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SDガンダムワールド ガチャポン戦士3 英雄戦記 - (2024/02/27 (火) 16:00:10) のソース

*SDガンダムワールド ガチャポン戦士3 英雄戦記
【えすでぃーがんだむわーるど がちゃぽんせんしすりー えいゆうせんき】
|ジャンル|シミュレーション|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000675.jpg,height=200)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|2Mbit+64kRAMROMカートリッジ|~|
|発売元|ユタカ|~|
|開発元|ゲームアーツ|~|
|発売日|1990年12月22日|~|
|定価|6,800円|~|
|プレイ人数|1~2人&br;(外伝のみ1人)|~|
|セーブデータ|1個|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|戦闘がアクションからFF風のコマンド式に&br;戦国伝、外伝(騎士ガンダム)のシナリオ追加|~|
|>|>|CENTER:''[[SDガンダムシリーズリンク>SDガンダムシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
SDガンダムのウォーシミュレーションゲーム第3作。~
ファースト・Ζ・ΖΖ・逆襲のシャアに加えて、0080の機体及びシナリオも加わった。
//「ポケットの中の戦争」が地上編シナリオにある


**特徴
-シナリオは宇宙世紀のアニメ(本編及びOVA、劇場版)を元にした「地上編」「宇宙編」の他、SD戦国伝・[[外伝>SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語]]に基づくものも用意された。それぞれ10本ずつ用意されている為、合計40本のシナリオが収録されている事になる。
--SDガンダムではあるが、[[前作>SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記]]や原作となったSDガンダムのようなギャグ部分はなく、アニメ本編のシリアスな雰囲気を持ったままデフォルメしたSLGという色が強い。
--シナリオごとに元になったエピソードは存在するが、ゲーム内に会話などはなくストーリー要素は薄い。
---前作までは生産できる機体は陣営に関係なく共通な上に機体もユニオン(連邦)、ジオンの混合だったが、本作では陣営毎に使用出来る機体が分けられるようになったのでガンダムのSLGとしては原作の再現度が上がっている。

//-勝利条件は全シナリオを通して拠点であるガチャポリスの占領、あるいは敵側の全ユニットの破壊((外伝のみ、サタンガンダムの撃破で勝利、プレイヤー側はナイトガンダムがやられると即敗北となる))。
//↑の内容だと下のほうにある外伝のシナリオの説明と重複する部分があったため↓の文章に変更。
-&bold(){勝利条件は外伝を除き全シナリオを通して拠点であるガチャポリスの占領、あるいは全ユニットの破壊。}
--ガチャポリス内にユニットが侵入するとシナリオに応じたエースパイロットのユニットと戦闘になる。これを倒す事で占領が完了し、勝利する事が出来る。
---たとえば地上編のシナリオ1の場合、ジオンのガチャポリスには赤ザクに乗ったシャアが出てくるが、通常のマップにも登場している赤ザクのシャアとは別ユニット扱いになっている。~
守るユニットこそ強いが回復は戦闘中の防御による少量の回復に限られる為、何度も侵入されると次第に危険になっていく。

-ターン制のSLG。ユニットを動かしつつ町やコロニーを占領する事で収入を増やし、ガチャベースでコストを消費してユニットを生産しつつ敵陣営のガチャポリスの占領を目指すのが大まかな流れとなっている。
--宇宙編の一部のシナリオにはコロニーレーザーが登場。1ターンに一度、''問答無用で1ユニットを葬り去る''強力な効果を持つ。さらには射程も6マスと広いため、占領できればかなり強力な自軍ユニットとなる。(1ユニットによる最大移動力は7)

