総括所見:カンボジア(第2~3回・2011年)


CRC/C/KHM/CO/2-3(2011年8月1日)
原文:英語(平野裕二仮訳)

1.委員会は、2011年6月3日に開かれた第1620回および第1621回会合(CRC/C/SR.1620 and 1621)においてカンボジアの第2回・第3回統合報告書(CRC/C/KHM/2-3)を検討し、2011年6月17日に開かれた第1639回会合(CRC/C/SR.1639参照)において以下の総括所見を採択した。

I.序

2.委員会は、第2回・第3回統合報告書および事前質問事項(CRC/C/KHM/Q/2/Add.1)に対する文書回答の提出を歓迎する。委員会はまた、ハイレベルのかつ多部門にまたがった代表団との積極的対話により、締約国における子どもの状況についての理解を向上させることができたことも歓迎するものである。

II.締約国がとったフォローアップ措置および達成した進展

3.委員会は、以下の法律等が採択されたことに評価の意とともに留意する。
  • (a) 国際養子縁組に関する法律(2009年12月)。
  • (b) 障害のある人の権利の促進および保護に関する法律(2009年7月)。
  • (c) 人身取引および性的搾取の抑止に関する法律(2008年2月)。
  • (d) 教育法(2007年12月)。
  • (e) ドメスティック・バイオレンスの防止および被害者の保護に関する法律(2005年10月)。
  • (f) 社会保障法(2002年)および社会保護戦略(2010年4月)。
4.委員会はまた、締約国が以下の国際人権条約を批准したことも歓迎する。
  • (a) 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書(2004年7月)。
  • (b) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書(2002年5月)。
  • (c) 女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書(2010年10月)。
  • (d) 国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関するハーグ条約(2007年4月)。
  • (e) 腐敗の防止に関する国際連合条約(2007年9月)。
  • (f) 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2007年7月)。
  • (g) 最悪の形態の児童労働の禁止および撲滅のための即時的行動に関するILO第182号条約(2006年3月)。
  • (h) 拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約の選択議定書(2005年9月)。
  • (i) 国際刑事裁判所ローマ規程(2002年4月)。
5.委員会はまた、以下の制度上および政策上の措置も歓迎する。
  • (a) 人身取引、人の密輸、労働搾取および性的搾取の抑止を主導する国家委員会(2009年創設)。
  • (b) 教育戦略計画(2009~2013年)。
  • (c) 両親のいない子ども、HIVの影響を受けている子どもおよび脆弱な立場に置かれたその他の子どものための国家行動計画(2008~2010年)。
  • (d) 障害児教育政策(2008年)。
  • (e) 最悪の形態の児童労働の撤廃に関する国家行動計画(2008~2012年)。

III.主要な懸念領域および勧告

A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項)

