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スペースインベーダーX - (2020/01/19 (日) 20:02:37) のソース

このページでは『スペースインベーダーX』についての紹介をしていますが、機種によってゲームシステムに相違がある為、プレイステーション版、ゲームボーイカラー版の2つに分けています。~
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*スペースインベーダーX
【すぺーすいんべーだーえっくす】

#contents(fromhere)
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*プレイステーション版
|ジャンル|シューティング|&amazon(B00005OUSF)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 1枚|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|Z-Axis|~|
|発売日|2000年2月17日|~|
|定価|2,000円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|フルポリゴンの2Dインベーダー&br()ゲームバランスは若干大味だが普通に遊べる出来|~|
|>|>|CENTER:''[[スペースインベーダーシリーズ]]''|

**概要
-元々は海外ソフトとのしてのリリースであり、本作はそれをローカライズ移植したものとなる。((海外ではActivisionがパブリッシャーとして販売していた。))

-初代インベーダー戦争が勃発した1978年から22年が経過した西暦2000年が本作の舞台であり、自機と敵側、双方共にかなりの性能強化がなされたミレニアムインベーダー戦争が始まる。

-全面フルポリゴンとなり、当時のPSソフト相当の進化したグラフィックとなっているが、ゲーム性自体は完全2Dのインベーダーであり従来とほぼ違和感のないプレイ感覚となっている。

-一人プレイ専用。ステージ数などに関しては下記にて。

-海外で発売された時のタイトルは初代と同じ「Space Invaders」で、これと混同されることを避けるためか日本版のタイトルは「X」がつけられている(後述のGBC版も同様)。


**主なルール
-本作は8つの惑星にてステージが構成されている。各惑星は敵編成が複数回出現し、1つの敵編成につき「LEVEL」という表示がなされる。各惑星毎にLEVELは10回(LEVEL 1~10)まで発生し、それをすべて殲滅させるとステージのボスが出現する。そのボスも倒せばその惑星はクリアとなり、次の惑星(ステージ)に進める。
--また、LEVEL 5の敵編成を殲滅させるとボーナスLEVELが挟まれる。これには自機のミス要因が一切なく、通りすぎるUFOの集団を多く破壊すれば特定のスコアボーナスが貰えたり、1UPできたりする。UFOがすべて出現し終えるとボーナスLEVELは終了し、LEVEL 6からの続きとなる。

-オプション項目から「Normal」(初心者向け)と「Expert」(上級者向け)からの難易度調整が可能。

-主な操作方法は十字キーにて自機の左右移動(それ以外の方向移動は不可)、ボタンは主に「ショットボタン」と「スペシャルショットボタン」に使用する。
--ショットボタンにてインベーダーの定番である、従来の前方型メインショットを放つ。画面にて弾が一発しか放てないのも従来のインベーダー同様(ダブルショットアイテム(下記)を取得すればこの限りではない)。
--スペシャルショットボタンにてスペシャルショットを放つが、これに関しては下記にて。

-画面上部にて「エネルギーバー」というゲージが存在する。これは雑魚敵を破壊する事によりバーが1つづつ溜まり、バーの最大値である4つが溜まりきるとスペシャルショットボタンにて強力な性能を持つ「スペシャルショット」が放てるというもの。スペシャルショットを出すとバーがリセット(0)されてしまい、再度出すには再びバーを溜める必要がある。
--ここで注意するべき事として、ゲージを溜め続けるには同じ敵を連続で破壊しないといけないという点がある。もし、ゲージ溜まり途中(バーが1~3つの状態)にそれまで破壊していた敵と別の物を破壊してしまうと''溜めていたバーが1つからのやり直しとなってしまい、延々とバーが溜まらない''。よって、効率よくバーを溜めたければ同じ敵を狙って破壊する必要がある。
---なお、完全に4つのバーが溜まっていれば、いくら違う敵を破壊しようがバーが減る心配はない。
--ボス戦はバーが強制的にリセットされてしまう為、ボスにおいては一切のスペシャルショットが放てなくなる。また、次の惑星においてもバーが0の状態でのスタートとなり、再び溜め直す必要がある。
--敵によって溜めたバーには色による相違((例えば、敵の一種「レッドエイリアン」を倒せばバーが赤に溜まる。「イエローエイリアン」の場合は黄色に溜まる。…といった具合。))はがあり、どの色を最大まで溜めきるかによってスペシャルショットの性能が変わる。スペシャルショットは説明書によると計11種類のものが用意されているとの事。

