総括所見:アイスランド(OPAC・2006年)


CRC/C/OPAC/ISL/CO/1 and CRC/C/OPAC/ISL/CO/1/Corr.1(2006年6月1日)※日本語訳には正誤表による訂正を反映させた。
原文:英語(平野裕二仮訳)

1.委員会は、2006年5月26日に開かれた第1146回会合(CRC/C/SR.1146参照)においてアイスランドの第1回報告書(CRC/C/OPAC/ISL/1)を検討し、2006年6月2日に開かれた第1157回会合において以下の総括所見を採択した。

A.序

2.委員会は、締約国の第1回報告書の提出および事前質問事項(CRC/C/OPAC/ISL/Q/1)に対する文書回答の提出を歓迎する。委員会は、ハイレベルな代表団との間に持たれた率直かつ建設的な対話を評価するものである。
3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、締約国の第2回定期報告書に関して2003年1月31日に採択され、かつCRC/C/15/Add.203に掲げられた、委員会の以前の総括所見とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。

B.積極的側面

4.委員会は、武力紛争への子どもの関与を防止するために締約国が行なっている二国間のおよび国際的な技術的協力活動に、評価の意とともに留意する。
5.委員会はまた、締約国が、国際刑事裁判所ローマ規程を2000年5月25日に、かつ最悪の形態の児童労働の禁止および撤廃のための即時の行動に関する国際労働機関(ILO)第182号条約を2000年5月29日に批准したことにも留意する。

C.主要な懸念領域および勧告

立法
6.委員会は、締約国が軍隊を有しておらず、そのため志願入隊または義務的徴募について法的規制が行なわれていないことに留意する。しかしながら、軍隊が存在しないからといって、個人または集団が外国の軍隊または武装集団のために子どもを徴募しようとする可能性が排除されるわけではなく、委員会は、子どもの徴募が締約国の刑法で明示的に犯罪とされていないことを懸念するものである。
7.軍隊または武装集団のための子どもの徴募および敵対行為における子どもの使用を防止するための国内的および国際的措置を強化するため、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
  • (a) 15歳未満の子どもを軍隊/武装集団に徴募すること、および、このような子どもが敵対行為に直接参加することを、法律で明示的に禁止すること。
  • (b) 子どもの徴募および敵対行為への関与に関する選択議定書の規定に違反することを、法律で明示的に禁止すること。
  • (c) これらの犯罪について、当該犯罪が締約国の市民である者もしくは締約国と他のつながりを有する者によってまたはこれらの者に対して行なわれた場合の域外裁判権を設定すること。
  • (d) 軍の要員は、選択議定書に掲げられた権利を侵害するいかなる行為も、その旨のいかなる軍令の存在にも関わらず行なうべきではない旨を、明示的に規定すること。
身体的および心理的回復のための援助
8.委員会は、子どもの難民に対する特別な援助ならびに心理的および社会的支援について締約国報告書に記載された情報に留意する。しかしながら委員会は、子どもの難民、庇護希望者および移住者であって武力紛争に関与したことがある者の心理的および身体的回復ならびに社会的再統合についての情報が存在しないことを、遺憾に思うものである。
9.委員会は、締約国に対し、上述のサービスをアイスランド内外で継続し、かつ必要なときは強化するよう奨励する。委員会は、締約国が、次回の報告書において、その管轄内にある子どもの難民、庇護希望者および移民であって母国で敵対行為に関与した可能性のある者、ならびに、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のために提供される援助についての情報を提供するよう、要請するものである。
10.委員会はまた、締約国が、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(CRC/GC/2005/6)に留意するよう勧告する。
財政援助その他の援助
11.委員会は、武力紛争における子どもの問題に対応するために締約国が多国間レベルで行なっている協力(国連専門機関に対する財政的支援も含む)に、評価の意とともに留意する。委員会はまた、締約国が現場で行なっている二国間の活動も心強く思うものである。委員会は、締約国が、とくに防止活動に焦点を当てながら、武力紛争への子どもの関与に関する問題に対応するための二国間および多国間の活動を引き続き強化するよう、勧告する。
文書の普及
12.選択議定書第6条2項にしたがい、委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および文書回答ならびに委員会が採択した総括所見を公衆一般が広く入手できるようにすることを勧告する。

D.次回報告書

13.第8条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の(第3回・第4回)定期報告書(提出期限2008年5月26日)に記載するよう要請する。


  • 更新履歴:ページ作成(2012年4月2日)。