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Ms.Pac-Man - (2022/10/02 (日) 17:18:59) のソース

*Ms.Pac-Man
【みず ぱっくまん】
|ジャンル|アクション|&image(https://pacman.com/images/history/y1981/pic_game.png,height=200)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|バリー=ミッドウェイ|~|
|開発元|ゼネラルコンピュータ|~|
|稼働開始日|1981年|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[パックマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
主に米国にて国民的ヒットを飛ばしたアーケードゲーム『パックマン』の続編、かつアッパーバージョンにあたる作品。但し、本作は日本では発売されておらず、国産としてのパックマンシリーズの正史には入れられていない((国産においてのパックマンの続編は1982年リリースの『スーパーパックマン』となっている。また、ごく少数ながら輸入された基板が当時のナムコ直営店に出回っているケースもあり、『パックギャル』や『ドンキーパックJR』と言ったタイトル名(日本語のインストカードも確認されている)でデッドコピー品が国内でもかなり出回っている。正規に流通しなかった海外作品のコピー基板が国内で作られて出回るケースは極めて珍しいケースとも言える。))。~
位置付けとしては、当時大量に出回った改造パックマン(当時コピーゲームとして認知されていたが、純正基板からの改造も多かったらしい)に近い。

**製作の経緯
当時のマサチューセッツ工科大学の学生だった人物により創業したゼネラルコンピュータ社が本作を(ナムコに無許可で)開発し、後の発売元となるバリー=ミッドウェイ社にライセンスの承認を申し出る。ミッドウェイ社は「ゲーム内容やデザインを修正する権利を保持する」という条件付きでこれを承認し、リリースにこぎつけたというかなり特殊な経緯がある。~
そういう意味では、数ある改造パックマン(『ハングリーマン』『ザ・スキャンダルマン』『ピラニア』など)のうちの1種であるといえる。~
もちろん今の本作は、パックマンの生みの親であるナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)に著作権があり、後に国産向けの家庭用移植もされる事となる(下記)。
//同様な経緯でファンにより制作され、発売元である任天堂に持ち込まれたものの黙殺された『ドンキーコング2』とは真逆の帰結を辿った作品である。(このためにドンキーコングは『2』が欠番となった)また、ナムコは完成品の持ち込みには比較的寛容だった(例:クインティ)。

**パックマンとの相違
本作の基本的なゲームシステムは初代パックマンと同様だが、以下の相違点がある。
-ゲームタイトルが示す通り、パックマンから女性キャラであるミズ・パックマンに変更されている。ゲーム内におけるパックマンとの見た目の違いは頭上にリボンが付いている点にある。
-色とフィールドが異なる4種類の迷路が用意され、ステージバリエーションが増している。また、ワープトンネルが2セットとなった(一部ステージは1セットのみ)。
-モンスターの行動パターンにランダム性が追加。
-フルーツアイテムがステージ内を彷徨うようになった。
-オレンジ色のモンスターの名称が原作では「クライド」だったが、本作では「スー」に変更されている。
-一部フルーツアイテムの種類の差し替え(全7種類)。

**評価点
-ゲーム性が増した。
--迷路の種類が4種類に増え、フルーツターゲットがステージ上をさまようといった非純正ながらゲーム内容的には正当なパワーアップを遂げている。
--正式な続編である『[[スーパーパックマン]]』や『[[パック&パル]]』においても迷路の数は一つであり、複数個の迷路のパターンを持つのは『パックマニア』からとなっていることから、かなり本家に先んじている要素となる。
--その他の追加要素や変更要素のいずれも全く蛇足になっていない。

