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ウルトラマン Fighting Evolution 0 - (2024/03/11 (月) 20:57:09) のソース

*ウルトラマン Fighting Evolution 0
【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょんぜろ】
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000FGR93U)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|メトロ|~|
|発売日|2006年7月20日|~|
|定価|4,800円|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ウルトラマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
特撮番組『ウルトラマン』シリーズのキャラクターが登場する3D格闘ゲームシリーズの第5作。~
唯一の携帯機向け作品で、現時点で最終作となっている。

システム的には『[[3>ウルトラマン Fighting Evolution 3]]』を踏襲しており、新たな映像表現に挑戦した『[[Rebirth>ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth]]』の路線から回帰している。

ウルトラ兄弟が総出演する劇場作品『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』に合わせての発売であり、容量の都合上キャラ数などは大幅に減っているものの、『メビウス』の物語を補完する役割を果たしている。

**登場キャラクター
-ウルトラヒーロー
--初代マン、ゾフィー、セブン、ジャック(新マン)、エース、タロウ、レオ、&bold(){ウルトラの父}、&bold(){ウルトラマンメビウス}
-怪獣キャラ
--バルタン星人、エレキング、ゼットン、バキシム、&bold(){ヒッポリト星人}、&bold(){ババルウ星人}、&bold(){テンペラー星人}、&bold(){ブラックキング}

太字部分は、操作キャラクターとしてシリーズ初登場。このほか、ストーリー部分にはウルトラの母、ヤプールも登場する。

**システム
大まかなシステムや雰囲気は『3』に近いが、必殺技が固定されていたり、技の発動がゲージ制になっているなど『Rebirth』から引き継いでいる要素もある。

-操作
--□ボタンで弱攻撃、△ボタンで強攻撃、×ボタンでつかみを行う。○ボタンでは後述の必殺技ゲージを消費して強力な攻撃技や特殊技、または各種必殺技を発動できる。
---投げはつかみ時の方向キー入力で派生する形となり、つかみ打撃は削除されたものの投げ技は『3』と同じ3種類に戻っている。

-クロックリンクバトルシステム
--PSP本体の時計機能に合わせて、ゲーム内の時間が変化する。
--対戦モード・フリーモードのステージの時間帯にも影響し、同じステージでも昼間・夕方・夜間と3種類の顔を見せるものがある。この時間帯によって、必殺技ゲージの貯まる速度や耐久性などが大きく変化するキャラがいる。
//---ストーリーモードには影響がない。
--その他、タイトル画面なども微妙に変化する。

-通信対戦
--PSPのアドホック通信を利用して無線で対戦できる。

-ポイント
--ストーリーモード、バトルモードをクリアするとポイントが手に入る。難易度を変えることにより入手できるポイントが増減する。

-ウルトラ超辞典
--上記で手に入れたポイントを使用して、ウルトラマンや怪獣のデータを閲覧することができる。
--スピリッツはここで手に入る。

-スピリッツの導入
--ゲームを進めていくうちに、ウルトラヒーロー・怪獣の「スピリッツ」を手に入れられる。スピリッツは戦闘中にRボタンで発動でき、発動すると一時的にキャラ毎の特徴を踏まえた特殊効果が付与される。
---例として「必殺技ゲージが減らなくなる」「コンボを繋ぐとパワーアップ」「相手の姿と技をコピーする」と言った強力で真っ当な効果のものもあれば、~
「''節分の日だけ''パワーアップ」というピンポイントすぎる効果や、文字通り操作キャラが金ピカになるだけの「''体が金色になる''」等のネタ的なスピリッツまで様々。
--ストーリーモードではストーリー中で入手する特定のもののみ使用可能。
--ウルトラヒーローはヒーローのスピリッツのみ、怪獣は怪獣のスピリッツのみ装備可能。また、一部を除き使用キャラと同じキャラのスピリッツは装備できない。

-ふらふらゲージの廃止/必殺技ゲージの導入
--『2』と『3』では、打撃で相手の「ふらふらゲージ」を上昇させた後、ふっ飛ばし攻撃を当てることで必殺技を発動していたが、今作では自キャラ側のゲージを攻撃などで貯め、それを消費することで自由に技が発動可能になった。感覚としては『Rebirth』と『3』の中間、と言った感じ。~
さらに必殺技で、強攻撃をキャンセル可能になっている。
---相手の体力が0になると、こちらの技ゲージは常にMAXになる。この点も『Rebirth』と同じ。