委員会の前回の勧告
6.委員会は、締約国の第1回報告書に関する委員会の総括所見(CRC/C/15/Add.128)を実施するために締約国が行なった努力を歓迎する。にもかかわらず、委員会は、委員会の懸念および勧告の一部への対応が不十分にまたは部分的にしか行なわれていないことを遺憾に思うものである。
7.委員会は、締約国に対し、第1回報告書に関する総括所見の勧告のうちまだ実施されていないまたは十分に実施されていないもの、とくに差別の禁止、障害のある子ども、思春期の健康および少年司法に関わる勧告に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。
立法
8.裁判所はカンボジア法の解釈および事件に関する決定の際に条約を考慮しなければならないとする憲法評議会決定第092/003/2007号は歓迎しながらも、委員会は、条約の規定が裁判所および行政機関によって援用されまたは直接執行されるのは稀であることを懸念する。委員会はまた、子どもに関連する法律が多数採択されていること、および、双方向的な対話の際、締約国が包括的な子ども保護法を策定中であることが明らかにされたことにも留意する。しかしながら委員会は、法律を実施するための十分な機構が存在しないために、子ども関連の法律の実施が弱いままであることを懸念するものである。
9.委員会は、締約国に対し、国内法秩序において条約の原則および規定が全面的に適用できることを確保するため、あらゆる適当な措置(国、州および自治体のレベルで子ども関連法を適用するための十分な機構、枠組みおよび制度を設置することも含む)をとるよう促す。委員会はまた、締約国に対し、この点に関わる進展および条約に掲げられた権利を実施するために国内裁判所または行政機関が行なった決定について報告することも要請するものである。委員会はさらに、締約国に対し、条約のすべての原則および規定を網羅した包括的な子ども保護法の制定を迅速に進め、かつ、現在起草されている少年司法法がこの法律に全面的に編入されることを確保するよう、促す。
調整
10.委員会は、カンボジア国家子ども評議会(CNCC)が固有の予算を有し、かつ国以下のレベルでも体制の構築を図る旨を定めた王令によってCNCCの地位が強化されたことに、積極的な面として留意する。しかしながら委員会は、条約の実施との関連で調整の役割を果たすために必要な人的資源、技術的資源および財源をCNCCがいまだに有しておらず、かつ、子どもの権利に関わる問題をCNCCに照会しまたは付託する義務がいかなる政府省庁にも課されていないことを懸念するものである。
11.委員会は、CNCCに対してより実質的な人的資源、技術的資源および財源を提供するよう求めた締約国への勧告(CRC/C/15/Add.128、パラ11)をあらためて繰り返す。締約国はまた、締約国に対し、条約の実施に関する効果的調整を確保し、CNCCと政府省庁との関係を明確化し、かつ州、地区およびコミューンのレベルでCNCCの体制の迅速な構築を図るようにも促すものである。
国家的行動計画
12.委員会は、締約国において子どもに関するさまざまな部門別行動計画が存在することには留意しながらも、条約実施のための包括的な国家的戦略または行動計画が存在しないことを懸念する。
13.委員会は、締約国が、子どもに関する包括的な政策および戦略を策定しかつ実施するとともに、さまざまな部門別行動計画を包含し、かつ条約のすべての分野を網羅した子どものための国家的行動計画、または当該戦略を実施するための他の同様の枠組みを採択するよう、勧告する。委員会はまた、当該戦略を国家戦略開発計画(2009~2013年)および社会的保護戦略と緊密に関連づけ、かつ当該戦略に対して十分な資源を配分することも勧告するものである。委員会は、このような政策および諸計画の立案に際しては、2002年国連総会特別会期の成果文書「子どもにふさわしい世界」およびその中間レビュー(2007年)、ならびに、子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての委員会の一般的意見5号(2003年)に対して適切な注意を払うよう、勧告する。
独立の監視
14.委員会は、条約の実施を監視することおよび当該実施における進展を評価することならびに自己の権利の侵害に関わる子どもからの苦情を受理しかつこれに対応することを目的とする、パリ原則に一致した独立機構の設置に向けた進展が限られていることを懸念する。
15.委員会は、子ども担当部局を有する国内人権機関の一部としてまたは別個の機構としてパリ原則にしたがった独立の機構を設置するよう締約国に求めた呼びかけ(CRC/C/15/Add.128、パラ14)を、あらためて繰り返す。当該機構は、子どもがアクセスしやすく、子どもの権利の充足状況を監視し、子どもの権利侵害の苦情に子どもにやさしい方法でかつ迅速に対応し、かつそのような侵害に対して救済を提供するようなものであるべきである。委員会は、独立した人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年、CRC/GC/2002/2)に対して締約国の注意を喚起する。
資源配分
16.委員会は、国家戦略開発計画(2009~2013年)に子どもに関する主要な優先事項が掲げられているとはいえ、子どもの保護および社会福祉に対しては限られた人的資源、技術的資源および財源しか充てられておらず、現行サービスのほとんどは開発パートナーの資金によって運営されていることに留意する。委員会はまた、締約国における相当の経済成長にも関わらず、2007年以降、社会部門に充てられる予算は他の分野の半分しか増加しておらず、かつ教育に充てられる予算はGDPの1%にすぎないことも懸念するものである。委員会はさらに、2010年3月に汚職防止法が採択されたにも関わらず、締約国において汚職が依然蔓延しており、子どもの権利の実施の増進につながりうる資源が流用され続けていることに、深刻な懸念とともに留意する。
17.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。
  • (a) 条約第4条にしたがい、子どもの権利の実施のために十分な予算資源を配分するとともに、とくに教育を含む(ただしこれに限られない)社会部門に配分される予算を増額すること。
  • (b) 予算全体における子どものための資源の配分および使用の追跡システムを実施し、もって子どもに対する投資を目に見えるものとすることによって、国家予算の策定において子どもの権利アプローチを活用すること。委員会はまた、締約国に対し、いずれかの部門における投資が「子どもの最善の利益」にどのように貢献しているかに関する影響評価のためにこの追跡システムを活用することも促すものである。その際、当該投資が女子および男子に与える異なる影響が測定されることを確保することも求められる。
