国連・子どもの権利委員会 個人通報 決定一覧

  • 通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書および国連・子どもの権利委員会の手続規則:平野裕二訳
    • (注)2011年12月19日の国連総会決議66/138により無投票採択。
  • 出典(国連人権高等弁務官事務所)

決定済みの事案:被申立国(結果):決定番号(決定年)

(注)★は本案審査が行なわれた事案。
  • スペイン(不受理):CRC/C/69/D/1/2014(2015年)
    • 保護者のいない未成年であると主張する申立人が、医学的検査により成人と判断されたために国による保護を否定されたのは条約違反であると主張した事例。関連の決定が選択議定書の発効前に行なわれたものであるため、委員会には時間的管轄権がないとして不受理。
  • スペイン(不受理):CRC/C/73/D/2/2015(2015年)
    • 明らかに根拠を欠き、委員会には事項的管轄権がないとして不受理。
  • コスタリカ(不受理):CRC/C/74/D/5/2016(2016年)
    • 明らかに根拠を欠くとして不受理。出生登録関連の事案。
  • スペイン(審理の打ち切り)CRC/C/75/D/9/2017(2017年)
    • 子どもの最善の利益関連の事案。
  • デンマーク★(条約違反を認定):CRC/C/77/D/3/2016(2018年)
    • FGM(女性性器切除)のおそれがあるプントランド(ソマリア)に女児を送還する旨の決定は条約3条・19条に違反すると認定した事案。
  • ベルギー★(条約違反を認定):CRC/C/79/DR/12/2017(2018年)
    • 遺棄された後、ベルギー人・モロッコ人のカップルに「カファラ」(養子縁組に類似したイスラム教の制度)を通じて引き取られたモロッコ国籍の子どもが人道的査証の発給を受けられなかった事案。
  • スペイン★(条約違反を認定):CRC/C/79/D/11/2017(2018年)
    • 保護者がおらず、身分証明書類も有していない子ども(と主張する者)を年齢鑑別検査によって成人と認定し、退去強制のために成人向けの入管収容施設に拘禁したことが争われた事案。
  • パラグアイ★(条約違反を認定):CRC/C/83/D/30/2017(2020年)
    • アルゼンチンに住む父親との面会交流について定めた司法決定の執行を確保するための実効的措置をとらなかったことが条約3条・9条・10条に違反すると認定された事案。(概要
  • ドイツ(不受理):CRC/C/83/D/60/2018(2020年)
    • 地方選挙当時16歳であった申立人が、年齢を理由として同選挙における投票が認められなかったのは条約2条・3条・12条等に違反すると主張した事案。申立人が州憲法裁判所への申立てを行なっていなかったことから、国内救済措置が尽くされていないと判断された。(概要
  • デンマーク(審理打ち切り):CRC/C/83/D/52/2018(2020年)
    • シリア出身の母親を第1次庇護国であるギリシアに送還するのは条約違反であるとして、デンマークですでに在留資格を認められていた6人の子どもたちが申立てを行なった事案。デンマークが母親の在留を認める決定を行なったことにより問題が解決されたため、申立人らの同意を得て審理が打ち切られた。(概要
  • デンマーク★(条約違反を認定):CRC/C/85/D/31/2017(2019年)
    • 中国への子どもの送還について、中国戸籍に登録されない可能性があることなどを理由に条約第3条(子どもの最善の利益)、第6条(生命・生存・発達に対する権利)および第8条(身元関連事項・アイデンティティの保全に対する権利)が認定された事案。(概要
  • スイス★(条約違反を認定):CRC/C/85/D/56/2018(2020年)
    • 第3次ダブリン規則を適用してアゼルバイジャン国籍の子どもをイタリアに送還するとした当局の決定が条約第3条(子どもの最善の利益)および第12条(子どもの意見の尊重)に違反すると認定された事例。(概要
  • フィンランド★(条約違反を認定):CRC/C/86/D/51/2018(2021年)
    • ロシア出身のレズビアン・カップルの子どもの在留を認めなかったことについてフィンランド移民局の対応に瑕疵があったとして、条約第3条(子どもの最善の利益)、第19条(虐待等からの保護)および第22条(難民の子ども)の違反を認定した事案。(概要
  • スペイン★(条約違反を認定):CRC/C/87/D/115/2020(2021年)
    • モロッコ国籍の子どもに対して小学校への入学を速やかに認めなかったことについて、条約第2条(差別の禁止)、第3条(子どもの最善の利益)、第28条(教育に対する権利)などの違反を認定した事案。(概要
  • スイス★条約違反を認定:CRC/C/88/D/95/2019(2021年)
