78 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 20:28:45

     第2章 メリーゴーランド 


川 ; -;)『…っく…ぐすっ…ひっく…』 

( ;^ω^)『…頼むからいいかげんに泣き止んでくれだお』 

川 ; -;)『……ふえ~ん…』 

( ;^ω^)『…僕だって泣きたいお…ほら、飴玉あげるから…』 

川 ; -;)『…えぐっ…子供扱いするな!! わたしは…君より年上なんだぞ!!』 

( ;^ω^)『そりゃすまんかったですお』 

川 ; -;)『…ふぇ~ん…』 

( ;^ω^)『……』 

かれこれ3時間。 
僕とクーさんはこんな無限ループなやり取りを続けていた。 
死んだ筈の人間が天使の姿で生き返ったと思ったら、朝になったら幼女になっていた。 
急すぎる展開にも程がある。 
大人版クーさんは自分の身に起きた出来事を諦め半分とは言え受け入れるだけの事は出来たが、 
幼女版クーさんはそれも出来ずにただ泣くばかり。 
流石の僕も幼女が苦手になりそうだった。 

83 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 20:32:24
( ;^ω^)『…こりゃ、僕一人じゃどうにもならないかもしれんね』

そう考えた僕は助っ人を呼ぶべく携帯を手にする。
自体は非常にややこしい事になっているが、
どのみちクーさんが生きかえった事はみんなに報告するべき事なのだ。

余談だけど、股間の自家発電に夢中になっている時に
いきなり携帯電話が鳴り出すのは非常に興醒めするものだ。
だから僕は一人ファイト倶楽部中は携帯の電源を切る事にしている。

昨夜は予想できる筈も無いドタバタがあったせいで携帯の電源をOFFにしたまま寝てしまっていた。
電源を入れ、リダイヤルの先頭にある彼女の番号をコールする。

( ^ω^)]『……』

       トゥルルルルルルルルル・・・ガチャ

( ;^ω^)]『ぐ、ぐもーにんナンシー』

       『もしもし、内藤? なんでずっと電源切ってるのよ』

受話器越しに聞きなれた不愉快そうな声が聞こえてきた。

86 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 20:34:24.07
( ^ω^)]『すまんお。ちょっと色々あったんだお』