-前2作とは違い、アクション性を一切排している。戦闘は『[[ファイナルファンタジー]]』型の画面構成で、RPGの様なコマンド入力式。
--ユニット同士が接触して戦闘になるとまず全機体が最初に撃ち合いを行い、生き延びた機体による戦闘が行われる。(戦国伝、外伝を除く)
--戦闘コマンドはそれぞれの機体が「射撃」「格闘」「防御」「離脱」を使い分けて戦闘を行う。
---「射撃」は通常の攻撃を行う。
---「格闘」は相手を倒す事が出来た場合、再行動を行える。しかし倒し損ねると反撃を受ける。トドメ狙いで使用する。
---「防御」は回避率の上昇に加えてHPが若干回復するが、反撃を行えない。CPUはHPが減ったユニットを集中して攻撃してくる為、このコマンドを使いこなせば格上の相手でも互角以上に立ち回れる。
---「離脱」は部隊全体が一切のコマンドを放棄し、1ターンの間、逃げに徹する。離脱に成功するまで反撃できずに一方的に攻撃されるので被害は大きいが、明らかに勝てないユニットに襲われたときなどに使用する。離脱後に移動するので、占領地にいた場合、占領されてしまう。
---命中率が戦闘時に表示されている。パーセンテージで50%など。敵への命中率がユニットごとに違うので、なるべく高い命中率の敵機を狙いたい。CPUも防御を行うので、敵への命中率が下がる事がある。
---3ターン以内に戦闘が終わらなかった場合は引き分けとしてそのままマップへと戻る。
---ただし、「地上編」「宇宙編」と異なり、「戦国」「外伝」では攻撃コマンドに「射撃」「格闘」の区別が無く、倒せば格闘と同様に再攻撃が可能・倒せなければ射撃のように反撃を受けないという仕様になっている。
--戦艦と一部のユニットは、移動する代わりに一定マス以内のユニットに対して間接攻撃を1回だけ仕掛けることもできる。この場合は一方的に全体攻撃を行い、一切の反撃を受けない。
--ユニットに防御力の概念は無く、攻撃が命中すると「攻撃ユニットのAP(攻撃力)の半分~AP」のダメージを与える。なのでAPの半分の数値が相手のHPを上回っている場合は必ず一撃で破壊することが出来る。~
また、クリティカルヒットが出る事もあり、その場合はAPを上回るダメージを与える事がある。

-経験値とレベルの概念が登場。レベルは最大20となっており、敵と味方のレベル差によって攻撃命中率が変化する(レベルが上がれば相手への命中率が上がり、相手からの命中率が下がる)。
--レベルが上がっても機体の能力は上がらず、乗り換えもない。
//--また、ネームド機(パイロット名有り)は能力が上方修正される。名無しパイロットではなかなか太刀打ちできないが、次作『[[4>SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー]]』よりも修正は少ないらしく、名無しパイロットでも運が良かったりLVを鍛えさえすれば(名無しパイロットを撃破するよりも大分苦戦するものの)名有りパイロットのユニットだろうと撃破する事が可能。
//↑クワトロ、アムロと名無しを同レベルで比較しても特に補正は見受けられなかったのでCO、
--ネームド機(パイロット名有り)はハンディキャップの影響を受けずにレベルが固定される。アムロ、シャアといったエースパイロットはどのシナリオでもレベル20なので強敵だが、次作『[[4>SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー]]』のようなパイロット補正はないようで、名無しユニットでもLvを上げれば互角に戦う事が出来る。
--経験値は表示されないが自分よりもレベルが高い敵を倒すと数レベル上昇する事がある他、レベル1の敵でも5体倒せば必ず1上昇する。
--ネームドキャラは原作で活躍したパイロット程レベルが高い一方で「逆襲のシャアのハサウェイ」「ポケットの中の戦争のバーニィ」「ΖΖのシャングリラ勢」等は正規兵と同レベルかそれ以下のレベルで登場する。機体も原作通りなので原作通りに活躍するどころか''その辺の雑魚同然に呆気なく退場する''というある意味リアルな設定となっている。((ハンディキャップ次第ではネームド機が名無しのレベルを下回るなんて事もあるので、より活躍できなくなってしまう))

-後述する外伝を除き、プレイヤーは「ユニオン(青軍)」と「ジオン(赤軍)」のどちらか好きな勢力を選んでプレイできる。2P対戦はもちろん、双方をCP操作にした観戦も可能。
--シナリオ選択時に、有名パイロットとサタンガンダム以外のキャラのレベル(4段階)、初期資金(0~9950)、初期配置のユニット数(2段階)、生産の可否、そして1ターンに操作できるユニット数(4、6、8、全てのいずれか)を決める事ができる。
--今作はユニオン側で進める場合、1つのMAPをクリアするのにかなり時間がかかるので、ユニオン側の初期資金を5000-9950に設定するなどの設定変更をした方が楽。
---ちなみに「ユニオン」は地球連邦軍のこと。設定上は必ずしも正しくない例もあるが、「ジオン」ともども呼称は全シナリオで統一されている。ただし、ジオン側はティターンズのモビルスーツが作れるので正確にはユニオン(連邦&エゥーゴ&カラバ)VS(ジオン&ティターンズ&アクシズ&ネオジオン)である。

-ユニットには移動力が定められているが、山や大気圏と言った地形は移動コストが高く、半分以下の移動力に落ちてしまう。
--しかし、戦艦や一部の機体(主に変形可能なMS)は移動コストを無視する能力を持つため、非常に優位に立てる。