  • (c) 可能であれば、資源配分の実効性を監視しかつ評価する成果基準予算を開始するべきであるという国連の勧告にしたがうとともに、必要なときはこの目的のため国際協力を求めること。
  • (d) 予算上のニーズに関する包括的評価を実施し、かつ、子どもの権利に関わる指標の格差に漸進的に対処する分野への明確な配分額を定めること。
  • (e) とくに子どもとの対話を通じ、かつ地方当局の適正な説明責任の面で、透明かつ参加型の予算策定を確保すること。
  • (f) 積極的な社会的措置を必要とする可能性がある不利な状況または脆弱な状況に置かれた子どもに関する戦略的予算科目を定めるとともに、これらの予算科目が、たとえ経済危機、自然災害その他の緊急事態の状況下にあっても保護されることを確保すること。
  • (g) 汚職と闘い、ならびに汚職を効果的に摘発し、捜査しおよび訴追する制度的能力を強化するための即時的措置をとること。
  • (h) 「子どもの権利のための資源配分――国の責任」についての一般的討議(2007年)における委員会の勧告を考慮すること。
データ収集
18.委員会は、とくに人身取引の被害を受けた子どもおよび代替的養護環境にある子どもに関するデータベースを発展させるために行なわれた相当の努力について、締約国を称賛する。しかしながら委員会は、条約が対象としている一部の領域、とくに障害のある子どもについて十分な情報が収集されておらず、かつデータ収集機構が依然としてまとまりを欠いていることを懸念するものである。委員会はさらに、条約のすべての領域を網羅する体系的かつ包括的な細分化されたデータベースの設置を確保するための、関連省庁間の調整が不十分であることを懸念する。
19.委員会は、締約国に対し、包括的なデータ収集システムを設置するとともに、子どもの権利の実現に関して達成された進展を評価し、かつ条約実施のための政策およびプログラムの立案に役立てるための基盤として、収集されたデータを分析するよう奨励する。すべての子どもの状況の分析を容易にするため、データは年齢別、性別、居住地別、民族別および社会経済的背景別に細分化されるべきである。委員会は、締約国に対し、ユニセフを含む関連の国際機関の技術的援助を求めるよう奨励する。
普及および意識啓発
20.委員会は、締約国のすべての州の学校長および副校長を対象として行なわれた子どもの権利に関する職業訓練も含め、子どもの権利条約に関する情報を普及するために締約国がとった積極的措置に、評価の意とともに留意する。
21.委員会は、締約国が、全国で条約を普及し、子どもたち自身および親を含む公衆の意識を高め、かつ条約の原則および規定に関する情報を普及する努力を強化するよう、勧告する。
研修
22.子どもとともにおよび子どものために働く一定の職種の専門家を対象として行なわれた研修についての情報には評価の意とともに留意しながらも、委員会は、このような研修が依然として不十分であり、かつ、子どもとともにおよび子どものために働くすべての専門家、ならびに、条約に関する意識が依然として限られている法執行機関を対象としていないことを懸念する。
23.委員会は、締約国が、子どものためにおよび子どもとともに働くすべての専門家集団(裁判官、弁護士、法執行官、公務員、子どものための施設および拘禁場所で働く職員、教員、心理学者を含む保健従事者ならびにソーシャルワーカーなど)を対象として、条約の原則および規定に関する体系的かつ良質な教育プログラムおよび研修プログラムを実施する努力を強化するよう勧告する。委員会は、締約国に対し、とくに人権高等弁務官事務所(OHCHR)およびユニセフの技術的援助を求めるよう奨励するものである。
市民社会との協力
24.委員会は、締約国の人権擁護活動従事者、とくに住居に対する家族および子どもの権利を擁護する人々に対する脅迫、嫌がらせ、物理的攻撃および逮捕について、深い懸念を表明する。委員会はまた、子どもの権利の分野で活動している非政府組織が、意識啓発、子どもの権利の促進ならびに子どもに対するケアおよび保護の提供に関して重要な役割を果たしているのに、子どもに関する政策、法律および戦略の策定からしばしば排除されたままであることにも、懸念とともに留意するものである。委員会はさらに、反対意見を表明した人々に対して名誉毀損および虚偽情報に関する法律が広く利用されていること、および、結社および非政府組織(NGO)法案が採択されれば締約国における人権擁護活動従事者の活動が著しく制限されるであろうことを、懸念するものである。
25.委員会は、締約国に対し、人権擁護活動従事者およびその活動を正当に尊重し、市民社会との信頼および協力の雰囲気を回復させ、かつ、子どもに関わる政策、計画およびプログラムの企画、実施、監視および評価についてコミュニティならびに市民社会組織および子ども団体の組織的関与を得るために、具体的措置をとるよう促す。委員会はまた、締約国に対し、脅迫および嫌がらせの報告事例が迅速に捜査されることを確保するようにも促すものである。委員会はさらに、締約国に対し、この点についてカンボジアの人権状況に関する特別報告者が行なった勧告(A/HRC/15/46、パラ95)を実施するよう促す。
子どもの権利と企業セクター
26.委員会は、経済成長ならびに国内投資および海外投資の増加を背景として、締約国が、衣料産業のような公式経済において企業活動が子どもの権利に与える影響を規制するため、積極的措置をとってきたことに留意する。しかしながら委員会は、国内外の企業の活動が子どもに与える可能性のある悪影響を防止するための、企業の社会的責任および環境面での責任に関する規制枠組みがまだ設けられていないことを懸念するものである。
27.委員会は、締約国が、地元および国外の企業による国内法の遵守状況を領域全体で引き続き注意深く監視するとともに、国連・ビジネスと人権枠組みにしたがい、企業セクターが、とくに子どもの権利との関連で、企業の社会的責任および環境面での責任に関する国内外の基準を遵守することを確保するための規則を策定しかつ実施するよう、勧告する。人権理事会によって2008年に全会一致で採択された国連・ビジネスと人権枠組みは、企業による人権侵害に対する保護を提供する国の義務、人権を尊重する企業の責任、および、人権侵害が生じた際、救済措置にいっそう効果的にアクセスできる必要性について簡潔に述べたものである。