       『…色々ねぇ。で、今どこにいるのよ?』

( ^ω^)]『家だお。それよりちょっとピンチなんだお。ツンの助けが欲しいお』

       『その色々…ってのがピンチになってる原因って考えればいいのかしら?』

朝早いせいもあってか、ツンは普段より不機嫌度30%増(当社比)らしかった。
約束していた筈の『おやすみコール』をバックレてしまった事も大きな原因のひとつだろう。

( ^ω^)]『そうなんだお!! 電話じゃ説明しづらいから会ったらすぐ話すお』

       『分かったわ。10分で行くから。首を洗って待ってなさい』

( ;^ω^)]『……』

物騒な捨て台詞を残して電話は切られた。

( ;^ω^)『…本能が危険を告げているけど、ツンが来てくれれば安心だお。
       ……………………………………………………・…………………多分』

そうして正確に10分後。

ピンポーン♪

ドアのチャイムが鳴らされた。
僕は体育座りで泣き続ける幼女版クーさんをなだめつつ玄関に走る。

( ^ω^)『ツン!! 待ってたお…・・・って、え??』

88 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:38
  l   l     l         ||  /   ./    /  .l,   .| .|   .l     |; |:::::::::'
      l   l   ├ーーーートト--L,__  ./   ./   .l,   .| |   ゙l    l;; |:::::::"
     l    l    l      | |  l゙  ~"メ=ュ。、/    l,   .| |.  ゙l     |;; ト、::
     ヘ,   i),   l       | |  l   .l゙ _,_ミミミ<;-、,_ヽ,   ゙l, ゙l,  l,    |;; |::.ヾ:, 
      ヘ,  i, i    i,       |. |, l _,.、ト爨爨鈩***+ミミュ;、,_.゙l,;゙l,   l,   |;;; |:::' 
      |l;  i ゙i!  ゙i,     .| |, ,l‐' .|少'´:::::,、‐'""`ヾミミミミミミ;;゙l,,_ ゙l,  |l;;; ゙|::: ..,/ ; 
ヽ      i,i  i ゙i,  ゙i,     | λ  /l:::::::::;/'<つ;;/l;;;;;;;;'),`ヾ默ミミiミミ゙ト;、,,_I」;l」ャ=',ノ::  ::.. 
 |        i;'i, i, ‘i,   ゙i,     λ爨lλ  ト''´ /ブ~ ;;lllll;; ~';;),''::::`爨ミi,~~;'‐┼'F'ト;".‐'"  ';ヽ 
 ヽ.     ゝ i,i, . ゙i,  ゙i,  ./ 儻"゙l;i  l  |;;;;  ;;ll ll;;;‐-,;;),  \キ, 》、 ゙l, ,|::ベ,l;:::::ァ ,,,,,,,,,,,_ 
  ヽ     ゝ.ヾ  `i;. X.ヘ.  Y:::::;'l;i l,  .|;;;;  ;;ll ll;;  ;;;|    ヽ`::::゙l, ゙l, |::::ヘ,l, =''''''''''''''~~ 
    ヽ     \   ,X~.ヽ \;、 l,::;. ヾ, l,  |;;;;  ;;ll,ll;;  ;;;|    :::::::::ヽヽ, |,::::: ヽ        ←ツン 
.     ヽ.      \ ´ ゞ、ヽ. ヾ、ヘ;,. \.', ゙ャ;;,  'ヾll;  ;;;    ,::::::::::::.ヾi、ヾ;;::. \-=- 
ヽ、   \      \  ヘヽ.\.  `ド;、  ヾ、 \;, ,,     ノ    ,ノ::::::::::::::::.ヾ;,l,ヾ;, 
. | ヽ,   \     \  ヘ \\ `i,::\_, ヾ  `ヾ、;;;;;/  _,.。;_,,::l゙゙゙'''::;;;::''''''::.ヾ、 \ 
`1 ヽ、   \     \. \. \\ '、ヽ`ヽ、    _,,.。ャェィン'"  ...:::::::::ァ   '':::.ヽ 
ヽ,\  ヽ、   \     \.ヽ, `ヾ;.、\`'主王王玩=""   _....:::::::ッ"      '':. 
_| \ヽ.  ヽ、    \       \ヘ,.  ヾ、.ヾー----    ....::::::ヌ”"゛ 
゙|  ヽヽ ノ| `ヽ、  \     `ヾ;;、   `ヾ:;.、 
,|   ~ヾ、」     `ヽ、_. `ヽ、.     `ヾ;     ~`ー                   /| 
,.\ /   l`ヽ、    `ヽ、_`ヽ、__   `ヽ、                         ノ/ 
こ,_\    l   `ヽ.       T‐t、_`'‐ュ,__ `ヽ、                       `(, 
 ./ゝぃ、. l.              | ゝ `"'-、,王-、こ;ェ、 
../   ~" l   il         |. \    ~`''''‐-ニニ>、      .:  /ヒュ、,___     __,,,,、-ー-、 
/       l  /|         |   \                   .:::// ./`´ ~~ ̄^''''~~~~~~~~ ~`''´~~`)\ 
      l /|        |    |)、               .:::// ,、ゝ ,、,               ノ ノ 
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      ,l /  .|       .ノ  |   ./   ゙ヽ、_         :::::|| ( 
      l/  .|     .ノ  ∥  ノ      `ヽ、_        `';`ゝ、~~-ー~-----、,、-~-、,,,,...ノーェッー 
      ノ   |/    /./  ./l /            .>、.,_       ̄ ̄ ̄ ̄~~~~~~~~~~~ ̄ ̄ ̄ ̄~゙ 
         /    ノ ノl   |/ /            /    |`'‐ュ, 

92 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:40
( ゚ω゚)『ヒ閼。窩ィカ。●騁釵チ。ァ、!!!!!』

瞬間。
開いた扉から襲い掛かった物質的暴力によって
僕は玄関から正反対の壁まで吹き飛ばされた。
衝突のショックで年代物のアパート全体が大きく揺れる。

ξ#゚⊿゚)ξ『…内藤…あんたって人はっ!!』

赤。青。緑。
様々な花火が乱舞する視界に、土足のまま部屋に上がりこむ悪鬼羅刹の姿が映る。
その攻撃力は昔物語で読んだ『影』を吸収したのではないかとさえ思えた。

( #^ω^)『ちょwwwいきなり何するんだお!!』

ξ#゚⊿゚)ξ『自分の胸に聞いてみなさい…この裏切り者っ!!』

( #^ω^)『何言ってんだお!! この平面乳女っ!!』

言い返すやいなや、暴風をまとった拳の一撃で再び僕は壁に叩きつけられる。

(メ)ω )『…身、身に覚えが無いですお…』

ξ#゚⊿゚)ξ『身に覚えが無いですって…?』

言うとツンは玄関に向けて一瞥をおくる。

(#*゚∀゚)『…その台詞…わたしの前でも言えるかしらねぇ…!!』

…そこには第二の修羅が立っていた。

97 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:43
 ツーさんはツン同様に土足のまま部屋に上がりこんでくる。
古くて痛みかけていた畳に細いヒールが突き刺ささるが、そんな事はお構いなしとばかりな勢いだ。