-戦艦には3ユニットまで搭載が可能で、補給しつつ移動力の少ないユニットの移動を補えるが、戦艦が破壊されると搭載しているユニットは運命を共にする。
--これを利用して手ごわいユニットが搭載されたのを見計らって戦艦を襲う戦法などが見られた。
--「町」と同じく補給拠点としても活用できるので移動しながらHPを回復したり、やられた僚機を少しずつ補充する事も出来る。

-巨大MS(MA)や戦艦は1体で1ユニットとなり全体攻撃が可能(格闘はできず射撃のみ)。1ターンあたり2度行動ができる。
--ただしこれらは前述の搭載ができない。戦艦が戦艦に乗れないのは当たり前として、大型も戦艦への搭載ができない。
--それ以外の機体は5体で1ユニットを編成する。これらは戦闘では1体あたり行動は1回のみ。ユニット内の組み合わせは最初から決まっており、変更はできない。
--また、戦艦は占領が出来ないが、巨大MSならば可能と細かい違いがある。

-2体目以降の僚機は破壊されても街や戦艦やコロニーの上に1ターン待つ事で同じMSが補給される形で復活する事が可能。ただし、1体目のリーダー機を除いて全滅した場合は「シナリオ毎に指定されたモビルスーツ」が補充される。
--その「指定されたモビルスーツ」は常に弱いもの(いわゆるその時代における量産機)になっており、例えばシナリオ1でガンダム、ガンキャノンx4の編成でガンダムを除いて全滅し、補給した場合はガンダム、ジムIIという編成になる、僚機が強いユニットの場合は全滅を防ぐことも視野に入れなければ大きな弱体化を招く。
---宇宙シナリオ10『逆襲のシャア』の場合は、その指定MSはジェガンなのでジムIIやガンキャノンなどはリーダー機を残してやられた方が強くなるという逆手に取った技もある。ただし、そんなケースを狙ったところでジェガン自体弱い部類なので手間に見合うものではない。むしろ敵のレベル強化になる方が痛いかも。
--このため、補給可能な基地の上に乗っかっているユニットは一度に倒しきれないと簡単に立ち直ってしまい、防御側が有利な仕様となっている。
---街の上ならば1ターンにつき1体ずつしか補充されないが、基地やコロニーの場合は1ターンで全ての僚機が補充される為、より防御側に有利に働く
---裏を返せば防御に徹する事で1体のユニットで敵を足止めする事が可能になっている。特にCPUは遠距離攻撃を積極的に使用する為、一撃で破壊されない程度に強力なユニットを基地の上に置いておく事で完全に足止めが可能、後述のサイコガンダムやαアジールに対して有効な手段となる。
--また、リーダー機がやられると僚機が繰り上がってリーダーになる。ユニットの移動力はリーダーに依存する為、Ζガンダムなどの機動力が高いリーダーがやられると一気に弱体化する事も。
---他に逆手に取った方法としては強い方が複数いるコンビの場合では弱い方だけ全滅させて補給すれば強化となる((例・ZZガンダム×3・Zガンダム×2でZガンダムだけ破壊させて補給すればZZガンダム×5になる))が、すんなり狙ってできるものではないので有用性はないに等しい。
--補給は陣営に関係なく「ユニオンにターンが回ったタイミング」で行われる。なのでユニオンが基地を占領してターン終了してもすぐには補給は行われないが、ジオン側が基地を占領してターン終了すると即座に補給が行われるのでジオン側が有利になる。

-ガチャベースはコストさえ支払えば1ターンでユニットを生産可能。
--ただし生産と同時に行動済みとなっている為、1ターン内でガチャベースの数以上のユニットを生産する事は出来ない。

-戦国伝のシナリオは、いずれの勢力も生産不可能。初期配置ユニットのみでの勝負となる。

-外伝のシナリオは、ジオン側を操作する事はできない1P専用モードとなっている。
--敵の全滅やガチャポリス占領が勝利条件の他のシナリオと違い、サタンガンダムを倒すと勝利となり、逆に騎士ガンダムか倒されると敗北となる。
---サタンガンダムは指定レベルに関係なくのっけから最大のレベル20。騎士ガンダムは他と同じレベルだがHPやAPのステータス文句なしに自軍最強の強さになっている。
--また、ジオン側しかユニット生産を行えない。これは「魔法陣から魔物を召喚する」という設定となっているため。
---魔法陣は回復地点として機能する。ユニオン側も回復には利用できる。

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**評価点
-BGMの質の高さ
--BGMはシナリオ種別ごとに用意され、フィールドでは通常時とピンチ時((厳密にはユニオン側のユニット数のみで判定されている模様。))で音楽が変わる。いずれも質は高い。
--外伝の戦闘時の音楽はバッハの「トッカータとフーガ」のアレンジ。クラシック音楽の使用は手抜きの場合が多いが、本作ではアレンジが大胆に行われ、ループのための加筆部分もオリジナル部分と同じくらいの長さでつなぎの部分に違和感がなく、手抜きとは誰にもいわせない完成度の高さ。
---巷ではバッハの曲のアレンジは大胆なものが多いことで有名ではあるが、それにしてもここまでの大胆なアレンジは本職のクラシックの作曲家が行ったものでも珍しい。