-必殺技の固定・簡略化
--『2』と『3』ではキャラ毎にいくつか用意されていた必殺技であるが、今作ではほぼすべてのキャラクターが、1人3つの必殺技のみ割り当てられており、発動に使用するボタンも固定されている。
---また、レベル1と2の技は''通常技と同じように回避可能''。過去作よりも、一般的な格闘ゲームに近い感覚で使えるようになった。~
レベル3のみ、相手の技発動に合わせてボタンを押して回避するという『3』に近い仕様。ただしバリアには必殺技ゲージを消費し、ゲージが足りないとバリアは出せなくなる。

-ゲームテンポの上昇
--キャラの動きが『3』と比べて早くなっており、以前と比べてコンボの爽快感が上がった。
--開発上の関連はないが、PS2で発売された異色のコンボゲー『[[ウルトラマンネクサス]]』の影響かもしれない。

-チュートリアル
--『3』ではゾフィーが教官役で操作キャラはタロウであったが、本作ではタロウが教官役でメビウスが操作キャラとなっている。『メビウス』の原作設定を踏襲しつつ、『3』からタロウが成長したことも実感できる粋な演出と言えるだろう。
--小ネタとして、タロウの指導を無視して操作しているとタロウに怒られる。そして指導無視を繰り返して攻撃ばかりしているとやがてタロウに反撃され、最終的に怒ったタロウに腕を捻り上げられるムービーが入って訓練が強制終了してしまう((言うまでもないが、本編のメビウスはこういった行動を取る性格ではない。))。もっと訓練は真面目にやれ、メビウス。

**評価点
-''良質なグラフィック・カメラワーク''
--シリーズ初の携帯機向け作品であったが、グラフィックは『3』に肉薄する出来で、巨大ヒーローと怪獣との戦いの迫力は十分。FEシリーズの良さが十分に維持されている。
--PSPの画面いっぱいに操作キャラが表示されており、建物などのオブジェクトの描写も細かく、据え置き機の作品に劣らぬ臨場感がある。
--フレームレートも60fpsに近い数字を維持しており、技によってはカメラワークの変化などもあるにもかかわらず、処理落ちを起こすことがない。
---通信対戦もズレがなく、快適に遊べる。

-''シンプルな操作性''
--PSPのボタン数に合わせて操作が簡略化されているが、もともとそこまで複雑な操作を必要とするゲームではないため、違和感が少ない。
--スピリッツ発動を除けば、戦闘中はL・Rボタンを使わずに立ち回れるのも特徴。こうした使用ボタンや操作がシンプルにまとまっているおかげで、後述のコンボや必殺技への連携もスムーズに行える。

-''爽快感のあるコンボ''
--ゲームスピードが少しだけ向上したことでコンボがテンポよく繋がるようになり、必殺技もゲージさえあれば自由に発動できるようになった。さらに、通常攻撃は必殺技でキャンセル可能なため、コンボの締めに必殺技を組み込むこともできる。
---本作では強攻撃などを受けて「ゆっくりと前方に倒れ込む状態」にも食らい判定が残るようになった。また、新たに「うつ伏せで苦しむ状態」も追加され、この状態の相手には打点の低い攻撃で追撃が可能。総じてコンボや連携を繋ぎやすく調整されている。
--これによって、「通常攻撃でコンボをつなげて相手をダウンさせ、倒れ込むところを狙って光線でとどめを刺す」というスピード感のある戦闘も可能に。こなれてくれば非常に爽快かつ軽快な立ち回りができる。

-''原作に忠実な描写''
--ゲームならではの大迫力の映像表現を目指した『Rebirth』からは一転して、『3』までの路線を継続しており、必殺技の表現・キャラの動きなどは、原典に忠実に再現されている。
--必殺技数は確実に減っているのだが、「エメリウム光線」をAタイプ・Bタイプで交互に撃つセブン、相手の向きによって「スライスハンド」と「ウルトラ投げ」を使い分けできるジャック、通常攻撃として「フラッシュハンド」→「エースファイヤー」を使えるエースやジャンプ攻撃で「ハンドスライサー」を繰り出せるレオなど、削減した分を様々な形で補おうとする努力は感じられる。
---また、ゾフィーの必殺技に「ウルトラフロスト」が、セブンの「アイスラッガー」にパンドン戦での「アイスラッガー返し」の要素が取り入れられているなど、過去作になかった技が再現された例も少なくない。
--新キャラのウルトラの父やメビウスは、本編での活躍の少なさや開発時期の都合からか本作オリジナルの挙動が多め。しかしそれぞれタロウと親子・師弟関係という原作設定から、タロウのモーションを一部流用してアクションを組み立てており、設定面での違和感を感じさせない工夫も見られる。