( ;^ω^)『……』

ちらと部屋を見渡すとクーさんの姿はない。
盛り上がった布団が小刻みに震えているところを見ると、おそらくあそこに避難しているのだろう。

(#*゚∀゚)『…さてと…!!』

ツーさんは壁際にへたり込む僕の前に立つと、腰に手を当て僕の顔を覗き込むように前屈みになった。
その為、柔らかそうな谷間が目の前にあるのは眼福と言わざるを得ない。

(#*゚∀゚)『質問た~いむ。ブーちゃん、昨日の夜何してた?』

…目が笑っていない。正直に答えなくては殺される勢いだ。

( ;^ω^)『…漢の浪漫溢れる幻の大地を目指して、股間の小宇宙を燃やしてましたお』

ξ#゚⊿゚)ξ『日本語でおk』 

なぜかツンまで僕を威嚇するように顔を近づけてきた。
それにしても、こうやってマジマジと見比べると本当に血の繋がった姉妹とは思えないサイズの差だ。

(#*゚∀゚)『…なんか妙な現実逃避してるけど…マジメに答えないと酷い事になるよっ』

ポキポキと指の関節を鳴らす姿に僕は渋々答えた。

( ;^ω^)『タガログ語で言う所のバテバテ…つまり、その…マスターベーショってましたお』

101 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:45
         ぷちん。

ツーさんの後頭部からそんな音が聞こえた気がした。
いや、実際に音がした。
明るい色の髪をポニーテールにしていたゴムが弾け飛んだからだ。

(#*゚∀゚)『ああああああああああああああんたはそんな事までえええええええええっ!!』

(;'A`)『ま、待てって!! まずは落ち着いて!!』

叫ぶやいなや僕に掴みかかってくるツーさんをドクオが背後から羽交い絞めにする。

( ;^ω^)『……ドクオいつからそこにいたんだお?』

('A`)『あ? ツーやツンと一緒に入らせてもらったぜ』

全然気付かなかった。
ダンゴ虫並に存在感がない男だ…。

( #^ω^)『3人ともいい加減にするお!!
       ロンドン・マスターベーションマラソン参加を狙ってる
       僕に対してあまりにも失礼だお!!』

(#*゚∀゚)『問題はそこじゃないさっ!!』

ドクオに抱きかかえられたまま、じたばた暴れつつツーさんが叫ぶ。
まるで活きのいい魚だ。

(#*゚∀゚)『どこで!! 何を見ながらしていたかが問題なんだよっ!!』

103 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:47
( ;^ω^)『……』

どこで? と聞かれれば、それは僕の部屋だ。
しかし…何を見ながらと言われれば返答に困る。
ツンの目の前で

     ( ^ω^)『天使姿のクーさんに顔射しましたお』

などと答えれば、『VIP公園で男性の惨殺死体発見』って感じで明日の朝刊の一面を飾る事になるのは目に見えている。

(#*゚∀゚)『ブーちゃんが言えないならわたしが言ってあげるさっ!!
     ブーちゃんは昨夜全裸でドッ君の家の浴室に忍び込んで
     わたし達がギシアンしてるのを見ながら自主トレに励んでいたんだっ!!』

興奮冷めやらぬ感じで暴れるツーさんをドクオが必死に止めた。

('A`)『で、それをツーが発見。縛り上げてベランダに放置していた筈がいつの間にか逃走。
    証拠は全部揃ってるんだぜ。これ以上罪を重ねるな。大人しく殴られちまえ』

ξ#;⊿;)ξ『内藤…あたしは情けないわ…。変態なのはずっと前から分かってたけど…。
      お願い。正直に罪を認めて。今なら9分殺しで許してあげるから…』

そう言ってツンは顔を真っ赤にしながら涙を流し始めた。
しかし。

( ^ω^)『……』

( ;^ω^)『は? それ何の事ですかお?』

105 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:49
 (#*゚∀゚)#;⊿;)ξ'A`)『……』

僕の一言で空気が凍った、と思ったのも一瞬の事。
ドクオに抱えあげられたまま両足をブンブンと振り回しツーさんが叫んだ。

(#*゚∀゚)『あああああああああんたはまだシラ切るつもりかぁっ!!!!!』

( #^ω^)『嘘じゃないお!! 僕は昨夜はずっと部屋にいたお!!』

('A`)『おいおい…往生際悪いぜ。俺とツーは間違いなくお前を見た
    …つーか2人がかりで散々殴った後、縛り上げたんだからな』

(#*゚∀゚)『そうだよっ!! ブーちゃんがずっとココにいたってのを
     証明できる証人でもいるってのかいっ!?』

              『証人』

その単語に僕の頭はサッと冷静になる。
確かに『証人』は存在する。
しかし今その存在を顕にする事は、この誤解されまくりのややこしい状況を更に混乱させる。
言わば火にガソリンを注ぐ愚行に等しい。

さらにゆっくり部屋を見渡せばそこにあるのは散乱したビールの空き缶。
ちょうど2人分の食事の後。そして、ツンの足元であきらかに怪しく盛り上がった布団。

( ;^ω^)『…なんだか危険が危ない予感がするお』

騒ぐツーさんを放置して、ちらとツンに視線を向ける。
ツンはジッと小刻みに震える布団を見つめていた。

113 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:51
ξ^ー^)ξ『ヘイ、ジミー』

振り返ったツンが満面の笑みを僕に向ける。
そして、かすかに震え続ける布団を指差し言った。

ξ^ー^)ξ『ここにいる方はひょっとして【証人さん】じゃないかしら?』

その言葉にツーさんとドクオはピタリと動きを止める。

ξ#^ー^)ξ『…わざわざ携帯の電源まで切って…ずいぶんお楽しみだったみたいじゃない?』

('A`)『そう言われれば…』

(*゚∀゚)『…明らかに酒盛りの後っぽい部屋の雰囲気だね』

( ;^ω^)『……』

('A`)『…え~と』

(*゚∀゚)『…浮気? それともデリヘル?』

( ;^ω^)『ど、どっちも違いますお!!』

嫌な予感は的中した。
どうやら覗き魔の疑いは晴れそうだけど、3人の頭の中ではギコさん並のロクデナシ男指定されようとしているのは間違い。
更に言えばツンは嫉妬深い上にデリヘルとかの風俗が大嫌いだ。
一度ギコさんとおっぱいランドに行った事がバレて潰れる寸前まで踏みつけられた経験がある。

ξ^ー^)ξ『そう…違うんならいいんだけどね…』

117 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:53
 僕はその言葉にホッと胸をなでおろした。
…のもつかの間。

ξ#゚⊿゚)ξ『…なんて言うとでも思ったかぁっ!!!!!!』

怒号一閃。
力任せに布団を剥ぎ取った。

川;゚ -゚)『ひゃあっ!!』

突然の騒動から身を隠そうと布団にしがみついていたクーさんは
その勢いで当然の如く放り出される。
1回2回と床を転げた後、ペタンと尻餅をついて僕ら4人の中心に座り込む格好になった。