-シナリオの豊富さ
--シリーズ継続してイベントらしいイベントはないとは言え、シナリオ40本というのはかなりのボリュームである。
---各編10シナリオずつとそれぞれにボリュームもあり、さらにハンデや陣営を変える事で様々な遊び方が出来る。

-コロニーレーザーの実用性について
--コロニーレーザーは射程1~6マスのユニット相手に必中で必殺の攻撃が可能だが、射程外から一気に占領に行けるユニットが両軍で生産可能、1ターンに1回しか撃てないので複数部隊で向かえば片方しか落とせない、そもそも動かせないので迂回すればいい、と強力な攻撃に対して対抗手段も複数ある。
---その為、対応が分かっている相手には意味のない施設だが、原作再現という意味では妥当な性能になっており、ゲームのアクセントとしては妥当な要素だろう。
---CPUならば容易に攻撃範囲に入ってくるため、初心者に対するフォローにもなる。

-機体のグラフィックの質の向上
--前作から機体に使用できるカラーが1色増加し、''トリコロールのガンダム''が表現出来るようになった。加えて全体的に機体のカラーもアニメ版に近くなり、違和感のある機体は減少した。
---背景が存在するアクションゲームだった前作と違い、FFと同様の黒背景の戦闘シーンとなり黒を使用する必要が無くなった事による実現とみられる。((例えば前作のガンダムならばキャラの縁取り用に黒が使用されており、残りは透明色を除けば、白、青までしか表現できなかった。))
--機体のデフォルメ具合も良好で、様々な機体の特徴をよく表現できている。また、戦国伝、外伝のリーダーユニットは敵ではなくプレイヤーに向かって正面を向いたグラフィックで表現されているが、攻撃をする時は横を向くために二つのアングルで楽しむことが出来る。
---サイコガンダムがいわゆるサイコ''ロ''ガンダムではなく、しっかりとサイコガンダムとして認識できるグラフィックになった。((前作まではファミコンの仕様による限界からサイコロにサイコガンダムの顔がついた機体をサイコガンダムとして表現していた。))

**賛否両論点
-巨大MS(MA)や戦艦にのるネームドキャラのLVが上がった場合に手がつけられなくなることがある。
--例として「逆襲のシャア」シナリオでクェス(Lv14)の乗るαアジールが名無しユニットをいくつか倒してレベルが上がった結果、νガンダムに乗るアムロやその他の全ての敵の攻撃がかすりもせずに無双される事になる。~
特に先述のサイコガンダムに乗るフォウ(Lv17)やビグザムに乗るドズル(Lv15)等、全体攻撃や間接攻撃が可能な機体にネームドキャラが乗っていると一撃で部隊が一掃される為、弱いユニットでは壁にすらならずにむざむざとレベルを上げてしまう事になる。
--要するにネームドキャラには最初から自軍の高レベルのネームドキャラか、生産したボスクラスユニットを十分に鍛えてから当てるのが基本であり、HPを削ろうと名無しをぶつけても攻撃がまったく命中しないどころか戦局すら左右しかねない。
---巨大MS(MA)や戦艦は何よりも''1ターンに2回全体攻撃が出来る''為、そこそこの性能の戦艦でも無双が出来るのに((大半のシナリオでアーガマ(ラーディッシュ)に乗るブライトのレベルを上げて敵陣に特攻させるのが連邦陣営の有効な攻略法となりうるほど))、巨大MS(MA)はさらに攻撃力が高い為、高レベルのエース機でタイマンに持ち込んだとしても手数の差で返り討ちにされる事がしばしある。
--通常のMSが相手ならば5対1に持ち込む事で最高レベルのエースパイロットと言えど数の暴力で押し切れる。戦いは数だよ兄貴!
--ある意味では「戦力の逐次投入は悪手」という戦術論の基本を再現しているとも言える。有名パイロット同士の戦いを推奨するゲームデザインも原作再現だろう。

-外伝のゲームバランス
--唯一の勝利条件が「サタンガンダムの撃破」だが、サタンガンダムは最初からレベルが最大の20であり、被命中率は10%付近、加えて最強クラスの能力、間接&全体攻撃が可能と至れり尽くせりの超性能。
--加えて、敵を倒すと再攻撃が可能という外伝の仕様も相まって全ての外伝シナリオでサタンに一方的に味方を虐殺される惨状が繰り広げられ、味方が全滅するまでにサタンに攻撃を当てる運ゲーの領域になりかかっている。
--RPGの基本にのっとって、騎士ガンダムのレベルを地道に上げれば互角に戦うことができる。このシナリオの場合、敵側の生産をOFFにするのは必ずしもプレイヤー側に有利とはならない。

