「T.P.さくら ~タイムパラディンさくら~ 前編/後編」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

T.P.さくら ~タイムパラディンさくら~ 前編/後編 - (2023/06/10 (土) 10:12:25) のソース

*T.P.さくら ~タイムパラディンさくら~ 前編/後編
【てぃーぴーさくら たいむぱらでぃんさくら】
|ジャンル|アニメ+ADV|&amazon(B0041FIMBE)|&amazon(B0041FIMCI)|
|対応機種|Windows XP/Vista/7 日本語版|~|~|
|発売・開発元|CIRCUS|~|~|
|発売日|前編:2011年1月27日&br()後編:2011年2月24日|~|~|
|定価|各6,800円(税別)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[D.C. ~ダ・カーポ~シリーズリンク>D.C. ~ダ・カーポ~シリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----

**概要
タイトル通り芳乃さくらを主人公に据えた『[[D.C.>D.C. ~ダ・カーポ~]]』のスピンオフ作品。~
設定は色々と流用しているものの、シリーズを全く知らない人にも楽しめると言う触れ込み通り、D.C.シリーズとは違った独自の世界観を築いている。~
しかしタイトルの時点で「C.C.さくら(カードキャプターさくら)」のパロディであり((名前的には藤子不二雄作品(魔法少女物ではない)『T.P.ぼん』(タイムパトロールぼん)の方が近い。))、発売前からかなり危険な香りを放ってはいた((尤も『魔法少女リリカルなのは』(とらいあんぐるはーと3)や『マジカルハートこころちゃん』(School Days)と、エロゲのスピンオフとしてよくある話ではある。))。

**ストーリー
芳乃さくらは、明るく元気な小学3年生。~
親友のことりや幼馴染の純一と一緒に風見学園に通う、ごく普通の女の子。~
でも、そんな彼女にはみんなには言えない秘密があって…?~
(公式ホームページより)

**キャラクター

#region(主要人物のみ紹介)

-芳乃さくら
--本作の主人公。元は普通の小学生だったが、生まれつき高い魔力を有し、ひょんな事からT.P.として活動して行く事になる。
--元が元だけに小学生と言う設定に違和感がない。
--D.C.と同様に純一の事が好き。

-朝倉純一
--さくらの幼馴染で、本作ではさくらと同じく小学生として登場。
--本編内ではさくらがT.P.である事を知る唯一の一般人。

-白河ことり
--さくら達と同じく小学生として登場。D.C.では大きな接点はなかったが、本作ではさくらの親友。純一とも友人同士。
--各話の冒頭は過去を回想することりの独白から始まる。
--ちなみに、CVは後の[[D.C.III>D.C.III ~ダ・カーポIII~]]にも出演している新田恵海。

-水越萌
--さくらの所属する歴史事象保護局(以後、歴事局)のオペレーター。歴事局に所属する者の常として魔法の行使が可能。
--風見学園ではD.C.と同じく本校1年生。

-水越眞子
--同じく歴事局のオペレーター。姉共々魔法の行使が可能。
--風見学園ではD.C.と同じく付属3年生。

-月城アリス
--歴事局の副局長。感情の起伏が乏しく表情が読み難い。
--風見学園ではD.C.と同じく付属2年生。水越姉妹より年下だが、副局長と言う立場故か、D.C.とは印象が違って見える。

-芳乃局長
--さくらの祖母で、名前通り歴事局の局長。かつては凄腕のT.P.だったらしい。
--容姿はアニメD.C.に準拠。

-アルキメデス
--さくらのパートナー。水夏に登場した黒猫のぬいぐるみで、性格は水夏に準拠。
---外見も普通に喋る事も水夏と同様だが、本作では自分で動ける。
--さくらの任務に同行してアドバイスを与えるサポート役。日常でもぬいぐるみのフリをしてさくらと一緒にいる。