ξ;゚⊿゚)ξ;'A`);*゚∀゚)『……』

( ;^ω^)『……』

川;゚ -゚)『……』

重苦しい沈黙を破って3人がそれぞれの疑問を口にする。

(;*゚∀゚)『これって…新手の風俗?』

(;'A`)『まさか…隠し子?』

ξ;゚⊿゚)ξ『ひょっとして…幼女誘拐?』

( ;^ω^)『あるあr…ねーよwww』

122 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 20:57
 (メ)ω )『…お茶が入りましたお』 

それから一悶着を終えてようやく僕は3人の闖入者を大人しくさせることに成功した。 
言葉にすれば一言だけど、かなり苦労したのも事実で。 

(;*゚∀゚)『…なんつーか…昨夜部屋にずっといたってのは本当みたいだけど』 

(;'A`)『…流石にこれは引くわ』 

ξ;⊿;)ξ『内藤!! あたし情けないわ!! あんたも、あんたを信じた自分も情けない!!』 

こんな感じで騒ぎ立てる3人をなだめすかし、口説き、威嚇し、殴り、殴られ、蹴られ、張り飛ばされ、 
叩かれ、物をぶつけられ、後楽園ホールを埋め尽くした超満員観客の「幕の内」コールの中デンプシー・ロールを喰らい…。 
そんな経緯を経て、3人は小さなテーブルを囲んで座り込んでいる。 

(*゚∀゚)『それにしても…これがクーさんねぇ…』 

言いながらツーさんは幼女の頬をつついたり引っ張ったりして遊んでいる。 

川#゚ -゚)『これって言うな。わたしは年長者だぞ』 

('A`)『いや、年長者言われても無理がありすぎる』 

ξ゚⊿゚)ξ『確かに言動や物腰はクーさんなんだけどねぇ…』 

( #^ω^)『みんな、しつこいお!! 何回説明したら分かってくれるんだお』 

僕はテーブルにお茶を並べながら答えた。

125 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:00
(*゚∀゚)『しつこいって言われたってねぇ』 

ツーさんがお茶をふーふーと冷ましながら言う。 

(*゚∀゚)『知り合いの家に行ったら幼女がいて、 
     しかもそれが死んだ筈の人間が生き返った姿であると。 
     それを無条件で信じてくれって言われてもねぇ…』 

('A`)『簡単には信じられないよなぁ。常識的に考えて』 

ξ;⊿;)ξ『内藤…あんたは疲れてるのよ。一緒にホスピタル行きましょう。 
     入院すれば外出の自由はないし、自殺防止の為に壁がウレタンで出来てるけど 
     全部あなたの為なのよ…大丈夫、怖くないから』 

( ;^ω^)『勝手に精神病扱いするなお。 
       みんなはあの光景を見ていないから信じられないんだお』 

そう言って僕は身振り手振りを交えながら、今日何度目かになる説明を開始する。 

( ^ω^)『ハァハァしてたらぱぁ~ってなって、ドピュっでうひゃぁぁぁぁぁで、 
       な、何ぃ…!?でパンッなんだお!! 
       で、ご飯食べて寝て朝起きたら幼女になってたんだお!! 
       ちなみに黄色い救急車は都市伝説で存在しないから覚えておけお!!』 

(*゚∀゚)'A`)゚⊿゚)ξ『 そ の 説 明 じ ゃ 分 か り ま せ ん 』 

( #^ω^)『みんな、しつこいお!! 何回説明したら分かってくれるんだお』 

僕が再度説明を繰り返そうとした時、突如クーさんが毅然と立ち上がった。 

128 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:02
川#゚ -゚)『条件とか…常識とか…くだらない!!』 

言いながら窓に近づいていく。 

川 ゚ -゚)『わたしはずっとお前達に会いたかった。 
     ただ、お前達を見ているだけしか出来ない場所で…どんなに寂しかったか… 
     今こうしてお前達と会えて…どんなに嬉しかったか…!!』 

窓を開ける。部屋に風が吹き込みクーさんの黒髪を躍らせる。 

川 ゚ -゚)『わたしは…お前達も喜んでくれると思っていた。 
     この喜びを分かち合えると思っていた!!』 

叫ぶやいなや、その体を包みこむように輝く火の粉が舞い落ち、 
一瞬にして小さな体に不釣合いな翼が背中に広がった。 

川 ゚ ー゚)『しかし…しかしお前達は常識とか…そんなくだらない物だけでわたしを否定するのだな』 

ξ;゚⊿゚)ξ;'A`);*゚∀゚)『……』 

3人はただその光景を口をポカンと半開きにして眺めている。僕にはクーさんが何をしようとしているか分かった。 

( ゚ω゚)『ま、待ってクーさ』 

川 ; -;)『わたしはここにっ…間違いなくここに存在しているというのにっ!!』 

僕の制止の声はクーさんの悲痛な叫びにかき消される。 
クーさんは開いた窓から身を投げだしーーーーーそのまま空に羽ばたき空に消えた。 
光り輝く羽がひらひらと舞い落ちてきた。

