総括所見:ポーランド(OPAC・2009年)


CRC/C/OPAC/POL/CO/1(2009年10月22日)/第52会期
原文:英語(平野裕二仮訳)

1.委員会は、2009年9月22日に開かれた第1436回および第1437回会合(CRC/C/SR.1436およびCRC/C/SR.1437参照)においてポーランドの第1回報告書(CRC/C/OPAC/POL/1)を検討し、2009年10月2日に開かれた第1453回会合において以下の総括所見を採択した。

2.委員会は、選択議定書に基づく締約国の第1回報告書および委員会の事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/OPAC/POL/Q/1/Add.1)の提出を歓迎する。にもかかわらず、委員会は、締約国の報告書が簡潔であり、さらに議定書に基づく報告についてのガイドラインにしたがっていなかったこと、および、事前質問事項に対する締約国の回答が簡潔であったことを遺憾に思うものである。
3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づく締約国の第1回報告書に関して2009年10月2日に採択された総括所見(CRC/OPSC/POL/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。

積極的側面

4.委員会は、18歳未満の者が義務的徴募の対象とされることはない旨を定めたポーランド法の規定(ポーランド共和国防衛のための一般的義務に関する1967年11月21日の法律第4条第1項)に、評価の意とともに留意する。
5.委員会はまた、締約国が、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書を2005年2月に批准したことも歓迎する。

I.実施に関する一般的措置

選択議定書の実施の調整および評価
6.委員会は、教育省が選択議定書の実施を履行する担当機関であることに留意する。にもかかわらず、委員会は、選択議定書の規定が有する幅広い司法上および軍事上の側面を考慮するうえで教育省が課題に直面する可能性があることを懸念するものである。
7.委員会は、締約国が、選択議定書の実施に関わるすべての主体(市民社会を含む)の関与を得た効果的な調整機関が教育省によって設置されることを確保するよう、勧告する。委員会はさらに、教育省が、選択議定書の遵守状況を評価するための定期的評価機構を発展させることも勧告するものである。
普及および研修
8.委員会は、セミナーの活用、ハンドブックの刊行および赤十字国際委員会との協力等を通じて選択議定書についての意識を高めるために締約国が行なっている努力に留意する。しかしながら委員会は、選択議定書に関する一般公衆の意識が低いままであることを懸念するものである。
9.委員会は、締約国が、選択議定書の原則および規定が子どもを含む一般公衆に対して広く普及されることを確保するよう勧告する。

II.防止

志願入隊
10.委員会は、ポーランド共和国防衛のための一般的義務に関する1967年11月21日の法律の改正法案にしたがって志願入隊に関する最低年齢が18歳に引き上げられる旨の、締約国との対話の際に提供された情報を歓迎する。
11.委員会は、締約国が、志願入隊に関する最低年齢を18歳に引き上げられるようこの法案の処理を速やかに進めることにより、18歳未満の者がポーランド軍に入隊しないことを確保するよう勧告する。
公衆の意識および平和教育
12.委員会は、選択議定書が、前期および後期の中等学校の必須カリキュラム科目「安全保障教育」に含まれており、当該科目において国際法および人道法についての学習に統合されていることを歓迎する。しかしながら委員会は、人権教育においてこの教科が本来あるべきほど重視されていない可能性があること、および、一般公衆が選択議定書についての意識を欠いていることを懸念するものである。
13.委員会は、締約国が、市民社会組織と連携しながら以下の措置をとるよう勧告する。
  • (a) 紛争解決および平和に関する国際法および国際政策についての一貫したかつ包括的な情報があらゆる段階の教育制度で提供されることを確保するための、方法論的アプローチを発展させること。
  • (b) 平和の価値および人権の尊重を促進するための研修プログラムおよびキャンペーンを発展させかつ実施すること。
  • (c) 選択議定書の原則および規定に関わって公衆の意識を高めるための努力を強化すること。

III.禁止および関連の事項

現行刑事法令
14.委員会は、刑法第142条第2項が、軍隊への子どもの徴募を禁止して選択議定書の規定を部分的に実施していることに留意する。しかしながら委員会は、このような徴募および敵対行為への子どもの関与が法律で明示的に禁じられていないことを懸念するものである。
15.委員会は、締約国が、子どもの徴募および敵対行為への関与に関連する選択議定書の規定の違反を犯罪化する明示的な規定を刑法に設け、かつ、当該規定に敵対行為への直接参加の定義が含まれることを確保するよう、勧告する。

IV.保護、回復および再統合

身体的および心理的回復のための援助
16.委員会は、国外で武力紛争に関与させられた可能性のある子どもを特定するための措置に関する情報が少ないことを遺憾に思う。
17.締約国が、国外で武力紛争に関与させられた可能性のある子ども(子どもの庇護希望者および難民を含む)を特定するための機構を設置するよう勧告する。委員会はさらに、締約国が、これらの子どもに対し、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための適切な援助を提供するための措置をとるよう勧告するものである。

V.国際的な援助および協力

18.委員会は、国際連合の平和維持活動に締約国が積極的に貢献していることに、評価の意とともに留意する。
19.委員会は、締約国が、自国の要員が武力紛争に関与する子どもの権利を全面的に認識し、かつ分遣隊がその責任および説明責任について認識することを引き続き確保するよう、勧告する。

VI.フォローアップおよび普及

20.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を関連の政府省庁、議会ならびに関連の国家当局および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。
21.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および文書回答ならびに委員会が採択した関連の総括所見を公衆一般が広く入手できるようにすることを勧告する。

VII.次回報告書

22.第8条第2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回定期報告書に記載するよう要請する。


  • 更新履歴:ページ作成(2017年2月28日)。