**問題点
-バグが存在する。
--『パックマン』自体が256面まで進むとバグステージに突入する事で有名だが、本作ではそれよりも早い120~140面以降のステージでバグってしまう。

**総評
米国においては本家をも凌ぐヒットを飛ばした作品だが、やはりリリースがされていない国産の知名度はいまいち低いのが現状である。国産においては大量の家庭用移植がされた初代に比べると、本作の家庭用移植は単発では一切されず、オムニバス収録も比較的最近になってからであり、影の薄い存在である感は否めないところ。~
とはいえ、出来が悪いのかといえばそんな事はなく、初代の遺伝子を多く受け継いだ作品なので十分遊べる出来であるのは言うまでもないだろう。~
近年では家庭用ゲーム機に移植される事も増えた為、プレイするハードルもそれほど高くはない。
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**家庭用移植
国産移植のみを表記。~
すべてオムニバス、もしくはおまけ収録となっている。~
Xbox360版バーチャルアーケードはバンダイナムコゲームス、それ以外はすべてナムコ発売。

-ハロー! パックマン(スーパーファミコン、1994年8月26日発売)
-ナムコミュージアム VOL.3(プレイステーション、1996年6月21日発売)
-ナムコヒストリー VOL.3(Windows、1998年6月9日発売)
-ミズパックマン メイズマッドネス(プレイステーション、2000年12月28日発売)
-ナムコミュージアム(ゲームボーイアドバンス、2001年12月7日発売 WiiUVC、2014年12月10日)
-パックマンワールド2(プレイステーション2、2002年7月25日発売)
-ナムコミュージアム Vol.1(プレイステーション・ポータブル、2005年2月24日発売)
-[[ナムコミュージアム アーケードHITS!]](プレイステーション2、2006年1月26日発売)
-ナムコミュージアム バーチャルアーケード(Xbox360、2009年11月5日発売)
-パックマンミュージアム(Xbox360、プレイステーション3、2014年6月25日発売)
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**余談
-本作ではコーヒーブレイクも変更され、パックマンとミズ・パックマンとの掛け合いや、子供が出来るシーンなどが登場する。
--その為か、キャラクター自体は、ミスター&ミズ・パックマン(ピンボール、バリーミッドウェイ)やアニメ版パックマンに継承され、ミズ・パックマン自体も『パックランド』で登場したため正式なパックマンファミリーとして認知されている。
---ミズ・パックマンは『スーパーファミスタ4』『スーパーファミスタ5』のナムコスタジアムの背景など、ナムコキャラが登場するような場所ではそれなりの頻度で登場しており、『[[マリオカート アーケードグランプリ]]』でもプレイアブルキャラクターとして参戦するなど、''ゲームはマイナーだがキャラクターは有名''である。

-2017年に、Googleマップ上の地図を迷路に見立てて本作がプレイできるというエイプリルフール用コンテンツが、3月31日から4月4日までの期間限定で公開された([[関連リンク>https://blog.google/products/maps/introducing-ms-pac-maps/]])。

-2022年4月7日にNintendo Switchおよびプレイステーション4で配信されたアーケードアーカイブス版『パックランド』において、原作ではミズ・パックマンが登場していた場面で異なるキャラクターに差し替えられていることが話題になった([[Automatonの記事>https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220409-198474/]])。
--『[[PAC-MAN MUSEUM+]]』ではミズ・パックマンではなく''パック・マム''というキャラクターが登場することがアナウンスされていた([[早期購入特典の画像>https://pacmusplus.pacman.com/images/top/pic_store.png]])。それに伴いパックマンファミリーも描き換えられ、パックマンの娘のパック・ベイビーは''パック・シス''、息子のパック・ジュニアは''パック・ボーイ''、愛犬のチャンプ・チャンプは''パック・バディー''と全て別のキャラクターになっている。
---具体的な背景事情についてだが、2000年代中頃に開発担当会社の権利継承者とバンナムの間でロイヤリティをめぐる係争が勃発しており、更に2019年頃に開発担当会社を買収したゲーム会社AtGamesに対してバンナムが著作権侵害((2012年頃に提出したライセンス許請申請を拒否されたにもかかわらず、ミズ・パックマンの小型筐体を無断で製造したとされる。))を巡る訴訟を起こした末、「作品の権利自体は保持したままロイヤリティの請求権を相手方に握られる」といういびつな状態になってしまったらしい。~
結果として、今後ミズ・パックマンを表舞台に出すことが困難になったために上述の措置が取られたのではないかと言われているが、バンナムからの公式発表はないので真相は不明である。