133 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:04:12.23

     第3章 あの娘にタッチ 


( ゚ω゚)『クーさんっ!!』 

僕はクーさんが飛び出した窓から身を乗り出し、その姿を追う。 
しかそこにあるのは一点の曇りもない青空だけ。 

( ゚ω゚)『そんな…せっかく会えたのに…』 

僕はガックリとその場に膝まづく。 

ξ;゚⊿゚)ξ『ちょ…あれって…』 

(;*゚∀゚)『本物の…天使?』 

(;'A`)『って事は…マジでクーさん…なのか?』 

ぼくは呆然と立ち尽くすドクオに掴みかかった。 

( #゚ω゚)『だから何度もそう言った筈だお!! 
      クーさん、あんなに辛そうな顔して…。 
      みんな酷すぎるお!!』 

(;'A`)『…すまん』

137 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:07:52.23
( #゚ω゚)『謝って済む位ならVIP警察はいらんお!!』 

そう言って項垂れるドクオになおも掴みかかる僕を 
ツーさんが止めにかかる。 

(;*゚∀゚)『ブーちゃん、落ち着きなよ!!  
     んな事したってクーさんが戻ってくるわけじゃないんだよっ!! 
     こんな事言えた義理じゃないけど、今はどうやってクーさんを見つけるかを考えないと…』 

ξ#゚⊿゚)ξ『そうよ!! 
      第一ね、死んだ人間が生き返りましたなんて話を信じなかったからって 
      責めらんなきゃいけない義務はないわ!! 
      この際言わせてもらうけど、あんたは昔っからクーさんの事になると目の色変えて…!! 
      どー考えても川 ゚ -゚)>ξ゚⊿゚)ξです!! 
      本当にありがとうございましたっ!!』 

( #゚ω゚)『逆ギレかお!! 
      そんな、「ハルヒとすき焼きどっちが大切なのよ!?」 
      みたいな事考えてるから仲間を信じられないんだお!!』 

ξ#゚⊿゚)ξ『…!! 屁理屈言ってんじゃないわよ!! この、ラード・ボール!!』 

( #゚ω゚)『黙るお!! 陥没乳女!!』 

一触即発の僕とツンの間に再度クーさんが割って入った。 

(*゚∀゚)『はいはい、それまで!!夫婦喧嘩は犬も喰わないよっ!! 
     それよりブーちゃん!! んな事してる間に大事なクーさんはどっか行っちゃうよっ!! 
     少し頭冷やさなきゃねっ!!』 

140 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:10:13.69
それで僕は少しだけ冷静になれた。 

( ´ω`)『…正直すまんかった。確かに喧嘩してる場合じゃないお…クーさんを探さないと…』 

(;'A`)『いや、俺達も悪かったんだし…。でも正直どうすりゃいいのかわかんねぇよ』 

ドクオはそう言ってツーさんをちらと見た。 

(;*゚∀゚)『…そんな目で見られたってわたしだってどーすりゃいいのか…』 

('A`)『どっかクーさんが行きそうなトコ探してみるしかないんじゃねーか?』 

(*゚∀゚)『そーすると、ショボンさんとかギコさんの力借りた方が良さそうだね』 

そう行動方針が決まり、僕がギコさんに。ツーさんがショボンさんの携帯に連絡を入れる。 
『クーさんが生き返ったけど行方不明になった』とか言うと話がややこしくなるので、 
とりあえず『相談がある』と言ってバーボンハウスに呼び出す事にした。 
休日の暇を持て余していたらしいギコさんはすぐ承諾してくれたのだけど…。 

(;*゚∀゚)]『それは違うって!! 絶対人違いだから!!』 

なにやらツーさんがショボンさんとの会話で悪戦苦闘している。 

ξ゚⊿゚)ξ『ちょっと、お姉ちゃんどーしたのよ?』 

(*゚∀゚)『いやね、ショボンさんが公園でいい男に襲われていたブーちゃんを保護したとかイミフな事言ってるんだよね…』 

( ^ω^)『……』 

( ^ω^)'A`)゚⊿゚)ξ『は?』 

151 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:14:04.73
 【本日定休日】のプレートがかけられたバーボンハウスのスタッフルーム。 
僕らが到着した時、ギコさんは季節外れの電気ストーブをどこからか引っ張り出してきて 
その前で背を丸めて座り込んでいた。 

( ,,゚Д゚)『…で、今日はなんの集まりだゴルァ』 

赤外線で両手を炙りながらギコさんが言う。 

( ^ω^)『…ショボンさんが来るまで…待って欲しいお』 

( ゚∀゚)『…なんだそりゃ?』 

(*゚∀゚)『そう急かさないでおくれよ。正直わたしらも混乱してるさ』 

(*゚ー゚)『……?』 

困惑顔の僕ら4人を更に困惑顔の3人が見つめる。 
そんなシュールな光景の中、静かに時間だけが過ぎていく。 

ξ゚⊿゚)ξ『貧乏ゆすり止めなさいよ』 

( ^ω^)『…すまんかったお』 

ドクオがタバコを3本灰にするほどの時間が過ぎて、ようやく最後の一人が到着した。 
ボロボロの毛布に包まれた【何か】を乗せた、ゴミ捨て用の台車を押している。 

(;´・ω・)『お待たせ。内藤君が重くてね…って、あれ? 
      なんで内藤君がここにいるの?』 

156 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:17:26.06
( ;^ω^)゚⊿゚)ξ'A`)*゚∀゚),,゚Д゚)*゚ー゚)゚∀゚)・ω・`)『・・・・・・』 