-''より洗練されたアクション''
--新キャラ以外の既存キャラのモーションは概ね『3』の流用だが、一部攻撃は仕様やコマンドが変更され、原作を意識したものや本作のゲームバランスに合うよう修正されている。
--セブンは上記のようにレベル1の必殺技の「エメリウム光線」が2種類用意されているほか、レベル2の必殺技にまさかの「手裏剣光線連打」が採用されている。本作では連続ヒットやコンボ数を稼ぐことでメリットが生まれるため、それを意識したチョイスであると思われる。
---レベル3の「アイスラッガー」は、バリアで防がれると自動的に「アイスラッガー返し」に派生し攻撃を行う。この場合は通常よりもダメージ量が下がるものの、「発動さえできれば必殺技ダメージを確定で与えられる」という唯一無二の利点となっている。
--ジャックは「流星キック」がジャンプ+○で繰り出せるようにコマンドが変更され、過去作よりも大技感が強調されている。また、投げ技の一つに「ウルトラハリケーン」のモーションが流用されており、相手を高く打ち上げることが可能。本作ではボイス演出こそないが、この投げからスペシウム光線に繋げることで擬似的にウルトラハリケーンを再現できる((ただ再現できるだけではなく、光線が空中ヒットするのでガード不可というメリットもある。))。
--タロウは『Rebirth』から引き続き、通常攻撃でも専用の風切り音が鳴る演出が用意されている。さらにジャンプ中に○入力で、風切り音と共に空中ジャンプを発動できるのも特徴。ちなみに「スワローキック」は『3』と同じく投げ技でも繰り出せる。
--レオは上記のようにジャンプ+○で「ハンドスライサー」を繰り出せるほか、ジャンプ+□では「きりもみキック」を放つ。きりもみキックのモーションは流用ではなくきちんと新規で用意されており、本作では多段ヒットする。

-''個性豊かな新キャラ''
--後述するようにキャラ数自体は大きく減っているものの、上記で示したシリーズ初登場の怪獣・宇宙人はいずれも原作ファンには印象深く個性的な面子が揃っており、各演出やその能力もこだわり抜いている。
---初登場となった怪獣・宇宙人達の顔ぶれは、いずれもウルトラ兄弟の客演エピソードに登場した強敵であり、ウルトラ兄弟が勢揃いする本作に合わせた納得の人選と言えるだろう。
--本作のメビウスの必殺技には、番組序盤から活用していた光剣「メビュームブレード」が存在していない。これは番組の製作当初に同必殺技の設定が無かったが故と思われる。~
代わりに「ライトニングカウンター」が採用されており、ゼットン戦で使用された派生技「ライトニングカウンター・ゼロ」は、相手に密着しながら発動すれば派生する仕様として再現されている。
--ブラックキングのレベル3の必殺技は主人であるナックル星人を呼び出しての集中攻撃。ナックル星人自体はここでしか登場しないが、モデル自体は操作キャラに劣らぬ質感で作り込まれている。
---前述のようにジャックの必殺技に「スライスハンド」が続投しているため、この技でブラックキングにトドメを刺して原作再現することも可能である。
--ヒッポリト星人のレベル3の必殺技は、「発動地点に罠を張り、触れた相手をヒッポリトカプセルでブロンズ像にする」というもので、決まれば当然即死する。本作のヒッポリト星人は投げや必殺技で位置関係を操作しやすく、相手をこの罠に嵌めやすいように調整されている。
---この技をウルトラ兄弟に決めれば劇中同様のポーズでブロンズ像化するが、''劇中でブロンズ像化していないタロウたちや怪獣・宇宙人にも、本作オリジナルのブロンズ像がそれぞれ用意されている''。さらにブロンズ像化させる際には、本編音声から切り抜いた「''だんだん死んでいくのだ!!''」というボイス演出も入るこだわり様。
--テンペラー星人のレベル3必殺技は劇中で使用していた「ウルトラ兄弟必殺光線」であるが、発動時にはやはり本編音声からの切り抜きで「''ウルトラ兄弟、必殺光線!!''」とボイス演出が入る。
--ババルウ星人といえば変身能力が印象的だが、本作ではレベル3の必殺技を発動すると対戦相手に化けられる。きちんと必殺技も発動可能。

