グラディウスV]]』のT-301ビックバイパーカラーの亜乃亜を使えるDLCであった。通常の亜乃亜との差別点として、こちらは真ボス面でハイパー化しない。
-先述のようにSTG制作に見切りをつけたかに思えるコナミだが、2020年に[[『武装神姫』シリーズ>武装神姫BATTLE RONDO]]のSTG風新ACゲームを開発中のとのことである。…果たしてどうなるだろうか。