-杉並
--時空怪盗団のリーダーで、さくらのライバル的存在。
--時代の闇に消えた様々な宝を集めており、自分を正義と信じて疑わない。
--風見学園ではD.C.と同じく付属3年生だが、本作では何と生徒会長を務めている。
--ちなみに、CVはお馴染みの岸尾氏。

-朝倉音夢
--時空怪盗団の一味。
--風見学園ではD.C.と同じく付属3年生。また、杉並と共に生徒会に所属し、副会長を務めている。
--純一が小学生となっているため、本作では純一の姉。
--ちなみに、中の人は後のD.C.IIIでもとある役で出演している。

-天枷美春
--時空怪盗団の一味。見た目は人間だが、実は別の次元のロボットらしい。
--風見学園ではD.C.と同じく付属2年生。音夢と同様、生徒会に所属。

以下、ゲーム版にのみ登場。

-板橋渉
--さくら達の同級生で純一の友人。さくら、ことりとも仲は良く、日常では4人でいる事が多い。

-エリカ・ムラサキ
--さくらと同じくT.P.であり、東欧からさくら達のクラスにやって来た転校生。
--当初さくらとの仲はあまりよくなかったが、後に協力して任務をこなしてゆく。[[D.C.II>D.C.II ~ダ・カーポII~]]と同様のツンデレ。

-月城アイシア
--さくらの前任のT.P.であり、さくらがT.P.になるきっかけを作った人物。名字の通り、本作ではアリスの姉として登場。
--D.C.IIからの登場人物だが、性格などはかなり異なる。

#endregion

**tpsshoot

D.C.S.V.のおまけゲーム『After Banana2』の流れを汲むシューティングゲーム。~
基本的なシステムは同じだが、以下のような変更点・追加点がある。

-STGでは一般的な残機制からアクションのようなライフ制に変更。

-ショットキーとガードキーの同時押しでチャージショットが可能になった。
--ただし、チャージ中はガードが出来ず、動きが遅くなる。

-『After Banana』のように、敵のどこに弾を当ててもダメージが与えられるようになった。
--一方でウィークポイントと怒りゲージは健在。『After Banana2』のような演出はないものの、ゲージがMAXになると攻撃が激化する。

----
**問題点
-ボリューム不足
--おそらく本作で最も気に掛かるであろう点。
--本編は前編と後編を合わせても数時間程度で終わる。しかも最後は打ち切りエンド。
--シューティングゲームも前編は『After Banana2』のようなルートの分岐はなく一本道。後編はさくらとエリカとで分岐するが、最後は同じところに行き着く。
---一応シナリオがあるが、取ってつけたような感じは否めない。

-露骨な分割商法
--前述のように本作はボリューム不足で、前編と後編に分ける必要性は全く感じられない。
--また、ゲーム前編の最後は一つの話として完結せずに終わってしまう。後編も買わせる気満々である。

-題材
--本作は所謂魔法少女ものなのだが、実際にT.P.として活動しているのは全8話中5話。残り3話は日常シーンのみで構成されている。
---こう言った話がある事自体は問題ないが、ボリューム不足な中で日常を描くのに3話も使うのはいかがなものか。