-戦闘システムの変更
--アクション要素が排除され、プレイヤーの腕よりも、ユニットをどう生産してどう動かし、誰にぶつけるかという戦略面が重要になった。
---性能差がパラメーターで判断しやすくなったが、弱いMSで強いMSを倒すといった事はやりにくくなった。当てにくいが威力が最強といったZZガンダムのハイメガキャノンといった武装の面の個性も薄れてしまった。
---どちらが良いかは好みの分かれる所である。


**問題点
-さほどやり込まずとも把握できてしまうほど顕著に陣営の戦力差がある。
--根本的な問題として、ユニオン側のユニット総数が20なのに対しジオン側のユニット総数が''41''という時点でおかしい。水中用機体が6機いることを考慮してもあまりにも差があり過ぎる。そのうえで、ユニットの性能や生産は、基本的にジオン側が有利に設定されている。
--ユニット性能は、戦艦以外で間接攻撃可能なユニットがユニオン側ではνガンダムだけなのに対し、ジオン側はサザビー等ファンネル搭載機やビグ・ザム等の大型MAと数多い。
--特に地上編ではジオン側のサイコガンダムが圧倒的。MA・艦船は一部隊一体ゆえに全体攻撃・一ターン二回行動・高耐久・攻撃力が控えめといった設定がされているのだが、サイコガンダムは百式と同等の攻撃力で全体攻撃をしてくる。しかも地上編に登場するユニットはユニオン・ジオン共に性能が控えめなので、サイコの一撃で一部隊が落ちることもしばしば。しかも安価で占領可能ユニットと至れり尽くせりで、中盤以降は画面中サイコだらけになる。
---ユニオン最強のZZガンダム5体編成といえど、レベルが足りなければサイコガンダムの前では赤子も同然!とばかりにやられてしまうのでサイコガンダムのレベルが上がってしまうと絶望的。
---原作を重視した為に、元々ファンネル系所持機体やMAが多いジオン側に優良機体が集中してしまい、このような不公平な状態になってしまったと思われる。
---これを反省してか、次作『[[4>SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー]]』ではユニオン側も間接攻撃可能なユニットが大幅に増やされた。
--生産面では、νガンダム×1+ΖΖガンダム×4が4000コストなのに対し、それとほぼ同等の強さのサザビー×1+ジ・O×4はわずか1300コストで生産できる。これ以外でも、ユニオン側はジオン側に比べて全体的にユニットが高価。
---ユニオン側の高額機体は大気圏突破能力を持っていたり、他上編でも障害物を利用したΖガンダムのヒットアンドアウェー戦法など強みはあるのだが、それでもやはりコストの極端な差は重く圧し掛かる。何故このような不公平な設定にしたのだろうか。
---その他、アッシマーより安いのに全ての能力においてアッシマーより強いギャプランの存在など、ジオン側ユニットの中でも調整ミスらしきものがある。

-原作での主人公側が「ユニオン(連邦)」、敵側が「ジオン」で呼称が統一されてしまっているため特にZガンダムのシナリオでは違和感を強めている。
--Zガンダム(グリプス戦役)は主に「エゥーゴ・カラバ 対 ティターンズ」つまり「地球連邦の内戦」という構図で実際には双方とも連邦なので「ジオン」という呼称はそもそも不適切。後にティターンズと手を組んだアクシズはジオンの流れを汲んだ組織だが、この両者と同時に戦うマップはない(アクシズ勢力との戦いは主にZZ系のシナリオ)。
---また、この区分呼称のせいか戦艦はジオン系が優先され''「アレキサンドリア」や「ドゴス・ギア」等のティターンズの戦艦は全くない''ため、Zガンダムのシナリオではティターンズなのにジオン系のレウルーラやガウ等を使わざるを得ないのも原作ファンからすると気になるところ。
--ただしこれは本作のみの問題と言うわけではなく、「連邦=主人公」「ジオン=敵」と子供向けに分かりやすくする為に当時のSDガンダムではこういった表記や区分けが多く使われていた。当時人気の「カードダス」でも軍の構成が「連邦軍」「ジオン軍」「ネオジオン軍」の3つのみに分かれており、ティターンズのモビルスーツであるバウンドドックやジ・O、人物のジェリド・メサやバスク・オムなどはアクシズ共々ネオジオン軍扱いになっていた。外伝でも騎士ライラや闘士カクリコンといったティターンズをルーツとするキャラが「ジオン族」となっている。
---今ほどそういった点が厳密に扱われていなかった時代であり、当時としては「いつもの事」だったため、そこまで大きく問題視はされなかった。
//上で不適切だのなんだの言ってる人は、単に当時のSDガンダムの宣伝戦略傾向を知らないだけ。当時のSDガンダム界隈は子供向けという事で分かりやすさ重視で、主人公側はエゥーゴだろうが連邦扱い、悪役はティターンズだろうがクロスボーンだろうがひっくるめてジオン扱いされるのは珍しくなかった。当時同じく低年齢層向けの仮面ライダー商品で、敵はドグマだろうがバダンだろうがひっくるめて「ショッカー」呼ばわりされてたのと同じ。
//↑今この記事を読んでいる人は当時のSDガンダムの設定を知らない人もいるわけで、そういう人に向けてSDガンダムの設定に絡めて事情を説明しておくのは必要な記述では?
//全体文章を書きなおしました
//細かくなりすぎているので記述を省略。厳密には~とか注釈でもわざわざ書かなくていい。あくまで大雑把な分け方してるのと当時はそれが普通だったってだけの話