B.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条)

差別の禁止
28.委員会は、農村部に住んでいる子どもの権利の享受に関して不平等および格差の水準が増していることに懸念を表明する。東北諸州の民族的マイノリティに属する子どもおよび南西諸州の子どもは、保健、教育および福祉へのアクセスに関してとくに不利な状況に置かれている。委員会はまた、女性および女子を伝統的役割に縛りつける、ジェンダーに基づくステレオタイプが根強く残っていることも懸念する。これとの関連で、委員会は、社会における女子および女性の役割は劣等であるという見方を正当化するチュバップ・スレイ(女性の行動規範)がいまなお締約国の学校で教えられていることを懸念するものである。
29.委員会は、締約国に対し、子どもによる権利の享受の関して存在している格差を注意深くかつ定期的に評価するとともに、当該評価に基づき、周縁化されたおよび不利な立場に置かれた集団に属する子どもへの差別と闘うために必要な措置をとるよう、促す。委員会はまた、締約国に対し、女子差別に具体的に終止符を打ち、かつ、社会における女性および女子の劣等な役割を固定化させる、ジェンダーに基づく支配的な態度、慣行および規範を撤廃するようにも促すものである。
子どもの最善の利益
30.委員会は、子どもの最善の利益の一般原則を国内法に編入する点についての進展を歓迎する。しかしながら委員会は、子どもの最善の利益が締約国の政策およびプログラムにおいてどのように考慮されているかに関する具体的情報がないことを懸念するものである。
31.委員会は、締約国に対し、すべての立法上、行政上および司法上の手続ならびに子どもに関連しかつ子どもに影響を及ぼすすべての政策、プログラムおよびプロジェクトにおいて、子どもの最善の利益の原則が適切に統合されかつ一貫して適用されることを確保するための努力を強化するよう促す。司法上および行政上のあらゆる判決および決定の法的理由も、この原則に基づくものであるべきである。
生命、生存および発達に対する権利
32.委員会は、溺死が子どもの死因の筆頭であること、および、これに続く死因が子どもの恒久的障害の原因の筆頭でもある交通事故であることに、深い懸念を表明する。委員会はまた、地雷および不発弾によって子どもが殺傷され続けているにも関わらず、地雷意識教育のための資金が相当に減額されたことも深く懸念するものである。
33.委員会は、締約国に対し、子ども、親、教員および公衆一般の安全意識を高めるための公的キャンペーンを行なうことによって溺死および交通事故を防止するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はまた、締約国に対し、地雷除去および地雷に関する意識啓発のためのプログラムを継続しかつ強化すること等の手段によって地雷から子どもを保護するため、あらゆる必要な措置をとるようにも促すものである。
子どもの意見の尊重
34.委員会は、締約国報告書の作成および「人身取引および商業的性的搾取に関する国家行動計画(2005~2013年)」の起草の過程で子どもたちとの多数の協議が行なわれたことに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、自己に影響を与える意思決定手続において意見を表明する子どもの権利を制約する伝統的態度が締約国で根強く残っており、かつ、子どもの参加を促進する政策および支援機構が締約国に存在しないことを懸念するものである。
35.委員会は、締約国に対し、意見を聴かれる子どもの権利を実施するために適当な措置をとる自国の義務を想起するよう求めるとともに、公衆教育プログラム(オピニオンリーダー、家族およびメディアと協力して行なわれるキャンペーンを含む)を通じて、意見を聴かれる子どもの権利の全面的実現を阻害する、子どもに関する否定的な態度および見方と積極的に闘うよう促す。委員会は、意見を聴かれる子どもの権利に関する委員会の一般的意見12号(2009年、CRC/C/GC/12)に対して締約国の注意を喚起するものである。

C.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条、第19条および第37条(a))