(主゚ω゚)『・・・・・・』 

車座になって困り果てている僕らの中央には傷だらけで失神している醜い豚男がいる。 
首からペンダントを下げただけの全裸で全身に縛られた痕がある。特に臀部からの出血が酷いようだ。 

( ^ω^)『・・・なんだお、この豚』 

('A`)『どう見てもお前じゃねーか…つか、こいつが覗きの犯人じゃねーか?』 

(*゚∀゚)『あの時も思ったけど、見事なまでにお粗末だねぇ…ブーちゃんもこんな感じかい?』 

( ゚∀゚)『おいおい・・・こんなんで満足できるのか?』 

ξ///)ξ『うるさいわねっ!! 大切なのは相性よっ!!』 

( ,,゚Д゚)『満足できなかったら何時でも言ってきていいぞゴルァ』 

(´・ω・`)『…何にしても、この豚君に目を覚ましてもらわないと話になりそうにないね』 

そう言ってショボンさんはジャケットの裏ポケットからウィスキーの小瓶を取り出した。 

( ゚∀゚)『そんなんで目ぇ覚ますのか?』 

(´・ω・`)『アルコール度数が高いお酒は気付け薬になるんだよ。 
      ま、大丈夫さ………多分ね』 

そう言ってショボンさんは気絶しているそいつの口をこじ開け、ウィスキーを流し込んだ。

162 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:19:30.77
(主゚ω゚)『…も……もるすぁ…』 

なんだかワケの分からない事を呟きつつ、ゆっくりと目を開く。 

(´・ω・`)『お、良かった。成功した』 

( ;^ω^)『…失敗したらどうするつもりだったんだお…』 

そいつは二度三度と頭を横に振ると、状況を確認するように周囲を見渡した。 
そして、一人の女性と目があうとそこで視線を固定する。 

(主^ω^)『………』(゚∀゚*) 

(主゚ω゚)『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! さ、殺人鬼っ!!』 

(#*゚∀゚)『っこの・・・覗き魔がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 
     聖域を汚した罪は重いよっ!! 
     その粗末なの切り落として糠漬けにしてやるさっ!!』 

掴みかかるツーさんをドクオが必死に止める。 

('A`)『待て待て待て待てっ!!!! とりあえず落ち着けっ!! 
    こいつの話を聞かない事にはどうにもならねぇ!!』 

(#*゚∀゚)『・・・分かったよっ!! あんたが何であんなトコにいたのか・・・? 
     あんたは何者なのか・・・? しっかり話してもらうよっ!! 
     誤魔化したりしたら熱々おでん・しかもがんもどきの刑だからねっ!!』 

(´・ω・`)( ,,゚Д゚)( ゚∀゚)(*゚ー゚)『・・・?』 

167 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 21:23:51.21
コックコートを着込んだそいつの口から出た話はとても信じられるものではなかった。 

ーそいつが異世界の人間である事。 

ーそいつの住む世界はFOXと言う男に滅ぼされた事。 

ーFOXを倒す為、『DAT』と呼ばれる魔石の欠片を求めて旅をしている事。

( ,,゚Д゚)『…俄かには信じられねぇなぁ』

(´・ω・`)『うん、酔っ払いの戯言としか思えないね。なんだか彼、少しお酒臭いし』

半信半疑・・・いや、一信九疑の大人組。
でも、僕はこの豚男の言葉を信じる他なかった。
つか、お酒臭い原因を作ったのはショボンさんだ。

( ^ω^)『・・・もしかして、そのDATの力でクーさんは生き返ったのかお・・・?』

僕の呟き声にギコさんが反応する。

( ,,゚Д゚)『クーが生き返った!? 内藤!! そりゃ、どーゆー事だ!!』

( ;^ω^)『おっ、おっ・・・それは・・・』

( ,,゚Д゚)『言え!! とっとと言わねぇと只じゃすまさねぇぞゴルァ!!!』

( ;^ω^)『・・・分かりましたお』

ギコさんに胸ぐらを掴まれ、今度は僕が長々と説明を始める番だった。

172 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:28:18
(´・ω・`)『なるほどね・・・この世界に存在しないDATの力で死んだ筈のクーが生き返ったと・・・』

( ;゚∀゚)『そんなバカな・・・と言いたいトコだが・・・』

ξ゚⊿゚)ξ『実際あたし達もクーさんを見てるのよね』

(*゚∀゚)『しかも幼女になって・・・』

('A`)『羽生えて空飛んでった・・・』

( ,,゚Д゚)『・・・ここまで目撃証言があると、集団幻覚ってワケじゃなさそうだぞゴルァ』

(*゚ー゚)『ドッキリ企画って訳でもなさそうだしね』

ギコさんはなんとか納得したのか、ようやく僕のシャツから手を離した。

(´・ω・`)『…事は緊急を要するね』

ショボンさんが微デブのクセに軽くポーズを決めて呟く。

(´・ω・`)『ブタ君の話だと、FOXとやらもDATを狙っているみたいじゃないか。
      早くクーに知らせないと、彼女の身が危ない』

僕はその言葉にハッとした。

( ゚ω゚)『そ、そうだお!! 早くクーさんに知らせないと危険がデンジャラスだお!!』

すぐにでも駆け出そうとする僕をショボンさんが止めに入る。

(´・ω・`)『内藤君、落ち着いて!!』

178 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:34
( ゚ω゚)『ショボンさん!! なんで止めるんだお!!』 