-前作の1戦60秒でも長いとされていたが、本作は最大3ターンのコマンドバトルなので1戦が分単位になることもザラ。~
基本的に回避率>命中率となっているシステムのため、攻撃が命中しにくく長期戦になり、プレイ途中でダレてしまいやすい。
--全体的に火力が高く、たとえ主役機であろうと連続して攻撃に当たるとあっという間に落ちてしまう為、''当たらなければどうということはない''を地で行くバランス。
--CPUは残りHPの少なくなった機体を「防御」させるため、敵1機を2ターンで10回攻撃したがすべて回避された、ということもままある。

-初期状態の一般兵同士の戦いだとお互いの命中が50~99%程度、シャアなどのエース機相手だと10%台まで落ち込んでしまうこともザラ。ある意味で原作再現と言えるが…
--ハンディキャップとして一般兵のレベルを最大であるベテラン(Lv10)に設定しても命中率は50%なのであまりあてにならない。特に弱い機体のベテランは1機破壊されるだけで敵のレベルを一気に上げてしまうので扱いに気をつけなければいけない。
//--命中率の表示もいまいち疑問があり、確かに命中率が高い方が当たりやすい気もする…が、90%当たる表示の攻撃が連続で外れる一方で、30%当たる表示の攻撃が連続で当たるなんて事もザラにある。おおよその目安程度にしかならない。
//検証した結果確率が狂ってるとかであれば問題だが、30%の攻撃なら連続で当たる事は確率上おかしい事じゃない。

-外伝では間接攻撃のできない大多数のユニットは本人より従えているジムが戦力の核になりがちになるといういささか残念なバランス。
--味方ユニットが従えている兵士的位置付けの「ジム」は「剣」「槍」「弓」と3種類あるが「槍」はHP・攻撃力ともそれなりに高くそれなりに強く「弓」は間接攻撃ができるなど長所があるが「剣」は完全に槍の劣化キャラ(しかもHPは「弓」にすら劣る)になってしまっている。
---このため、「ジム剣」をデフォルトで従えているキャラが、それに足を引っ張られがちでかなり苦しい(「ジム弓」も弱いが対象のキャラは間接攻撃中心に起用される)。
内部設定的にもジムは剣が最弱扱いのようで2番機がいない場合、これが補充される。
運悪くお供の「槍」や「弓」が残らず全滅してしまったが最後、たとえ回復したとしてもそれ以降ずっとそのユニット本人以外の戦力は大幅ダウンしたままとなってしまう。
---「騎士ガンダム」「黄金の騎士」「騎士シャア」あたりは本人が飛びぬけて強いのである程度カバーできているが「騎士アムロ」や「剣士Z」は本人もさほど強くないため苦しい戦いを強いられる。その逆に「ジム槍」を従えている「騎士セイラ((ゲームではセイラ本人は剣使いなのに槍部隊を従えている。一応カードダスでは剣も盾に格納された形で持っているが手には槍を持っておりアニメでも常に槍で戦っているため根本的には槍の使い手であると思われる(ほしの竜一氏の漫画では剣、槍どちらでも戦っている描写がある)。))」「闘士ZZ」などは本人はさほど強くはないが、わりと戦いやすい。


''その他細かな問題点''
-シナリオは豊富だが、セーブデータは1つのみ。
--ただし各シナリオは完全に独立し、初期状態から全てのシナリオを選択できるのであまり問題にはならない。長期戦になった場合の保存や、いざという時のやり直しのための予備データという位置付けである。