出生登録
36.委員会は、民事的地位に関する2000年12月の閣僚会議令第103号によって出生登録が義務的なものとされたこと、および、無償の出生登録を全国的に確保することに関して締約国が相当の成果を達成したことを歓迎する。しかしながら委員会は、非正規移民の子どもには出生を登録される資格がないこと、および、ベトナム系の家族が子どもの出生証明書を取得しようとした際に拒否されることが多いことを懸念するものである。
37.条約第7条に照らし、委員会は、締約国に対し、親の法的地位または出自に関わらず、すべての者に対して無償の出生登録を保障するよう促す。
拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いおよび処罰
38.委員会は、薬物依存の子どもおよび青少年、精神障害のある子どもおよび路上の状況にある子どもが、広範に行なわれている殴打、鞭打ち、および、これらの子どもの一部が強制的に措置された薬物リハビリテーション・センターおよび青年センターにおける電気ショックを含む拷問および不当な取扱いの対象にされているという訴えについて、深い懸念を表明する。
39.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。
  • (a) 薬物治療リハビリテーション・センターであれ、社会的更生センターであれ、または政府が運営する他のいずれかのタイプのセンターであれ、いかなる形態の恣意的拘禁の対象とされている子どもも遅滞なく釈放されることを確保すること。
  • (b) これらのセンターにおける子どもの不当な取扱いおよび拷問の訴えが迅速に捜査され、かつ加害者が裁判にかけられることを確保すること。
  • (c) 拷問禁止委員会からすでに勧告されているとおり(CAT/C/KHM/CO/2、パラ20)、法執行官に対する苦情を受理し、かつ被害者に救済を提供する、子どもに配慮した独立機構を設置すること。
体罰
40.締約国が体罰禁止のためのさまざまな法律を採択してきたことには留意しながらも、委員会は、民法第1045条で「親権を有する者が必要な限度で個人的に懲戒を行なう」ことが認められていること、および、ドメスティック・バイオレンスの防止および被害者の保護に関する法律第8条で、しつけを目的とする子どもの体罰が黙示的に認められていることを懸念する。委員会は、体罰が、親および教員によって、文化的に受け入れられたしつけおよび規律のひとつの形態であるとしばしば見なされており、かつ締約国で広く行なわれていることを、懸念するものである。
41.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。
  • (a) 子どもの体罰を認めている、民法第1045条およびドメスティック・バイオレンスの防止および被害者の保護に関する法律の規定を削除すること。
  • (b) 家庭を含むあらゆる場面における子どもの体罰を明示的に禁ずる法律を制定すること。
  • (c) 体罰を禁ずる法律が効果的に実施され、かつ、子どもに対する暴力の責任者に対し、法的手続が組織的に開始されることを確保すること。
  • (d) 体罰に対する一般的態度を変革する目的で、この慣行の有害な影響に関する公衆教育キャンペーン、意識啓発キャンペーンおよび社会的動員キャンペーンを導入するとともに、体罰に代わる手段として積極的な、非暴力的なかつ参加型の子育ておよび教育を促進すること。
  • (e) 体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利に関する委員会の一般的意見8号(2006年)を参照すること。
子どもに対する暴力に関する国連研究のフォローアップ
42.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう奨励する。
  • (a) 子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告の実施を確保する等の手段により、ジェンダーにとくに注意を払いながら、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に優先的に取り組むこと。
  • (b) 同研究の勧告、とくに子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表が強調した以下の勧告を締約国がどのように実施しているかに関する情報を、次回の定期報告書で提供すること。
    • (i) 子どもに対するあらゆる形態の暴力を防止しかつこれに対処するための国家的な包括的戦略を各国で策定すること。
    • (ii) あらゆる場面における、子どもに対するあらゆる形態の暴力の明示的な法的禁止を、国レベルで導入すること。
    • (iii) データを収集し、分析しかつ普及するための全国的システムおよび子どもに対する暴力に関する調査研究事項を強化すること。
  • (c) 子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表、ユニセフ、OHCHRおよび世界保健機関(WHO)ならびに他の関連の機関、とくにILO、ユネスコ、UNHCR、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、およびNGOパートナーと協力し、かつその技術的援助を求めること。

D.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条)

家庭環境
43.委員会は、貧困家庭に対するサービス提供プログラムおよび国家家族相談政策委員会の設置を通じ、家族を基盤とするケアに焦点が当てられていることを歓迎する。しかしながら委員会は、親から配慮、注意および温かさを向けられていないと申告する子どもの割合が高いことを懸念するものである。
44.委員会は、締約国が、条約第18条に照らし、国内外の組織と協力しながら既存の親向けの相談サービスを強化するとともに、たとえば乳幼児期のケア、親の指導および親の共同責任に関する親向けの研修を通じて、家族に関する教育および意識をさらに発展させるよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、子どもに適切な配慮および注意を向けるために支援措置を必要としている家族をフォローアップするための子ども保護システムを構築することも、勧告するものである。
家庭環境を奪われた子ども
45.子どもの代替的養護政策(2006年)および子どもの代替的養護に関する最低基準(2008年)が採択されたことは歓迎しながらも、委員会は、この政策を実施するためのプラーカス(省令)がまだ採択されていないことに、懸念とともに留意する。委員会はまた、2005年から2008年にかけて締約国の孤児院にいる子どもの人数が65%増加したこと、および、入所型養護が依然として最善の選択肢と見なされていることにも、深刻な懸念を表明するものである。委員会はまた、以下の以下の点についても懸念を覚える。
  • (a) 施設に措置された子どもの3分の1は、親の一方がまだ存在すること。
  • (b) 入所型養護施設の登録および監視が依然として不適切であること。
  • (c) 予算の配分が不十分であり、かつ十分な訓練を受けた児童養護ワーカーが存在しないため、締約国の政策および指針の効果的実施が妨げられていること。
46.委員会は、締約国に対し、子どもの代替的養護政策に関するプラーカスを速やかに採択するとともに、同政策および子どもの代替的養護に関する最低基準の全面的実施のために必要な人的資源、技術的資源および財源を配分するよう、求める。委員会はまた、締約国に対し、以下の措置をとることも促すものである。
  • (a) 児童福祉センターへの措置を回避するため、相談およびコミュニティを基盤とするプログラムを通じて子どもにとって最善の環境としての家族を促進し、かつ子どもの世話をできるよう親のエンパワーメントを図るために、効果的措置をとること。
  • (b) 家族を強化しかつ支援するための政策等も通じ、養護施設で生活する子どもの人数を減らすための包括的入所基準および戦略を策定するとともに、子どもの施設措置が最後の手段としてのみ用いられることを確保すること。
  • (c) 施設に措置された子どもが家族に再統合できるようにするための機構を実施すること。
  • (d) 児童養護ワーカーを追加採用するとともに、これらのワーカーが、家庭型代替的養護措置を監視するための十分な訓練および報酬を受けることを確保すること。
  • (e) 「子どもの代替的養護に関する国連指針」(国連総会決議A/RES/64/142付属文書)〔PDF〕を考慮すること。
養子縁組
47.委員会は、2009年国際養子縁組法、および国際養子縁組当局の設置を歓迎する。しかしながら委員会は、法律の実施規則がまだ採択されていないこと、および、違法な国際養子縁組が国営施設職員の関与を得ていまなお行なわれているとの報告があり、かつこれらの訴えについて適正な調査がまったく行なわれていないことを懸念するものである。
48委員会はまた〔ママ〕、締約国に対し、国際養子縁組法を実施するためのプラーカスを遅滞なく採択するようにも促す。委員会はまた、締約国に対し、国際養子縁組に関して厳格な透明性およびフォローアップ管理を確保するとともに、違法な養子縁組および養子縁組目的の子どもの売買に関与した者を訴追することも促すものである。
虐待およびネグレクト
49.委員会は、女性および子どもに対するドメスティック・バイオレンス(性暴力を含む)が締約国において依然として深刻な問題であることに、深い懸念を表明する。2005年10月にドメスティック・バイオレンスの防止および被害者の保護に関する法律が採択されたことには留意しながらも、委員会は、コミューンおよび村の官吏に対してドメスティック・バイオレンスの被害者を保護するために行動する権限を付与するプラーカスがまだ発布されていないこと、および、子ども保護システムが締約国に存在しないことを、懸念するものである。委員会はさらに、ドメスティック・バイオレンスおよびジェンダーに基づく暴力が引き続き社会的に受け入れられており、かつ法執行機関によって広く容認されていることを懸念する。
50.委員会は、締約国に対し、ドメスティック・バイオレンスと闘うために即時的および効果的措置をとること、とくに以下の措置をとることを促す。
  • (a) ドメスティック・バイオレンスの防止および被害者の保護に関する法律の全面的実施のため、コミューンおよび村の官吏に対してドメスティック・バイオレンスの被害者を保護するために行動する権限を付与するプラーカスの速やかな採択を含む、あらゆる必要な措置をとること。
  • (b) 児童虐待の通報、そのような通報への対応ならびにさらなる暴力を防止するための支援措置その他の措置の策定のためのシステムを含む子ども保護システムを設置するとともに、特定の地方当局に対して当該システムに関する明確な責任を担わせること。
  • (c) 子どもの性的虐待を含むドメスティック・バイオレンスについての信頼できるデータを収集し、かつ、子どもに対する暴力の問題の根本的原因および規模に関する研究を行なうこと。
  • (d) 被害者、とくに女性および女子による通報を妨げる公衆の態度および伝統を変革する目的で、ドメスティック・バイオレンスの問題に関するキャンペーンを含む全国的な意識啓発プログラムの調整を行なうこと。
  • (e) プライバシーに対する権利を含む子どもの権利の保障を正当に考慮しながら、子どもに配慮した司法手続を通じてドメスティック・バイオレンスの事案を捜査し、かつ加害者に対して制裁が科されることを確保すること。

