総括所見:フランス(OPAC・2007年)


CRC/C/OPAC/FRA/CO/1(2007年10月5日)
原文:英語(平野裕二仮訳)

1.委員会は、2007年9月26日に開かれた第1270回会合においてフランスの第1回報告書(CRC/C/OPAC/FRA/1)を検討し、2007年10月5日に開かれた第1284回会合において以下の総括所見を採択した。

A.序

2.委員会は、締約国の包括的な第1回報告書が提出されたことを歓迎するものの、当該報告書に海外県および海外領土についての情報が記載されていないことを遺憾に思う。委員会はさらに、事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/OPAC/FRA/Q/1/Add.1)を歓迎するともに、部門横断型の代表団との間に持たれた建設的対話を評価するものである。
3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、締約国の第2回定期報告書に関して2004年6月4日に採択された以前の総括所見(CRC/C/15/Add.240)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。

B.積極的側面

4.委員会は、武力紛争における子どもの問題に対応するために締約国が行なっている積極的な国際的関与を歓迎する。
  • (a) 子どもと武力紛争に関する事務総長特別代表に対して提供している技術的援助。
  • (b) 議定書の実施に関与している非政府組織への財政支援。
  • (c) 武力紛争における子どもに関する安全保障理事会作業部会の設置(2005年11月)以来の、議長国としての締約国の積極的関与。

C.主要な懸念領域および勧告

1.実施に関する一般的措置

立法
5.委員会は、選択議定書第1条にしたがって18歳未満のすべての子どもが敵対行為に参加しないことを確保するため、国防省が国防法典改正のための覚書に署名したことに、評価の意図ともに留意する。
6.軍隊または武装集団への子どもの徴募および敵対行為における子どもの使用を防止するための国際的措置をさらに強化するため、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
  • (a) 子どもの徴募および敵対行為への関与に関わる選択議定書の規定の違反が締約国の法律で明示的に犯罪とされることを確保すること。
  • (b) これらの犯罪が、締約国の市民である者もしくは締約国と他のつながりを有する者によって、またはこれらの者に対して行なわれた場合の、当該犯罪についての域外裁判権を設定すること。
  • (c) 軍のすべての規則、教範その他の訓令が選択議定書の規定および精神にしたがうことを確保すること。
7.委員会は、志願兵の入隊に関する最低年齢(17歳)はその法定代理人の同意があって初めて有効であることに留意する。委員会はまた、法的には17歳から入隊させることが可能であるにも関わらず、現在のところいかなる未成年者も外人部隊の隊員となっていないことにも留意するものである。
8.委員会は、締約国に対し、選択議定書の精神を全面的に遵守し、かつ子どもに対して全面的保護を提供する目的で、軍隊および外人部隊への入隊に関する最低年齢を18歳に引き上げるよう奨励する。委員会はまた、締約国に対し、軍学校に入学した16歳以上18歳未満の子どもおよび外人部隊の子どもについて、軍人としての地位とは異なる特別な地位を法律で定めることも奨励するものである。
武器輸出
9.委員会は、締約国がEU「武器輸出に関する行動規範」の原則を採択したことを歓迎するものの、これらの原則では、子どもが徴募されまたは敵対行為において使用されている可能性がある国を最終目的地とする武器の販売を除外する基準について具体的に触れられていないことに留意する。これとの関連で、委員会はまた、子どもが徴募されまたは敵対行為で使用されうる国への武器の販売を禁じる具体的罪名が締約国の法律には存在しない旨の、代表団から提供された情報にも留意するものである。
10.委員会は、締約国が、子どもが徴募されもしくは敵対行為において使用されていることがわかっているまたはその可能性がある国が最終目的地である場合における武器の販売の具体的禁止規定の導入を検討するよう、勧告する。
議定書の普及および研修
11.委員会は、選択議定書で対象とされている問題に関する情報の普及および研修について、締約国報告書および事前質問事項に対する文書回答でほとんど情報が提供されていないことを遺憾に思う。
12.委員会は、選択議定書第6条2項に照らし、締約国が、議定書の原則および規定が一般公衆および国の職員に対して広く普及されることを確保するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、子ども(徴募されまたは敵対行為で使用された可能性のある子どもの庇護希望者、難民および移民)とともに働くすべての関連の専門家集団、とくに教員、医療専門家、ソーシャルワーカー、警察官、弁護士および裁判官を対象とした、議定書の規定に関する体系的な意識啓発、教育および研修のプログラムを発展させることも、勧告するものである。締約国は、次回の報告書でこの点に関する情報を提供するよう慫慂される。
13.委員会は、締約国が、軍学校を含むすべての学校ですべての子どもを対象とする人権教育およびとくに平和教育を提供し、かつ、これらのテーマを子どもの教育に含める目的で教員の研修を行なう努力を強化するよう、勧告する。