-グラブロやユーコンといった水中専用ユニットが回復させづらい
--陸上の都市や基地(回復ポイント)に行けないので、HPを戦闘中の「防御」コマンドでしか回復させる事ができない。~
更にユーコンはステータスでも弱く、パイロットはすべて一般兵なので「初期配置されているのでタダで使える」というぐらいしか利点がない。

-移動時の挙動
--本作のユニットは「プレイヤーがカーソルを動かした軌道の履歴に従って動く」という謎の仕様になっている。
--例えば、グルリと外周をなぞるようにカーソルを動かした後に正面移動指示を出した場合、ユニットはまっすぐ前進せずに同じ動きをしてから正面に移動する。
--これで問題になってくるのは、軌道上に敵ユニットがいた場合しっかり戦闘になってしまう事である。
--意図的でない限りまず起こりえないケースだがジオングやZガンダムなど高い動力のユニットで大回りの軌道を取ると、行き着くところまで行き着かず途中で止まってしまう。

//-リ・ガズイがZガンダムよりも性能が高い(一応移動力ではZガンダムが1だけ高く、全ユニット最大値)。
//未来の逆シャア時代の機体でZの量産発展形って事と、最新作補正考えれば下にもある通り、細かな考証のされてなかった時代だし書くほどの事じゃないんだろう。

//細かな考証のされてなかった時代を考えて、多少の祖語程度の物は削除。
-当時よくあった事ではあるが細かな点で原作との齟齬が多い
--シナリオ毎の時代背景等は考慮されていない為、一年戦争のシナリオでνガンダムやΖガンダムの量産が可能だったりとこの辺りの作りこみは雑。
---とはいえ、制限されてもゲームシステム上面倒な事になるのでこの点は仕方ないと言える。
--ユニットの編成にジ・Oを4体従えるキュベレイ、クィン・マンサ、サザビー、クィン・マンサ5体など色々とツッコみたくなる編成がちらほらある。
---キュベレイ、クィン・マンサはアクシズ、サザビーはネオジオンといったジオン系のMSだがジ・Oはティターンズ(つまり事実上連邦組織)のMS。クィン・マンサ5体編成は原作でサイコガンダム並の大型機のはずなのに普通サイズ扱いで並んでいるということを気にしなければそこまでおかしな点はないが。
--一部実装されていないため代替されている(例・「グレートデギン」が実装されていないため「レウルーラ((本来なら14年後にあたる『逆襲のシャア』で登場する戦艦))」乗っている「デギン・ザビ」など)。一部は容量の問題もあって、ある程度は仕方ない面もあるが宇宙ではホワイトベースが実装されておらず一年戦争なのにアーガマというのはさすがに違和感がある。本来主役級である上に、それによる戦いも多く描かれた戦艦なので、それを実装していないのはさすがに問題と言わざるを得ない。
--また本来主役級のラー・カイラムを押し退けてラーディッシュがアーガマの上位として優先されて登場しているのも少々解せないところ(『逆襲のシャア』のシナリオではブライトがラー・カイラムの代替でラーディッシュに乗っている)。
---実際はアーガマとラーディッシュは同等クラスの大きさであり性能も大差ないほどなので、この点でも疑問視される。ラー・カイラムなら、その両方に対して大きさでも性能でもはるかに凌駕しているので堂々と上位と言い切れるほど。
---容量問題で両方が出せないのはやむなしとしても、それならラー・カイラムを優先しZガンダム系シナリオではヘンケンもアーガマに乗せる形でラーディッシュの代替とした方がまだしっくり来る。
--設定が雑にも程があるのが宇宙編9の「アクシズの戦闘」。
---ジオンのエースがLv19のハマーン(キュベレイ)なのは全くおかしくないが、何故かガチャポリスをLv9のタチ(ファーストのランバラル隊にいた脇役で既に戦死している)がキュベレイに乗って守っている((ガチャポリスで戦闘する都合上、ファンネル(マップでの間接攻撃)は使わない(使えない)。タチがニュータイプなはずがないのでファンネルは使えないのはある意味設定に忠実と言える。))。
---原作に登場すらしなかったコロニーレーザーまで配置されている。しかも3基も…どこから引っ張ってきた?
--戦国伝では名前とグラフィックが異なっているものが数名いる他、「はんぶらび」が「はん''む''らび」と誤表記されている(これは説明書にも注意書きされている)。~
また、下記の外伝と同様、こちらでも同一人物である「のうまる」と「フクショウグン」(農丸の出世後)が同時に出現してしまっている。
--外伝では共通の勝利条件を「サタンガンダムの撃破」にした関係で、同一人物の「サタンGD(サタンガンダム)」と「ブラックDR(ブラックドラゴン)」が同時に出現してしまっている。
---そして本来ならばサタンガンダムを倒すと正体を現してブラックドラゴンになるので「サタンガンダム<ブラックドラゴン」になるはずだが、この力関係も真逆になってしまっている((単体ユニットの性能で言えばサタンガンダムよりも能力が上がった上に巨大MS化したブラックドラゴンの方が強いのだが、ハンディキャップの影響を受けるのでLv(回避率)が低く、サタンガンダムほどの脅威を感じにくくなっている。))((また、サタンガンダムと戦う際は僚機のアッシマーが強いのも苦戦する要因になっている))。
--外伝に登場する「天馬ホワイトベース」は本来騎士アムロの愛馬であるが、ゲームバランスの都合か本作では元ネタと同様戦艦扱いである。この結果「内部にユニットを格納したり((「馬車を引いている」とも解釈できるが原作でこうした描写は見られない。))敵全体を攻撃するビーム(?)を放つ馬」という扱いに。
---これは次回作でも同様である。
--本作の外伝は「伝説の巨人」までなのに、その後のエピソード「アルガス騎士団」に登場する剣士Z、闘士ZZ、法術師νがいる。
---ただし初期ユニットを「少ない」にすると彼らは出ないので最低限の考慮はされている。上記の通り、ゲーム全体が年代の考慮が緩い為、「騎士ガンダム」という括りで未来のユニットを追加人員として実装したものと思われる。