    • シリアから避難してきた母子を経由国であるブルガリアに送還する旨のスイス当局の決定について、第3条1項(子どもの最善の利益)と第12条(子どもの意見の尊重)の違反に加え、第6条2項(生存・発達に対する権利)、第7条(国籍に対する権利)、第16条(私生活・家族の保護)、第22条(難民の子どもの権利)、第27条(十分な生活水準に対する権利)、第28条(教育に対する権利)、第37条(拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱い等から保護される権利)および第39条(被害を受けた子どもの心身の回復・社会復帰)の違反を認定した事案。(概要
  • アルゼンチン(CRC/C/88/D/104/2019)・ブラジル(CRC/C/88/D/105/2019)・フランス(CRC/C/88/D/106/2019)・ドイツ(CRC/C/88/D/107/2019)・トルコ(CRC/C/88/D/108/2019)(受理不能;2021年)
    • 十分な気候変動対策がとられないために権利が脅かされているとして12か国の子ども16人が行なった申立てについて、国内救済措置が尽くされていないとして受理不能とされた事案。(概要委員会による子どもたちへの説明
  • フランス★条約違反を認定:CRC/C/89/D/77/2019;CRC/C/89/D/79/2019;CRC/C/89/D/109/2019(2022年)
    • シリアのキャンプに収容されているフランス国籍の子どもを帰還させるための措置をとらなかったことについて、第3条(子どもの最善の利益)、第6条1項(生命に対する権利)、第37条(a)(拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱い等から保護される権利)の違反を認定した事案。(概要
  • チリ★条約違反を認定:CRC/C/90/D/121/2020(2022年)
    • 子どもが母親によって奪取されたと父親が申し立てた事案で、子どもの最善の利益評価を実施せずに最高裁が子どもの返還を命じたことが第3条1項(子どもの最善の利益)違反にあたると認定された事案。(概要
  • ジョージア★条約違反を認定:CRC/C/90/D/84/2019(2022年)
    • 公立幼稚園で行なわれたとされる体罰に関して迅速かつ実効的な調査を行なわなかったことを理由に条約第19条(虐待その他の暴力からの保護)違反が認定された事案。(概要
  • フィンランド★条約違反を認定:CRC/C/91/D/100/2019(2022年)
    • シリアのキャンプに収容されているフィンランド国籍の子どもを帰還させるための措置をとっていないことについて、第6条1項(生命に対する権利)および第37条(a)(拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱い等から保護される権利)の違反を認定した事案。(概要
  • スイス(審理打ち切り):CRC/C/92/D/126/2020(2023年)
    • シリアから避難してきたクルド人の子ども4人(10~14歳、いずれもシリア国籍)およびその母親を最初の庇護国であるブルガリアに送還するという決定について、政府が決定を撤回して母子の難民認定を行なったことから、真理が打ち切られた事案。(概要
  • ペルー★条約違反を認定:CRC/C/93/D/136/2021(2023年)
    • 強制性交・近親姦の被害者である13歳の少女が中絶サービスにアクセスすることを否定され、自己堕胎罪で訴追されたことについて、条約の多くの規定の違反が認定された事案(事案の概要)。
  • チェコ★条約違反を認定:CRC/C/93/D/139/2021(2023年)
    • 不登校状態にあった子どもの健康・教育に対する権利の確保を名目として行なわれた施設措置について、第3条1項(子どもの最善の利益)、第9条1~3項(親子の分離禁止原則)、第12条(子どもの意見の尊重)および第37条(b)(自由を不法にまたは恣意的に奪われない子どもの権利)違反が認定された事案。(事案の概要
  • デンマーク★条約違反を認定:CRC/C/94/D/145/2021(2023年)
    • 在留許可を付与されている3人の子どもから父親を引き離して国籍国(ナイジェリア)に送還する旨の決定について、条約第3条(子どもの最善の利益)および第9条(親子の分離禁止原則)に違反すると認定された事案。(事案の概要

  • ページ作成(2015年9月26日)。/~/決定済みの事案にCRC/C/92/D/126/2020(スイス、審理打ち切り)を追加(2023年2月6日)。/決定済みの事案にCRC/C/93/D/136/2021(ペルー)を追加(6月19日)。/決定済みの事案にCRC/C/93/D/139/2021(チェコ)を追加(7月10日)。/決定済みの事案にCRC/C/94/D/145/2021(デンマーク)を追加(2024年2月22日)。
最終更新:2024年02月22日 00:35