-頻繁に画面上部にてUFOが出現する場面があり、撃ち落とすとアイテムを落とす。下記詳細。
--「シールド」…一回だけ自機のダメージを無効化してくれるシールド効果を得られる。シールドの重ねがけは不可。
--「ダブルショット」…通常では画面に一発しか撃てないショットが、このアイテムを取得する事により二連射できるようになる。
--「最大エネルギー」…これを取得すればエネルギーバーを無条件で最大まで溜められる。
--「タイムストップ」…一定時間敵の動きを止める。
--これらのアイテムの効果はミスするまでずっと有効(惑星クリアも例外ではない)。また、ボス戦ではUFOが一切出現しない為、その時限定でアイテムとは一切無縁となる。

-LEVELの状態によってはトーチカが出現する場面がある。これは初代インベーダーのような被弾すると穴が空くタイプではなく、特定ダメージが蓄積される事で破壊されるものとなっている。
--自機がトーチカにショットを撃ち込めばそれを前方に押し上げる事が可能。また、突進してくる敵にトーチカを衝突させると、トーチカのダメージと引き換えにそいつを倒してしまう効果がある為、防御面においてはかなりの高性能を持っている。
--そのLEVELをクリアすると残っていたトーチカはすべてなくなってしまい、持越しは一切できない。また、ボス戦においてはトーチカは出現しない((但し、ボスによってはこちらの攻撃を防ぐ為の特殊な専用トーチカを発生させるものがいる。))。

-残機制、戻り復活ですべてなくなるとゲームオーバー。ミス条件は「自機が敵弾に触れる」「敵が下に迫った状態で自機の横位置に突進してくる」「攻撃手段としての突進攻撃をしてくる敵に触れる」のいずれか。
--もし、敵が自機の横位置に突進した状態でミスしても、敵編成が上位置に押し戻された状態での復活となるので、初代インベーダーのような敵占領による一撃ゲームオーバーになるような心配はない。


**評価点
-なんといっても2,000円という価格設定な事だろうか。当時の基準でこの価格はかなり良心的で経済的にも優しい。
--ゲーム自体も2,000円にしては普通に作り込まれている方でステージのボリュームも多く、同時期の[[SIMPLEシリーズ]]の大半よりもいい仕事している出来というべきか。

-オープニングデモやエンディングにてCGムービーが流れるが、これもPS1成熟期だけあってなかなかのクオリティ。もちろんスキップは可能なので無理に見る必要のない配慮もなされている。

-フルポリゴンになったとはいえ、そのプレイ感覚はほぼ完全に2Dインベーダーのそれであり、特に前知識のいるような小難しさは皆無となっている。
--各惑星、及びLEVELの攻略テンポもかなり軽快であり、こういうポリゴン系もののゲームにありがちなもっさり感はまるで感じない。もうとにかくさっくさくに攻略可能。

-難易度はNormal位ならばそれなりの技能を持ったシューターならばクリアは難しくなく、洋ゲーにありがちな理不尽な難しさも皆無。はっきりいって、その辺の国産ゲーよりもよっぽど日本人好みの作風に仕上がっているようにすら思える。
--ExpertはNormalに比べると難易度が大幅に上がっており熟練シューター向けの配慮もなされている。