E.基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条、第27条(1~3項))

障害のある子ども
51.委員会は、障害のある人の権利の促進および保護に関する法律(2009年7月)および2008年障害児教育政策の採択を歓迎する。しかしながら委員会は、以下の点を懸念するものである。
  • (a) 障害のある子どもおよび障害の種別に関する正確なかつ細分化された統計データが存在しないこと。
  • (b) 締約国が障害の早期スクリーニング、発見、早期介入および予防のためのシステムを有していないこと。
  • (c) 障害のある子ども、とくに遠隔地(たとえば北東諸州)に住んでいる子どもおよび精神障害のある子どもが、依然として社会で著しく周縁化され、自分自身の家族からも拒絶され、かつ、とくに保健サービスおよび教育サービスへのアクセスの点で非常に差別されていること。
  • (d) 障害のある子どものためのサービスのほとんどがNGOによって提供されていること。
52.委員会は、締約国に対し、とくに必要な人的資源、技術的資源および財源を配分することによって、障害のある人の権利の促進および保護に関する法律および2008年障害児教育政策の効果的実施を確保するよう、促す。委員会はまた、締約国が以下の措置をとることも勧告するものである。
  • (a) 年齢、性別、障害の種別、地理的所在、民族および社会経済的背景によって細分化された、障害のある子どもに関する包括的データを収集するとともに、障害の原因を分析し、かつ障害の予防および障害のある子どもの援助のための政策およびプログラムを策定する際に当該データを活用すること。
  • (b) 障害の早期スクリーニング、発見、早期介入および予防に関する政策を採択すること。
  • (c) 障害のある子どものための基礎的サービスが国の責任で提供されることを確保すること。
  • (d) とくに農村部において、より多くの保健専門家を養成し、かつ障害のある子どもに保健サービスを提供する移動診療所を実施すること。
  • (e) メディア、市民社会組織およびコミュニティの指導者の援助を得ながら、障害のある子どもの権利に関する意識を高め、かつこれらの子どもに対する差別と闘うためのプログラムを実施すること。
  • (f) 普通教育および特別教育の質を向上させるとともに、さまざまな障害種別に適合した非公式教育プログラムおよび包括的かつ定期的な教員研修をさらに発展させること。
  • (g) 障害のある人の権利に関する国際条約を批准すること。
  • (h) 障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)を考慮すること。
健康および保健サービス
53.保健制度を発展させるために締約国が行なった努力には留意しながらも、委員会は、とくに遠隔地において保健サービスの利用可能性、アクセス可能性、質および実際の利用が限られていること、熟練の保健従事者が広範に不足していること、ならびに、保健ケアへのアクセスおよびその利用について農村部と都市部の間に根強い不平等が存在することを、懸念する。委員会はまた、以下の点についても特段の懸念を表明するものである。
  • (a) 乳児、5歳未満児および妊産婦の死亡率が依然として高いこと。
  • (b) 締約国の5歳未満児の半数が低体重であること。
  • (c) 下痢および肺炎のような予防可能かつ治療可能な疾病により、締約国で毎日推定100名の子どもが死亡していること。
  • (d) 路上の状況にある子どもを含む貧しい子どもを対象とする、無償の医療サービスが存在しないこと。
  • (e) 締約国で子ども向けの精神保健サービスが深刻に不足していること。
54.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
  • (a) すべての州を通じて無償のプライマリーヘルスケア・サービスへのアクセスを拡大するとともに、都市部および農村部双方の人々の利益となるようなやり方でこれらのサービスを提供するため、十分な人的資源、技術的資源および財源を配分すること。
  • (b) 産前および分娩時のケアを改善することも含め、新生児および乳幼児ならびに妊婦の死亡率を削減するための努力を強化すること。
  • (c) 5歳未満児の栄養不良の問題に包括的に対処するために緊急の措置をとること。
  • (d) 予防可能な子どもの健康問題(ヨウ素欠乏症、マラリア、下痢、急性呼吸器疾患、はしかおよび髄膜炎を含む)に対処するために緊急の行動をとること。
  • (e) WHOによる中核的勧告のすべての義務的要素(精神保健の促進、カウンセリング、プライマリーヘルスケア、学校およびコミュニティにおける精神保健障害の予防、ならびに、重度の精神保健上の問題を有する子どもおよび青少年を対象とした外来および入院による精神保健サービスを含む)を備えた、包括的かつ全国的な子どもの精神保健政策を策定すること。
  • (f) この点に関してとくにユニセフおよびWHOの技術的援助を求めること。
思春期の健康
55.委員会は、有害物質濫用の問題(アルコール、タバコおよび薬物を含む)を有する青少年の割合が高いことに、深刻な懸念を表明する。青少年に関するその他の懸念は、職場における事故および負傷、HIV、性感染症およびリプロダクティブヘルスに関する問題に関わるものである。委員会は、これらの問題に対処し、かつ委員会の前回の勧告を実施するためにとられた措置が限られていることを懸念する。委員会はさらに、2009年には自殺が青少年の死因の筆頭であったことを深く懸念するものである。
56.委員会は、思春期の健康に関する政策を促進し、かつリプロダクティブヘルス教育を強化するための基盤として、思春期の健康問題(精神保健を含む)の規模を判断するための包括的かつ学際的な研究を行なうべきである旨の、締約国に対する前回の勧告(CRC/C/15/Add.128、パラ53)をあらためて繰り返す。委員会はまた、締約国に対し、以下の措置をとるよう勧告するものである。
  • (a) 青少年を対象とする、青少年にやさしくかつジェンダーに配慮したカウンセリング・サービスならびにケアおよびリハビリテーションのための便益を発展させる努力を強化すること。
  • (b) 薬物を使用する子どもの依存脱却、解毒、治療、リハビリテーションおよび再統合のための介入が国際人権基準にしたがって行なわれることを確保するとともに、この目的のため、コミュニティを基盤とする薬物治療リハビリテーション・プログラムを発展させること。
  • (c) 若者の自殺およびその原因に関する詳細な研究を行なうとともに、この情報を活用して、ソーシャルワーカー、教員、ヘルスワーカーその他の関連の専門家と協力しながら、若者の自殺に関する国家的行動計画を策定しかつ実施すること。
  • (d) 思春期の健康と発達に関する委員会の一般的意見4号(2003年)から指針を得ること。
HIV/AIDS
57.委員会は、締約国でHIV感染率が相当に下降したことに、満足感とともに留意する。しかしながら委員会は、HIV予防のための努力が、子どもをHIVの危険性にさらす複合的な脆弱性に積極的に対処するためには依然として不十分であることを懸念するものである。委員会はまた、HIV/AIDS関連プログラムのために配分される資源の水準が低下しており、かつ、HIVに関わる年間支出のうち締約国が負担しているのは9%に過ぎないことも懸念する。委員会はさらに、HIVに感染して家族から拒否された子どもに対し、教育の継続、生存、カウンセリング、里親養護ならびに虐待および搾取からの保護のための社会福祉上の支援が十分に提供されていないことを懸念するものである。
58.委員会は、締約国に対し、HIV予防統制国家戦略計画の全面的実施のために必要な人的資源、技術的資源および財源を配分するとともに、とくに公衆教育キャンペーンを通じ、HIV/AIDSとともに生きている子どもに対するスティグマおよび差別を防止するために必要な措置をとるよう、促す。委員会は、HIV/AIDSと子どもの権利に関する委員会の一般的意見3号(2003年)およびHIV/AIDSと人権に関する国際指針に対して締約国の注意を喚起するものである。
生活水準
59.貧困層および脆弱な立場に置かれた人々の関する国家戦略(NSPS)の採択には留意しながらも、委員会は、この10年間に見られた相当のかつ持続的な経済成長にも関わらず、この成長の利益が公平に配分されていないことを懸念する。人口の3分の1はいまなお貧困線以下の生活を送っており、かつ農村人口の5分の1しか衛生設備にアクセスできていないためである。委員会はまた、現行の社会的セーフティネットの取り組み(たとえば奨学金および労働の対価としての食料)の実施が断片的であり、かつその地理的対象範囲が限定されていることも懸念する。
60.委員会は、締約国に対し、経済的に不利な立場におかれた家族、とくに農村部に住んでいる家族に対して支援および物的援助を提供し、かつ十分な生活水準に対するすべての子どもの権利を保障する努力を強化するよう、促す。
子どもおよび家族の立退き強制
61.土地収用法(2010年2月)および一時的定住に関する通達(2010年5月)が採択されたことには留意しながらも、委員会は、権力の立場にある人々によって行なわれた土地の強奪および立退き強制の結果、数千の家族および子ども、とくに都市部の貧困家族、小規模農家および先住民族コミュニティがその土地を奪われ続けていることに、深い懸念を表明する。
62.委員会は、締約国に対し、土地所有権の合法性に関する決定が行なわれるまで、全国的に立退き強制を一時禁止するよう促す。委員会はまた、締約国に対し、民間の活動および開発活動を理由とする立退き強制の結果、家族および子どもがホームレスとならないことを確保することも促すものである。委員会はさらに、締約国が、カンボジアの人権状況に関する特別報告者が土地および生計手段へのアクセスに関して行なった勧告(A/HRC/4/36およびA/HRC/7/42)を全面的に実施するよう勧告する。
母親とともに収監されている子ども
63.委員会は、母親とともに収監されている子ども、とくに、子どもの身体的、精神的および情緒的福祉にとって有害な条件のもと、過密状態にあるプノンペンのCC2刑務所ならびにタクマオ、コンポンチャムおよびコンポンチュナンの刑務所で暮らしている子どもについて、深刻な懸念を表明する。委員会は、子どもが食料および安全な飲料水を与えられておらず、母親が自分自身の配給食を子どもと分け合うことが期待されていること、および、子どもが、適切な換気設備のない監房に、著しく暑い環境のもと、結核のような感染症に罹患した者からも必ずしも隔離されないまま収容されていることが多いことを、とりわけ懸念するものである。委員会はまた、母親とともに収監されている子どもによる保健サービスへのアクセスが限られており、かついかなる形態の教育およびレクリエーション活動にもほぼまったくアクセスできていないことも懸念する。委員会はさらに、看守および他の受刑者による子どもの身体的虐待の事案について深刻に懸念するものである。
64.委員会は、締約国に対し、刑務所で暮らしている子どもおよびその母親の権利が尊重されることを確保するよう促す。委員会は、締約国に対し、母親およびその子どもに対して食料および保健サービスが提供され、かつ子どもが教育およびレクリエーション活動にアクセスできることを確保するため即時的措置をとるよう、促すものである。委員会はまた、締約国に対し、あらゆる形態の虐待から子どもを保護し、刑務所職員および他の収容者による子どもの虐待の報告をすべて調査し、かつ子どもに対する虐待の加害者に対して適切な懲戒措置をとるため、あらゆる必要な措置をとることも促す。

