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サイコニクスオスカー - (2023/06/02 (金) 20:27:14) のソース

*サイコニクスオスカー
【さいこにくすおすかー】
|ジャンル|アクションシューティング|CENTER:&image(http://flyers.arcade-museum.com/flyers_video/deco/13011001.jpg,height=130)[[解像度大>http://flyers.arcade-museum.com/flyers_video/deco/13011001.jpg]]|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|データイースト|~|
|稼動開始日|1987年|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ロボット版グラディウス|~|
#contents(fromhere)
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**概要
-1987年にデータイーストからリリースされた、横スクロールのアクションシューティング。
-「精神兵器(サイコメカ)OSCAR」と呼ばれる人型兵器を操作し、全8面を攻略していく。
-交互プレイ。1周エンド。

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**主なルール
-操作はレバーと3ボタン(ショット・ジャンプ・パワーアップ)。
--自機は基本的に''歩いて''移動する。ジャンプボタンでジャンプし、レバーを下方向に入れるとしゃがむ。

-パワーアップは『[[グラディウス]]』の様なパワーメーター方式。~
特定のアイテムを取得してメーターを溜め、パワーアップボタンを押すとメーターが指している箇所のパワーアップを得る。
--''ジャンプ:''自機のジャンプ力が3段階までアップする。ガンの次に重要。
--''グレネード:''放物線を描く爆弾を投擲する。
--''ミサイル:''地形に沿って移動するミサイルを発射する。
---グレネードとミサイルは、合計で2つまで装備可。同じものを2つ装備する事もできる。3つ目以降は装備が上書きされる。
--''P.C.U:''自機の周りにオプションを展開させる。3体まで装備可。但し、被弾によって破壊される。
---P.C.Uはショット・グレネード・ミサイルのうち1種類を撃って攻撃してくれる。攻撃方法は装備時に選択する。
--''ガン:''ショットの射程と威力が2段階までアップする。最重要装備。
---''アーマー:''画面下のメーターを一周させると「ガン」が「アーマー」に変化する。追加装甲を装備しダメージを2発分防ぐ。
---''クイック:''「アーマー」と表示された状態でさらに一周させると「クイック」に変化する。自動連射。

-特定の敵を破壊するとアイテムが出現する。しばらく取らずにいると消える。
--''N:''パワーメーターを1進める。
--''M:''パワーメーターを2進める。つまりNの2個分の効果。
--''E:''耐久力を1回復させる。但し、5まで。
--''T/-T:''制限時間を延長させる。マイナスが付いているTは制限時間が減少してしまう。
--''F:''画面上の敵を殲滅する。
--''B:''ボーナス得点。
--''K:''20集めるとエクステンド。集めた数は画面下に表示される。

-ミスについて。
--ミスの条件
---被弾や衝突などにより耐久力が0になる。
---谷や水に落ちる。
---制限時間を超過。
--ミス後の処理
---ステージ前半では最初から、ステージ後半では中間地点から再開となる。但し、最終面は無条件で最初の地点に戻される。
---パワーアップは解除される。メーターはそのまま。
---残りの自機がない状態だとコンティニュー画面に移る。

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**評価点
-絶妙なゲームバランス
--本作はそれなりに難しいがパターンゲームに近く、癖の少ない操作性と相まって、しっかりと戦術・パターンを組み立てれば楽に攻略可能という絶妙な難易度で、ゲーム性はかなり作り込まれている。
--ゲームシステムは歩行・ジャンプタイプのアクションゲームに『グラディウス』方式のパワーアップシステムを組み合わせたものであるため、該当作品の経験者ならすんなり理解できるだろう。
//--ゲームシステムは早い話が「ロボット版『グラディウス』」。同作と全く同じパワーアップシステムのため、『グラディウス』経験者ならすんなり入れるだろう。

-「重さ」の演出。
--主人公である精神兵器「オスカー」は、数あるロボット物の主役メカの中でもかなり細身な方だが、それに反して鈍重なため、操作に癖があるので慣れるまでが大変だったりする。しかし動作自体は非常に重量感に溢れており、小走りで移動する姿と、その度に流れるSEと相まってロボット特有の「重さ」を演出しており、ゲーム性の向上にも一役買ってくれている。
--敵サイドも全体的に動きは重く、ゲーム全体で重量感を感じることが可能。
---他が重量的な分、一部の高速敵(飛行機タイプなど)の機動の軽快さも逆に引き立っている。

-自機の耐久力は高く、デフォルト状態であろうと一撃食らった位ではビクともしない。~
アーマーを装備する事で更に耐久力が上がる為、本作の自機は当時の横スクロールジャンプアクションゲームの中でもかなり固い部類に入る。

-その他演出類
--ステージのシチュエーションも遺跡や砂漠、ジャングルに洞窟と豊富で、思わず先のステージに進みたくなるような作りになっているのも好感が持てる。
--BGMも全体的に軽快な楽曲が多く完成度が高い。

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**問題点
-復活の難しさ
--当時のこの手のアクションゲームで話題に挙がりやすい要素だが、ゲーム中に1度ミスると装備が剥奪され、途端に難易度が上昇してしまう。
--加えて、本作は主力武器であるショットの射程が短い為か、ミスからの立て直しは厳しく、復活パターンを構築する必要がある(ガンにメーターを合わせてわざと破壊される等)。

-粗いグラフィック
--本作が稼働した1987年のアーケードゲームというと『[[アフターバーナー]]』などの派手な色合いの作品が多く出回っていたが、それらとは対照的に本作のグラフィックは粗かった。

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**総評
当時として見ても粗いグラフィックに目が行きがちだが、良好なゲームバランスや独特のキャラクター性から隠れた名作と評されている一作。

本作は残念ながら家庭用機種には移植されていない。プレイする為のハードルが高いのが惜しまれる。

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**余談
-本作が出たのは『[[カルノフ]]』と同年である。こちらは硬派・あちらは奇抜さ(変なゲーム)と、デコゲーの両側面を体現しているかのような両作だが、そのせいもあり(?) インパクトと知名度で後れを取ってしまった感はある。
-後にデコは同じくロボットゲームの『[[ウルフファング 空牙2001]]』を制作した。

-「ネームエントリーでの文字選択のカーソルが手の形をしている」という要素は、同社の『ザビガ』にあった一種のお遊び要素でもある((本作のゲームデザイン/メインプログラムはAC版『ザビガ』や『B-Wings』のプログラマーであった佐久間晶氏。後に『カベール』や『JuJu伝説』などで知られるTADに移籍している))。

-本作はファクター5が『タリカン』シリーズを制作するに当たって『[[魂斗羅>魂斗羅 (AC)]]』や『[[メトロイド]]』と共に影響を受けた作品と言われている。
--特徴的な自機の見た目はともかく、前半ステージが本作と同じく荒野を舞台にしていたり、BGMのフレーズも本作の物と似ていたりする。

#region(エンディングのネタバレ)
-エンディングでは「飛行形態の自機が飛んできて、再びロボット形態に」というアニメーションを、ごく短時間ながら見ることができる。
--だが、ゲーム上ではそうした自機変形の立ち回りは無い。
#endregion