-説明不足のシナリオ
--純一は特異点と呼ばれる存在らしいが、詳しい事は一切明かされていない。
--音夢と美春にも何か秘密があるようだが、こちらも詳しい事は不明。((音夢には不思議な力があるらしいが、ゲーム内にそんな描写は一切ない。))
--風見学園の生徒である杉並達と時空怪盗団の杉並達が同一人物である事にさくらは気づいていないが、やはりこの事についても説明はない。
---生徒会長と怪盗の二つの顔を持つキャラは『[[探偵オペラ ミルキィホームズ]]』にもいるのだが、こちらは声の使い分けや髪型と服装の違いなどにより、初見だと分からない人もいる。対して杉並の場合は分からない方がおかしいレベル。
---その杉並でさえ学園生時には眼鏡をかけ、怪盗時にはマントと帽子を装備し、やや印象の違って見えるのに対し、服装が違うだけの音夢と美春に気づかないのは普通におかしい。杉並についても名前は知っているのだから、少しは疑った方がいいと思うのだが。とは言え古い作品は別として((「東映魔女っ子シリーズ」はそもそも変身しない。「ぴえろ魔法少女シリーズ」は完全な別人に変身する。どちらも主人公側の話であはるが))、魔法少女(と言うか美少女戦士)物としては別段珍しくも無い設定である((髪の色と形が変る『プリキュアシリーズ』の方が珍しい類で基本的に頭はアクセサリーが着く以外に変化は無い。一応「不思議な力で顔がまともに認識されない」なんて設定を持つ作品もあるが、基本は「バイキンマンの女装にさえ騙される」レベルの「お約束」で済まされる。余談だが『T.P.ぼん』の方も「タイムパラドクス等を防ぐために、T.P.に関する記憶が残らなくなる装置を常備している」と言う設定がある。))。
--キャラの掘り下げも大して行われておらず、公式サイトで紹介されているキャラですら存在理由が不明な者もいる。
---ゲーム版にのみ登場する渉が最たる例。さくらにとって日常の象徴と言えることりと特異点の純一に比べ、いてもいなくてもシナリオにはあまり関係ない。
--なお、上記のキャラクター覧には書いていないが、公式サイトでは鷺澤頼子と言うキャラも紹介されている。
---が、このキャラは4話と5話にのみ登場する所謂ゲストキャラ。その風貌にはしっかりと設定がなされており、一応4話と5話においては重要なキャラなのだが、サイトで紹介するキャラにしては扱いがやや酷い。

-D.C.シリーズとの相違点
--問題点というよりは賛否両論点だが、純一と音夢が弟と姉になっているなど、シリーズのファンからすると違和感を覚える部分がいくらかある。
--また、主な登場キャラクターはD.C.シリーズのキャラだが、シリーズと違う事を強調したかったのか、声は杉並を除いて総入れ替え。
---これ自体は別に珍しい事でもないが、一部のキャラはイメージに合わないと言われることもある。

-シューティングゲームはボムがチート
--キーを押してから発動までに数秒かかるが、キーを押した時点で相手の攻撃はキャンセルされ、ボムの効果が切れるまで相手は一切攻撃してこない。
---このため、ショットが強化されている状態なら開幕からボムの使用でラスボス以外の敵を瞬殺できる。おまけとは言え、ゲームバランスが完全に破綻している。

----
**評価点
-スピンオフ作品だが、OPはなかなかのクオリティ。また、EDを歌うのはお馴染みのyozuca*氏。
--なお、OPとEDはアニメとゲームで共通。

----
**総評
とにかく物足りない一作。素材自体は悪くないのだが、褒めどころを探すのに苦しむ微妙な作品。~
説明不足、ボリューム不足、最後は打ち切りのシナリオはADVとしては致命的。もしも購入を考えている人も、シナリオには期待しない方がいいだろう。

----
----
**余談 ~アニメ版の評価~
***時空樹防衛戦

本作に同梱されているアニメ版。~
世界観はゲーム版と同じだが、シナリオには繋がりがない。~
一応、時系列を考えると、物語開始時点で既にT.P.となっているこちらの方がゲームよりも後の話となる。~
アニメ版のみのキャラとして実在人物の天草四郎時貞が登場、物語の中心人物となっている。~
ゲーム版と同じく前編と後編に分かれており、テレビ放送されているアニメと同様に時間はそれぞれ30分。~
前編と後編でそれぞれ30分、合計1時間。シナリオがきちんと完結してる分、本編よりはマシと言えるが、やはり物足りない。~
とはいえ、ゲームとは違って盛り上がりに欠ける事はない。普段は敵対関係にある時空怪盗団がさくらに協力するなど物語の展開はやや王道的ながら、見所はしっかりとある。