子どもの権利委員会・一般的討議勧告:女子


(第8会期、1995年)
原文:英語(付属文書V)
日本語訳:平野裕二

結論

A.国内的措置

1.政治領域
 子どもおよび女性の権利に一致する形で具体的な優先課題および目標を掲げた、国内的実施のための適切な政策および全般的な統合的戦略を策定することにより、行動するという真正な意思を実証すること。
 子どもの権利条約の実施に関する報告書を、子どもの権利委員会に対して定められた期限内に提出するとともに、教育、保健、就労等の領域におけるさまざまな形態の不平等および差別に関連する、ジェンダーに特化したすべてのデータおよび統計が当該報告書に含まれることを確保すること。
 女子の権利の増進に、国内のあらゆる社会層(男性、コミュニティの指導者および宗教的指導者を含む)が参加するよう奨励すること。
 女子のために活動している非政府組織および女性団体に対し、これらの組織および団体が必要としている支援を提供すること。

2.立法領域
 子どもの権利条約および女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の、すべての国による批准に向けて歩を進めること。
 子どもの権利条約の基本的原則にいっちしない留保の撤回の可能性を検討すること。
 両性の平等な権利義務の原則の尊重を確保するための国内法を採択すること(最低婚姻年齢は一例である)。
 国内法の違反に対する制裁を定め、かつ実施のための機構を設置すること。

3.子どもの権利条約の実施に関して
  • (a) 情報および教育
 不平等、ステレオタイプおよび社会的無関心と闘うための適切なメッセージを採用することにより、メディア、広告および学校教科書における女性のイメージを変革すること。
 公式部門および非公式部門における親教育を促進すること。
 人権教育のための国際連合10年の一環として、学校カリキュラムおよび教員養成プログラムに子どもの権利についての教育を編入すること。
 姉妹、母親および配偶者としてだけではなく人間としての女子の固有の尊厳を保障するうえで、また女子が国の生活に主体的に参加する平等な機会を享受することを確保するうえで家族が果たすべき役割について、家族が認識するようにすること。

  • (b) 健康
 女子が保健サービスにアクセスできることを確保すること。
 女子に特有の健康上のニーズに特段の注意を払いながら、保健専門家の研修を強化すること。
 有益な伝統的慣行を促進するとともに、女子の健康および発達にとって有害な伝統的慣行と闘うこと。

4.条約実施の評価
 信頼できる、ジェンダーに特化した情報および統計を収集するためのシステムを設置すること。
 具体的な文化的、宗教的および社会学的問題についての理解を発展させるために必要な調査研究を実施すること。

B.国際的措置

1.委員会がとるべき措置
 世界女性会議の活動に参加すること。
 世界人権会議の結論のフォローアップおよび実施に加わること。
 女性差別撤廃委員会との協力を強化すること。
 国際連合専門機関および非政府組織の支援を得ながら、助言機関としての委員会の役割を促進すること。
 報告書の検討との関連で各国政府に送付される質問事項一覧に、あらゆる形態の差別に関するジェンダーに特化したデータの要請を含めること。

2.国際機関がとるべき措置
 各機関に特有の行動領域を顧慮しながら、国際組織間の共同活動を実施すること。


  • 更新履歴:ページ作成(2017年2月17日)。