**問題点
-やはり外見上はバリバリのポリゴンゲーなので、これをインベーダーとして受け止められない人も多い。

-いくら2000年の新世代とはいえやっぱり元はインベーダーな訳で、他の同期のシューティングと比べるとどうしてもできる事の制限による単調さが目立ってしまう節はある。この辺は元がレトロゲームの新作において避けられない問題点といえる。
--敵の種類も控えめであり、惑星に進んでも敵の使い回しが多い。この辺もインベーダータイプのゲームにおける宿命といえるので、一概に悪いとはいえないし、ステージ自体は敵配置をずらすなどして差別化を図り使い回しを感じさせない工夫は感じられるが…。
-一度に出現する敵の数が少なめで、思いのほかさくさく攻略できすぎてしまう事態がある。また、このゲームにはスペシャルショットやアイテムによる恩威が多く存在する事も相まって、LEVEL開始後でいきなり敵殲滅ができる状況も多々ある。
--これに関しては「テンポ感を助長していて良い」と「スペシャルショットなどでごり押しクリアできてしまい戦略性に欠ける」といった賛否が分かれるかもしれない。

-敵弾が半透明で描かれている影響で、人によっては弾が見え辛い。
--もっとも、そこまで強烈な見え辛さでもなく、慣れてしまえばさほど酷いものではない。

-次の惑星に進む毎にロード時間が発生し微小に待たされる。
--といっても、当時における同時期のPSソフトのロード時間にしては許容範囲な部類。

-難易度が2種類のみと時代的に見ると少々寂しい。価格の件の事を考慮すればあまり贅沢はいえない。


**総評
ゲームとしては質、量共に価格以上の価値を持った佳作であり、スペースインベーダーシリーズの名に恥じない完成度を持った作品。~
外見がフルポリゴンとなるという人によって好みの分かれそうな要素がある他、ゲームバランス面に関しても若干大味である等の問題点もあるが、それもまた本作の特徴といえる。


**余談
-後に本作ベースのPC版及びN64版が後にリリースされている。ゲーム内容に関しては本作とほぼ同じ。
--残念ながら価格は2,000円ではなく、少々語呂的に残念である。ただし、N64版は日本では未発売であるうえに1999年発売なのでこの辺は致し方ない。
---ちなみに北米ではPS版の発売が1999年9月に、PC版はその2ヶ月後の11月、さらにその1ヶ月後の12月にN64版が発売された。当時の価格はPC版が$9.99、N64版が$38.99であった。
--肝心のPS版は$28.99(当時の為替レート換算で約3100円)だったので、日本版はミレニアムにあやかった語呂合わせとはいえ、それを踏まえたとしても思い切った価格設定だったのではなかろうか。

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*ゲームボーイカラー版
|ジャンル|シューティング|&amazon(B000069U5W)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|Crawfish Interactive|~|
|発売日|2000年9月29日|~|
|定価|3,980円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|PS版とは別物、グラフィックも2Dドット絵に&br()全ステージ数150かつ難易度3段階とハイボリュームでやりがいあり&br特定のパスワードを入力でクラシック「風」インベーダーも遊べる|~|


**概要(GBC)
-PS版発売から約半年後にGBC版もリリースされた。こちらも海外からのローカライズソフトにあたる。

-ゲームタイトルはPS版と同じだが、ゲームシステムに関してはほとんど別物となっているので、この先はPS版抜きで見た方がいいかもしれない。

-当然といえば当然だが、GBC版はグラフィックがドット書きであり、外見もゲーム性も完全に2Dである。

-一人プレイ専用。ステージ数などに関しては下記にて。


**主なルール(GBC)
-全15のLEVELが存在する惑星が10つ用意されており、すなわち「10惑星 × 15のLEVEL」で計150ものLEVELが用意されている。
--各惑星の最後のLEVELにはボスが待ち構えており、それを倒すとその惑星はクリアとなる。

-ゲーム開始前に3体の機体からどれかを選ぶ機体セレクト方式を採用している。
--各機体には移動速度や攻撃力に差異があり、攻略に若干の変化を要する事がある。

-ゲーム難易度は「EASY」「NORMAL」「HARD」の3つが用意されている。

-主な操作方法は十字キーにて自機の左右移動(それ以外の方向移動は不可)、ボタンは主に「ショットボタン」と「スペシャルショットボタン」に使用する。
--ショットボタンにて前方型メインショットを放つ。画面にて弾が一発しか放てないのも同様。
--スペシャルショットボタンにてスペシャルショットを放てるが、これも下記にて。
--十字キー左右のどちらかを2回連続で押すと自機のダッシュ移動が可能。これを利用して、従来では避けられないような敵を回避できる場面もある。