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**総評
システムの変更によりゲーム性が大幅に変化したが、それによるゲームバランスの調整があまり上手く出来ていないのが残念。~
とはいえ多少の粗はあっても目立った欠点もなく、問題無く遊べる良キャラゲーといっていい。

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**その後の展開
-1991年12月21日に『[[SDガンダムワールド ガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー]]』が発売。
--大まかなシステムは本作を引き継いだ発展形で、3軍でのシナリオもある。また本作では「連邦」「ジオン」で統一呼称だが「エウーゴ」「カラバ」「ティターンズ」「アクシズ」など正式な呼称が用いられている。またF91絡みのシナリオも追加されている。
---つまりカードダス準拠ではなく本当の意味で原作準拠となった。
---3軍制とはいえそのうちの2軍が同盟関係になっていることが多い。

**その他
-『外伝』シナリオの一般兵「ジム剣」「ジム槍」「ジム弓」は半オリジナルユニットだが、後に外伝カードダス第8弾『円卓の騎士』に逆輸入された。
--名称は「兵士ジム」に統一されているが、剣・槍・弓をそれぞれ身に付けている。 

-ジオンの宇宙マップではザクやドムはゲルググ2機とのコンビでしか設定されていない。
--上記の組み合わせでケースでゲルググが全滅(ザクやドムは2機以上残存)した状態でコロニーなどで補給させればザクやドムの5機編隊が出来上がるが、マップ上のグラが対応していないせいかマップ表示はゲルググのまま。つまり表示上はゲルググなのにゲルググがいないという珍妙なことになる。

-Zガンダムでは当初ティターンズに所属していたが、序盤でエゥーゴ側に寝返ったエマ、終盤でその逆となるレコアがいたがゲームでは二人とも常に連邦(エゥーゴ)側にいる。

-バウ、ズサ、ガルスJといった地上編専用のZZ編モビルスーツが登場しているが、地上編にはZZのシナリオがないので生産(一般兵)でしか見られない。
--特に地上でバウはジオン(テイターンズ含む)中最強クラスなので単なるシナリオブレイカーになっている。
--連邦側でもZZガンダムが地上で生産できてしまうので、当然シナリオブレイカーになること必至。
--何でもアリな勝負なら、ジオンはZガンダム級の高性能でコスト500と超安価なバウ、連邦はバウの5倍はするが文句なく最強性能のZZガンダムということで質と量のバランスが取れた勝負になる。ネームド勢涙目。

-クィン・マンサがサザビーやガンダム系と同じ小型扱いになっているというのも現在では珍しい。
--α・アジールやビグザムと比べれば小さいものの、当時のガンダム系(サイコを除く)に比べれば倍ほどもあるので、後々のガンダム系ゲームでは大型扱いされていることが多い。
---ちなみにクィン・マンサは本作で大型MA扱いされているサイコガンダムとほぼ同じ40.0m級の大型機である。
-クィン・マンサの攻撃モーションが全体的におかしい。恐らく、攻撃モーションは直接と間接で同一のものが採用されるためだが、間接時はファンネルからメガ粒子砲がでる。(しかも一番上のファンネルが吹き飛ぶ)
--更にバグでターンバトル中は何故かマシンガンで攻撃する。