上下関係も無視して怒鳴りつける。 
鼻息が異常に荒くなっているのが自分でもわかった。 

(´・ω・`)『いいかい。敵は1つの世界を滅ぼした程の化け物だよ。 
      当然、クーを探すうちに敵と遭遇する事もあるだろう。 
      そんな奴を相手に一般人の僕らに何が出来るんだい?』 

その言葉はもっともだった。 
僕は無意識のうちに拳を硬く握り締める。 

( ^ω^)『…それでも僕はクーさんを探しに行くお』

(´・ω・`)『…本気かい?』

( ^ω^)『…みんなはここで待っていてくださいお。僕一人でクーさんは探し出してみせるお』

(´・ω・`),,゚Д゚)*゚ー゚) ゚∀゚)*゚∀゚)'A`)『……』

( ^ω^)『必ず…必ずクーさんとココに戻ってきますお』

そんな僕の肩を背後から軽く叩く誰かの腕。

('A`)『…水臭い事言うなよ。俺も行くぜ、親友』

( ^ω^)『…ドクオ』

184 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:38
(*゚∀゚)『包丁は当然武器になるだろうし…中華鍋は盾代わりになるね』 

( ゚∀゚)『豆板醤なんか目潰しになるんじゃないか?』

( ^ω^)『…ツーさん…ジョルジュさん』

(*゚ー゚)『ギコ君はどうするの? 当然行くんでしょ?』

( ,,゚Д゚)『あぁ。俺にはクーに会ってやらなきゃならねぇ事があるからな』

( ^ω^)『ギコさんまで…』

ξ゚⊿゚)ξ『……』

ショボンさんが言うように敵の力は強大だ。
それでも僕らは行く。行かなくてはいけない。
もし、殺されても後悔はない。笑いながら殺されてやる。

(´・ω・`)『…そうだね。君達ならそう言うだろうね』

ショボンさんが諦めたように溜息をついた。

(´・ω・`)『本当は君達にはここで待っていてもらって僕一人で行こうと思ったんだけどね。
      全く…君達はバカだよ…バカだけど…最高のスタッフだ』

そういうショボンさんの瞳には今にも零れ落ちそうな涙が輝いていた。

(´;ω;`)『何言ってるんだい…君だって目に涙溜めてるくせに…』

( ;ω;)『そ…そんな事ありまs』

185 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:41
・ 












(主^ω^)『あの…盛り上がってるトコすいませんけどこの世界にはFOXの手下は100%来ていませんお』 












( ^ω^)'A`)*゚∀゚)゚∀゚)*゚ー゚),゚Д゚)・ω・`)゚⊿゚)ξ『………』 

189 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:43
( #^ω^)『…このビチグソがぁ』

(主#^ω^)『失礼な!! 勝手に盛り上がったのはそっちだお!!』

( ,,゚Д゚)『醜い争いしてんじゃねぇぞ、バカとブタ』

これ以上脱線してはいられないとばかりにギコさんが口を挟む。

( ,,゚Д゚)『解せねぇな…そのFAXとやらもDATを集めてるんだろ?
      なんでここには手下を送り込んでこねぇんだ?』

(主^ω^)『理由はいくつか考えられますお』

そいつは『こんな奴には構っていられない』的な態度で僕から視線をはずし答えた。

(´・ω・`)『理由?』

(主^ω^)『はいですお。まず、この世界に落ちたDATの力がFOXにとって実用的じゃないからですお』

('A`)『よく分からねぇな』

(主^ω^)『つまり、ここの欠片は僕達の世界ではほとんど無力。
       FOXにとっても僕が入手するのを妨害するほどの価値はない代物だお。
       でも、僕にとってはDATを完成させるために必要であって…』

(*゚ー゚)『なんとなく…分かったような分からないような…』

196 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:44
( ゚∀゚)『お前らの世界では無力って事は…逆に言えば俺達の世界では力を発揮する、と?』

(主^ω^)『多分ですけど…それしか考えられませんお。
       この世界と欠片の相性が良かったんじゃないかと思いますお』

(´・ω・`)『なるほどね。じゃ、次の質問。
      その欠片とやらはこの世界でどんな力を発揮するのか?』

ショボンさんの質問を聞いた豚は目を閉じて首から下げたペンダントを握り締めた。

(主‐ω‐)『ちょっと待って欲しいお。DATに聞いてみるお。
       …これはすごいお。よっぽどこの世界と欠片の相性が良かったんだお』

ξ゚⊿゚)ξ『もったいぶらないで早く言いなさいよ』

(主^ω^)『…DATに触れている者の願いの実現化だお』

(´・ω・`)『……? つまり、手にした人の願いが叶うって事でいいのかな?』

(主^ω^)『しかも、触れている者の願いを無差別に叶えていく…やっかいな代物だお。
       欠片の力には制限があるから永続的な願いは無理だけど…』

( ,,゚Д゚)『…って事は、DATとやらを手にした誰かが意識してかしないでか
     クーが生き返る事を願っていた…と?』

その言葉にみんなの視線が僕に集中する。

( ;^ω^)『な…なんだお…?』

199 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:47
('A`)『なんだじゃねーだろ…』
(*゚∀゚)『どう考えても…』
( ゚∀゚)『一番怪しいのはお前だよな…』
ξ゚⊿゚)ξ『さぁ!! 早く出すもん出しなさい!!』