F.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条)

教育(職業訓練および職業指導を含む)
65.委員会は、初等中等学校の就学率を高め、国全体で教育への公正なアクセスを確保し、かつジェンダー格差を縮小することに関して締約国が達成した目覚ましい進展に、満足感とともに留意する。委員会はまた、「万人のための教育」イニシアティブの実施に対する締約国のコミットメントも歓迎するものである。しかしながら委員会は、締約国で教育がいまなお義務ではないこと、GDPの1.9%しか教育に支出されていないこと、および、教育支出が2007年以降減少していることに懸念を表明する。委員会はまた、以下の点についても懸念を表明するものである。
  • (a) 障害のある子ども、民族的マイノリティ出身の子どもおよび先住民族の子どもが教育へのアクセスの面で著しく差別されていること。
  • (b) マイノリティ人口が多いラタナキリ州およびモンドルキリ州のような一部地域で、就学関連指標がとりわけ低いこと。
  • (c) 締約国で、とりわけ農村部において、学校インフラ(とくにトイレおよび飲料水のような便益ならびに生徒のための教材等)が不十分であること。
  • (d) 締約国は、教員に対する追加費用の支払いの問題について対応がとられていることを対話の過程で明らかにしたものの、教員の給与が依然として低いこと。締約国で行なわれている汚職の全般的水準により、試験を受ける生徒を合格させるために教員が金銭を受け取る可能性が生じている。
  • (e) 中退率、欠席率および留年率が依然として明らかに高くかつ上昇しており、かつ女子が男子よりもはるかにその影響を受けていること。
  • (f) 教育省による定期的監視を受けずに運営されている私立学校の数が増えていること。
  • (g) 教育の質、カリキュラムの適切性および遠隔地に対する教育サービスの提供が依然として課題となっていること。
  • (h) 就学前教育その他の乳幼児期の発達のための機会が、ほとんどの子ども、とくに都市部以外の子どもにとって基本的に手の届かないままであること。
  • (i) 職業教育に関する情報が締約国報告書に記載されていないこと。
66.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
  • (a) 基礎教育を義務的なものとすること。
  • (b) 締約国全域で十分な学校施設を拡大し、建設しかつ再建する目的で教育部門に一層の資源を配分するとともに、障害のある子どもおよびすべてのマイノリティ出身の子どもを歓迎する真にインクルーシブな教育制度を創設すること。
  • (c) 教育制度におけるあらゆる形態の汚職を押しとどめるために必要な措置をとること。
  • (d) ラタナキリ州およびモンドルキリ州のようなマイノリティ人口が多い地域にとくに注意を払いながら、中退率および留年率に対処するためにいっそうの努力を行なうこと。
  • (e) 社会的動員キャンペーンを通じて教育に対する女子の権利を促進するために積極的措置をとるとともに、十分な訓練を受けた女性教員の人数を増やし、かつその安全を確保すること。
  • (f) クメール語の話者ではない者を対象とする二言語教育をさらに拡大すること。
  • (g) カリキュラムの改訂、双方向的学習手法の活用および訓練を受けた教員の雇用を通じ、教育の質の向上を促進すること。
  • (h) ホリスティックな乳幼児期発達教育プログラム(コミュニティを基盤とするプログラムを含む)をさらに発展させ、かつ、低所得家庭および農村部に住んでいる家庭の子どももこれらのプログラムにアクセスできることを確保すること。
  • (i) 青少年および早期に学校を離れた者に対し、職業教育を提供すること。
  • (j) 教育の目的に関する一般的意見1号(CRC/GC/2001/1)を考慮すること。