**問題点
-''キャラ削減''
--さすがに携帯機で『3』並みのキャラクターを実装するのには無理があったのか、キャラクター数は&bold(){全17体}と『[[2>ウルトラマン Fighting Evolution 2]]』並みの少なさ。
---『メビウス』の物語と関わりの深い昭和ウルトラマンは揃っているが、前述の劇場版と無関係な『レオ』が参戦しているのに同じ立場の『80』は未参戦となっている。また、『ティガ』~『コスモス』までの平成ウルトラマンは丸々オミットされてしまった。
--&bold(){『メビウス』で初登場した怪獣が1体もいない。}本作発売日が番組の放送開始3ヶ月後なので製作時期的に困難であった可能性はあるが、初陣を飾ったディノゾールや、序盤のライバルであるボガール辺りは参戦させてほしかったところ。
---一応、ゼットンやバキシムなどは『メビウス』本編にも再登場しており、劇中の対戦相手が全くいないわけではない。

-''ストーリーモードのボリュームが薄い''。
--各キャラクターの個別エピソードを再現するのではなく、『メビウス』に合わせたオリジナルストーリーを体感するストーリーモードが収録されているのだが、このボリュームが薄い。
--操作キャラクターは各ウルトラヒーローだが、大きく分けてメビウスを選んだ時の「メビウス編」とそれ以外を選んだ時の「ウルトラ兄弟編」とその隠しシナリオの約3通りのストーリーしか用意されていない。特にウルトラ兄弟編は自キャラが変わるだけで、敵のセリフや動きはほとんど同じである。
---進行そのものも戦闘パートの合間に会話パートが挟まれるだけと簡素であり、ムービー演出などは一切なく味気ない。
---一応、ウルトラ兄弟編は途中にゾフィーと特訓を行う展開があるが、レオを操作している場合のみ相手がセブンになるといった変化はある。また、特定条件を満たすと隠しシナリオに分岐するという隠し要素も用意されているが…。
--そしてどちらもクリアに要する時間が短い。ウルトラ兄弟編は慣れたプレイヤーなら1時間のうちに2周できるかもしれないほどで、『[[ストリートファイター>ストリートファイターシリーズ]]』などの格闘ゲーのキャンペーンモードに近い短さである。メビウス編はこれに輪をかけて短く、はっきりいってただのショートストーリー。
---また、ウルトラ兄弟編の通常シナリオにおけるラスボスはなぜかババルウ星人である。ウルトラ兄弟を一斉に相手にしたことのあるテンペラー星人やヒッポリト星人の方がふさわしかったのではないかと指摘されることも。
---シナリオ自体も、メビウス編は「メビウスが地球へ派遣される直前の物語」、ウルトラ兄弟編は「劇場版へ繋がるプロローグ的物語」でいずれも本編のストーリーを補完しているものの、本編の前振りであるため特別大きな展開があるわけではない。

#region(隠しシナリオについて)
-前述のウルトラ兄弟編の隠しシナリオの分岐条件とは、途中で挟まれるウルトラ兄弟との特訓パートにおいて「''特訓を1回以上行った後にセーブしてゲームを一旦中断し、そのまま3日間以上経過させる''」というもの。
--一応シナリオ中でもウルトラの母が「''3日間''は安静にすべき」とヒントを出してはいるのだが、かなり分かりにくい。この要素はPSPの本体時計に依存しており、本体設定で日数を3日分進めるだけで条件を満たせるしペナルティなども存在しないので、分かってしまえばさほど手間はかからないのが救いか。
--また、同じウルトラ兄弟編の中でレオのみ隠しシナリオに分岐できないという謎の制約がある。セブンが師匠役をやっているのが一因と思われるが、メタ的にはシナリオ中でエネルギーを送るための光線技と敵の光線を打ち返すためのバリア技を要求される((本作のレオは照射系の光線技を使えず、バリア技も『3』にあった「レオブレラ」ではなくその身一つで「耐える」ものに変更されている。))のもあるだろう。
#endregion