2.国際的な援助および協力

財政援助その他の援助
14.委員会は、「子どもを戦争から解放する」ためのパリ閣僚級会議(2007年2月5日および6日)の開催など、武力紛争における子どもの保護に関する締約国のさまざまな取り組みを歓迎する。しかしながら委員会は、このような努力において選択議定書またはこの点に関する委員会の活動が十分に考慮されていないことを遺憾に思うものである。
15.委員会は、締約国が、防止活動ならびに選択議定書に反する行為の被害を受けた子どもの身体的および心理的回復ならびに社会的再統合に引き続き貢献するよう、勧告する。さらに委員会は、締約国が、武力紛争における子どもに関する安全保障理事会作業部会の議長国として、国連システム内の調整の強化を奨励するよう、勧告するものである。委員会は、締約国に対し、作業部会の議長国としての立場で、選択議定書に関わる国連の取り組みの相乗効果および調整を促進し、かつ委員会との調整を強化するよう、慫慂する。
16.委員会は、国連平和維持活動に対する締約国の積極的貢献には評価の意とともに留意しながらも、締約国に対し、自国の要員が武力紛争に関与する子どもの権利を全面的に認識すること、ならびに、分遣隊が、これらの権利が侵害されないことおよび加害者が裁判にかけられることを確保する責任について認識することを確保するよう、慫慂する。

3.武装解除、動員解除および社会的再統合に関してとられた措置

身体的および心理的回復のための援助
17.締約国が子どもの庇護希望者および移民の目的地国のひとつであり、かつそのなかには武力紛争の影響を受けている国からやってきた子どももいる可能性があることに留意しつつ、委員会は、文書回答で提供されている締約国の情報に、フランスに入国した子どもの難民、庇護希望者または移民であって国外で武力紛争に関与した可能性のある子どもについての具体的データがまったく含まれていないことを遺憾に思う。これとの関連で、委員会は、フランスにやってきた保護者のいない庇護希望者、難民および移民である子どものうち国外で敵対行為に関与した者を特定するためにとられた措置ならびにこれらの子どもの身体的および心理的回復ならびに社会的再統合に関する措置についての情報が存在しないことも、遺憾に思うものである。
18.委員会は、フランスに到着した子どもの庇護希望者、難民および移民であって国外において徴募されまたは敵対行為で使用された可能性のある子どもに対し、締約国が、とくに以下の措置をとることにより、保護を提供するよう勧告する。
  • (a) フランスに入国する子どもの難民、庇護希望者および移民についてのデータを体系的に収集するとともに、徴募されまたは敵対行為で使用された可能性のある子どもを可能なかぎり早い段階で特定すること。
  • (b) これらの子どもの状況を注意深く評価するとともに、選択議定書第6条3項にしたがい、これらの子どもに、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための、文化的配慮および子どもに対する配慮がありかつ学際的な援助を直ちに提供すること。
  • (c) 子どもが受け入れ国から退去させられなければならない場合に子どもの最善の利益が考慮されることを確保するため、あらゆる必要な措置をとること。これとの関連で、委員会は、締約国が、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(CRC/GC/2005/6)に留意するよう勧告する。
  • (d) この点に関してとられた措置についての情報を次回の報告書に記載すること。

4.フォローアップおよび普及

19.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を関連の政府省庁、国民議会および上院ならびに地域圏および県(海外県および海外領土を含む)の当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。
20.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および委員会が採択した総括所見を公衆一般およびとくに子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。

5.次回報告書

21.第8条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の報告書に記載するよう要請する。当該報告書には、フランスの海外県および海外領土における議定書の実施に関する情報が記載されるべきである。


  • 更新履歴:ページ作成(2011年11月1日)。