G.特別な保護措置(条約第22条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)~(d)、第30条、第32~36条)

経済的搾取(児童労働を含む)
67.最悪の形態の児童労働の撤廃に関する国家行動計画の採択、ならびに、ミレニアム開発目標に基づいて2015年までに働く子どもの人数を8%にまで削減することおよび2016年までに最悪の形態の児童労働に完全に終止符を打つことに対する締約国のコミットメントには留意しながらも、委員会は、締約国で150万人以上の子どもが経済活動を行なっており、かつおよそ25万人の子どもが最悪の形態の児童労働に従事していることに、懸念を表明する。委員会はまた、数千人の子どもが、とくに首都プノンペンにおいて、家事労働者として奴隷類似の条件下で働いていることも深刻に懸念するものである。
68.委員会は、締約国に対し、とくに以下の措置をとることを通じて、児童労働法を全面的に執行しかつ最悪の形態の児童労働の撤廃に関する国家行動計画を実施するよう、促す。
  • (a) 児童労働を禁ずる国内法を強化すること。
  • (b) これとの関連で、子どもの家事労働者が置かれた権利を侵害されやすい状況に国際基準にしたがって対処することに優先的に取り組むこと。
  • (c) 労働査察官を増員し、かつ、不法な児童労働を利用した者に罰金および刑事制裁が科されることを確保すること。
  • (d) 法執行官、検察官および裁判官を対象とする義務的研修を開催すること。
  • (e) 働いていた子どもの回復および教育機会へのアクセスをジェンダーに配慮したやり方で促進するため、適当な措置をとること。
路上の状況にある子ども
69.委員会は、路上の状況にある子どもの問題に対処し、かつこれらの子どもに十分な援助を提供するための具体的な機構および資源が存在しないことに、懸念を表明する。委員会は、2008年初頭に行なわれたもののような、警察が実施する「路上一掃」作戦についてとりわけ懸念するものである。これらの作戦の期間中、路上の状況にある多くの子どもが、社会問題省プノンペン局が運営する2か所の更生センター(コー・ロムドールおよびプレイ・スプー)に送致され、不法に監禁され、かつさまざまな虐待を受け、なかには死亡に至った事例(自殺によるものも含む)も存在する。
70.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。
  • (a) 路上の状況にある子どもを保護し、これらの子どもが回復および再統合のためのサービスを提供されることを確保し、かつ、これらの子どもを家族と再結合させることを目的とした、家族およびコミュニティを基盤とする介入策を優先的に実施するため、あらゆる必要な措置をとること。
  • (b) 「路上一掃作戦」の実行および路上の状況にある子どもの犯罪者扱いを中止するとともに、これらの子どもの状況に、その権利および尊厳を尊重する方法で対処すること。
  • (c) コー・ロムドールおよびプレイ・スプーの両センターにおける子どもの拘禁および虐待について独立した立場からの調査を開始し、かつ、これらの調査の成果に関する包括的情報を次回の定期報告書で提供すること。
性的搾取および虐待
71.委員会は、締約国で数千人の子どもが搾取により売春をさせられており、かつ子どもの強姦が締約国で増加していること、ならびに、性的虐待および搾取のほとんどが締約国の国民によって行なわれていることに、深い懸念を表明する。委員会はまた、児童セックス・ツーリズムが近年増加していること、および、憂慮すべき割合の子どもがとくにインターネットを通じて性暴力およびポルノグラフィーにさらされていることも、深刻に懸念するものである。委員会はさらに以下のことを懸念する。
  • (a) とくに、法執行機関が奨励する、性的虐待事件における示談および賠償の慣行が広く行なわれていることを理由として、子どもの性的虐待および搾取の加害者がめったに訴追されないこと。
  • (b) 性犯罪者に対して、かつ未成年の女子が性的に搾取されている売春宿その他の性的施設の経営者に対してとられる措置が限られていること。
  • (c) 性的虐待および搾取の被害を受けた子どものための心理社会的リハビリテーション・サービスおよびシェルターがもっぱら首都に集中しており、かつもっぱら非政府組織によって運営されていること。
72.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。
  • (a) 子どもに対して性犯罪を行なった者がしかるべき形で裁判にかけられ、かつ適当な処罰による制裁を受けることを確保する目的で、性的搾取および虐待を犯罪化した法律を実施するための努力を強化すること。
  • (b) セックス・ツーリズムを可能にし、その便宜を図りまたはこれを悪化させる個人および事業者を非難し、かつこれらの個人および事業者に対して積極的措置をとること。
  • (c) 性的虐待および搾取の被害を受けた子どものためのシェルターを設置し、かつリハビリテーション、回復および社会的再統合のためのサービスを提供すること。
子どもの売買および人身取引
73.委員会は、子どもの人身取引と闘うために締約国がとった多数の措置、とくに、中央および州のレベルに人身取引対策・少年問題局が設置されたことおよび人身取引警察班が創設されたことを歓迎する。しかしながら委員会は、多くの女性および子どもが、同国から国外への、同国を通じてのおよび国内における、性的搾取および強制労働目的の人身取引の対象とされ続けていることを懸念するものである。委員会はまた、人身取引を行なった者の訴追件数および有罪判決数が少ないことについて経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会が2009年に表明した懸念(E/C.12/KHM/CO/1、パラ26)も共有する。
74.委員会は、とくに犯罪者を訴追しかつ有罪とし、人身取引を防止するためのプログラムおよび広報キャンペーンを支援し、法執行官、検察官および裁判官を対象として人身取引禁止法制に関する義務的研修を実施し、かつ、被害者を対象とする医学的、心理的および法的支援の提供を増強することにより、締約国が、性的搾取および強制労働を目的とした人(とくに女性および子ども)の売買および取引と闘うための努力を強化するよう、勧告する。
難民および庇護希望者
75.2009年に20名のウイグル人庇護希望者(子ども2名を含む)が中国に強制送還されたことについて、とくに拷問禁止委員会によって表明された懸念(CAT/C/KHM/CO/2、パラ24)を共有しつつ、委員会は、締約国に対し、国際難民法および国際人権法(条約を含む)にしたがってノン・ルフールマンの原則を遵守するよう促す。
少年司法の運営
76.委員会は、新刑事訴訟法(2007年)および刑法(2009年)第1編によって警察による子どもの留置および子どもの審判前勾留に制限が課されたこと、ならびに、刑事責任に関する最低年齢が14歳と定められたことを歓迎する。しかしながら委員会は、子ども裁判所または子どもの権利を専門とする裁判官もしくは検察官が存在しないこと、子どもが裁判所によって成人として刑を言い渡されることが多いこと、および、子どもが一般的に成人刑務所に収容されていることを懸念するものである。委員会は、さらに以下の懸念を表明する。
  • (a) 重罪事件における加重事由法(2001年)が、2名以上の犯罪者によって行なわれた窃盗について刑を加重することとしており、量刑に関しておとなとこどもを区別していないこと。
  • (b) 圧倒的多数の子どもが審判開始まで弁護士と接見していないこと。
  • (c) 近年、拘禁される子どもの人数が憂慮すべき増加を見せており、かつ、法律が選択肢を定めているにも関わらず、拘禁に代わる手段がめったに利用されていないこと。
  • (d) 刑務所への子どもの収容のおよそ半数が審判前勾留であり、かつ2か月の法定期限を超えている例が多いこと。
  • (e) 子どもが収容されている拘禁センターで一般的な生活環境が劣悪であり、かつ悪化していること。
  • (f) 拘禁された子どもが教育または職業訓練にまったくまたはほとんどアクセスできず、かつカウンセリング・サービス(薬物依存およびアルコール依存に関するものも含む)およびレクリエーション活動へのアクセスも限られていること。
  • (g) 刑務所に収容された子どもの状況の監視が深刻に制限されていること。
  • (h) 更生プログラムが存在せず、かつ、法律に関わることになった子どもに対応する、特別訓練を受けた職員およびソーシャルワーカーの人数も限られていること。
77.委員会は、締約国が、条約、とくに第37条、第39条および第40条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)、刑事司法制度における子どもに関する行動についてのウィーン指針および少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)を含む他の関連の基準に、少年司法制度を全面的に一致させるよう勧告する。とくに、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。
  • (a) 国の全域で専門の少年裁判所を設置すること。
  • (b) いかなる子どもも、法律に関わることになったまたは法律に触れた際、とくに逮捕および捜査の段階において、虐待および拷問の対象とされないことを確保すること。
  • (c) 被害を受けた子どもおよび罪を問われた子どもの双方に対し、手続の早い段階でかつ法的手続全体を通じて、十分な法的その他の援助を提供すること。
  • (d) 自由を奪われまたは更生センターもしくは拘禁施設に措置された子どもがけっして成人とともに収容されないこと、これらの子どもに対して安全なかつ子どもに配慮した環境が与えられること、および、これらの子どもが家族と定期的接触を維持し、かつ食料、教育および職業訓練を提供されることを確保すること。
  • (e) いずれかの形態で自由を奪われた子どもに対し、措置決定の再審査を受ける権利を認めること。
  • (f) 可能なときは常に、ダイバージョン、保護観察、カウンセリング、地域奉仕または刑の執行猶予のような、拘禁に代わる措置を促進すること。
  • (g) UNODC〔国連薬物犯罪事務所〕、ユニセフ、OHCHRおよびNGOも参加する「少年司法に関する機関横断パネル」に対し、少年司法および警察の研修の分野でさらなる技術的援助を求めること。
犯罪の証人および被害者の保護
78.委員会は、締約国が、十分な法律上の規定および規則を通じ、犯罪の被害を受けたおよび(または)犯罪の証人であるすべての子ども(たとえば、虐待、ドメスティック・バイオレンス、性的および経済的搾取、誘拐ならびに人身取引の被害を受けた子どもならびにこのような犯罪の証人)が条約で求められている保護を提供されることを確保し、かつ、子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針(経済社会理事会決議2005/20付属文書)を全面的に考慮するよう、勧告する。
ベトナム系の子ども
79.委員会は、ベトナム系の子どもがいまなお市民として認められていないことにより、このような子どもが、身分証明書類にアクセスできないまま劣悪なかつ隔離された環境で生活しており、かつ人身取引および搾取の被害を非常に受けやすい状況に置かれていることを、懸念する。委員会は、ベトナム系の女子および若い女性の社会経済的地位が低いことにより、その3分の1が売春のために売られているという報告があることを、とくに懸念するものである。
80.委員会は、締約国に対し、ベトナム系の子どもが差別を受けていることを認めるとともに、これらの子どもが置かれた状況に対処し、かつこれらの子どもが出生登録、身分証明書類、公教育および保健ケア・サービスに効果的にアクセスできることを確保するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はまた、締約国に対し、ベトナム系の子どもに対する差別を終わらせ、かつ当該コミュニティに属する女性および女子の性的搾取および虐待を防止するためにとられた措置に関する情報を、次回の定期報告書で提供するよう促すものである。

H.国際人権文書の批准

81.委員会は、締約国に対し、子どもの権利条約の両選択議定書に関する第1回報告書を速やかに提出するよう求める。委員会はまた、締約国に対し、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、障害のある人の権利に関する条約、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約および強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約を含むすべての中核的人権文書に加入することも、奨励するものである。

I.地域機関および国際機関との協力

82.委員会は、締約国が、締約国および他の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の双方における条約その他の人権文書の実施に向けて、ASEAN女性・子ども委員会と協力するよう勧告する。

J.フォローアップおよび普及

83.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を政府、議会および州評議会の構成員ならびに適用可能なときは他の地方政府に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。
84.委員会はさらに、条約およびその実施に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第2回定期報告書および文書回答ならびに委員会が採択した関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。

K.次回報告書

85.委員会は、締約国に対し、次回の第4回~第6回統合報告書を2018年5月13日までに提出するよう慫慂する。委員会は、委員会が2010年10月1日に採択した条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2)に対して注意を喚起するとともに、締約国が、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、報告ガイドラインにしたがった報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつその後再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。


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