-最初の状態では自機がシールドを1~3つ持った状態(選択した機体による)でゲームが開始される。
--従来ならばシールドは敵のダメージを防ぐものなのだが、スペシャルショットボタンを押せばシールドを1消費してスペシャルショットを放つ事が可能。PS版とは違い、スペシャルショットは1種類しか存在しない。
--当然ながらシールドがない状態では一切のスペシャルショットは放てなくなる。シールドを回復させるには、ミス後の復活時や下記のシールドアイテムを取得する以外に原則として方法はない。

-PS版と同様に、頻繁に画面上部にてUFOが出現する場面があり、撃ち落とすとアイテムを落とす。下記詳細。
--「シールド系」…2種類あり、一つはシールドを1回復、もう一つはシールドを全快(最大ストック3)させる効果がある。
--「特殊ショット系」…取得してから一定時間の間、メインショットが強力なものに変化する。その効果は様々存在する。
--「その他」…「一定時間敵の動きを止める」「敵を全滅(強制LEVELクリア)させる」などがある。

-本作にも特定LEVELにてトーチカが出現するが、トーチカの性能は初代インベーダー同様、被弾すると穴が空くタイプとなっている。
--PS版とは違い、トーチカに敵破壊性能は搭載されていない。

-残機制戻り復活ですべてなくなるとゲームオーバー。ミス条件はこちらもPS版とほぼ同様なので割愛する。
--敵が自機横に突進してきたミス後の敵編成上位置押し戻しの救済処置もPS版と同様。
--シールドを持っている状態で被弾すると、シールドの消費と引き換えにミスは免れる。

-このゲームはパスワードコンティニューを採用している。パスワードは各惑星をクリアした後にて毎回表示され、それをタイトル画面で入力すればその惑星からの再開が可能。


**評価点(GBC)
-そのステージ数は計150のLEVELで三段階の難易度調整があり、単純計算ではPS版よりもハイボリュームである。この辺は地味に凄いところ。
--またボリュームの多さを配慮して、パスワードコンティニューができるのも嬉しい。但し、パスワードは少々長めで、しっかりとメモはとっておく必要がある。

-流石にPS版にようなフルポリゴン描写やCGムービーが流れるような豪華さはないが、それでもグラフィックの書き込みなどは当時のGBCソフトの中でも十分高品質である。

-タイトル画面から選べるパスワードで「CLSS1281999DBM」と入力することで、昔懐かしいクラシック風のインベーダーがプレイできる。


**問題点(GBC)
-ゲームとしての難易度は、PS版でいうところのエネルギーバーによるスペシャルショットが存在せず、敵がみっちりと配置されている場面が多く、それでいてトーチカの性能がPS版程の強力なものではない影響な為に、かなり高くなっている。本作のNORMALはPS版のNormalとは比較にならない位に骨が折れる難しさである。
--その為、一気にクリアしようとするのは少々きついものがある。よって、パスワードコンティニューを駆使してじっくりとプレイする余裕が欲しいところ。

-PS版同様、敵の種類はあまり多いとはいえず、使い回し感も割と目立つ。もちろん、それを感じさせない敵配置の工夫はなされているが…。
//-GBはメディアがROMカートリッジのため、価格がリーズナブルだったPS版と比べると本作はほぼ倍の値段となってしまった。とはいえ、当時の基準的には十分に理のかなった価格設定ではある。
//PS版は特別価格で販売されたのだから、3980円は標準的な価格。

-パスワードで遊べるクラシック風のインベーダーは、あくまでクラシック「風」のものであり、原作の再現度はあまり高いとはいえない。
--そのため、あくまで「オマケ」的なものと割り切って遊ぶのが良いだろう。


**総評(GBC)
PS版とは大分違う系統の作りとなり、難易度も上がっているが、携帯機用ソフトながらなかなかのボリュームがあり、作品としての完成度も普通に高い部類。~
もし、インベーダーマニアを自負するならばPS版共々所持しておきたい一作である。