-''キャラ・スピリッツの出現が面倒''
--ゲーム開始直後はウルトラヒーローしか使えず、ストーリーモードをクリアしていかないと、怪獣・宇宙人は使えない。
---そのストーリーモードは上記のように単調な上、各キャラ毎にクリアしないと隠しキャラが使えないため、少々面倒くさい。
---また、ストーリーモードの序盤は必殺技ゲージの最大値が下がり、しばらくはレベル1の必殺技で戦い抜く必要があるのだが、エースのみ強攻撃→レベル1必殺技のコンボが確定しないという欠陥がある。このせいで1人だけ序盤の難易度が不必要に高くなっている。
--スピリッツは、ストーリーモードなどを遊ぶことで手に入れられるポイントを消費して購入するのだが、これも、ストーリーモードだけならば何周かしないと、すべてを購入できるだけのポイントを貯められない。
---もっとも、隠しキャラであるウルトラの父を出現させるために頑張っていれば自ずと必要なポイントは貯まっていくので、あまり気にならないかもしれないが。

-''クロックリンクから生じる、バランスの異常な悪さ''
--ステージの時間帯によるキャラ性能の変化が、バランスを著しく破壊してしまっている。元々格闘ゲームとしてのバランスはあまりよくないシリーズであったが、今作ではそれがさらに悪化しているといってよい。
--特に鬼畜なのは、夜の時間帯のバルタン星人。元来コンボを組みやすいため強いキャラクターなのだが、夜のステージでは耐久力が上がって異様に硬くなっている上に、ゲージがすぐに貯まるため、怒涛の勢いのコンボを繰り出してくる。
//---ストーリーモードはクロックリンクとは関係なしにステージの時間帯が固定されているのだが、ここでも夜のステージでバルタン星人と戦うことになる。この強さはかなりのもので、プレイヤーによっては、ストーリーモードを進めるのにかなりのストレスを感じる原因に。
---その他、夕方にはジャックとブラックキングが強化される。バルタン星人を含め原作再現としては悪くないのだが…。
--クロックリンクをオフにすることもできるが、ステージの時間帯によってキャラ性能が変化するのはどうしようもないため、性能差の拡大を防ぐことを考えると、使用するキャラクター・ステージに若干ながら制限がかかってしまうといえる。
---なお、ストーリーモードでもクロックリンクは適用されるため、スムーズに進めたい場合はPSPの本体時計を朝〜昼に変えておくのが無難。逆に夕〜夜にして更なる高難易度を求めるのもアリではあるが。

-''必殺技の削減''
--必殺技はレベル毎に固定となり、総数が減った上に好きなボタンに割り当てられなくなったため、この点で不満を持つプレイヤーもいる。
---エースは上記のような工夫はあれど、技数だけならレベル2必殺技が2種類あるジャック辺りと大差はなく、『3』における多彩な技数を考えると特に割を食っていると言える。
--レベル1~2の必殺技は普通にガードでき((つかみが始動になっている必殺技もあり、こちらは当然ながらガードできない。))、レベル3の必殺技も「相手の発動に合わせてボタンを押すことで防御する」というシステムは維持されているため、状況によっては相手の使う技を読んで容易に防御できる。
--一部は必殺技のチョイスそのものにも難がある。セブンには前述の「手裏剣光線連打」がある一方で「ワイドショット」がなく、レオも「エネルギー光球」「シューティングビーム」などを差し置いて「ウルトラショット」を採用していたり、ゲームシステムに合わせて「個性の強い大技」を優先している節がある。
---ちなみにストーリーモードではそのワイドショットとシューティングビームに加え、ゾフィーのM87光線(Bタイプ)にジャックのシネラマショットといった対戦で使用できない光線技を撃っているシーンがある。この点でも、『3』のカスタムモードに相当する仕様があればと思わずにはいられないだろう。

**総評
各要素の削減、携帯機であるにしても著しい対戦バランスの悪化と、残念な点も多いが、スペックの低い携帯機への進出にあたって、十分シリーズの魅力は維持できているといえよう。~
本作以降、本家ウルトラシリーズは円谷プロダクションの経営難によって制作が滞っており、関連があったかは不明ながら本シリーズの制作も途絶えてしまっているのは残念な限りである。~
ただし、現在は円谷プロも立て直しに成功しており、新たなウルトラヒーローも続々と活躍しているため、シリーズ再始動に期待を寄せるファンは決して少なくない。

**余談
-シリーズを開発していたスタジオ「メトロ」は、2013年にシミュレーションゲームとして発売された『[[ウルトラマン オールスタークロニクル]]』の開発を担当している。

-本作のスピリッツの中には、講談社の「マガジンZ」に連載されていた漫画作品『ウルトラマン STORY 0』のイラストも存在している。
--なお、そちらでは実質的なラスボスがババルウ星人であったため、本作のラスボスがババルウ星人なのは同作に合わせた配役の可能性がある。