( ;^ω^)『何言ってるお!! 僕は何も持ってないお!!』

本当に心当たりがないんだから仕方がない。 
否定する僕にツーさんが詰め寄る。 

(*゚∀゚)『ムキになるトコが一層怪しいっさ!!』 

( ^ω^)『ちょwww待つお!! なんで脱がす必要あるんだお!!』 

(主^ω^)『…残念ながらここにいる人は誰も【欠片】を持っていないみたいですお』 

(*゚∀゚)『…ちぇっ』 

その言葉でツーさんは半分まで脱がしかけた僕のジーンズから手を離した。 

( ;^ω^)『いやいや。ちぇっ、じゃないですお!!』 

僕は言いながら慌ててズボンを引き上げる。 

(´・ω・`)『って事は僕らはクーを探すと同時に、その【欠片】を持ってる誰かを探さなくちゃいけないのかな?』 

ショボンさんの言葉に豚はキザな外人がやるように人差し指を立て、器用に左右に振った。 

(主^ω^)『そうとも言い切れませんお』

201 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:49
(´・ω・`)『って言うと?』 

(主^ω^)『いくらこの世界と欠片の相性が良いって言っても、 
       死んでいる筈の人間を生き返らせる為にはよほど強い願いが必要なはずですお』 

(*゚ー゚)『クーさんと密接な関係にあった人が持っている可能性が強いって事かな?』 

(主^ω^)『そうですお。もしくは彼女が直に欠片を所有しているか…』 

( ,,゚Д゚)『それはねぇんじゃねぇか? 願いを叶えるもクソもクーが死んでから一年以上経ってるんだぞゴルァ』 

(主^ω^)『…もし、欠片とクーさんの願い事が共鳴したのが彼女が亡くなる直前で力を発揮したのが最近だとしたら? 
       もしくは、彼女の残留思念が残る物質とDATが共鳴した…。 
       ありえない話ではありませんお…』 

(´・ω・`)『あくまで仮定の範疇を出ない話だけどね。 
      現状ではクーとDATの両方を探さなきゃいけないみたいだ』 

( ゚∀゚)『なんか先の見えない話だなぁ…もっとさ、ヒントになるようなネタはねぇのか?』 

彼は額に指をあてて考え込むポーズを取った。 

(主^ω^)『…欠片はその世界ごとに形を変えているみたいですお。 
       あっても不自然じゃないけど、見る人が見たら違和感を覚えるような…。 
       その形が分かれば皆さんなら推理出来るのではないでしょうかお?』 

(´・ω・`)『それだ!! なんとかそれが分からないかな!?』 

彼は再びペンダントを握り締め、意識を集中させる。僕らはただそれを見守り彼が口を開くのを待った。 

203 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 07/03/19 21:52
 (主‐ω‐)『…白…純白?』 

('A`)『範囲広すぎだろ…常識的に考えて…』 

(主;‐ω‐)『…この世界は僕の持っている【欠片】と相性があまりよくないみたいだお』 

(*゚∀゚)『弱音吐いてんじゃないよっ!! 牡だろっ!!』 

(主‐ω‐)『……鳥…? いや、……翼…?……』 

そこまで言ってブタは大きく息を吐き出した。 

(主;^ω^)『はぁ…はぁ…すまんですお…ここまでが限界ですお』 

(´・ω・`)『いや、十分なヒントだよ』 

ショボンさんは労う様にブタの肩を軽く叩く。 

(´・ω・`)『キーワードは【違和感を感じる物】【白】【翼】。総合すると【欠片】の持ち主は一人しか考えられない』 

(*゚ー゚)『…服におもちゃの羽を飾るの好きだったしね☆』 

そう言えば。僕の頭に思い当たる事がある。 

( ^ω^)『いきなり幼女になった時も、僕に幼女は好きか?って質問してからでしたお』 

( ,,゚Д゚)『決まりだな、ゴルァ』 

(´・ω・`)『あぁ。彼女は事故にあった日もコートにおもちゃの羽を飾り付けていた。 
      【欠片】を持っているのは間違いなくクーだ』 

212 名前: 美容師見習い(埼玉県) 投稿日: 2007/03/19(月) 22:00:27.69
 ( ^ω^)『それじゃ、早速クーさんを探しに…』 

( ゚∀゚)『ちょっと待て。1つだけ気になることがある』 

丸太の様に太い腕を組んで、なにやら考え込んでいたジョルジュさんが口を挟んできた。 

(*゚∀゚)『? どしたんだい?』 

( ゚∀゚)『いやな。さっき、そいつが「永続的に効果は続かない」みたいな事言ってたよな? 
     もし、タイムアップになったらどうなるんだ?』 

(主^ω^)『……欠片は力を失ってただの石ころと見掛けが変わらなくなりますお。 
       そうなったら探し出すことはまず不可能ですお』 

( ,,゚Д゚)『んな事はどうでもいい。クーはどうなる?』

(主^ω^)『…分かりませんお。霧のように消えるか、体が腐ってまた死んでしまうか…。
      おそらく日没まででタイムアップですお…』

その言葉に僕は慌てる。

( ^ω^)『そ、そんな…!! 早くクーさんを探し出さないと大変じゃないかお!!』

( ,,゚Д゚)『お前さっきからそればっかじゃねーか。ま。その意見には賛成だぞゴルァ』

ギコさんがその後に続けた言葉は僕ら全員を驚かせた。

( ,,゚Д゚)『クーがそんな醜態を晒す前にちゃんと殺してやらねぇとな…』
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最終更新:2007年03月19日 23:24